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大阪市交通局の「赤バス」、廃止か?

 多額の赤字に苦しむ大阪市交通局のバス。敬老パスがICカード化されたために特別乗車料繰入金が利用実績に応じて大幅に減少(2008年度予算89億円→2009年度予算46億円)し、経常損益の赤字は大幅に拡大しました(2008年度予算29億円→2009年度予算73億円)。このままでは、バス事業どころか、大阪市自体が危ない状況になります(「地方公共団体財政健全化法」の絡みで)。そこで、大阪市は、市営バス事業の改革プラン「アクションプラン」(案)を作成しました。

 当然、この改革により赤字路線は廃止されることになります。廃止されるのは45系統ありますが(現在の市営バスは155の系統があります)、その中には「赤バス」28系統がすべて含まれます。「赤バス」は2002年から導入されたコミュニティバスで、真っ赤に塗られているのが特徴です。バスとはいえないぐらいの小型の車体で、ワゴン車より少し大きいぐらいです。

 「赤バス」の運賃は100円と安いのですが、あまりにも遅く、敬老パスをもったお年寄りぐらいしか利用者がありません。収益が出るはずがないのです。しかも、大阪市の場合は「赤バス」がなくても鉄道やバスが発達しており、「赤バス」がなければ困るような地域はほとんどないのが実情です。バスで収益を上げるにはお金を出して乗ってもらう必要がありますが、自転車より遅いバスに乗る物好きはそういません。「アクションプラン」にも、経済性どころか、公共性も著しく低いと評され、存在価値は全くありません。廃止は当然の結論でしょう。コミュニティバスの類は全国にたくさん走っていますが(2007年度末時点で1087市町村)、「使えない」バスが多いのが現状です。

 この「アクションプラン」が実行されると76億円の収支改善効果があり、市営バス事業も黒字に転換しますが、実現できるかはわからないです。最大の問題は、お金は払わないが利用する高齢者と、その高齢者の票が欲しい議員。選挙のためなら、たとえ経済性どころか公共性のないバスでも「廃止反対!」と叫ぶでしょう。経済性も公共性もないところに経営資源をつぎ込むより、必要性の高いところに経営資源をつぎ込むことが大切です。お金を払って乗ってくれる人をいかに増やすかが、市営バス事業にとっては一番必要なことではないでしょうか?
(参考:YOMIURI ONLINE http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20090611-OYO1T00225.htm?from=main2、大阪市交通局ホームページ http://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/kotsu/0000040556.html)

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バス」カテゴリの記事

Comments

>経済性どころか公共性のないバスでも「廃止反対!」と叫ぶでしょう。

公共性があるかどうかは別としても、(営業と別次元の)「自治体の政策上で設置する路線から発生する赤字は、自治体が事業者に補助する」というしくみができないと、かつての国鉄みたいに責任の範囲が無分別になって事なかれにならないかと心配します。

Posted by: ちゃいにーず | 2009.06.12 at 08:25 PM

 ちゃいにーずさん、こんばんは。

* 公共性があるかどうかは別としても、(営業と別次元の)

 今回は市営バスなので、赤字は市が負担することになりますね。最終的には市民及び市にある法人が負担することになりますが。

 必要な路線なら公が負担することはありでしょうが、要不要の見極めが大切ですね。

Posted by: たべちゃん | 2009.06.12 at 09:37 PM

>コミュニティバスの類は全国にたくさん走っていますが(2007年度末時点で1087市町村)、「使えない」バスが多いのが現状です。

大阪市のように、他の代替手段がある都市はコミュニテイバスなど不要かもしれませんが、他の地方都市ではどうでしょうか。
車を持たない利用者にとっては、必要なものではないでしょうか。

また、普通の乗り合いバスでは大きすぎる路線にはコミュニテイバスは適しているし、むしろ通常のバスをコミュニテイバスに切り替えた方が、コスト削減になると思えます。

Posted by: かにうさぎ | 2009.06.13 at 09:31 AM

 かにうさぎさん、おはようございます。

* 車を持たない利用者にとっては、

 それはその通りです。しかし、大半のコミュニティバスは、車が使える人には無価値の存在です。本数は少なく(場所によっては休日はもちろん、平日でも運転されない日があります)、遠回りするため遅い。お金を払ってまで乗るようなものではありません。

* また、普通の乗り合いバスでは

 確かにあまり需要のない路線では、小型のほうがコストダウンになりますね。

Posted by: たべちゃん | 2009.06.14 at 06:53 AM

>本数は少なく(場所によっては休日はもちろん、平日でも運転されない日があります)、遠回りするため遅い。

多くのバスは循環形式、それも一方向になっているため、そこに目的地が見えていながらグルグル回ることがある。
ルートや運行形態の見直しは必要でしょう。

Posted by: かにうさぎ | 2009.06.14 at 11:16 AM

 かにうさぎさん、おはようございます。

* 多くのバスは循環形式、それも一方向に

 いろいろなところに行くことができるように、と欲張りすぎて逆に使いにくくなっている面がありますね。

 はっきり言ってそれなりの需要があれば打つ手はあるのですが。

Posted by: たべちゃん | 2009.06.16 at 05:26 AM

さて、こんな話を大正区のバスの中で聞きました。
お年寄りの話ですが、
A:「赤バスを家に近い地域(鶴町)まで走らせてほしい」
B:「そうだね、もっと年寄りが利用するしね」
C:「橋本府知事が大阪市の知事になれば、福祉バスを増やすから期待しようね」
B:「市バスも全て民間(南海・近鉄)に走らせればもっと便利になって職員の給料も税金を使わなくて済むしね。」
A:橋本知事がバスは民間にすると言ってたね」
C:「市内なら敬老パスがあればバスも地下鉄もむりょうだからね」
B:「そりゃ~わしらは今まで税金を納めたんやから当然の権利やからな乗り物無料は当たり前やろ」

???あれですね。あなたたちの納めた税金は当時に使い果たして借金だらけにしてないでしょうか?と問いたかったです。

民間バスにすれば、一律200円で乗れるなんて無理だろうし乗り継ぎ券だって赤字を増やす温床ですから廃止になるだろうし、本当に大阪市で暮らす人は目先だけの損得勘定しかできなくなったのかなと思います。

他の都道府県でも100円バスは存在しますが、特定地域バスの収益責任を交通局に丸投げするような自治体も珍しいなと思いましたね。

Posted by: マイノリ | 2011.02.19 at 09:15 AM

 マイノリ さん、おはようございます。

* さて、こんな話を大正区のバスの中で聞きました。

 こんなことではいくらお金があっても足らないですね。

 少子高齢化の今では、高齢者より子供のほうが貴重です。高齢者への福祉を削り、子供へ手厚くすることが望まれます。

 選挙の票目当てで将来に禍根を残してはいけないのです。孫が貧乏になってもよいのでしょうか?

Posted by: たべちゃん | 2011.02.20 at 07:21 AM

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