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阪堺、堺市内の存廃は秋にも判断

 竹山堺市長は22日、阪堺の親会社である南海に、LRT計画の中止を正式に申し入れました(昨年の11月の申し入れは、どうやら正式なものではなかったようです)。南海もこの申し入れを了承したため、先進的だった堺のLRT計画は完全に消えてしまいました。

 そうなると問題は、堺を南北に走る阪堺線の存在。阪堺線の堺市内区間(我孫子道以南)は、毎年2億円以上の赤字を出している区間です。すでに7年前の2003年に堺市に対して廃止の申し入れをしています。その後、堺市が堺東-堺間のLRT建設と阪堺線の大幅な改良(「公有民営化」を含む)を表明したため、廃止を見送っていました。LRT(+阪堺線の改良)は、瀕死の状態の阪堺線を救う唯一といってもいい策だったのです。

 ところが、竹山市長がLRTの案を完全に否定しました。LRTは消えてしまったのです。残った阪堺線については市長も存続させたいと考えていますが、LRTを超える積極的なものはないでしょう。赤字を堺市が全額かぶれば残してもらえるかもしれませんが、南海本線など南北に走る鉄道は充実しています。わざわざ阪堺線に税金を投入して残す意味はないでしょう。(LRTの建設によって)堺の弱点であった東西の軸をつくるからこそ、多額の税金を投ずる価値があったのです。

 そうこうしている間にも、赤字の額は増えていきます。LRTの計画があった間は、将来的な展望があるとして待つことができましたが、そのような見込みがなくなった現状では、待つことはできません。阪堺は、堺市に対して今年度中にある程度の支援策を打ち出すことを求めていますが、堺市の反応は鈍いです。新たな支援策は秋にならないと出ないようです。そして、その秋には、阪堺側が堺市内の存廃について判断します。そこまでに具体的で残すだけの価値がある支援策を打ち出さない限り、堺から路面電車が消えてしまうのです。堺市民が路面電車を追い出してしまったのです。

 話は変わりますが、先日、浜寺駅前から大小路まで阪堺に乗り、そこから歩いて堺東に向かいました。最初は大小路からはバスにしようかとも思いましたが、停留所3つで210円(昼間・休日用の「なんかいバスカード」を持っているので、実質的な負担は3割ほど低いのですが)は少々高く、結局歩くことにしたのです。大小路から堺東までは少々ゆっくり歩いて12分、そう遠くはありません。大小路には同じように歩いている人も時折見られました。しかし、世の中健康な人ばかりではありません。難波ほど魅力があればともかく、わざわざ歩いて堺東に向かおうとはしないでしょう。LRTができれば結果は違ったのでしょうが、計画が中止になったことで堺東は選択肢から外れたのです。こうやって堺の衛星都市化がますます進むことでしょう。
(参考:MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100123/biz1001230701001-n1.htm)

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Comments

 今の日本では、路面電車は時代遅れの過去の遺物くらいの認識しかない。
 但し、化石燃料を海外から輸入している国だから、資源戦略など、将来に向けて、考えなければならない事は多いです。
 今の政治家に、長期的展望を持っている人が、国政、地方政治の場所に、見当たらない。
 また、そう言う人を生み出す土壌もない。選挙民も今一、愚かです。

Posted by: パノラマハイパー | 2010.01.27 11:46 AM

 パノラマハイパーさん、こんばんは。

* 今の日本では、路面電車は

 富山が例外的で、未だに路面電車は時代遅れの乗り物ぐらいの認識しかないですね。

* 今の政治家に、長期的展望を持っている人が、

 はっきり言って、政治家も選挙民も愚かです。どちらも目先のことしか考えていません。

Posted by: たべちゃん | 2010.01.27 10:26 PM

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