« 長野電鉄、253系を譲り受ける | Main | 神奈川県寒川町に新幹線新駅建設か? »

長野県知事、リニアのルートに柔軟姿勢を見せる

 これまで諏訪湖近辺に迂回するルートを強く主張してきた、長野県。しかし、その長野県に軟化の兆しがあるようです。

 4日、国土交通省内で行われた交通政策審議会中央新幹線小委員会に出席した村井県知事。会議の後県知事は、交通政策委員会の議論により専門的な見解が得られれば、これまで長野県が主張してきた、諏訪湖近辺に迂回するルートにこだわらないと発言しました。

 長野県の態度に変化が見られるようになったのは、次の要因があると考えられます。まず、JR東海がリニア沿線の各県にひとつずつ駅を置く方針であること。長野県の主張通り諏訪湖近辺に迂回することができたとしても、駅がひとつでは意味がありません。「南アルプスルート」なら駅は飯田で決まりですが、「伊那谷ルート」では駅の位置をめぐって、諏訪と飯田で激しい争いが起きます。鉄道は駅があるから意味があるのです。各県1駅の方針は、経済性の悪いルートを排するという意味では意味があったのです。

 もうひとつの要因は、山梨県の態度。甲府より西は、「南アルプスルート」にするか「伊那谷ルート」にするかによって、大きく変わります。その山梨県は、4日の同じ会議で、「南アルプスルート」が望ましいことを明言しました。「伊那谷ルート」の場合は、甲府盆地の市街地を通るので用地買収が難しく、騒音などの環境問題が出てきます。また、甲府以西でも中央線と並行するため、「あずさ」が減便される危険性があります。これらの理由により、山梨県は「南アルプスルート」を支持したのです。

 ついに長野県は外堀を埋められたかたちになったのでしょう。しかし、長野県にも飯田には駅ができます。決して県内に駅ができないわけではありません。

(追記)
 国交省幹線鉄道課によれば、整備新幹線の場合は、新幹線の建設費用の1/3を地元自治体が負担します。それを考えると、駅建設費の約350億円で済む、リニア沿線の負担はむしろ軽いとも考えられます(神奈川県のように地下駅になれば、負担は約2200億円と重たくなり、何らかの手当てはしないといけないでしょうが)。場所にもよりますが、並行在来線の問題も出てきます(ただ、リニアでも並行在来線が維持されるとの保証はありません。中央線への影響が少ない「南アルプスルート」だから問題がなかったという側面もあります)。

 既存の新幹線に駅をつくることに比べれば高いですが、整備新幹線よりは安い。地元自治体の負担はどれぐらいが適当かは、見かたによってはいろいろありそうです。地元自治体の同意を得るためにはある程度の駅もいりますし、非常時用の設備という側面もありますから。
(参考 毎日jp http://mainichi.jp/select/wadai/news/20100605k0000m040071000c.html、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/feature/20090128-945707/news/20100603-OYT1T00268.htm、日経ケンプラッツ http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/const/news/20100604/541602/?P=1)

|

« 長野電鉄、253系を譲り受ける | Main | 神奈川県寒川町に新幹線新駅建設か? »

整備新幹線」カテゴリの記事

鉄道」カテゴリの記事

Comments

あとはこの際に飯田線を高速化対応に整備して、アクセス列車を走らせるようにすることを考えれば、諏訪、飯田両地区にもメリットありそうですね。

Posted by: とこよっち@福島支部。 | 2010.06.05 at 08:08 PM

とこよっち@福島支部。さん、おはようございます。

* あとはこの際に飯田線を高速化対応に整備して、

 以前( http://tabechan.cocolog-nifty.com/note/2010/05/post-79a0.html )にも書きましたが、飯田線は規格が悪くて、話にならないのです。

 中央道がアクセスになるのでしょう。

Posted by: たべちゃん | 2010.06.06 at 08:22 AM

 たべちゃんさんへ:
 長野県が諏訪湖ルートに拘るなら、山梨県の身延線沿いに南下し、静岡県の赤石山脈を横切り、水窪、愛知県豊根~豊田市~長久手名古屋までのルートにしたらどうですか?長久手から名古屋までは地下ルートにするとか。

Posted by: パノラマハイパー | 2010.06.12 at 07:14 PM

 パノラマハイパーさん、おはようございます。

* 長野県が諏訪湖ルートに拘るなら、

 かつてはそうでしたが、今は柔軟な姿勢を見せ出しているので、それを支援する方向で行くのが望ましいでしょう。

 「南アルプスルート」だから飯田や中津川というそれなりの規模の都市を通りますが、御提案のルートだと甲府から先、豊田まで都市はありません。豊田に停めたら停めたで、愛知県に2駅できることになり、話はややこしくなります。

Posted by: たべちゃん | 2010.06.13 at 07:31 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/23421/48544691

Listed below are links to weblogs that reference 長野県知事、リニアのルートに柔軟姿勢を見せる:

» リニア直線ルート採択 [かにうさぎの部屋]
2027年に開業が予定されているリニアのルートについて、長野県は直線ルートに同意 [Read More]

Tracked on 2010.06.07 at 08:55 PM

« 長野電鉄、253系を譲り受ける | Main | 神奈川県寒川町に新幹線新駅建設か? »