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整備新幹線、JRは札幌、大阪までの全線開業に前向き

 かなり前の話ですが、整備新幹線に関する話題を2つ。

 まず、3月25日のことですが、国交省で整備新幹線問題調整会議が開かれました。この日は、JR北海道・JR西日本・JR九州の社長から未着工区間に関するヒアリングが行われました。

 このうち、JR北海道とJR西日本は、それぞれ札幌、大阪までの全線開業を望む意見が出されました。JR九州は肥前山口-武雄温泉間の複線化、武雄温泉-諫早間の標準軌化、諫早-長崎間の建設を要望しています(ただし、長崎新幹線の前提となっている、フリーゲージトレインの導入が難しいとの情報があります)。JR西日本についていえば、北陸へは大阪からの需要が多いことを理由に、当面は敦賀までの整備、最終的には大阪までの全線の整備を希望しています。

 この会議ではほかに、トレイン・オン・トレインシステム、九州新幹線の「根元受益」、長崎ルートの費用などについて質疑がなされました。トレイン・オン・トレインシステムの開発には約10年かかります。費用は合計約70億円。10億円程度の基礎技術開発の段階ではJR北海道とJR貨物が負担していますが、本格的に開発する段階になったときは国に負担を求めています。九州新幹線の「根元受益」とは、九州新幹線の貸付料をJR西日本にも払わせるというものです。しかし、これはおかしい話です。山陽新幹線は整備新幹線ではありませんから、負担させる理屈がありません。長崎ルートの建設費用は、肥前山口-武雄温泉間の複線化に約200億円(ただし、国はこの区間の複線化は不要と考えているようです)、武雄温泉-諫早間の標準軌化に200~300億円以上(新たに車両基地をつくる必要があるためです)、諫早-長崎間の建設に約1100億円かかります。

 話は変わりますが、6月24日の会議では、家田東大大学院教授などの有識者からヒアリングを行いました。家田教授は整備新幹線の着工から完成までの期間が長いことを指摘し、3線を同時に建設するよりどれかひとつに集中して投資するほうが費用対効果が高いと指摘しました。北陸新幹線については、輸送量も多いのにルートも決まっていない敦賀以西の着工が、北陸新幹線を価値のあるものにするという趣旨の発言をしました。

 北陸新幹線敦賀以西についてはまさにその通りで(さすがに金沢までの建設が進んでいる段階で大阪側から建設を始めるのは非現実的かもしれませんが)、金沢(福井、敦賀)止まりの新幹線では意味がありません。単なるローカル新幹線です。今のままなら、別にできなくても問題ありません。大阪まで全線が開通して初めて、北陸新幹線が価値のあるものになります。
(参考:日テレNEWS24 http://www.news24.jp/articles/2010/03/26/07156026.html、総務省ホームページ http://www.soumu.go.jp/main_content/000061201.pdf、47NEWS http://www.47news.jp/CN/201006/CN2010062401000903.html)

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