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高速道路平日は2000円、休日は1000円乗り放題

 国交省がまとめ、今月初めに明らかになった、高速道路2000円乗り放題の新料金案もマニフェストにこだわる民主党内では不評でした。これまで休日は1000円乗り放題だったのに、倍に上がるからです。

 そこで国交省は民主党内の意見を取り入れ、(現在の割引制度がなくなる来年4月以降も)休日の1000円乗り放題は継続されるようです。平日は2000円、休日は1000円乗り放題になるのです。これまでの民主党の案ではETC利用者でなくても割引の対象だったのですが、24日に馬淵国交相など国交省政務三役と玄葉民主党政調会長が会談して正式決定した今回の案では、ETC利用者のみが割引の恩恵を受けます。

 24日に政府と与党が話し合って決めた案は、軽自動車や本州四国連絡高速道路などの料金などの詳細は決まっていません(来年1月に決めるようです)。ただ、トラックは今月初めの案にもありましたように、上限がない、従来通りの距離に応じた料金となります。首都高速や阪神高速は関係する自治体との調整を行ったうえで上限のある距離別料金を採用します。これまで700円均一だった区間なら、500~900円です。本州四国連絡高速道路は平日の上限が2000円で、乗継割引を導入する方針です。24日に正式決定された新しい料金案は、来年4月から2~3年間適用されるようです。

 高速道路会社が経営努力で割引を行っているのではありません。自民党政権時代も同じなのですが、税金で高速道路を値引きしているのです。国家財政に余裕があればいいですが、来年度予算も借金だらけの予算です。当面は国債が国内で消化できるからいいでしょうが、そんな予算はそう何年も組めるものではありません。いわゆる「埋蔵金」に頼った、非常に危ない予算です。

 高速道路にはこのように大振舞の反面、鉄道には厳しいです。1.5兆円あった「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」の剰余金が取り崩され、1.2兆円が国民年金の財源(基礎年金の国庫負担分)になりました。当然、「埋蔵金」なので、根本的な対策にならず、2012年度はまた別のものを考えないといけません。本来は、保険料を上げるとか、消費税などを上げるとかで対応すべき話なのです。

 「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」のうち国庫に返納されずに残った3000億円と、(JR各社が、鉄道建設・運輸施設整備支援機構が整備した鉄道施設の購入代金として支払うために)今後毎年500億円前後出てくる剰余金とを合わせて、2011年度から10年間で約8490億円の財源をつくり、経営が厳しいJR4社(JR北海道、JR四国、JR九州、JR貨物)に対する支援策などを行います。その内容は、JR4社の設備投資に対する助成金交付や無利子貸し付けに2390億円、JR北海道、JR四国には経営安定に向けた基金として3600億円を積み増します。整備新幹線関係では、北陸新幹線高崎-長野間を建設する際に借り入れた1500億円分を一括返済するとともに、JR貨物が並行在来線に支払う負担金のうち、10年間で1000億円分の支援を行います。これが本来の剰余金の使いかたというもので、目先の選挙を恐れて国が国民に負担をお願いするという勇気を持たなかったがために価値ある使いかたができなかったのです。剰余金が丸ごと使えたら、もっと必要な鉄道整備が行えたでしょう。幹線鉄道の整備が、高速道路優遇策への最大の対策なのです。

 野党なら国民にアメをばら撒き、夢を振りまくことができます。しかし、与党となった今では、厳しい現状と向き合わなくてはいけません。目先の選挙を恐れて、(野党時代に政権奪取のことだけを考え、実現可能性を考えていない)マニフェストにこだわり、厳しい現状から逃げてはいけないのです。

(追記1)
 軽自動車やETCのあるエコカーは平日も休日も1000円乗り放題になり、ETCのない車は平日も休日も2000円乗り放題になります。ここにおいてエコカーとは、ハイブリッド車や電気自動車などで重量税が免税になる車両で、ETCがあることが前提です。エコカーになるためには、利用者が事前に登録する必要があり、その詳細が決まっていないため、エコカーの1000円乗り放題は6月以降の開始予定です。

 首都高速や阪神高速の距離別料金は2012年に導入します。

(追記2)
 大都市圏については、乗り放題の対象外です。
(参考:毎日jp http://mainichi.jp/select/wadai/news/20101208k0000m010098000c.html、http://mainichi.jp/select/today/news/20101217k0000m010098000c.html、http://mainichi.jp/life/money/news/20101224k0000e010057000c.html、時事ドットコム http://www.jiji.com/jc/zc?k=201012/2010122100189&rel=y&g=pol、http://www.jiji.com/jc/zc?k=201012/2010122100831、朝日新聞2月17日朝刊 中部14版、高速道路の当面の新たな料金割引に関する計画(案)に対する意見募集について http://www.ribenzoushin.jp/re01.pdf)

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Comments

今の政権を見ていると、なぜマイカー交通ばかり優遇するのかという疑問が湧いてきます。
むしろ、公共交通の振興を掲げる政党が出てもいいと思います。

Posted by: かにうさぎ | 2010.12.26 06:14 PM

 かにうさぎさん、おはようございます。

* 今の政権を見ていると、なぜマイカー交通ばかり

 同じ車でも、ビジネスよりレジャーを優遇していますね。

* むしろ、公共交通の振興を掲げる政党が

 これも難しいです。公共交通として維持が難しそうな超ローカル輸送を重視しそうです。社民党あたりがそんな感じでしょうか?

Posted by: たべちゃん | 2010.12.27 04:42 AM

>高速道路会社が経営努力で割引を行っているのではありません。自民党政権時代も同じなのですが、税金で高速道路を値引きしているのです。国家財政に余裕があればいいですが、来年度予算も借金だらけの予算です。当面は国債が国内で消化できるからいいでしょうが、そんな予算はそう何年も組めるものではありません。いわゆる「埋蔵金」に頼った、非常に危ない予算です。

 1000円高速や2000円高速はアメというよりは麻薬のようなものです。
 前政権が2017年度まで使う予定で確保した財源を2012年度までの2年間で使い切ってしまうようです。低料金に慣れてしまうと、財源が切れた時に利用者が激減するでしょう。

 なお、高速道路会社や高速道路保有・債務返済機構が、経費節減や資金調達コストの低減化を行い、年間で約5000億円を捻出しています。これにより通勤時間帯割引や深夜割引が行われていますが、こちらは継続性があります。

Posted by: OSA | 2010.12.28 01:13 PM

 OSA さん、おはようございます。

* 1000円高速や2000円高速はアメというよりは

 本当にタチの悪い「麻薬」ですね。

* 前政権が2017年度まで使う予定で確保した財源を

 2013年度にどうやって財源をひねり出すのでしょうか?

* なお、高速道路会社や高速道路保有・債務返済機構が、

 高速道路会社の経営努力で割引を行うことには、異議がありません。どんどんやればいいと思います。

Posted by: たべちゃん | 2010.12.30 07:41 AM

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