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JR東海、リニア中間駅建設費を全額負担へ

 2045年に東京-大阪間が開通するリニア中央新幹線。このうち、両端駅の品川、新大阪と、2027年の東京-名古屋間の部分開業時に西側の終点となる名古屋の3つのターミナル駅に関しては、JR東海が全額自己負担とします。しかし、その他の6つの中間駅(神奈川山梨長野、岐阜、三重、奈良県の各県にひとつずつ)の建設費については、これまで地元に全額負担を求めてきました。その額は地上駅でも350億円、神奈川、奈良に予定している地下駅だと2200億円もかかります。リニアの駅ができるメリットがあるとはいえ、地元自治体にとっては大きな負担。リニアに関連して、多治見商工会議所会頭の私見とは断りながらも市の合併を言い出すところも出てきました。岐阜県内でリニアが通る、多治見、土岐、瑞浪、恵那、中津川、可児の6市が合併するのがよいというのです。

 先月になって、JR東海側がこれを少し譲歩し、一部負担する可能性を見せていましたが、大きなニュースが飛び込んできました。中間駅の建設費についても、全額JR東海が負担するというのです。中間駅には非常時に対応するための施設という要素があり、単純に地元に負担をかぶせるわけにはいかないですが、全額負担とは驚きです。6駅の建設費約5800億円が加わり、リニア全線の建設にかかるJR東海の負担額は8.44兆円から9.03兆円に増えますが、建設費用の削減や運営費用の圧縮により、開業時期は名古屋まで2027年、新大阪まで2045年と変わらない見込みです。もちろん、JR東海が用意するのは駅だけで、駅に隣接する施設(バスターミナルなど?)、道路などは地元負担です。

 このようにJR東海が方針を大きく変えた理由は、中間駅の建設費負担の話がまとまらないがために、2014年度の着工予定が遅れ、開業予定が遅れること。開業が遅れたら、運賃・料金収入が入ってきません。全額地元負担にこだわって6県と交渉していると、いつまでたっても話はまとまりません。一刻も早く開業して投資の回収を図りたいのです。東日本大震災による乗客減の悪影響も一時的なものにとどまり、中間駅を負担するだけの余裕があるのも事実でしょう。JR東海ならではのうらやましい話です。

 JR東海が中間駅を負担することにより、駅の位置、停車する列車の本数などについて優位な位置に立つことができます。何しろJR東海が地元に与える駅ですから。早速の設備にそれが表れています。駅には改札やトイレがあるだけで、「みどりの窓口」や券売機はありません。駅員もいません。今の「常識」では考えられない話ですが、リニアができるころには切符はインターネット販売などで対応するため、駅に券売機などはいらないようです。改札を抜けると階段、エレベータ、エスカレータで2面4線のホームに行くだけです。たとえ既存の駅と隣接していても、連絡設備の整備は行いません。東海道新幹線の三河安城、九州新幹線の筑後船小屋や新八代のように、新幹線と在来線を同じ会社(JR東海、JR九州)が経営していても、リニアと在来線を乗り換えるためには一旦改札口を出る必要があります。既存駅の改修も行いません。やるなら、建設費や維持費を地元が負担することになります。当然ながら、開業のスケジュールを遅らせないことが大前提です。
(参考:JR東海ホームページ http://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000013337.pdf、Sankei Biz http://www.sankeibiz.jp/business/news/111122/bsg1111220500000-n1.htm、MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/economy/news/111121/biz11112119420027-n1.htm、毎日jp http://mainichi.jp/select/biz/news/20111122k0000m020052000c.html、岐阜新聞ホームページ http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20111005/201110050954_15089.shtml)

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Comments

全額負担の表明で駅の数そのものについてJR東海が優位に立てる可能性はどれくらいでしょうか。
沿線自治体は増やしたいでしょうがさすがにそれはもう無理ですし、沿線外自治体(と、割りきらなくてもいいですが)はできればもっと減らして欲しい、1県1駅の約束を見直してでも、と願っているはずです。

東京・名古屋・新大阪以外で容認するにしても橋本・京奈良くらい、というのが共通の要求のような気はします。

では残りの新甲府・新飯田・中津川をどうやって設置しない方向に持って行くか?(名古屋〜新大阪間はちょっと分かりません)

三駅とも中央本線の高速化でなんとかなりそうな感じがします。
新甲府は高尾〜石和温泉間に狭軌高速新線を建設・新飯田は中津川からやはり狭軌高速新線を建設、でよいのでは?
更に費用が増えても中間駅が減るメリットは大きいと思います。

とはいえ緊急時の待避設備が必要、となると新飯田だけ捨てるのがいいかもしれません。
リニアの駅は長さ1Kmくらい水平面が必要、らしいのですが飯田付近で確保するのは困難そうですし。

Posted by: 日置りん | 2011.11.23 at 06:30 PM

 日置りん さん、おはようございます。

* 全額負担の表明で駅の数そのものについて

 駅の数そのものはすでに各県1駅と決まっているので、減らすことはできません。

* 三駅とも中央本線の高速化で

 中央東線の高速化は望まれますが、それで対応できるのは甲府だけです。飯田は中央道の高速バスに完敗の状態ですし、中津川には直通列車すら走っていません。

* とはいえ緊急時の待避設備が必要、

 その意味からしても駅の設置をケチる意味はありません。JR東海にとっても中間駅の意味はありますから。

 飯田についても、1キロぐらいの平坦な土地を確保する見込みは立っています。そうでないと、駅の候補地になりえません。

Posted by: たべちゃん | 2011.11.24 at 04:49 AM

あれ?もう決まってて見直す余地なかったっけ?と思って検索したら会長の見解や社長の発言が発言が軽い、ということもなく色々勘案された上でのこと、ですね。
ルートそのものを真っ直ぐに縮め得た勢いで都留(富士急接続)や多治見にも作ってもおかしくなかったのを一気に絞った、と素直に見るべきでしょうか。

それにしても駅の設備を簡略化するとは全く考えつきませんでした。
在来線駅との連絡設備については新八代の例もあるし落とし所とか以前にまぁそんなもの、でしょう。

となると残る大きな難点は中間駅にも配慮したダイヤ編成ですが、どうなるでしょうか?東海道新幹線のようにこだまタイプが1時間に1・2本停まって後は橋本に少し多めに停まるか全停車、の形で落ち着くとは思いますが。
一部停車と全停車では橋本の扱いがまるで違いますが、それだけの後背地と東京へのアクセス一極集中の緩和、という要素があります。

Posted by: 日置りん | 2011.11.24 at 07:40 AM

 日置りん さん、おはようございます。

* ルートそのものを真っ直ぐに縮め得た勢いで

 新幹線レベルで考えると、都留や多治見に駅ができても、何らおかしくなかったですから。

* それにしても駅の設備を簡略化するとは

 駅の設備に関しては、結構思い切りましたね。券売機がないとは今の「常識」では考えられません。在来線の駅との連絡設備についても、あまりないケースです。

* となると残る大きな難点は中間駅にも配慮したダイヤ編成

 各駅に停まる便は1時間に1本あればいいでしょう。ノンストップタイプに抜かれながら進むことになります。

 また、橋本・新甲府・けいはんなみたいにある程度の需要のある駅には、少し多めに停まるようになることも考えられますね。

Posted by: たべちゃん | 2011.11.25 at 04:37 AM

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 「中央新幹線の中間駅の建設費負担について」 ( 392kb / PDFファイル)|ニュースリリース - JR東海 Central Japan Railway Company [Read More]

Tracked on 2011.11.22 at 02:00 PM

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