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三陸沿線各市、「BRT反対、鉄道堅持」と言うけれど

 JR東日本の清野社長は7日の記者会見で、東日本大震災で被災し運休している、大船渡線(気仙沼-盛間)、山田線(釜石-宮古間)の仮復旧策として、BRTを導入することを検討していることを明らかにしました。

 以前にも同じようなはありましたが、地元自治体は反発しています。記者会見の事前に話がなかったこともあり、翌日に宮古市であった三陸沿岸都市会議(青森、岩手、宮城各県の沿岸7市で構成)では、三陸鉄道が復旧に取り組んでいるのに、JRがBRTだと沿岸の鉄道網が分断されるため、反発が相次ぎました。すでにBRTでの仮復旧策が提示された気仙沼線(柳津-気仙沼間)沿線にある気仙沼市の気仙沼市長も、将来の鉄道での復旧を確約させる必要があるとしています。

 また、これとは別に、岩手県沿岸の7市町の担当者も、9日に達増岩手県知事とともにJR東日本本社などを訪れ、大船渡線(気仙沼-盛間)、山田線(釜石-宮古間)と岩泉線の鉄道での早期復旧を求めました。JR東日本の清野社長はBRTについては正式には提案していないとしましたが、鉄道で復旧するかどうかは明言を避けています。

 地元自治体としてはJR東日本が被災した路線をこれまで通り復旧させるのが当然だと考えているのでしょうが、そもそも震災前からこれらの路線は鉄道として維持できるか疑わしいような路線でした。震災でその事実が顕在化しただけです。復旧費用は国が出してくれたとしても、その後の運営はJR東日本に委ねられます。当然、赤字です。その赤字をどうやって穴埋めするかと言えば、新幹線や首都圏の黒字です。その黒字がめったに利用しない、将来性のない区間の赤字の補てんに使われます。利用者が極めて少ないローカル線なのに、新幹線や大都市圏の黒字でカバーさせようというのがそもそもの間違いなのです。

 三陸沿岸の路線を三陸鉄道のような第三セクターにして、地元自治体が経営の責任をとるならともかく、そうでない限りはBRT化されたとしても文句は言えないでしょう。
(参考:河北新報ホームページ http://www.kahoku.co.jp/news/2012/02/20120209t71012.htm、岩手日報ホームページ http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20120210_2)

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Comments

たべちゃん様

 いつも読ませていただいている広島在住の30代の者です。情報収集の早さと的確さで、ここを読んでおけば大体、鉄道界のニュースがひと通り分かるので重宝させてもらってます。
 きょうは、地方の赤字線を都会で挙げた黒字で内部補填するのはよくない、という論旨について、少し違和感を感じましたのでコメントさせていただきます。
 
 岩泉線のような極端な赤字線まで残すに値すべき、とまでは思いません。ただ、民間会社が利益を最大化するのが当然とはいえ、大黒字のJR東日本に内部補填を求めるのがムチャなのかどうかは議論のあるところです。

 考えるに、内部補填をやめればどうなるか。
・運賃値下げや都会の列車本数増が可能になり、都会を中心に利用者の利益になる、JR社員の給料が上がる・・・

 それはあるかもしれません。一方で、株主配当が増え、富裕層や外国人株主の利益にもなることでしょう。わたしは、日本人として、東北など地方の人が不便になってまで、都会の富裕層や外国人にもうけさせたいとは思いません。

 また、稼ぐ産業や人、世代、地域がいればその逆も必ず存在します。日本という国家はそれらすべてを含む共同体です。稼ぐところが稼げないとことを助ける必要がない、というのでは、日本という共同体は崩壊します。今稼いでいる産業、地域もいつかは外国との競争や自然災害などの要因で衰退し、逆に今ぱっとしない産業、地域が力を付けることは大いにありえます。そういうことも踏まえ、支え合ってこそ共同体です。

 そのあたりのことは、内田樹氏の論考を読んでいただければより分かりやすいかもしれません。

http://blog.tatsuru.com/2010/11/22_1626.php

 考え方は人それぞれで、押しつけるものではありませんが、議論のヒントになれば幸いです。

Posted by: ピーターサム | 2012.02.13 at 12:58 AM

 ピーターサムさん、こんばんは。

* きょうは、地方の赤字線を都会で挙げた黒字で

 赤字が1円でも出れば即廃止、というわけにはいかないでしょう。ある程度の内部補てんはあります。

 ただ、三陸沿岸の路線はそれが通用するほど需要がある路線ではありません。国鉄末期なら、国鉄から分離される水準です。JRとして残ることができる水準を大きく下回っています。

 第三セクターやローカル私鉄のように地元自治体から補助金がもらえたらそれでもいいのでしょうが、JRはそれが期待できません。黒字部門での内部補てんが当たり前に思われるだけです。JRはとにかく赤字を抑えようと消極的な経営に終始するだけです。経営する側も利用する側も不幸な事態です。

Posted by: たべちゃん | 2012.02.13 at 08:28 PM

津波で破壊される以前はこれらの路線にも一応JR東さんは「はまゆり」「スーパードラゴン」「南三陸」といった優等列車も走らせていましたから、東北新幹線と一体化した観光フィーダーサービス線として残す手もあるんじゃないか?とも思いますがね・・・もちろんバスでもその役割は果たせます。

ただいくらJR東さんが黒字でも津波で壊滅した三陸沿岸路線復旧費用数十億を自腹で出せというのは余りに無茶な話。三陸鉄道みたいに国の復興予算から支援あってしかるべきだし、それが駄目なら復旧後、久慈から前谷地まで三陸鉄道に譲渡し一貫して経営させる方法もあります。その方が地元ももう少し鉄道存続のため必死になるでしょうね。震災前にそうすべきだった・・・。

「BRTで仮復旧策が提示された気仙沼線(柳津-気仙沼間)沿線の気仙沼市長も将来の鉄道での復旧を確約させる必要があるとしています」とありますが、そもそもこの気仙沼市長が「気仙沼線高い金かけて復旧させる必要あるのか」とか言ってるのを以前新聞で読みました。あんたがそんなこと言ったからバスになる話が出たんじゃないか、無責任な!と少しムッとしましたね!

Posted by: miyahara | 2012.02.19 at 01:33 AM

 miyaharaさん、おはようございます。

* 津波で破壊される以前はこれらの路線にも一応

 数は少ないながらも、速達サービスはあります(した)ね。

* ただいくらJR東さんが黒字でも津波で壊滅した

 将来の見込みのない路線に、多額のお金をつぎ込めというのは無茶な話です。

* 久慈から前谷地まで三陸鉄道に譲渡し一貫して経営させる方法もあります。

 そのほうが地元にも責任が出て、よりよいサービスができることでしょう。三陸沿岸の路線は、JRが運営しなければならない路線ではないのです。

* 「BRTで仮復旧策が提示された

 自分では払いたくないだけでしょう。「人が出して当然」という認識では、何も通らないですね。

Posted by: たべちゃん | 2012.02.19 at 08:03 AM

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Tracked on 2012.02.19 at 10:29 PM

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