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新潟県、ゴネて国から並行在来線支援名目で780億円を取る?

 以前、新潟県が国や他の沿線各県と共同で負担する建設負担金の支払いに応じていないという記事を書きました。未だに話が解決していないようです。北陸新幹線長野-金沢間開業があと3年後に迫っているのに、まだ解決していないのです。

 この膠着した状態を解消するために、国は新潟県に対して、並行在来線の維持管理などの補助金などとして約780億円を出すという案を出してきました。北陸新幹線が開業すると、北陸線の直江津-富山県境と信越線の直江津-長野県境がJRから分離され、県などが出資する第三セクターに引き継がれることになります。新潟県は国から開示請求を受けた情報を基に、並行在来線の赤字は30年間の累計で780億円以上と試算し、国に支援を求めていました。金沢や富山付近ではそれなりの需要が見込める並行在来線ですが、新潟県に入ると利用者が少なく、厳しいのです。さらに、「はくたか」が通るため今はドル箱の北越急行の経営問題もあります。新幹線ができると北越急行も単なるローカル線になりますから。この支援が実現すれば、新潟県は新幹線の恩恵も受け(県内に2駅できます)、並行在来線も赤字をカバーしてもらえます。実においしすぎる話です。交渉としては最高のかたちで、笑いが止まらないでしょう。

 並行在来線の問題はどこの県でも頭が痛い問題です。これまでは特急がたくさん走る大幹線で、JRに任せても何ら問題がなかったのですが、JRから分離され、特急が走らなくなることによって、本来の姿を現します。普通列車だけでは利用者が少なく、運賃が安い(これをカバーしていたのが比較的高い特急料金でした)ために大赤字になってしまうのです。しかし、貨物にとっては依然として幹線であり続けるので、廃止にするわけにはいきません。並行在来線をバス転換するという話は時々出ますが(ただし、この前の江差線のように後に撤回されるのが通例です)、その場合でも貨物はそのまま鉄道を走るのが前提となります。全国的なネットワークになる貨物鉄道網を支援するのに国がお金を出すのはわかります。しかし、普通列車の分は極めてローカルな問題であり、地元自治体が負担する話です。整備新幹線の着工時は、新幹線ができることによって経済活動が活発になり、その税収で並行在来線の赤字を賄うと考えていたはずです。それなのに開業時点でその赤字額の負担を国に要請するのは、新幹線着工時の地元の見込み違いであり、責められるはその当時の知事などの県の関係者です。そんなに負担したくないのなら、駅の建設を断り、新潟県内をただ通過するだけにすればよいでしょう。新幹線は欲しい、でもお金は払いたくないでは理屈が合いません。

 しかも、国が新たに780億円を出してできる新幹線は、金沢までの枝線の新幹線。東京だけが便利になって、大阪や名古屋が不便になる、デメリットしかない新幹線です。できなくても困るのは北陸の人だけです。富山県や石川県がどうしても欲しければ、新潟県の建設負担金を肩代わりすればよいのではないでしょうか? 北陸新幹線を「米原ルート」でつくるために、大阪府が滋賀県の地元負担を肩代わりしようとしたみたいに。北陸各県は新幹線ができる、国が余計な負担をすることがない、いい話です。お金を払うぐらいなら上越駅に全列車を停めたほうがまだマシです。上越はJR東日本とJR西日本の境界になるので乗務員の交代が必要となります。利用者が多ければそのまま停車すればよいですし、少なければ次のダイヤ改正で運転停車に変えればいいのですから。

 新潟県の話は口が悪いですがはっきり言って「ゴネ得」です。ほかの県からも同じような支援を求められたら、これが前例となり、払わないといけないようになります。新幹線をあきらめてもらうか、新幹線を欲しがるほかの県に負担させればよいのです。国にお金があればそのようにばらまく余裕もありますが、整備新幹線の財源は非常に厳しく、札幌まで開業するのに着工から25年もかかる計画になっています。780億円というお金は新幹線鉄道網の早期完成に充てるべきものでしょう。

(追記)
 国と新潟県は、国による新潟県への並行在来線支援について、2013年2月5日になって正式に合意しました。支援の額はさらに膨れ上がり、830億円にもなります。

 貨物が通らないため本来は支援の対象ではない信越線妙高高原-直江津間も、災害時の貨物輸送ルートとして除雪などの線路維持の名目で、赤字解消額と同額を新潟県に支払います。東京と金沢を結ぶだけの、ただの枝線の新幹線にしては大盤振る舞いです。
(参考:毎日jp http://mainichi.jp/area/niigata/news/20120206ddlk15020028000c.html、MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/region/news/130207/ngt13020720280006-n1.htm)

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Comments

一年辺り26億円、肥薩おれんじ鉄道の累積赤字(一年間ではなく)11億円の2倍以上…。妙高高原〜親不知まで?でそんなになるものか、北越急行の赤字分を組み入れてもまだ余りそうな感じですが。
しかしなんというカツあげでしょうか。"三セク鉄道に払うくらいなら都構想の足しにしてやるわ"ってな積もりなんですかね。

Posted by: 日置りん | 2012.02.09 at 11:51 PM

 日置りん さん、おはようございます。

* しかしなんというカツあげでしょうか。

 新幹線着工の段階でそういう主張をするならまだ話はわかりますが(その代わり着工にはかなり不利に働きます)、開業が3年後に迫ったこの時期ですからね。

 この時期に言うべき話ではありません。負担に応じないのなら、開業を遅らせればいいのです。北陸の各県に迷惑をかけるかたちで。

Posted by: たべちゃん | 2012.02.10 at 05:28 AM

記事を拝見いたしまして、内容に間違いがあるようですので書き込ませていただきます。

新潟県、ゴネて国から並行在来線支援名目で780億円を取る?と言う風に書かれているのは、ある一定の地方メディアから情報を得ていらっしゃるからでしょう。

 最低でも発言をされるのであれば全体の情報を踏まえて発言をされるべきです。

 根本的な議論として、こちらにもありますように、新潟県の上越地方に新幹線を通すメリットは少なく、北陸新幹線の構想が立ち上がった時点で、新潟県は新幹線建設に『不参加』を明確にしていたことは調べれば簡単に見つかる情報です。

 初期段階から新潟県が不参加を表明していたにも関わらず、今現在線路が引かれる計画になったのは、長野から富山に直接トンネルを掘ると莫大な資金が必要になるために、他県からの協力要請があったためです。

 そのような状況下で、ただでさえ、経済効果が見込めない地域に莫大な予算をつぎ込むことを新潟県はOKしたのです。その点を管理人様がご存知かどうかはこちらの記事からは伺うことはできませんが、大いに重要な情報を取りこぼしていらっしゃる。

 ・・・にも関わらず、数年前にありました、国からの建設費の追加要求という事態が起こったのです。これに応じると言うのが実際問題として見当違いも甚だしいとおもわれます。いわゆる「ボッタクリバー」の典型例に新潟県は正当な理由で反対しつづけているのです。赤字路線の保証として拠出される金額が妥当か不当かは、ここで議論できませんが、国の対応として、自らも平行在来線問題に関与すると言う姿勢を引き出したことは評価されるべきです。

最低でも新潟県のこの行動を横暴として取り上げられるのは、間違いでしょう。

当然、新幹線開通を待ちわびている富山と金沢の方々の期待は大きいものです。

ですが、先日も、石川県知事が新潟県と国との交渉に違法行為であると苦言を呈された事に関しては残念でなりません。

不利な条件下で努力している方々に対しての発言。内容は選ばれた方が懸命であると考えます。

Posted by: kane | 2012.02.11 at 04:01 AM

 kane さん、おはようございます。ソースは毎日jpです。

* 根本的な議論として、こちらにもありますように、

 もともとは新潟県は乗り気ではなく、技術的な事情から上越地方を経由せざるを得なかったかもしれません。しかし、新潟県にも妥当な場所とは言え、2駅できます。他県と同様、受益はあると言わざるを得ないでしょう。

* ・・・にも関わらず、数年前にありました、

 「ぼったくりバー」かもしれませんが、新幹線開業でメリットがある他県は払っています。新潟県がメリットがないというのなら、国に請求せず、石川県など他県に分担させればよい話です。

 所詮北陸新幹線は大阪までできない限り、単なるローカル新幹線。国が過剰に払う必要がありません。嫌なら開業を遅らせても問題はないのです。新潟県もそのほうがいいでしょう。

* 国の対応として、自らも平行在来線問題に

 全国ネットの貨物の分は仕方がないかもしれませんが、普通列車は地元で解決すべき課題です。今後、新潟県のようなところが出てきたら、国は払わざるを得ないでしょう。ほかの県も並行在来線の赤字のカバーを求められたら、国はどう対応するのでしょうか?

Posted by: たべちゃん | 2012.02.11 at 08:07 AM

>しかし、新潟県にも妥当な場所とは言え、2駅できます。他県と同様、受益はあると言わざるを得ないでしょう。

上越駅は、高田市街地から離れた場所で、アクセス時間を考慮すれば、在来線と変わらない(むしろ時間がかかる)。
糸魚川は在来駅併設だが、富山・石川県と違い、新潟県下は端をかすめているだけだ。
そればかりか、北陸新幹線開業により、北越急行はおろか、上越新幹線も本数減など、ローカル新幹線に転落する恐れもある。
それでも、他県とのつきあい上、止むを得ず受け入れたまででしょう。

それでも、今回の泉田知事の行動は、新潟県下への全列車停車を求めるなど、強引さが目立ちます。

分担金増額についても、当初1400億円の負担が220億円増えるだけなのに、780億円もの支援金を獲得したのは、まさに焼け太りと評されても仕方ないでしょう。

同氏は、経産省官僚出身ということで、国との交渉術には長けているが、一方では強引という評価もある。

さらに、泉田知事にエールを送ったのは、「ぼったくりバー」発言を行った、当時の橋下・大阪府知事だ。
大阪府も関空の地元負担を抱えているから、分担金制度を廃止させたいところだろうが、地元で負担しますからといって事業を引き出しておいて、後になって、やはり国が負担して下さいでは、身勝手と言われても仕方ないでしょう。

Posted by: かにうさぎ | 2012.02.12 at 12:11 PM

 かにうさぎさん、こんばんは。

* それでも、他県とのつきあい上、

 やむを得ず受け入れたとしても、受け入れた以上は負担もしないといけないでしょう。負担をするのが嫌なら、北陸新幹線を欲しがっている富山県や石川県に負担させてもよいのです。

* それでも、今回の泉田知事の行動は、

 それだけの交渉力があるなら、国に役立つ方向で発揮してもらいたいものです。

* さらに、泉田知事にエールを送ったのは、

 橋下知事(現:大阪市長)もアピール力に優れていますね。

Posted by: たべちゃん | 2012.02.13 at 08:16 PM

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