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JR東日本と地元自治体、常磐線、仙石線の内陸移設で覚書締結、そして気仙沼線は?

 一部区間を内陸に移設することが決まっている、常磐線、仙石線、石巻線。JR東日本は4月23日に、地元自治体との間で、常磐線、仙石線の内陸移設について覚書を締結しました。

 「常磐線の復旧に関する覚書」を締結したのは、JR東日本と福島県、新地町(宮城県はどうなっているのでしょうか?)。以前にも書いたように、駒ヶ嶺-浜吉田間を山側に移設します。新地町の場合、200メートルほど内陸に線路を移設します。新しい新地駅を含む市街地は現行ルートと国道6号線(新ルートよりさらに内陸部にあります)の間につくります。新ルートの用地買収には県と町が協力し、県は現行ルートの用地を県道相馬亘理線の用地として買い上げます。県道相馬亘理線は現行ルートよりもさらに海側にあり、橋が流されて寸断されたままになっています(県道よりも内陸にあるJRが津波で流されたぐらいですから)。県は現行ルートに土盛りしてそこに新たな県道をつくり、津波が海岸の堤防を越えても新たな県道が第二堤防として津波の被害を抑えるようにするようです。なお、新ルート開通の目標時期は用地買収完了から約3年後ですから、これまでの話と同様であります。

 次に仙石線についてですが、覚書を締結したのはJR東日本と東松島市。仙石線で現在不通となっているのは高城町-陸前小野間ですが、以前にも書いたように、高城町-陸前大塚間(約5.3キロ)は現行ルートのまま復旧させる方針です。新ルートになるのは、陸前大塚-陸前小野間で、現ルートより500メートルほど内陸寄りの高台を通ります。道路とは立体交差し、途中にある東名、野蒜両駅を移設します。覚書によれば、JRが所有する現ルート(約6.4キロ)の一部と、市が取得する新ルート(約3.5キロ)とを互いに有償で交換します(用地の売買価格は調整中です)。新ルートは詳細なルートを確定させてから、市が復興交付金を活用した区画整理事業を行い用地を買収、造成し、JRに譲渡することになります。造成完了までには1年半かかると考えられ、線路や駅舎の工事に2年かかると見込んでいます。合計3年半で、こちらもこれまでの話と同様であります。なお、現ルートについては、JRが線路を撤去後、市が買い取ります。住民からは遊歩道やサイクリングロードとして活用してほしいという意見があるようです。

 さて、話はBRTでもめている気仙沼線。気仙沼市はBRTを導入する条件として鉄道での復旧の確約を強く求め、話が前に進みません。

 ところが、菅原気仙沼市長は4月27日の記者会見で、(国が財政支援しない場合の問題は残るものの)JR東日本側から鉄道で復旧することの確約を得られたとして、BRTによる仮復旧策の協議を前進させる考えを明らかにしました。4月中旬にJR東日本本社の建設担当部長が気仙沼市を訪問し、鉄道を復旧させるような趣旨のことを話したようです。依然として(鉄道を復旧させるには)国による財政支援の必要性は指摘したものの、BRTによる仮復旧が鉄道による本復旧を遅らせることにはならないとも発言しているようです。また、BRTの工事は気仙沼-本吉間で先行し、年内にも一部区間で運行する目標がJRにはあるようです。気仙沼市はまた、5月7日に行われる気仙沼線復興調整会議で、JR東日本に正式な案を示すように求めています。鉄道による復旧の時期としては、震災後10年以内としています。

 しかし、JR東日本はどうやら、未だに鉄道による復旧を確約していないという報道もあります。確かに、仮に全額国の補助により復旧できたとしても、赤字続きで利用者の少ないローカル線を維持できるわけではありません。新幹線や首都圏の利用者に甘える構造がこれからも続くだけです。過疎地帯にある気仙沼線の利用者は今後も減り続けるでしょうから、JR東日本が消極的になるのも無理はありません。
(参考:河北新報ホームページ http://www.kahoku.co.jp/news/2012/04/20120424t61031.htm、http://www.kahoku.co.jp/news/2012/04/20120424t11029.htm、http://www.kahoku.co.jp/news/2012/04/20120428t11014.htm)

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Comments

残るは気仙沼線、大船渡線、山田線ということですが、私も三陸沿岸については鉄道復活は難しいかなあと思っていた一人です。

気仙沼線ですが、比較的新しい路線ということもあり、震災前の時刻表を見たら、仙台~気仙沼(と、その先大船渡あたりまで)の所要時間的には高速バスに対して競争力があるようですね(初めて気付きました…、最近は料金や本数で押されてたみたいですが)。

気仙沼線に限っては、確かにパイは小さいかもしれませんが、まだ鉄道の特性を生かせる路線なので、快速(都市間輸送)をメインに復旧させるのもアリと思うようになりました。
新線移設が必要な区間は、ついでに短絡化・高規格化して、さらに所要時間を短縮する必要がありますが。

大船渡線については、比較的被害の小さい気仙沼(宮城県)から陸前高田の手前(岩手県)まではJRで復旧、残りをどうしても鉄道というなら、三陸鉄道に移管して復旧でしょうね。

山田線は、もはや廃止か三陸鉄道に移管しかないでしょう。

Posted by: つばめ800 | 2012.05.04 at 01:38 AM

 つばめ800 さん、おはようございます。

* 気仙沼線ですが、比較的新しい路線ということもあり、

 確かに比較的新しい路線なので、スピードは出ます。速さという面で競争力がありました。パイは小さいでしょうが。

* 山田線は、もはや廃止か三陸鉄道に

 これら三陸各線は、いくら公費で復旧できたとしても、運営は赤字続きになるでしょう。鉄道で復旧させるなら、三陸鉄道に移管したほうがいいでしょう。

Posted by: たべちゃん | 2012.05.04 at 06:55 AM

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