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天竜浜名湖鉄道の価値

 浜名湖の北側をぐるっと回るように走る天竜浜名湖鉄道。この鉄道の価値はどれぐらいのものでしょうか?

 天竜浜名湖鉄道経営分析・将来展望プロジェクトチーム(PT)の会合で出された調査結果によれば、天竜浜名湖鉄道の社会的価値は年間で26億円以上だということです。代替バスや自家用車と比べた移動時間短縮効果が6.4億円、観光資源としての価値を19.9億円と算出しています(今回、社会的価値は、移動時間短縮効果と観光利用者の利便性しか見ていません)。もし、天竜浜名湖鉄道を廃止して代替バスを運行した場合、初期投資に16億円かかり、しかも今以上の赤字が予想されています。

 この試算でも、過大評価を避けるためにかなり保守的に見積もったものであり、会計上の損失を大きく上回る正の便益を天竜浜名湖鉄道はもたらしているのです。ちなみに、2011年度の天竜浜名湖鉄道に対する公的支援額は3.7億円です。

 JRや大手私鉄のドル箱路線に甘えるだけの路線ならともかく(こういうところは廃止になっても文句は言えません)、地元が責任を持って負担する第三セクターや地方私鉄なら、よほどのレベルでない限り、赤字を補てんしてでも支え続けたほうがむしろ安いということでしょう。鉄道会社の損益が赤字だからと言って、すぐに廃止してよいわけではありません。

(追記1)
 しかし、このプロジェクトチームは、天竜浜名湖鉄道の5年以内の営業黒字化を求めています。これが達成できない場合は、改めて存廃の判断をするとのことです。

 判明した社会的価値の大きさから考えたら、地元がある程度の負担をしても維持するほうが賢明でしょうが。

(追記2)
 静岡県は2009~2013年度の5年間、天竜浜名湖鉄道に対して毎年1.25億円を支出してきました。2014年度以降も財政支援を延長します。天竜浜名湖鉄道の中期経営計画の最終年度となる2018年度まで延長します。ただ、金額はプロジェクトチームが公的負担の軽減を求めたため若干減ることとなり、毎年約1.06億円となります。浜松、湖西、磐田、袋井、掛川、森の沿線の6市町も中期計画期間中の全体総額で、静岡県と同額を支出します。
(参考:「鉄道ファン」2013年3月号 交友社、静岡新聞ホームページ http://www.at-s.com/news/detail/474558355.html、http://www.at-s.com/news/detail/964016261.html)

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