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並行在来線等に地方交付税を使った新支援制度&北陸新幹線2015年3月開業へ

 少し前に予告した、並行在来線の資産取得などに関する新しい自治体支援制度について書きます。

 整備新幹線が開業すると、これまで特急が走っていた並行在来線は原則としてJRから分離され、第三セクター鉄道となります。自治体がJRから駅や線路、車両などの資産を買うことになります。最初はJRの言い値で買ってしまい、失敗した事例(しなの鉄道軽井沢-篠ノ井間)もありましたが、最近は学習が進み、いい条件を付けるようになっています。長野県も北陸新幹線開業に伴う長野以北分離のときは、いい条件で買うことができました。

 さらに自治体の負担が減るようになるようです。政府は2013年度から、整備新幹線開業に伴いJRから分離される並行在来線への支援策として、路線を引き継ぐのに必要な初期投資費用を負担する地元県等に対し、地方交付税で財政支援する新制度を設けます。

 経営状況が厳しい第三セクター鉄道や地方私鉄の施設整備や更新に自治体が補助する場合(並行在来線以外も対象です)、自治体負担額の30%を交付税で措置します。並行在来線ではこれに加えて、旅客鉄道分の資産取得費に限り、自治体負担額の45%を交付税に算入します。貨物鉄道分の資産は貨物調整金で行いますので、交付税の対象からは外れます。自治体が負担額を借金で賄う場合、元利償還金を同じ割合で交付税措置します。

 また、この財政支援策のほかに、JRから得る新幹線施設貸付料を原資にした貨物調整金の拡充も行っています。並行在来線は貨物鉄道網として維持しなければならないとしているのです。長野以北もこの支援を受け(本来なら信越線には貨物がないので支援の対象ではないのですが、新潟県のゴネ得のおかげでもらえるようになりました)、長野県の試算では県内分として毎年4億円程度が支給される見通しで、長野以北でも単年度赤字を当分回避できるようです。

 これらを組み合わせると、JR東日本からの鉄道資産取得費用(約36億円)のうち、貨物分を除いた45%が国からもらえ、県の負担は55%。除雪車購入やシステム更新など開業に必要な設備投資費用(約21億円)については、しなの鉄道が1/3を負担、残る2/3のうち、30%を国が負担、70%を県や沿線市町で負担します。なお、増員する社員の養成や物品購入などの開業準備費用3億円は交付税の対象とならないため、県、沿線市町、しなの鉄道で負担します。

 この支援制度は当然ながら長野県だけのものではありません。富山県の場合では、並行在来線の初期投資額を約185億円とした場合、JRからの譲渡資産約110億円のうち約34億円、設備投資約60億円のうち約9億円の交付税がもらえ、県の負担は約43億円減ります。

 話は変わりますが、信越線長野以北や北陸線金沢以東がJRから分離されるのは、北陸新幹線が金沢まで開業したときです。その開業時期について、2015年3月中旬になることが有力のようです。一時、新潟県が新幹線建設費の地元負担金の支払いを留保していたこともあり、東北新幹線新八戸-新青森間のように開業の前倒しは難しいとのことです。
(参考:信毎web http://www.shinmai.co.jp/news/20130129/KT130128ATI090015000.php、http://www.shinmai.co.jp/news/20130201/KT130131ATI090021000.php、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/toyama/news/20130129-OYT8T01658.htm、MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/region/news/130207/ngt13020720280006-n1.htm)

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