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沖縄鉄軌道、条件次第で黒字になる?

 沖縄本島を縦貫する鉄軌道の採算性については以前にも記事にしましたが、沖縄県企画部交通政策課は黒字運営が可能とする調査結果をまとめました。内閣府が2011年に調査したときは、既存の補助制度の活用を前提にしたため、鉄道の場合で開業40年間の累積赤字を6000億円以上としました。これに対して、沖縄県の調査結果はレール、駅舎、橋脚、トンネルなどを全額国が負担し、運行会社は運行に専念するという「上下分離方式」を採用することを条件に、単年度黒字になるとしています。運行会社が車両を購入し、保有したとしても、1日4万人程度の需要があれば黒字化は可能としています。

 細かく見ていきましょう。沖縄県の調査結果は、那覇空港と名護の間、約70キロをリニア式鉄道(都営大江戸線で使われているミニ地下鉄タイプ)で建設し、最高速度100キロ超の列車が約1時間で結ぶとしています。車体が小さいためトンネルを掘った場合でも断面積が小さくて済み、建設工事費を削減することができるとしています。1日の需要は既存の公共交通の乗客数や県外の類似都市の事例から、約3.2~4.3万人は堅いとしています。普天間基地が移設すれば跡地の開発も行われますし、観光客のさらなる増加を考えれば、さらに増えると考えられます。

 内閣府の設定は、糸満-パイプライン-うるま-名護間77キロを、第三セクターが施設の整備から運行までを行う「上下一体方式」で運営するとしています。整備事業費は約8500億円です。沖縄県は「上下分離方式」の採用などによって、国の調査に比べてコストを3割ほど削減できるとしています。また、これまで県は国に「沖縄幹線鉄道整備法(仮称)」など特例的制度の創設を要望しています。その内容とは、(1)鉄道・運輸機構がインフラ建設と施設、車両の保有を行い、建設費用は全額国が補助する (2)運行会社は運行に専念し、利益に応じた貸付料を鉄道・運輸機構に支払う (3)運行会社は地方独立行政法人並みの非課税措置の対象とする などで、今回の県の試算もこれを前提としています。ちなみに、沖縄鉄軌道の供用開始までは20~25年かかるようです。他県の事例を考えると、工事の着手まで10~15年、建設にさらに10年かかるようです。

 余談ですが、沖縄を縦貫する鉄道ではなく、短距離のLRT建設を求める声もあります。高架や地下もある県の案はコストがかかり、本土の大手資本中心のまちづくりが進むと考えられています。ただ、建設費がかかるのはともかく、本土の大手資本が進出するのはどうしてかとの説明はないですが。あるとすれば、沖縄本島を縦貫する鉄道はそれほどの魅力あるものなのでしょう。那覇-与那原間に時速100キロ以上で走ることのできるLRTの建設を主張しています。

 もっとも、(沖縄県だけにしか効果がない)鉄軌道の建設費用を国に全額負担させるのは虫が良すぎます。何らかの理由付けがないと高額の建設費を国に負担させることはできません。ただ、沖縄にはそれなりの理由付けができるものがあります。つまりは普天間基地の辺野古移設の見返りなど、米軍基地がらみでやるしかないでしょう。どこでもいいものなら県外に移してもいいのですが、沖縄県内にあったほうが都合がいいものは、それなりのコストを県外に負担させてでも県内に置いたほうがいいのかもしれません。ただ、人口の多い県南部だけは避けないといけないですが(そのためにも普天間を辺野古に移すのです)。
(参考:沖縄タイムス http://article.okinawatimes.co.jp/article/2013-03-27_47114、http://article.okinawatimes.co.jp/article/2013-03-28_47188)

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Comments

少しは県民のことを考えてください

Posted by: 沖縄県民 | 2014.11.09 at 11:06 AM

 沖縄県民さん、おはようございます。

 コメントの意図が読めないので、返答は省略します。

Posted by: たべちゃん | 2014.11.10 at 05:34 AM

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