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在来線のスピードでは太刀打ちできない

 在来線特急の競争力について、興味深い記事を見つけましたので紹介します。

 この記事の筆者は東京(新宿)と松本の間を往復します。行きは「スーパーあずさ」、帰りは高速バスです。所要時間は「(スーパー)あずさ」が2時間半から3時間程度、高速バスが3時間10分程度です。値段は「スーパーあずさ」が「えきねっとトクだ値」で買ったため、定価の35%引きの4350円(前日に購入)、帰りは京王高速バスの「Sクラスシート」を4400円の定価で購入しました。

 さて、この組み合わせで新宿-松本間を往復したのですが、どちらも7割ぐらいの乗車率(「スーパーあずさ」は八王子発車時点)。心配されたバスの渋滞による遅れもほとんどなく、定刻より5分も遅れずに新宿のバスターミナルに到着しました。渋滞の心配がなければ(平日なら深刻な渋滞はないようです)、バスでも十分とも言えます。なお、「Sクラスシート」にはコンセントもついています。「スーパーあずさ」にはコンセントもありません(置き換えの話はあるようですが)。

 肝心の運賃・料金にしても、JRは「えきねっと」用の特殊なものです。定価は6710円もします。それに対して、高速バスは通常の席なら3400円です。倍近くの差があります。これでは、時間厳守の、急ぐ用事でない限り、バスでもよい、ということになるでしょう。渋滞リスクがある首都圏の列車でもそうですから、そのようなリスクの小さい地方ならなおさらです。在来線特急なので高速バスとも時間の差はあまりない、しかもお金が高いのなら、鉄道が選択される余地が小さくなります。しかも、高速バスがそれなりのスピードで走るということは、マイカーだともっと速く走るということです。ダイヤの制約もありません。

 この記事の筆者は、JRの切符の高さ、買いにくさを指摘しています。確かにその通りで、知っていないと割引切符が買いにくいのです。インターネットの「えきねっと」はありますが、航空機や高速バスのように買いやすい状態ではないのです。同じJRグループなのに他社のは買うことができなかったり、有料の会員にならないといけなかったりするものもあります。切符の購入が(「みどりの窓口」よりはるかに多い)コンビニでできないのも欠点です。そうなると運賃制度の仕組みも変えないといけないでしょう。今のJRは、客が減ってもどうでもよい(全面撤退してバスか車に委ねるほうがよさそうな)ローカル線の運賃は安く、競争しなければならないところの運賃は高いのです。現状では鉄道の切符を買うのは「みどりの窓口」が一般的ですが、いつも混んでいます。指定席の自動券売機もありますが、そちらは空いていることが多いです。機械に誘導するためにも、自動券売機で購入したらいくらかの割引をつけてもよいでしょう。

 運賃・料金制度の問題もありますが、根本的な問題があります。はっきり言って在来線程度のスピードでは車には対抗できないのです。これを解決するのはただ一つ、新幹線なのです。在来線程度のスピードでは、値下げしないと客が来ません。しかし、新幹線ぐらいのスピードになると、その時間価値を求めて、それなりの値段でも乗ってくれるのです。その意味では、整備新幹線の建設速度はあまりにも遅いと言わざるを得ません。
(参考:タビリスホームページ http://tabiris.com/archives/azusa/)

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Comments

九州は高速バスが新幹線の高かろう、速かろうに対抗できる多分日本で唯一の地区ですが、中央本線がバス有利になっているとは知りませんでした。高尾から甲府付近まで狭軌高速線を作ってあずさのスピードを上げようという提言はありますが(川島令三氏)、それより多摩地区から甲府・諏訪・松本へとバスを走らせた方がいいということになるんでしょうね。それにしても、鉄道の切符が買いづらいという視点は意外と持てないもんです。駅で買うものと刷り込まれてます。

Posted by: 日置りん | 2013.05.17 at 09:37 PM

 日置りん さん、おはようございます。

* 九州は高速バスが新幹線の高かろう、速かろうに

 九州は新幹線があるから、割引切符でもそれなりの値段が取れるのです。在来線のままなら、高速バスと大差がない値段しか取れません。

* 高尾から甲府付近まで狭軌高速線を作ってあずさのスピードを上げようという

 鉄道の取るべき策はまさにスピードアップです。なお、新宿発着のバスも多摩地区に停まっています。

* それにしても、鉄道の切符が買いづらいという視点は

 鉄道を利用する人にはそういう意識は希薄ですが、そうでない人には大きなバリアなのでしょう。

Posted by: たべちゃん | 2013.05.18 at 06:44 AM

日本の鉄道運賃は為替レートの問題もあるけど、ヨーロッパ諸国に比べても高い。大体7割位が妥当なところです。

>しかし、新幹線ぐらいのスピードになると、その時間価値を求めて、それなりの値段でも乗ってくれるのです。

しかし、今度は格安航空との競合があります。
大手でも、定価の航空運賃で乗っている人は少ない。

>これを解決するのはただ一つ、新幹線なのです。

それなら、中央新幹線はリニアにせず、在来型にして、中央東・西線沿線の都市を通るようにすべきでしょう。
新宿-岡谷-木曽福島-名古屋といったルートにし、岡谷・木曽福島-松本・長野を改軌し、ミニ新幹線にする。
現在のリニア計画では、中央本線沿線の利用者にはメリットはなく、従来通り「あずさ」や「しなの」を使い続けるでしょう。

それとも、リニアとは別に、もう1本在来型で中央新幹線を作りますか?

Posted by: かにうさぎ | 2013.05.18 at 11:51 AM

 かにうさぎ さん、こんにちは。

* しかし、今度は格安航空との競合があります。

 もちろん、航空機が競争相手となるケースもありますが、LCCは延着リスクもありますから、全部が全部安売りに走らなくてもよいでしょう。

* それとも、リニアとは別に、もう1本在来型で

 理想はそうでしょう。東海道新幹線の増設部分としてのリニアと、中央線のスピードアップのための新幹線という具合に。

Posted by: たべちゃん | 2013.05.18 at 05:45 PM

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