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山田線沿線自治体、再びBRTを拒否

 BRTとして整備された気仙沼線、大船渡線とは違い、山田線は地元の反対にあい、未だにそのような整備はなされていません。JR東日本による振り替え輸送はなされないままです。

 これでは一歩も前に進みません。そこでJR東日本は以前にも書いたとおり、山田線にBRTを導入することを再度提案しました。9月25日に盛岡市で開かれた第6回山田線復興調整会議で再提案されましたが、これを地元4市町が再び拒否しました。

 以前のJR東日本によるBRT案は、専用道区間が短いという批判がありました。再提案ではその問題が解決されています。津波で流出した宮古市の閉伊川橋、山田町の第一織笠川橋、大槌町の大槌川橋、小槌川橋の4橋を復旧させるなどし、専用道の総延長を従来提案より約16キロ増やして25.3キロとしています。BRTの先行事例である気仙沼線や大船渡線では、橋の復旧などの大掛かりな工事はしていません。それと比べると山田線のは、相当の金額をかける計画なのです。専用道区間の総延長は、宮古-釜石間の46%に当たる数字です。宮古付近では一般道を走る区間が多いのですが、釜石付近は専用道が連続しています。専用道の増加によって鉄道に比べて弱点とされる速達性や定時性を確保しようとしています。宮古-釜石間は鉄道だと約70分の区間でしたが、BRTだと最短で約80分になります。現行の代替バスが約100分なので、かなり鉄道に近くなります(もちろん、一般道の状況によって遅延が生じることは現行の代替バスと変わりがありません)。

 地元自治体はBRTは余計なもので、それにお金と時間をかける暇があるなら、鉄道を早く復旧させろ、という考えのようです。とは言っても、地元がお金を出して鉄道を買い取り、第三セクターにするなどのやる気を見せているのではなく、ただ単にJR東日本に金を出させようとしているのです。山田線が仙石線常磐線のようにそれに値する路線なら、JR東日本もお金を出すのでしょうが、残念ながらそれに程遠い需要しかありません。株式会社であるJR東日本が利便性と採算性を天秤にかけた結果出たのが、BRTなのです。BRTの整備費用は公表されてはいませんが、鉄路での復旧費用(210億円)よりは安上がりとみられています。このままBRTを拒否し、鉄道にこだわる状態では何も整備されなくても、文句は言えないでしょう。事実、JR東日本は鉄路での復旧について明言はしていません。それどころか、BRTをまた提案する可能性があることも示唆しています。JR東日本が自らの責任で運営するならば、BRT以外のものは難しいのでしょう。

 話は変わりますが、JR東日本盛岡支社は9月26日、釜石駅の北側に7階建て、客室約120室のホテルを建設することを発表しました。1階にはコミュニティスペースを設け、地域住民が交流できるようにするほか、観光案内所の機能を持たせます。上層階には温浴施設の設置も検討しているようです。

 釜石線にはSLを運行する話があり、釜石を訪れる観光客も増えるとみられています。ホテルはその需要に対応するためにつくられるようです。合わせて地域住民が集まる場をつくることによって、JR東日本は地域活性化にもつなげたいと考えているようです。
(参考:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/iwate/news/20130925-OYT8T01556.htm、岩手日報ホームページ http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20130926_1、河北新報ホームページ http://www.kahoku.co.jp/news/2013/09/20130926t32019.htm、http://www.kahoku.co.jp/news/2013/09/20130927t32004.htm)

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Comments

実は私も七月末に旅行で東北へ行ってきました。
気仙沼から久慈まで三陸沿岸をバスと部分的に復旧していた三陸鉄道を乗り継ぎながら移動しました。

瓦礫の撤去は殆ど済んで更地になっていましたが、仮設住宅が沢山健在していて仮設住まいから脱却出来ない被災者の方が大勢いるのを見ると復興未だに成らず。と言う厳しい現実。

釜石から宮古までは岩手県交通と岩手県北バスの路線バスを道の駅やまだで乗り継いで移動しました。
自分もトイレが近いゆえトイレなしのバス車内は正直不安だったし、道の駅やまだでのバスの乗り継ぎも短い上に乗り場も分かりにくかったです。しかも、全てのバスで乗り継ぎが出来るわけではない。

JRの釜石駅と宮古駅ではバスの乗り継ぎ案内もしてる様子なく地元の人ならば解るだろうが観光で来る人には鉄道の代替バスが何処から乗ればいいかわかりづらいでしょう。
鉄道時代には1110円だった運賃もバスだと合計で1670円。事業者が異なる上に公共交通の確保さえ出来れば良いと思えば仕方がないが利用客にとっては負担が増えました。

バスだと鉄道と比較して車両とか線路など走行にかかるコストが少ないので、鉄道に固執さえしなければBRTも一つの方法でしょう。
確かに車社会の今でも鉄道復旧は大きなニュースとして地元内外の人達に伝わるしステイタス的な役割を果たしています。
だが、釜石から宮古までは列車だと一時間ないし二時間に一本が精一杯。復旧直後は御祝儀みたいな効果はあるだろうが先行きも心配であります。鉄道時代にも利用したことがありますが、朝夕の通勤通学の時間帯で無ければ混雑とは程遠い状況です。
地元の人間ではないですが、鉄道に固執する為にBRTさえも来ないと言う実状が賢明とは思えません。

長文失礼致します。
m(._.)m

Posted by: I love train | 2013.10.02 at 07:35 AM

釜石から宮古までバスだと合計で1670円と書きましたが誤りでした。
1460円が正しいです。(汗)

失礼致します。
m(._.)m

Posted by: I love train | 2013.10.02 at 09:19 AM

 I love train さん、おはようございます。

* 釜石から宮古までは岩手県交通と岩手県北バスの

 宮古-釜石間はJR東日本による代替輸送がないため、どうしても不便でわかりにくく、運賃が高くなります。(バス会社よりもコストがかかっているにもかかわらず)JRの運賃が安すぎるということでもありますが。

* 地元の人間ではないですが、鉄道に固執する為に

 それは最悪の結果でしょう。

Posted by: たべちゃん | 2013.10.03 at 06:39 AM

鉄道の復旧ならいいがBRTならバスで十分
鉄道がなくなっても止むを得ないと割り切っているのでしょうか?

Posted by: フリーダム | 2013.10.03 at 08:35 PM

 フリーダムさん、こんばんは。

* 鉄道の復旧ならいいがBRTならバスで十分

 首都圏や新幹線で儲かっているJR東日本だから、自前で鉄道を復旧させるのが当然だとしか思っていないのでしょう。山田線が赤字とか、利用者は少ないという事実は完全に消えています。

Posted by: たべちゃん | 2013.10.03 at 09:41 PM

JR東日本は何がしたいのかさっぱりわかりません。
バスにしたいのなら地元のバス会社に任せればいいのに、何で鉄道専業のJR東日本がしゃしゃり出てくるのでしょうか。
実際、利便性はともかく、山田線の代替は地元バス会社の路線で確保できてますし、取り繕うだけで利便性が何も向上しないBRTなんぞ地元にとっては迷惑なだけでしょう。だからこそ見せ掛けだけの改善など不要と拒否し続けてるのでしょうが。

そもそも、BRTとはバス高速輸送システムのことなのに、単に線路をバス専用道にしただけで高速と言い切るのは詐欺もいいところです。BRTは過疎地ではなく都市の乗り物なのだから。

Posted by: 通りすがり | 2013.10.06 at 10:38 PM

 通りすがり さん、おはようございます。

* JR東日本は何がしたいのかさっぱりわかりません。

 実際にはバスで足りる程度の需要しかない、ということでしょう。気仙沼線の例と同じように、バスの運行は地元のバス会社に委ねています。JR東日本にはバスのノウハウはほとんどないですから。

* そもそも、BRTとはバス高速輸送システムのことなのに、

 本来の意味は都市の乗り物でしょう。現在あるものでそれに近いのは、名古屋の基幹バスです。

Posted by: たべちゃん | 2013.10.07 at 05:47 AM

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