« 橋下大阪市長、地下鉄初乗り20円値下げの意向 | Main | 福山・尾道-松江間高速バス、9月に開業していた »

北陸新幹線金沢-敦賀間、福井県が工期短縮案

 開業まで10年以上かかる北陸新幹線金沢-敦賀間(約114キロ)。今のところ2025年度開業予定です。地元福井県としては開業を急ぎたいところです。

 そこで福井県は、北陸新幹線金沢-敦賀間の工期短縮案をまとめ、発表しました。7月に「北陸新幹線整備促進本部」を設置し、工期短縮に向けた具体案を検討してきたのです。金沢-敦賀間のうち、工期が長くなる九頭竜川橋梁、新北陸トンネルについて、工法を工夫することにより北陸新幹線金沢開業から8年で開業できるようになります。技術的には2022年度の開業が可能だとしています。

 具体的には、全国初のケースである新幹線と道路の一体橋、九頭竜川橋梁で、橋脚、橋台の下部工と橋桁などの上部工の工事を並行して行う工法(完成した個所から順次橋桁をつくります)を採用するとともに、工事が制限される出水期(6月中旬~10月中旬)にも橋の下部の上に足場をつくることで工事を進める工法の採用を提案しています。さらに、道路部分から上部工を架設する工法で工期の短縮を図ります。全長約20キロの新北陸トンネルでは、工区を5つに分割発注する際に、中池見湿地の環境影響評価に時間がかかる(約1年半)ことから、敦賀側の工区を短くすることで、環境影響評価に時間がかかるリスクを回避しようとしています。また、完成した工区から線路や電気などの設備工事に着手します。

 あわせて用地取得後の速やかな高架橋工事の着手、工期短縮の観点からの技術提案型入札の採用、敦賀車両基地(約9ヘクタール)の早期用地取得に向けた測量や設計の促進など5項目の提案を実施することにより、さらなる工期短縮も狙っています。工期の短縮により総事業費は膨らむ可能性がありますが、財源については、国費の投入やJRが支払う新幹線の貸付料の延長などで、工期短縮に伴う単年度の事業費を増やすことは可能だとしています。なお、福井までの部分開業については、敦賀までの一括での早期開業を目指す観点から、否定的です。

 福井県は今回まとめた工期短縮案を国交省、与党など関係機関に説明し、早期開業に向けた要請活動を強化していく方針です。もちろん、工期短縮をすることによって開業時期が早くなれば、それなりの経済効果を生みます。新幹線に限らず、投資は使ってはじめて効果を発するものです。

 しかし、金沢-敦賀間の開業が早まることによって、別の問題が出てきます。フリーゲージトレインの開発が間に合わないというリスクです。これ以上は変数が多すぎて簡単には言えませんが、国費を投入するなどの方法でリニア中央新幹線が早期に全線開業し、米原経由でも新大阪への直通が確保されるのなら、暫定的措置として敦賀で乗り換えさせることもやむを得ないでしょう。これでもある程度の採算性はありますし、敦賀での乗り換えは時代遅れの金沢とは異なり、配慮されたものとなっています。

(追記)
 北陸新幹線金沢-敦賀間の早期開業などを話し合う、鉄道建設・運輸施設整備支援機構と福井県による県北陸新幹線建設事業推進会議が11月7日、福井県庁で開かれました。福井県は工期を3年短縮する案などを提案しましたが、鉄道建設・運輸施設整備支援機構は認可条件通り、金沢開業から10年強で敦賀まで開業するとの説明に終始しました。福井までの部分開業にも否定的です。

 工期の短縮は政治の問題であり、鉄道建設・運輸施設整備支援機構が勝手に判断することはできないようです。反対に言えば、国を動かせば、鉄道建設・運輸施設整備支援機構の判断は簡単に変わります。
(参考:福井新聞ホームページ http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/economics/46396.html、MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/region/news/131018/fki13101802090001-n1.htm、http://sankei.jp.msn.com/region/news/131108/fki13110802140001-n1.htm、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukui/news/20131017-OYT8T01373.htm、毎日jp http://mainichi.jp/area/fukui/news/20131018ddlk18020668000c.html)

|

« 橋下大阪市長、地下鉄初乗り20円値下げの意向 | Main | 福山・尾道-松江間高速バス、9月に開業していた »

整備新幹線」カテゴリの記事

鉄道」カテゴリの記事

Comments

>フリーゲージトレインの開発が間に合わないというリスクです。

GCTは基本技術は確立したと言っても、重い車両に対処すべく、在来線軌道を強化することが必要なようです。これ以上の軽量化が困難なためで、在来線をそのまま利用できるというメリットは半ば失われています。

さらに、北陸では耐雪性も考慮する必要があります。となれば、GCTは不経済なものになる可能性が強く、暫定的に敦賀乗換にする方がいいでしょう。
長崎もGCTは止めて、全線フル規格か少なくともミニ新幹線に変更すべきです。

Posted by: かにうさぎ | 2013.10.25 at 12:02 AM

 かにうさぎさん、おはようございます。

* GCTは基本技術は確立したと言っても、

 フリーゲージトレインが実用化に至らなければ、敦賀での乗り換えで我慢するしかありません。

* 長崎もGCTは止めて、全線フル規格か

 敦賀乗り換えでも何とかなる北陸新幹線はともかく、長崎新幹線の場合はフリーゲージトレインがないと致命的です。計画そのものが成り立たないです。

Posted by: たべちゃん | 2013.10.25 at 05:57 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/23421/58415782

Listed below are links to weblogs that reference 北陸新幹線金沢-敦賀間、福井県が工期短縮案:

« 橋下大阪市長、地下鉄初乗り20円値下げの意向 | Main | 福山・尾道-松江間高速バス、9月に開業していた »