« 近鉄バスもICカード導入へ | Main | 東京空港交通、羽田行きのリムジンバスに「PASMO」導入 »

山形新幹線庄内延伸構想

 庄内地方への鉄道高速化については、羽越線の高速化と山形新幹線の庄内延伸のふたつの方向性があります。羽越線の高速化は、羽越線の線路改良をして高速化し、新潟駅において上越新幹線と対面接続を行うものです。羽越線については、ミニ新幹線化やフリーゲージトレインの導入も考えられましたが、羽越線にミニ新幹線を導入するのは課題が多く、またフリーゲージトレインの技術がまだ確立していないことから、羽越線の線路改良を行い、新潟駅で対面接続することになりました。新潟駅で対面接続するのは2018年の見通しです。これに対して山形新幹線の庄内延伸は、現在新庄までの山形新幹線を陸羽西線経由で酒田まで延伸する構想です。トンネルの改修や陸羽西線の電化などのため、約350億円かかると試算されています。この場合、もう一方の庄内地方の中核都市、鶴岡は通りません。

 そんな中、酒田市は、山形新幹線の庄内延伸についての機運を盛り上げようと、17日に「鉄道高速化講演会」を開きました。実は山形新幹線の庄内延伸は、本間酒田市長が2012年に当選したときに公約に掲げたものです。今回開いた講演会が庄内延伸に関する具体的な動きとなるのです。

 なぜ本間市長は山形新幹線の庄内延伸を主張しているのでしょうか? 冬季に雪の影響で庄内と内陸を結ぶ国道112号、国道47号が使いづらくなるという問題もありますが、何より重要なのは、新幹線が通るところと通らないところとでは人口の減少度合いが違うのです。山形県内には13の市がありますが、1990年から2010年までの20年間で新幹線が通る8市の減少度合いは平均1.5%です。これに対して、通らない5市の減少度合いは平均9.3%でした。たとえミニ新幹線でも、人口減少を食い止める効果があるのです。

 しかし、庄内でライバルとなる鶴岡市の立場は違います。榎本鶴岡市長は、羽越線の高速化を優先すべきだ、という考えです。酒田だけが便利になる山形新幹線の庄内延伸とは違い、羽越線の高速化は鶴岡も便利になります。山形県も、2006年に東京-酒田間の鉄道高速化について、費用対効果の面で、山形新幹線の庄内延伸より羽越線の高速化のほうが優れているという検討結果を発表しています。酒田だけが山形新幹線の庄内延伸に熱心になっているという印象を与えます。

 しかも、先ほど新潟駅でのフリーゲージトレイン導入は断念したと書きましたが、その後フリーゲージトレインの技術が進み、北陸新幹線でも導入が考えられています。北陸新幹線に導入するということは、降雪地帯でも対応できるということです。新潟にフリーゲージトレインの軌間変換装置を置けば、東京-新潟-酒田間が直通で結ばれるのです。新幹線と在来線は同一の高さで対面接続しますので、新幹線と在来線を結ぶ連絡線の設置はそう難しくはないでしょう。これが実現すれば、東京まで直通します。わざわざ陸羽西線を改軌、電化する必要はありません。
(参考:山形新聞ホームページ http://yamagata-np.jp/news/201401/08/kj_2014010800133.php、河北新報ホームページ http://www.kahoku.co.jp/news/2014/01/20140116t51010.htm、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamagata/news/20140117-OYT8T01324.htm、タビリスホームページ http://tabiris.com/archives/yamagatashinkansen/)

|

« 近鉄バスもICカード導入へ | Main | 東京空港交通、羽田行きのリムジンバスに「PASMO」導入 »

JR東日本」カテゴリの記事

鉄道」カテゴリの記事

Comments

問題はフリーゲージが本当に実用化できるかということです。
長崎でも2018年までに開発が間に合うのか懸念されているし、北陸は更に豪雪対策・交直両用というハードルもあります。

上越はなぜか最高速度240キロに留まっているから、ハードルは低そうにも見えるが、将来スピードアップの可能性がないのか。

しかも、車両のこれ以上の軽量化は困難なため、在来線の軌道強化対策が必要なので、在来線をそのまま使えるというメリットも半ば失われています。

また、車両の重量が重いと、動力費や保線コストもかさむので経済的に割に合わないことになります。

むしろ、羽越線のミニ新幹線化の方が問題が少ないと思える。
問題は貨物列車だが、高速運転する新幹線電車のフリーゲージより、機関車方式の列車をフリーゲージ対応する方が容易なのではないか。
豪雪地帯故、3線軌道は余り好ましくない。

Posted by: かにうさぎ | 2014.01.24 at 10:32 PM

 かにうさぎさん、こんにちは。

* 問題はフリーゲージが本当に実用化できるかということです。

 さすがに対面接続が実現する2018年には無理です。E653系が老朽化する時期を見据えた話です。フリーゲージトレインは敦賀でも設置する予定なので、それが実用化すれば、その技術を買えばいいのです。

* 問題は貨物列車だが、高速運転する新幹線電車の

 機関車は標準軌専用のものをつくればよいです。問題は貨車。以前の記事( http://tabechan.cocolog-nifty.com/note/2012/03/post-f462.html )にも書きましたが、フリーゲージ対応のものをつくるのはあまりにも多くて難しいです。全線にわたって標準軌と狭軌の組み合わせにするならともかく(奥羽線大曲-秋田間のように)、標準軌オンリーにするには、「トレイン・オン・トレイン」方式にしないといけません。

Posted by: たべちゃん | 2014.01.25 at 04:21 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/23421/58937311

Listed below are links to weblogs that reference 山形新幹線庄内延伸構想:

« 近鉄バスもICカード導入へ | Main | 東京空港交通、羽田行きのリムジンバスに「PASMO」導入 »