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三陸鉄道、観光需要は増えたものの定期券利用客は約半分

 三陸鉄道は4月6日に全線復旧し、乗客が増えました。16日の株主総会等で4月の乗客数の確定値が発表され、前年同月(34273人)の2倍近い64923人が利用しました。これは震災前の2010年4月の数字(65570人)の99%に当たるものです。

 しかし、数字の内容を見れば喜んではいられません。利用者が増えた要因は観光客が増えたもので、定期券の利用者はほとんど増えていないからです。震災前の半分の数字です。運行再開で観光客が増えたためでしょうか、定期外利用が68%を占め(44541人と震災前の倍以上の水準)、値引きがあるものの安定収入が見込める定期券の利用者は20382人、前年同月の17918人に比べてもそう増えてはいません。ちなみに、震災前の2010年の数字は定期での利用が66%(43860人)を占めていたので、全線復旧しても半分にも満たない数字です(2010年同月比で46.5%、北リアス線は51.4%、南リアス線は30.6%)。このように定期券利用者が回復していないのは、もともと少子化で高校生が減少しているのに加えて、津波で駅付近の集落がなくなっていることが挙げられます。観光客も確実に毎日乗ってくれるわけではなく、厳しいのが現状です。全線再開時に震災前に比べて本数を減らしている現実がうかがえます。

 同じ16日には2013年決算の報告がありました。NHKの「あまちゃん」の影響で乗客数が前年度に比べて108877人増え、497515人、運賃収入も43%増えて22676万円となりました。しかし、運行区間延伸、増発、原油価格高騰により経常費用がかさみ、経常損失は21482万円(20年連続の赤字)、当期利益は5117万円の赤字となりました。旅行業などの関連事業収入は17%の減少でした。ちなみに全線再開後の4月の運賃収入は前年同月比2.5倍の3692万円でしたが、運行区間延長で燃料費などがかさみ、125万円の経常赤字となりました。

 三陸鉄道に関連して、山田線(宮古-釜石間、55.4キロ)の移管問題にも触れます。どうやら今はJR東日本と、譲渡される車両数や車両基地の整備といった技術面での協議を行っているようです。また、三陸鉄道に比べて戦時中につくられた山田線の規格が低く、その改良の問題が残っています。ただ、何度も言うように純然たる民間会社(JR東日本)が内部補助で運営しなければならない路線ではなく、この程度の需要ならBRT化されても文句は言えません。どうしても鉄道がほしいのなら、地元での負担が不可欠です。
(参考:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/local/iwate/news/20140616-OYTNT50340.html、毎日jp http://mainichi.jp/area/iwate/news/20140617ddlk03020030000c.html、MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/life/news/140617/trd14061708020002-n1.htm)

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