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なかなか撤去が進まない姫路モノレール

 1966年に姫路大博覧会のアクセスとして、14億円かけて姫路駅と博覧会メイン会場の手柄山との間1.8キロを開業し、一時は鳥取など日本海側まで延ばすという構想があったものの、運賃の高さ(100円と、並行する山陽電鉄に比べてかなり高かったです)などの理由で、10億円以上の累積赤字を抱えて1974年に休止、1979年に廃止されてしまった姫路モノレール。その姫路モノレールについての話です。

 姫路市は廃線後の1984年から軌道跡を撤去していますが(その前年の1983年に軌道の送電ケーブルの一部が駐車中の車に落下したという事故が起きました)、40年近く経ってもまだまだたくさん残っています。橋げたは耐震性に問題があるため(震度6以上で崩落の危険があります)、早く撤去したいのですが、2013年度までに全体の約半分の924メートルを撤去しただけです。85本あった橋脚も、今年中に約半分の43本に減らすことができるだけです。この長い期間の間に、橋げたの下に建物が建ったり、葉が絡むように生い茂ったりしています。

 なぜ、軌道跡の撤去が進まないのでしょうか? ひとつは財政負担の重さ。姫路市はこれまで約5億円かけて撤去を進めてきました(2012年度の撤去費用は約4000万円です)。橋げた1本の撤去費用は約1000万円、橋脚はその倍以上かかるといわれていますが、残っている区間は撤去が難しい区間もあることから、これまでの4~6倍の20~30億円が必要だといわれています。この現実から姫路市は橋脚の完全撤去をあきらめ、モニュメントとして活用する方針を打ち出し、橋脚にツタやバラ類を植えたこともありましたが、コストがかかるためにうまくいきませんでした。結局、姫路市は手柄山旧駅舎を改修して「手柄山交流ステーション」をつくり、そこに車両などモノレール関係の資料を集約するとともに、軌道については完全撤去する方針に戻しました。

 費用以外にも問題点があります。以前、大将軍駅の話については書きましたが、この辺りには事務所やアパートが密集していて、軌道撤去のための重機が入るスペースがないのです。軌道跡に沿って流れる川の渇水期に重機を入れ、川から撤去作業を行う方法もありますが、この方法だとさらに撤去費用がかかるようです。

 コンクリートの耐用年数は50年。モノレールの軌道跡は「昭和遺産」として鉄道ファンなどに知られていますが、一部で剥離やひび割れなどの劣化が目立っています。2010年には橋脚の破片が会社の屋根に落下し、こぶし大の穴が開く事故も起きています。安全点検だけでも毎年数十万円かかり(補修費は除きます)、「負の遺産」の解決は難しい問題です。
(参考:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/osaka/news/20140429-OYO1T50019.html、MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/140601/wlf14060112000008-n1.htm)

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