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「伊予灘ものがたり」と「予土線3兄弟」に乗る(1)

 「せっかく高野山に来たから」と思って、目の前にある奥之院に行っていたら、実はそんな余裕はなかった。慌てて携帯電話で検索したところ、今晩乗るフェリーに間に合わないということはないが、晩を食べてからフェリーに乗るという当初の計画は変更を余儀なくされる。とりあえず奥の院前18:14のバスに乗る。

 ケーブルで極楽橋まで降り、高野線に乗り換える。ここから乗るのは各駅停車の橋本行きだが、停まっているのは転換クロスシートの2300系だ。基本的には難波には姿を現さず、橋本以南の急勾配区間のみを走る、貴重な車両だ。当然ながら転換クロスシートに座る。高野線で特に急勾配なのは、高野下以南の区間。闇夜にもかかわらず交換ができる駅には駅員が立っていて列車を見守っている。大手私鉄ならではの余裕ともいえるが、乗客に安心感を与えてくれる。橋本で乗り換えだが、特急に乗るほどではないので、次発の急行に乗る。観光需要が望めない、夜の難波行きに乗るような客などいるわけなく、有料の「りんかん」はガラガラの状態で出発していった。

 もともとは堺東で夕食を食べるつもりだったが、計画が狂いフェリーの出航後になってしまうので、「551」で軽食用に豚まんを2個買い、バスに乗るまでに早速1個食べる。次に乗るのは南港フェリーターミナルへのバス。南海バスは堺東から堺を経由して南港に行くバスを運行している。一時あったが廃止され、再び復活した系統だ。このバスの一部がフェリー乗り場の南港フェリーターミナルを通る。堺東駅前20:45発の便がまさにそれだ。堺駅前から乗る客を含め、10人ほどで走る。途中、わずかな距離だが、阪神高速を通る。いったん料金所で1800円徴収され(もちろんETC)、出口で800円返金された。運賃は500円均一。昼間割引バスカードで払う。

 9月13日の晩に乗ったのはオレンジフェリー。大阪南港22:00発の東予港行きだ。事前に電話予約しているのでフェリー乗り場でその旨を告げ、代金を払う。JAFの会員のため1割引となる。すでにフェリーに入ることができるので乗船する。予約したのは2段ベッドが並んだ2等寝台だが、先にレストランで夕食を食べる。堺東で豚まんを食べたので、軽めに玉子丼にする。夜遅い時間なのでメニューはあまりないが、賑わっている。次にお風呂。移動しながらお風呂に入ることができるのは、船ならではの特権だ。しかも広々としている。翌日もあちこち動き回るので風呂から出たらすぐに寝ることにする。前日の松阪のホテルではなぜかよく眠れなかったので、エンジンの音がずっとしているにもかかわらず、よく眠ることができた。

 東予港には6:00着。早い到着時刻であるにもかかわらずレストランは営業している。食べたいところだが、今日のその後を考えて我慢。ここでたくさん食べるわけにはいかないからだ。東予港からはいくつか連絡バスが出ている。松山行きは有料だが、これから乗る今治営業所行きは無料だ。本来はあちこちに停まりながら今治に行くのだが、利用者が多いのか今治駅前までノンストップの直行便が設定され、それに乗る。乗ったバスはせとうちバスだった(松山行きは伊予鉄道)。短距離の高速バス用と思われるもので、2人分の座席を占領できるほどの乗り具合だった。今治にほぼ定刻に着いたので、次の列車までは50分ほど時間がある。今治駅にはお土産を売っているコンビニがあったので、その待ち合わせ時間の間に一気に買う。昼のことも考え、駅弁を買う。今治ならではの「鯛めし弁当」だ。

 ここからは鉄道の旅。今治から乗ったのは、今治7:56発の「いしづち103号」、6月に登場したばかりの8600系で運行される(一部の日を除く)。「しおかぜ」「いしづち」という予讃線松山以東の特急は原則として電車で運行されるが、車両が足らないこともあり、一部はディーゼルカーで運行される。それを改めるためにつくられたのが8600系だ。「いしづち103号」がやってきた。もちろん電車だが、前から見ると丸く見え、しかも真っ黒になっているので、蒸気機関車のように見える。平日は4両編成だが、休日は2両編成なので、車内は混んでいる。結局座れず、松山まで立つことになる。車両の最後尾に立ち、運転席越しに後ろを見る。振り子車両の性能を活かし急カーブでも速度を落とさずに走り、一線スルーで駅でも速度を落とさずに走る。きびきびと走る様は気持ちいい。やがて「いしづち103号」は松山に到着した。

 松山の到着ホームは1番線。前には宇和島への「宇和海7号」が停まっている。しかし、それには乗らない。違う列車に乗るのだ。それは「伊予灘ものがたり 大洲編」、7月に登場したばかりの観光列車だ。宇和島方面の鉄道は伊予長浜経由と内子経由の2つがある。もともとは伊予長浜経由だけがあったが、1986年に内子経由ができ、特急等はこれまでの伊予長浜経由から内子経由に変更された。伊予長浜経由も依然として予讃線だが、実質的には「長浜線」というのが適切なローカル線だ。事実、愛称がつけられていて、「愛ある伊予灘線」となっている。「伊予灘ものがたり 大洲編」は3番線に入ってきた。扉のあるところにはカーペットが敷かれ、アテンダントが迎えてくれる。「伊予灘ものがたり 大洲編」は9:10に駅員などの見送りを受けて、松山を出た。松山の郊外を走る。

 最初、「伊予灘ものがたり」の話を聞いたときは、どこにでもあるような観光列車だと思っていて、特に関心も示さなかった。しかし、それは違っていた。この列車の魅力は、車内で食事ができること。夕方に松山に向かう「伊予灘ものがたり 道後編」を除いた3本で食事の提供があるのだ(「伊予灘ものがたり 道後編」を含めて4本とも車内販売があり、飲料などを購入して、車内で食べることができる。酒やおつまみ、デザートもある)。「伊予灘ものがたり」に乗るには全国の「みどりの窓口」でグリーン券を買えばよいが、食事の予約はJR東海ではできない(JR四国のほか、JR東日本、JR西日本、JR九州ではできる)。JR四国(旅の予約センター)に電話し、代金をコンビニで払うことにより、食事の予約をすることができた。

 その食事は松山を出てしばらくして出される。朝走る、「伊予灘ものがたり 大洲編」のメニューは、ヨーヨーキッチン!のもの。ベイクドベジタブル(季節野菜三種盛り)、胡麻のガレット風(上に鶏や野菜などが載っている)、なめらかプリン(スイートポテトのせキャラメルソース)、モーニングコーヒーである。野菜は松山市郊外の自社農園で育てたものである。値段は2500円である。「伊予灘ものがたり」には厨房はなく、事前に調理しているのを出すだけであるが、それでも車内で食事ができるのはいいものだ。ただ不満なのは、飲み物がコーヒーしかないこと。少々値段を上げてもよいから、水も欲しいところだ。どこかの県内の名水がよい。コーヒーは食後に飲みたいものだ。「伊予灘ものがたり」は海岸の見晴らしのいいところを走る。ところどころで徐行もする。伊予長浜を過ぎると「伊予灘ものがたり」は左に大きく曲がり、伊予灘沿いから離れる。代わりに肱川に沿って遡ることになる。大洲市からはクーポンのついた観光パンフレットが渡される。「伊予灘ものがたり 大洲編」の伊予大洲到着は10:33。着いてから十分に大洲観光を楽しむことができる時間だ。車内では抽選会も行われ、向かいに座っていた人は大洲の特産品が当たった。(続く)

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