« 「106急行」も宅配便の荷物を載せる | Main | アストラム、西広島まで開業へ、ただし平成40年代初頭 »

九州のフリーゲージトレイン、2014年11月から試験走行休止中

 長崎新幹線はフリーゲージトレインを導入することが前提の計画です。そのフリーゲージトレインについて第3次車を用いて九州で耐久走行試験をしていますが、軌間を変えて新幹線と在来線のレールを直通運行する試験を始めてから約1か月後の2014年11月下旬にトラブルが起き、そのまま試験ができない状態が続いています。

 異常が見つかったのは台車。走り始めの状況を確認するために台車を分解したところ、軸受けの潤滑油流出を防ぐ樹脂製の部品が一部欠けていました。この部品は4両編成中32か所にありますが、そのうちの10か所で欠けているところがあり、ひびが4か所ありました。別の軸受けと車軸の接触部分に摩耗した痕跡もあり、こすれたような軽微なものを含めて24か所で確認されました。車輪の幅が変わるフリーゲージトレインでは脱線につながる重大な問題のようです。

 鉄道・運輸機構はJR九州に委託して調査を続けていますが、まだ原因の特定には至っていないそうです(当初は1か月で解決すると見込まれていました)。部品の欠損や車軸の摩耗痕がどのような条件で発生したか、再現する試験を行っていますが、どの程度試験をすれば再現できるかまだ分からない状態のようです。

 今行っている耐久走行試験は実用化に向けた最終段階。60万キロ走行する計画です。40万キロ走行した段階で国交省の技術評価委員会が中間評価を行い、その結果を受けて営業車の設計に入ります。最終評価の時期は2017年3月ごろの予定ですが、あと2年もありません。それなのに、計画の約6%の約3.3万キロしか走っていないのです。

 フル規格と狭軌が入り混じる長崎新幹線は、フリーゲージトレインでないと対応できない新幹線です。少なくとも一時的には乗り換えが必要となる北陸新幹線(ただし、金沢開業の段階では全くできなかった、関西-北陸間のスピードアップが実現します)とは話が違います。今起きている問題が早期に解決するかどうかにもよりますが、九州新幹線開業により博多付近はすでに新幹線になっているのですから、フル規格にすることを求める声が強くなるかもしれません。フリーゲージトレインではできない大阪直通も、フル規格なら簡単ですから。
(参考:佐賀新聞ホームページ http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/178253、朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/articles/ASH6M35NFH6MUTIL004.html)

|

« 「106急行」も宅配便の荷物を載せる | Main | アストラム、西広島まで開業へ、ただし平成40年代初頭 »

鉄道」カテゴリの記事

整備新幹線」カテゴリの記事

Comments

2022年度に間に合うか不安ですね。
同じく軌間変換を必要とする北陸新幹線FGTにも影響がないかどうか…。

この際、長崎新幹線は全区間を事業化すべきだと思います。
そうすれば、新大阪へも直通ができるでしょう。
多額の建設費を負担するであろう佐賀にとっても悪い話ではなく、むしろ大きなメリットになるように思います。

Posted by: RICOH | 2015.06.10 03:26 PM

 RICOHさん、おはようございます。

* 2022年度に間に合うか不安ですね。

 長崎新幹線は、フリーゲージトレインが実用化されていることを前提とした新幹線なので、実用化ができなければ根本からの見直しが必要となります。

 その点は、一時とはいえ敦賀での乗り換えが出てくる北陸新幹線とは違います。

* この際、長崎新幹線は全区間を事業化すべきだと思います。

 そのほうが話は簡単なのかもしれません。博多までの運賃・料金は上がるでしょうが。

Posted by: たべちゃん | 2015.06.11 05:31 AM

もし、FGT実用化できない場合は、当面、博多-武雄温泉は在来線特急、武雄温泉-長崎はフル規格新幹線電車を運行、武雄温泉駅で同一ホーム乗換で対応とするしかないでしょう。
将来的には、全線フル規格化する。

長崎ですら困難となれば、耐雪構造などハードルの高い北陸用FGTは実現できないと思われます。
既に敦賀開業が3年前倒しが決まったことで、開発が間に合わないことが確定しているし、一旦、敦賀同一ホーム乗換でフル規格車両を増備すれば、FGTを導入することはないでしょう。

結局、FGTは幻の技術になるのなら、早い段階で中止したほうがよかったかもしれません。

Posted by: かにうさぎ | 2015.06.11 09:17 PM

長崎新幹線と北陸新幹線の金沢以西は断念してもいいと思います。現状でも不満は少ないでしょうし。

Posted by: Piichan | 2015.06.12 03:14 AM

 かにうさぎさん、おはようございます。

* もし、FGT実用化できない場合は、当面、博多-武雄温泉は

 フリーゲージトレインは実用化しない場合は、こうせざるを得ないでしょう。博多-新鳥栖間は在来線走行になるとはいえ、距離はそうないのですから、軌間切り替え時間との相殺で、所要時間はフリーゲージトレインの場合とほとんど変わらないでしょう。

 北陸、長崎のいずれにしても、残る区間をどうやってフル規格でつくるかが課題となります。

Posted by: たべちゃん | 2015.06.12 05:48 AM

 Piichanさん、おはようございます。

* 長崎新幹線と北陸新幹線の金沢以西は

 北陸新幹線の場合は、下手に東京方面だけつくってしまったので、関西方面への是正が重要な課題となります。長野新幹線の時代とは話が異なります。

 長崎新幹線にしても、新幹線化することにより高速化が図られ、フル規格ならば大阪からの直通もできます。

Posted by: たべちゃん | 2015.06.12 05:51 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 九州のフリーゲージトレイン、2014年11月から試験走行休止中:

« 「106急行」も宅配便の荷物を載せる | Main | アストラム、西広島まで開業へ、ただし平成40年代初頭 »