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佐賀県、全バス路線でアンケート調査を行っていた

 佐賀県は2014年9月から10月にかけて、県内を走るバス全路線に始発から最終便まで調査員が乗り込み、アンケートを行いました。平日と休日の2回アンケートを行い、延べ2139便が対象となりました。佐賀市営バスからも同様の1261便のデータ、さらにタクシーについても県内5地区、12事業者の協力を得て、運転士が乗客に聞き取り調査を行い、5725サンプルを集めました。

 バス停ごとの乗降数のデータはありますが、乗客一人一人の乗車区間や利用目的を明らかにした調査は非常に珍しく、国交省も驚くような膨大なデータです。事業者の営業戦略に関わることでもあり、公表されにくいデータですから。この貴重なデータから何が見えてくるのでしょうか? まず、バス路線を複数の市町(合併前のデータ)をまたぐ「幹線」(50路線)、人口密集地を走る「市街地路線」(16路線)、それ以外の「枝線」(34路線)に分けます。「幹線」「市街地路線」でも8割の便が、最大乗客は10人以下でした。休日だとその割合はさらに増します。特に「枝線」は利用者が全くいない便が3割、乗客3人以下が7割を占めました。「枝線」では定員57人のバス車体を使わず、11人乗りのジャンボタクシーを使ってコスト削減をするのがいいという分析結果が出ています。

 「幹線」にも問題がないわけではありません。「幹線」は比較的長距離乗る傾向がありますが、鉄道と並行する路線では短距離だけの利用が多かったのです。ある路線では、98人の乗客がいましたが、始発から終点まで乗り通したのはたったの1人でした。鉄道との適切な役割分担がなされておらず、路線を分割して需要に見合った形態にしたほうがよいという指摘がなされています。

 年齢別にみると、免許のない高校生では85%近い人が週5日以上利用するのに対して、年齢が増えるにつれて週5日以上利用する人の割合は減っていきます。しかし、60歳以上になると週1~4回利用するライトユーザー層が出てきます。平日は通学や通勤、高齢者は通院に使うことが多いようです。休日には買い物需要が増え、23~59歳の中間層では観光需要も増えます。路線によっては、通学と通院以外は無理だとあきらめていますが、休日は観光に活路を見出してもよいのかもしれません。

 なお、タクシーについては高齢者の利用が多いですが、駅やバス停に行くために使うのではなく、病院や商業施設等に行くなど日常的な生活圏で完結する利用が多いようです。

 佐賀県はこのデータを市町に提供し、人口減少により衰退が進む公共交通の再構築を行う予定です。声の大きい人が勝つ議員への陳情とは違い(廃止を恐れる人からの声が強くなり、どうでもいい路線が残る結果となります。議員と年齢層が近い、高齢者の意見が優遇されてしまいます)、生のデータは真実を表していて、大変貴重なものですから。
(参考:佐賀新聞ホームページ http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/199079、西日本新聞経済電子版ホームページ http://qbiz.jp/article/65606/1/)

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