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北海道新幹線東京-函館間23010円

 JR北海道は10月13日、国交相に対して、北海道新幹線新青森-新函館北斗間の特急料金について、認可申請を行いました。

 今回認可申請したのは、自由席の特急料金のみです。しかも、上限の料金のみで、実際に適用される特急料金、グリーン料金、グランクラス料金は、この申請が認可された後、届出が行われます。なお、運賃、一部の割引切符を含めて明らかになっていますので、それについても紹介します。

 まず、料金について説明する前に、新青森から北海道新幹線各駅への営業キロについて紹介します。奥津軽いまべつまでは38.5キロ、木古内までは113.3キロ、新函館北斗までは148.8キロです。奥津軽いまべつ-木古内間は74.8キロで、在来線の津軽今別-木古内間と同じです。どうやら北海道新幹線は地方交通線ではなく、幹線扱いとなっているのです。

 北海道新幹線の料金を見て真っ先に気づくのは高いこと。新青森-新函館北斗間の特急料金は4450円(普通車指定席、通常期)、東北新幹線で同じ距離の特急料金は3110円ですから、1.43倍です(異様に高いのは新青森-新函館北斗間だけで、そのほかの新青森-木古内間などは東北新幹線より若干高いぐらいの水準です)。なお、繁忙期は通常期より200円高く、閑散期は通常期より200円安いのですが、北海道新幹線に適用される繁忙期、閑散期は、JR東日本など他社と同じものを使い、JR北海道独自のものは使いません。

 北海道新幹線で走るのは、全車指定席の「はやぶさ」、「はやて」のため、自由席はありません(現在、仙台以北のみ区間運転しているものには自由席がありますが、どうやらそれも含めて全車指定席になるようです)。ただ、東北新幹線盛岡以北と同様、特定特急券、立席特急券を発売します。特定特急券は座席の指定はできないのですが、普通車の空いている席を利用することができます。立席特急券は満席の場合に発売されます。特定特急券、立席特急券は自由席と同額で、指定席特急料金の520円引きです。ただ、隣接駅間は少し安く、新青森-奥津軽いまべつ間及び木古内-新函館北斗間は1310円、奥津軽いまべつ-木古内間は1490円です(3区間とも指定席特急料金は2510円)。確かにいずれも少し安いですが、東北新幹線などほかの新幹線(九州新幹線の一部区間を除きます)に見られるような860円という安い料金ではありません。特に青函トンネルを挟む奥津軽いまべつ(現:津軽今別)-木古内間は、現行では(普通列車がないため)自由席特急料金は0円です。ところが利用者は皆無に近いでしょうが、スピードは在来線並みの時速140キロなのに、料金は一人前にかかるのです。料金がほかの新幹線に比べると異様に高い新青森-新函館北斗間で見ると、スピードの割に特急料金が高いことが目立ちます。ちなみにグリーン料金はJR東日本の安い料金ではなく、東北新幹線に比べると若干高くなります。新青森-新函館北斗間は2750円です。グリーン料金とグランクラス料金の差額は東北新幹線等と同じで、グリーン料金に5140円加えたものになります(シートのみサービスの場合は3090円)。

 北海道新幹線の利用者は、北海道新幹線で完結するだけでなく、線路がつながっている東北新幹線と併せて利用するケースが多いと考えられます。この2つの新幹線を通して乗ったときの料金はどうなるのでしょうか? 基本的には山陽新幹線と九州新幹線を通して乗ったときと同じように、東北新幹線と北海道新幹線の料金を合算します。指定席特急料金は2つの新幹線の合計から520円を引きますが、グリーン料金は単純に合算します。グランクラス料金は特別の料金が設定され、2つの新幹線の合計から2060円を引くようです。新青森に隣接する七戸十和田と北海道新幹線各駅間、奥津軽いまべつと東北新幹線各駅間には指定席特急料金の特例はありますが、八戸、木古内などほかの駅の場合は特例はありません。先ほども記したとおり、520円を値引くだけです。

 以上の話を踏まえると、北海道新幹線の運賃・料金は次のようになります(特に記載のない限り、「はやぶさ」普通車指定席利用、通常期)。東京-新函館北斗間は22690円、大宮-新函館北斗間は21740円、仙台-新函館北斗間は17310円、盛岡-新函館北斗間は12880円、新青森-新函館北斗間は7260円です。グリーン車で東京-新函館北斗間は30060円、「グランクラス」で東京-新函館北斗間は38280円です。しかも、新函館北斗には何もなく、函館に用事があるなら「はこだてライナー」等で函館に移動しないといけません。運賃はその分上がり、東京-函館間は23010円となります(新函館北斗-函館間は普通列車利用)。現行の新青森で特急に乗り継ぐのに比べて2810円上がりますが、所要時間が1時間程度短縮されることを考えたら、値上がり幅は妥当なところかもしれません。

 北海道新幹線の料金は航空機との競争を考慮したものであり、正規料金よりは明らかに安く、実際に使われる割引運賃の動向も考えたものとなっています。とは言っても、平均的な割引料金(2万円程度)より若干高く、しかも北陸新幹線のようにスピードでも対抗できる水準にないことから(最速でも4時間半かかります)、航空機に打撃を与えるということはないでしょう。実際には、新幹線にどのような割引切符が出るのかが重要です。新青森-新函館北斗間については、すでに割引切符の設定が発表されています。早期申込、列車、席数、インターネット予約(利用登録が必要)という条件で、4350円です。約4割引です。

 ただ、このようにほかの新幹線と比較して高い水準の料金であっても、北海道新幹線は赤字となるようです。JR北海道の収支見通しによれば、2016年度の収入総額は約108億円、これに対して支出は施設維持費を含む経費が約78億円、鉄道・運輸機構に支払う施設使用料(貸付料)が4.5億円(正式に決まったわけではなく、現時点の想定のようです)、これに人件費なども加えた総額は160億円にもなります。差し引き約52億円の赤字で、これは2017年度以降も続くのです。それでも並行在来線の赤字が切り離され、新幹線開業の波及効果で在来線も増収が見込まれることから、JR北海道の全体の収支が悪化することはないようです。

(追記)
 北海道新幹線の料金に対する公聴会が11月26日、函館市で行われますが、出席する公述人3人とも、割高だとして反対の立場を示すことになりました。
(参考:JR北海道ホームページ http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2015/151013-2.pdf、JR東日本ホームページ http://www.jreast.co.jp/press/2015/20151005.pdf、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/hokkaido/news/20151014-OYTNT50045.html、北海道新聞ホームページ http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0191057.html、http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0190224.html、http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0198825.html)

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