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大阪市営地下鉄、バス等の民営化基本方針案、2月議会に提案へ

 「大阪都構想」が住民投票で失敗し、それが原因で橋下前市長は政界を引退しましたが、後継の大阪市長も橋下氏のつくった大阪維新の会の人間です。橋下氏の人気で市長になったので、当然ながら橋下氏の影響が強く残ります。

 交通関係での大阪市の話題といえば、交通局の民営化がありますが、これも継続されます。3日のことですが、大阪市は交通局民営化の基本方針案を決定しました(民営化に向けた基本方針案を議会の議決事項とする議案は2015年10月に可決されています)。地下鉄は上下一体で大阪市が出資する新会社に引き継ぎ(当面は大阪市が100%の株を保有しますが、将来的には株式を売却する完全民営化を行うことも考えています)、バスは地下鉄会社の子会社となります。すでに大阪市営バスの約4割の路線について運行を委託されている外郭団体、大阪シティバスを子会社とするようです。基本方針案の骨子としてはそのほか、安全確保を経営判断の最優先課題とすることが明記され、今里筋線の延伸等の未着手路線については大阪市の考えかたを尊重するとされています。バス路線や運行本数、運賃は民営化後5年程度、同じ水準を維持することとされています。

 ところで、今里筋線の延伸など変なものに手を出さなければこれからもお金を生み続ける地下鉄とは違い、バスには多額の赤字がたまっています。人件費の削減(大阪シティバスの人件費は交通局に比べて1人当たり300万円も低いのです)などの努力によって経常損益は2年連続の黒字(10億円)となっていますが、土地信託事業(住之江区のオスカードリーム)の失敗に伴い、銀行に支払う和解金283億円が発生しました。これにより、資金不足比率が法定基準の20%を大幅に上回る141%にもなり、国に健全化計画の提出を義務付けられることになったのです。累積欠損金は約800億円の巨額になり、公営企業のままでは事業が続けられないと大阪市は判断したのです。地下鉄事業会計から事業支援として支出された貸付金と出資金の合計502億円、一般会計からの172億円は放棄し、企業債など外部向けの借金返済に充てるため、地下鉄事業会計で143億円を追加負担します。この負担に伴い、バス営業所の土地建物やバス車両などの大半の資産が地下鉄会社のものとなります。

 この基本方針案は16日からの2月定例議会に提案され、過半数の賛成で可決されたら、いよいよ最後の重要法案、地下鉄・バス事業の廃止法案の提出になります。早ければ5月に提出されることになります。これには2/3の賛成が必要で、もしそれだけの賛成を得て可決されたら、約1年の準備期間を経て民営化されることになります。大阪市としては2018年度までの民営化を目指しています。

(追記)
 大阪市営バスの民営化基本方針案と経営健全化法案は、バス事業の民営化後に路線縮小や運賃値上げをしない期間を10年に延長することにより、3月29日で会期末を迎える大阪市議会で可決される見通しです。

 もっとも、地下鉄のほうは継続審議となるため、好調な地下鉄の子会社としてバスをぶら下げるということができなくなります。そこで吉村市長は経営の一体性がなくなるという理由で、市バスの民営化を先行しない方針です。
(参考:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/osaka/news/20160203-OYO1T50023.html、毎日jp http://mainichi.jp/articles/20160203/k00/00e/040/160000c、産経WEST http://www.sankei.com/west/news/160326/wst1603260023-n1.html)

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