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長崎新幹線は「リレー方式」で2022年度開業予定

 長崎新幹線は武雄温泉-長崎間をフル規格で建設し、博多-(九州新幹線、標準軌)-新鳥栖-(在来線、狭軌)-武雄温泉-(長崎新幹線、標準軌)-長崎間をフリーゲージトレインで走らせる計画でした。フリーゲージトレインは標準軌と狭軌の両方を、車軸の幅を変えながら走ることができるのです。

 ところが、皆さんも御存じの通り、フリーゲージトレインの開発はうまくいっていません。当初の予定通り2022年度にフリーゲージトレインを導入することは難しいのです。国はフリーゲージトレインを断念したくない、佐賀県は負担したくない、長崎県は早く開業させたい、この利害を解決するのは難しいです。

 そこで出てきた話が、建設が進んでいる武雄温泉-長崎間はフル規格新幹線、博多-武雄温泉間がそのまま在来線特急を使う「リレー方式」。ただ、新幹線をつくってもそれほど速くはならないのです。現在の在来線での博多-長崎間の最速は1時間48分、フリーゲージトレインの場合は1時間20分と28分短縮しますが、「リレー方式」だと博多-武雄温泉間が約1時間10分、武雄温泉-長崎間が約20分、武雄温泉での乗り換えを5分とすると(新八代のときのような対面乗り換えもできるようです)、併せて1時間35分です。途中の乗り換えができるのに、そんなに速くはならないのです。もっとも、フリーゲージトレインで1時間20分で結ぶという試算が怪しいとも言えますが。博多-新鳥栖間を新幹線走行しても2分しか速くならないのですから、どこかにおかしいところがありそうです。新幹線にすると停車駅が減るかもしれませんが、フルスピードで通過できそうなのは嬉野温泉と新大村ぐらいです。これは「リレー方式」でもフリーゲージトレインでも同じです。フリーゲージトレインなら武雄温泉は通過できますが、車軸の幅を変えるので低速での通過となります。

 そして、「リレー方式」に決まってすべてが解決するわけではありません。フリーゲージトレインが導入されるかどうかで車両投資計画が大きく変わるのです。仮にフリーゲージトレインが2025年度に導入されたならば、今の在来線車両をそのまま使えばよい博多-武雄温泉間はともかく、数年のために武雄温泉-長崎間にフル規格車両を投入するわけにはいきません。九州新幹線に新型を投入し、古いもの(800系?)を長崎新幹線に投入させるなどの対策が必要になります。それでは、フリーゲージトレインを断念したならばどうでしょうか? フル規格区間に新幹線の新車を躊躇なく投入することができますが、今度は佐賀県を説得して全線フル規格にしなければなりません(全線フル規格なら、新大阪へも直通ができ、その効果は大きいです)。永久に乗り換えさせるわけにはいかないのですから。「リレー方式」は全線フル規格にするまでの暫定的な方式です。過去の九州新幹線はそうだったですし、北陸新幹線でも敦賀以西をつくる話があるから暫定的に敦賀で乗り換えさせることができるのです。それも無理なら、新幹線区間を狭軌で建設する、スーパー特急方式しか採りようがないのかもしれません。

(追記)
 「リレー方式」を採用することによって、武雄温泉で対面乗り換えにするための追加費用が24億円、フル規格区間の新幹線車両の整備施設の改修に46億円、合わせて70億円がかかるようです。
(参考:朝日新聞ホームページ(会員登録要) http://digital.asahi.com/articles/ASJ2R7KZFJ2RTIPE044.html?rm=811、http://www.asahi.com/articles/ASJ3B6259J3BTTHB00P.html、佐賀新聞ホームページ http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/282623)

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Comments

私はリレー方式、賛成です。

将来は時間がかかっても全線フル規格の方が一番シンプルでよいと思います。

時間短縮について、フリーゲージと比較している報道機関の記事は多いです。フル規格との比較記事を取り扱っている記事は少ないですね。費用はかかるかもしれませんが技術の確立している全線フル規格との時間短縮記事も載せが方が公正だと思います。

技術未確立の分野で夢を描くことは誰でもできます。子供でもプロではない素人でも・・・。佐賀県は気づいてほしいです。頑なになることで周囲や将来に影響を及ぼしていないのか・・。国も日本の将来の交通の事を考えて大きな視点で調整に乗り出してほしいところです。

長崎新幹線は動脈であり、屋台骨の一部です。フリーゲージは血液(新幹線)の効果を細部まで至らせる毛細血管で真価を発揮するのではないかと思います。このままでは長崎新幹線はフリーゲージ区間がネックになり将来思うように動けなくなってしまいます。

東海道新幹線も当時は多くの人が「必要」といった訳ではありませんでした。

数年後数十年後の未来の人が「あってよかった」と思える長崎新幹線ができる事を望んでいます。


Posted by: すみれ | 2016.02.27 at 09:17 AM

 すみれさん、おはようございます。

* 私はリレー方式、賛成です。

 いずれ長崎新幹線が全線フル規格になるなら、未だに技術的には確立していないフリーゲージトレインは導入せず、暫定的に「リレー方式」で対応するのが望ましいです。全線フル規格なら、博多-長崎間のスピードは車を圧倒し、関西方面からの利用も見込めます。

 ただ、「リレー方式」を採用する前提は、いずれフル規格になることです。佐賀県が目先の負担増にとらわれている間は、無理です。

* 長崎新幹線は動脈であり、屋台骨の一部です。

 長崎新幹線は九州新幹線と違って幹ではなく、枝線でしょうが、それでも新幹線ができると効果を発揮することは過去の事例から見ても明らかです。

Posted by: たべちゃん | 2016.02.27 at 10:22 AM

当面はリレー方式でいいと私は思っています。

在来線区間、新幹線区間でできる限りのスピードアップをすれば、既に建設した設備を最大限有効活用できますし、フリーゲージで発表されている所要時間にも肉薄できると思います。

建設費は高くなりますが、投資したお金が一番活用できるのは全線フル規格だと私は思います。

フリーゲージはどうしてもスピードアップに結びつかない、例えば乗り入れ先の設備・システム改修等、余分な費用がかかってしまうので、どうしても費用対効果が薄くなってしまうと私は思います。

Posted by: Soleil | 2016.03.01 at 09:26 PM

 Soleilさん、こんばんは。

* 在来線区間、新幹線区間でできる限りの

 それを言えば、フリーゲージトレインでも話は同じです。フリーゲージトレインの所要時間の想定が甘いのかもしれません。

* 建設費は高くなりますが、投資したお金が

 フル規格が望ましいことは確かですが、ネックは佐賀県です。フル規格にできないのならば、永久に乗り換えが続く「リレー方式」は不適切です。

Posted by: たべちゃん | 2016.03.01 at 10:02 PM

でも、一番需要のある佐賀・博多間の約40分が十数分短縮される代わりに大幅値上げが予想されるので、佐賀県がフル規格に消極的になるのはわかります。
4枚きっぷで1回あたり1030円ですからね。運賃が1110円なのに。

Posted by: たなべ | 2016.03.03 at 12:02 AM

 たなべ さん、おはようございます。

* でも、一番需要のある佐賀・博多間の約40分が

 確かにこの安さは魅力です。長崎へはある程度の値上げができますが、佐賀については新幹線ができても格安きっぷの販売は継続しないといけないでしょう。

Posted by: たべちゃん | 2016.03.03 at 05:34 AM

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