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都会の電車の利用者がバスで十分なローカル線の利用者のためにお金を出す必要はない

 ローカル線の中には、どう考えても鉄道は過大設備で、バスでも十分なレベルのところがあります。

 ところがそのようなローカル線でも、なかなか廃止されません。中小私鉄や第三セクターなら地元負担の大きさに音を上げて廃止するという合理的な判断もできますが、これがJRや大手私鉄だと、「儲かっているのだからこれぐらいの赤字は自分たちでかぶるべきだ」として、自分たちは何もしません。それなのに要求だけは一人前です。

 さすがに只見線三江線で廃止の話があり、経営が危ないJR北海道では留萌線の末端区間が12月に廃止になります。しかし、まだまだ鉄道としての使命を終えたという路線はたくさんあります。

 しかしこのような路線でも、廃止されるとなると根強い反対があります。副業でもいいから黒字を出せるのなら何ら問題はありません。観光列車を走らせることによって、たとえそのローカル線は赤字でも、そこまでの新幹線等で稼ぐことができたら、それでも価値はあります。東北あたりに走っているJR東日本の観光列車はそのタイプです。でも、こういう例はそうたくさんはありません。

 そこで参考にした記事で著者が提唱しているのが、「交通ユニバーサルサービス制度」。新幹線も大都市圏の通勤鉄道もローカル線も全ての鉄道利用者が一定の負担をして、それで貯めたお金でローカル線の維持を行います。この方法は、総務省が電話サービスを維持するために行っているユニバーサルサービスを基としています。電話の利用者は固定、携帯にかかわらず一定の金額を負担し、それを地方の通信ネットワークの整備と維持に使います。

 一見するとよさそうなアイデアです。しかし、そこまでして維持しなければならない鉄道はどれぐらいあるのでしょうか? 整備新幹線の並行在来線あたりはJRから分離すべきではなく、そういうところは社会的な観点から公費を投じてJRとして維持すべきなのはわかります。整備新幹線は速いのでそれなりに競争力があり、運賃に上乗せして維持するのはむしろ好ましいことでしょう。でも、バスで十分な程度のローカル線を無理に鉄道として維持しなければならない理由はありません。鉄道だけが公共交通機関ではありませんから、バスあたりでも公共交通機関として維持できればいいのです。大体、電話の世界でも、固定電話網が全国をカバーする前に携帯電話サービスが普及したのなら、あまりに人口密度が低いところは固定電話網の整備をやめるという選択肢も考えられたのでしょう。携帯電話料金を下げてカバーすればいいのですから。固定電話しかないというわけではありません。
(参考:ITmediaビジネス ONLINE http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1606/17/news024.html)

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鉄道」カテゴリの記事

Comments

「交通ユニバーサルサービス」なのに,対象を鉄道に限ると変な話になります。鉄道運賃と同様に飛行機や船,そして自動車にも同等の「ユニバーサル料」を賦課し,その資金を「地方交通」の維持に使うと良いです。資金の範囲内で,鉄道維持なり道路整備なり,あるいはマイカーの購入補助でも結構ですが,その地方が必要と判断する部分にお金をかければいいのではないでしょうか。
「その地方にしか役立たない交通など,そもそも不要」というレベルの意見が出てくると,また話は違ってきますけれどね。

Posted by: (yo) | 2016.07.20 at 12:42 PM

  (yo) さん、こんばんは。

* その資金を「地方交通」の維持に使うと良いです。

 そもそも、どうして地方交通にお金を投じないといけないのか、ということから考えないといけません。他人のお金が入ると、どうしても過大なものになってしまいますから。

 どうしてもと言うなら、かかるコストが小さいという観点から考えないといけません。

Posted by: たべちゃん | 2016.07.20 at 08:43 PM

>そもそも、どうして地方交通にお金を投じないといけないのか

同じ日本国民として,移動する権利を守らねばならないから,という考えでしょう。他人のお金ではありません。自分たちのお金です。
でも,まあ人間の性として無理ですよね。普通の人は自分だけが満足することを求めます。

Posted by: (yo) | 2016.07.21 at 01:23 PM

  (yo) さん、こんばんは。

* 同じ日本国民として,移動する権利を守らねばならないから,

 移動する権利の保護はいるでしょうが、それが鉄道でなければならないということではありません。バスでもデマンドタクシーでもよいのです。

 鉄道にするのなら、それなりに需要がなければなりません。それが通過需要ならなおさら良いです。

Posted by: たべちゃん | 2016.07.21 at 09:18 PM

>鉄道だけが公共交通機関ではありませんから、バスあたりでも公共交通機関として維持できればいい

運営母体も特性も違う交通機関を単純比較すること自体が間違いです


>固定電話網が全国をカバーする前に携帯電話サービスが普及したのなら、あまりに人口密度が低いところは固定電話網の整備をやめるという選択肢も考えられた

携帯は固定の代替にならないのでその選択肢はあり得ません

Posted by: さかな | 2016.07.22 at 01:46 AM

 さかなさん、おはようございます。

* 運営母体も特性も違う交通機関を単純比較すること自体が

 移動できることが最重要です。ガラガラの列車を走らせなければならない義務はどこにもありません。

* 携帯は固定の代替にならないので

 すでに固定電話網ができている日本はともかく、これから電話が普及するところではそういう発想はあるでしょう。

Posted by: たべちゃん | 2016.07.22 at 06:11 AM

ローカル線を廃止すると、長距離通学する高校生の通学時間は大幅に伸びますし、下宿者も間違いなく増えます。
ローカル線の維持を地域の努力のみに任せた場合、地域によっては高校生に過大な負担を強いることになります。それが正しい施策かどうかは疑問が残ります。

Posted by: もよっこ | 2016.07.22 at 07:38 AM

 もよっこさん、こんばんは。

* ローカル線を廃止すると、長距離通学する

 今までが恵まれすぎていた、ということでしょう。

 高校生の通学対策なら、地元自治体が低コストの交通機関を用意すればいいだけの話で、鉄道事業者が負担しなければならないものではありません。

Posted by: たべちゃん | 2016.07.22 at 09:34 PM

法律上は、国土交通省に1年前迄に廃止の届出を提出すれば廃止できるが、実際は自治体の同意を取り付けなければ、廃止できないのは、社会の事情。

少なくともJR東日本は、今までも災害がない限り、ローカル線は放置状態。自分の方から、廃止の議論をしないのは、自治体に伺うコストなどがかかるからしないと思う。
災害路線でも廃止に持っていくまで時間がかかるのもそれが原因。

JR北海道も、留萌線の末端部は廃止が決定したが、それが皮切りに、ぞくぞくと廃止路線が出ると思ったが、いまだにでていない。その代わり、駅の廃止が多い。路線だと、時間がかかるので、ピンポイントで同意を取り付けられる、駅の廃止の方いいった気がする。


これだけはいっておくが、鉄道で儲かるのは、首都圏と関西圏くらい。

Posted by: たかちゃん | 2016.07.22 at 10:04 PM

 たかちゃんさん、こんばんは。

* 少なくともJR東日本は、今までも災害がない限り、ローカル線は

 本当は「負け犬」のローカル線をつぶして、その経営資源を鉄道としての特性を活かすことのできる大都市通勤輸送や新幹線などの幹線輸送に振り向けるのが望ましいです。需要の少ないローカル線に一番合う交通機関は、車なのですから。

 現状のように負担をJRに押し付けるやり方では、赤字を抑えるのが第一の、やる気のない経営に終始します。誰もこれに文句は言えません。

 話は変わりますが、コメントもかなり増えてきましたので、明日の23:59で締め切りとさせていただきます。ご了承ください。

Posted by: たべちゃん | 2016.07.22 at 10:26 PM

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