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新幹線は北海道へ(5)

 今日(9月15日)の宿は盛岡駅から若干離れたところにある。バスに乗ってもいいが、せっかく「北海道&東日本パス」を持っているのだから、山田線に乗って次の上盛岡から歩く。盛岡から歩いても上盛岡から歩いても同じようなものだ。山田線は2015年12月に起きた土砂流入の影響で、上米内−川内間が運休となっている。盛岡からは3駅先の上米内までだ。でもこういうときだからこそ、長距離需要のないシンプルな盛岡近郊の利用状況を見ることができる。山田線の列車に乗ることはあっても短距離の上米内行きに乗ることはないのだから。盛岡19:06発はキハ110の1両編成。発車10分ほど前に上米内からの列車が入ってきた。人数は5人ほどだったが、降りてきた人の中にスーツ姿の人もいた。沿線に会社があるのだろうか? 乗る人は結構多く、25人か30人ほど。次の上盛岡で降りる。何人か降りる。ワンマンではないので、車掌に切符を見せて降りた。

 一部区間が運休している山田線には代替の交通手段が用意されている。岩手県北自動車の「106急行」、盛岡と宮古を国道106号で結ぶ急行バスだ。山田線は1日4往復しかないが、「106急行」は1日17往復もある。宮古クラスなら役所や民間企業でも出張所があり、それなりの都市間交通需要がある。鉄道はその潜在需要を逃しているとも言える。その「106急行」だが、JRの切符を持っていれば「振替乗車票」がもらえる。しかし、乗車当日分しかもらえない(時間の指定はないので、山田線のダイヤにかかわらず、早朝から夜間までどの便でも乗ることができる)。「106急行」はホテルの近くのバス停にも停まるが、「振替乗車票」は盛岡駅でしかもらえないので、啄木新婚の家の前を通り、15分ほどかけて盛岡駅まで行く。駅で無事に「振替乗車票」を手に入れることができ、コンビニで朝食用のパンを買い、盛岡駅東口5:45発の「106急行」に乗る。「106急行」は客4人で出発する。石割桜、旧盛岡銀行本店を通るので車窓から見学する。盛岡バスセンターなどで増え、客は8人になる。慣れているのか、運賃箱にある新聞(車内で読むことができる)を取る手際のよい人もいる。

 曲がりくねった坂を登ると区界。区界は盛岡市と宮古市の境である。市町村合併したため、盛岡と宮古の間は2市しか通らないのだ。盛岡側とは違い、宮古側はなだらか。高原の風情だ。「106急行」は2時間かかるが、観光バスタイプの車内にトイレがない。道の駅に立ち寄り、5分間のトイレ休憩を行う。実はこの区間にも部分的ながら高速道路ができつつある。今の「106急行」は小さなバス停にもこまめに停まるが、高速道路経由になったらこのような小さなバス停はどうなるのだろうか? バスは宮古に向け下っていく。並行する閉伊川には流木が見られる。台風10号の被害は岩泉が知られているが(そのため、当初は岩泉線の代替バスに乗る計画だったがそれを断念した)、このあたりも被害を受けた。道路が削られて2か所で片側交互通行となっている。一時は「106急行」も釜石を経由する大幅な迂回を行っていたほどだ。交互通行規制のほか宮古市内の渋滞もあり、10分ほど遅れて到着。川井あたりからポツポツとだが乗り降りがあったので、宮古駅前で降りたときには客は12人になっていた。

 山田線の宮古以南は、東日本大震災以来運休したまま。結局三陸鉄道が引き継ぐこととなったが、それまでの間は岩手県北自動車と岩手県交通の路線バスを乗り継ぐことになる。JRの乗車券では乗車できず(JRの切符でも定期券や回数券は使える)、その都度現金で払うことになる。宮古駅前8:50発の田の浜行きに乗る。宮古駅前を出たときの客は3人だったが、市内中心部の停留所で乗る人がいて、5人に増える。その後途中の停留所で降り、一時は2人にまで減ったが、山田町内でなぜか乗ってきて、最大8人にもなる。しかも不思議なことに運賃を運賃箱に入れない人がいる。町民には何か安い設定があるのだろうか? このバスは主に国道45号を走る。運休したまま錆び付いている山田線のほか、ところどころで海が見える。穏やかな海だがあの日は牙を剥いたのだ。復興工事がいろいろなところで行われている。乗り換え停留所の道の駅やまだで降りる。ここから南のバスは岩手県交通に変わるが、来るまでの間、道の駅で過ごす。小さいので、大したものはない。発車20分ほど前に釜石方面から乗り継ぎのバスがやってきた。これが10:38発の釜石駅前経由上大畑行きとなる。客3人で出発する。大槌町に入ると増え始める。ショッピングセンターのマスト前が拠点のようだ。そのまま釜石市内まで減ることなく乗っていた。5分遅れて釜石駅前に到着。もう少しで正午なので、ここでお昼にする。十数年前に行った店は震災以降、土産の販売に専念していて、その後継とも言える店で海鮮丼をメインとした定食を食べる。うに、いくら、ほたての海鮮丼なので、よく考えたら函館の朝市と同じ組み合わせだった。

 これから乗る「はまゆり6号」(釜石14:18発)は2時間ぶりの列車。改札前に列が伸びているので、それに並ぶ。指定席のある快速なのでビジネス需要もある。スーツ姿の人も見かける。釜石13:55着の「はまゆり3号」が来た。次々と改札を通って来た。発車15分前に改札を始める。「はまゆり6号」はキハ110の3両編成。両端の1、3号車はリクライニングする元急行用の特別仕様、真ん中の2号車は普通列車用。3号車は指定席なので一番前の1号車にする。次の小佐野から乗ったのも含めて4割ほどの混み具合。「はまゆり6号」はオメガ状の線路を登っていく。これに対して暗い影を落としているのが高速道路。次々にできていく。地方の高速道路は無料のため、税金でつくられ維持費も税金である。これに対してJRは公共交通の美名のもと、赤字でも黒字路線の利益をつぎ込んで維持することを求められる。バスで十分な需要しかないところでも例外はなく、文句は一人前だ。本来なら幹線の設備投資に充てたいお金である。国鉄時代なら仙台や県庁所在地を結ぶ急行が走っていたところでも、高速道路の整備と鉄道に対する理解の無さにより危なくなっているのだ。本来なら県あたりが高速化にお金を投じるのが望ましいが、その気がなければJRに撤退の自由を与えないといけない。釜石線中間の主要駅、遠野に着く。ここでも乗ってきて相席になるところが出てくる。反対に降りるのが目立ったのは新幹線接続駅の新花巻。釜石発車時点の混み具合に戻る。終点の花巻で東北線に乗り換え。(続く)

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