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新幹線は北海道へ(7)

 水上からは本日2番目の観光列車、「やまどりもぐら」に乗る。「リゾートやまどり」が使われる。「リゾートやまどり」は485系を改造したリゾート列車で、6両編成なのに定員はわずかに136人。座席はグリーン車でも文句が言えない3列シートで、シートピッチも広い。畳敷きの部屋、キッズスペースなどフリースペースも充実している。これをたった520円の指定券を買うだけで乗ることができるのだから、お得だ。SLの到着が遅れたため、5分ほど遅れて出発する。湯檜曽の手前から新清水トンネルに入る。トンネルの中にある土合で15分ほど停車する。列車の外に出ると涼しい。地上までは462段の階段で結ばれているが、バリアフリーのかけらもない。ここを利用するのは登山者だけなのだろうから、問題はないのだろう。もともと土合は待避線のみにホームがあったが、新清水トンネルが開通した時代と異なり今は新幹線があるので、本線側に狭いホームをつくり、待避線は撤去している(これは次の土樽も同じ)。やがて「やまどりもぐら」は走り出す。ゆっくり走っている。後で時刻表を見て気がついたが、ほかの列車より遅いのだ。

 「やまどりもぐら」は終点の越後湯沢に到着した。次に乗るのはこの列車の折り返しなのだが、いったん改札を出ることにする。意外に思ったのが、駅構内の売店などが充実していること。スキーシーズンでないから閑古鳥が鳴いているかと思ったら、結構賑わっているのだ。昔使ったことのある地酒の有料試飲コーナーや温泉もあるので、時間のあるときに使ってみたい。帰りも車両は同じ「リゾートやまどり」を使うが、列車名は「やまどりループ」になっている。上越線はできた時代の事情から上下でルートが異なり、行きに乗った長いトンネルのある区間は戦後に追加したもの、これから乗るのは戦前につくったものである。あまり長いトンネルを掘ることができないため、線路を一周させて高度を稼ぎ、トンネルをできるだけ短くするという手法が用いられた。「やまどりループ」の語源にもなった、ループ線である。「やまどりループ」は越後湯沢を13:53に出た。土樽から当時としては長いトンネルに入り、出たところが土合。ここで「やまどりループ」は19分停まる。そのまま水上まで行ってもよかったが、土合で降りることにした。行きに通った下りホームまで往復してみるのだ。かばんとお土産を持ち、出発。462段のまっすぐに延びる長い階段は、5段の階段と平らなところの繰り返し。階段はきちんと整備されていて歩きやすい。かばんは重たかったが(登山者の気持ちにはなれたかな?)、15分余りで往復して上りホームに戻った。それにしても1日5往復しかないのに、ひっきりなしに登山をしてきたと思えないようなドライブ客がやってくる。近くにロープウェイがあるのでそれで気軽に来た人が寄っているようだ。来た証拠に乗車駅証明書発行機のボタンを押すのも多い。

 そうこうしているうちに次の列車の時間になった。次に乗るのは土合15:34発の水上行き、E129系の4両編成。新潟に投入された新車だ。1両の半分がロングシート、半分がセミクロスシートという変わった座席配置。空いているので運転室後ろのロングシートに座る。この水上行きに乗った人の中には「やまどりループ」で見かけたような人がいる。同じように土合で降りたのだろうか? 水上15:53発の高崎行きは115系の6両編成。水上を出た時点ではガラガラだったが、沼田などでだんだん増えてきて、立つ人もいる。渋川で行きに乗った「SLレトロみなかみ」を追い越す。「SLレトロみなかみ」は水上を15:20に出たが、渋川で15分近く停まっているうちに後続の普通列車に追い付かれたのだ。

 高崎からはグリーン車を乗り継ぐ旅になる。とは言っても何らかのからくりはある。高崎からの上野東京ラインの小田原行きはE231系の10両編成(籠原からは15両編成)。小田原までの3時間余り、ロングシートに揺られるのはきつい。またいくら運よくボックスシートを手に入れたとしても、混雑した車内で弁当は食べづらい。そこでグリーン車に乗ることにしたのである。780円で3時間余り過ごせるのなら安いものだろう。せっかくグリーン車に乗ったのだから2階建てにしようかとも思ったが、ネックは荷物。網棚がある車端部にする。高崎からグリーン車に乗るのは少なく、ゆったりとした時間が流れる。東京に近づくに連れ、普通車には列ができているがグリーン車には無縁だ。東京からはグリーン車に乗る人は多くなったものの、満席で座れないということはない。弁当も気兼ねなく食べることができた。

 小田原からは新幹線。この旅の最終ランナーだ。小田原20:36発の「こだま685号」である。先ほども書いたようにグリーン車に乗る。というのも「こだま」のグリーン車は安いのだ。小田原−名古屋間の運賃と普通車指定席の合計は8940円、これに対して「エクスプレス予約」の「こだま☆楽旅IC早得」は8620円なのだ。正規料金より安いうえに座席がグリーン車にアップグレードされるのだ。「こだま」でも3両あるグリーン車を持て余しているJR東海の事情があるとはいえ、お得なことには変わりはない。そうでなければ新幹線のグリーン車には乗ることができないだろう。ともかく、静かな車内で今回の旅を締めくくることができた。

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