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JR北海道の値上げは運賃が主体

 赤字ローカル線を多数抱え、経営が苦しいJR北海道。以前にも書きましたが、値上げすることになりました。5月10日に国交相に運賃・料金改定の申請を行ったのです。消費税率が8%から10%に上がる10月1日に値上げされます。値上げ率は消費税率改定分を含めて、11.1%。消費税率の引き上げに伴うものを除くと、1996年以来23年ぶりの値上げということになります。

 値上げの中身を細かく見ていくことにします。運賃については、100キロまでについては賃率ではなく、対キロ区間制運賃を導入し、ほかの交通機関(札幌市交通局の地下鉄?)を考慮した運賃水準を設定します。101キロ以上は賃率に従って運賃を設定しますが、200キロまでについては賃率を10%程度引き上げます。201キロ以上の賃率は変わりません。これらの施策により、平均で15.7%の値上げとなります。定期券については割引率は変わらないものの、運賃そのものが上がるため、平均で22.4キロの値上げとなります。割引きっぷも運賃が変わることによって、上がります。

 下がるものもあります。新千歳空港への加算運賃です。新千歳空港へのアクセス線建設のコストを賄うため、千歳線南千歳-新千歳空港間を利用する人から140円を徴収していますが、新千歳空港への利用者が多く、加算運賃等による収入で建設コストの回収が順調に進んでいることから(2018年3月の時点ですでに85%を回収しています)、今回の値上げに合わせて、加算運賃を20円に引き下げます。新千歳空港へのリムジンバスを考慮してのことです。この加算運賃の引き下げにより、新千歳空港-苫小牧間のように値下げになるところも出てきます。また、特急料金や座席指定料金などの料金については、消費税率の引き上げ分のみ上げます。

 今回の値上げにより、札幌からの運賃は次のようになります。初乗り区間となる桑園は170円から200円に、琴似は210円から250円に、発寒は220円から290円に、手稲や新札幌は260円から340円に、小樽は640円から750円に、岩見沢は840円から970円に、新千歳空港は1070円から1150円になります。特急を使う長距離で見ると、函館は8830円から9440円に上がります。610円の値上げですが、特急料金の値上げは60円だけで、残り550円は運賃です。ほかの駅で比較しても、特急料金の上がり幅は小さく、運賃が主体です。JRの運賃・料金の一番の問題点は運賃が必要以上に安すぎることで、今回のJR北海道の値上げはそれを是正する効果があるのですが、需要の極めて少ないローカル線ならともかく(値上げで客が逃げれば少なくとも普通列車は廃止してもやむを得ません)、札幌近郊の運賃もJR北海道の経営難の影響を受けて大きく上がってしまいます。札幌近郊ぐらいでしか稼ぐことのできる場所がないことは分かっていますが、頭の痛いところです。札幌-発寒間のように3割以上値上げする区間もありますから(7~15キロの区間が3割以上の値上げになります)。
(参考:JR北海道ホームページ https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20190510_KO_Revision.pdf、日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44639050Q9A510C1L41000/)

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