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余市-小樽間の輸送密度

 北海道新幹線が全線開業すれば、函館線函館-小樽間が並行在来線とされ、JRから分離されます。現在(2017年度)の輸送密度は函館-長万部間で3712人、長万部-小樽間は652人ですが、前者は特急の利用者も含んでいますので、北海道新幹線が開業すると激減します。

 それでは、普通列車だけの輸送密度はどれぐらいでしょうか? 8年前という古いデータですが、北海道は旅客流動調査を行っています。このデータを基にすると、函館-小樽間の普通列車だけの輸送密度は395人、函館-長万部間だと326人、長万部-小樽間だと467人になります(前述の2017年度の輸送密度との差が大きい理由は分かりません)。函館-長万部間は特急がなくなると9割も減ってしまいます。北海道新幹線新青森-新函館北斗間開業によって分離された江差線(五稜郭-木古内間)の輸送密度、760人の半分程度です。明らかに利用者が少ないのです。駅別の乗車人員を見ても、普通列車で100人以上の乗車がある駅は、函館-七飯間の各駅、森、八雲、ニセコ、倶知安、仁木、余市、小樽だけです。将来もお先は真っ暗です。2035年(この調査が行われたとき、北海道新幹線は2035年に全線開業するとされていました)の函館-小樽間の輸送密度は263人、2045年は224人と推計されています。沿線の人口が減るのが主な要因です。いくら地元が負担する第三セクターでもやっていける数字ではなく、函館-長万部間でも貨物が新幹線船(苫小牧発着)に移行して撤退すれば、存続させる必要はなくなります。残っても貨物線ということもあります。仮に鉄道を存続させるとすれば、2018年度から2037年度までの20年間で、端やトンネルなどの大規模修繕や更新の費用として、函館-長万部間で57億円、長万部-小樽間で64億円を要し、その後も赤字区間のために穴埋めのためのお金が毎年必要となります。2017年度の収支は函館-長万部間で62億円の赤字(特急がなくなるとさらに悪化すると言われています)、長万部-小樽間で24億円の赤字です。

 ただ、細かく区間を分けると、それなりに利用されているところもあります。2011年の旅客流動調査を基にしたデータでも、函館-七飯間だと1766人、函館-渡島大野(現:新函館北斗)間だと1515人、函館-森間だと734人です。小樽側だと、余市-小樽間が1599人、仁木-小樽間だと1434人、倶知安-小樽間だと870人です。また、この数字には北海道新幹線を利用するためにアクセス列車を利用する人は含まれていません。函館-新函館北斗間の輸送密度はこれらの推計より多くなると思われます。ですから、函館側で言えば、少なくとも函館-新函館北斗間は存続すると考えられます。

 では、小樽側はどうでしょうか? 利用者が増え始める倶知安のある倶知安町は、「倶知安町新幹線まちづくり整備構想」をつくっていますが、並行在来線が存続した場合と廃止した場合の2つのパターンをつくっています。並行在来線が廃止されたら高速道路(2020年代後半までにできる予定です)と市街地を結ぶアクセス道路も平面でつくることができます(並行在来線が廃止されてからアクセス道路を完成させるのでしょうか?)。並行在来線が残ったら立体交差にしなければならず、その分費用がかさむのです。倶知安と余市の間にある仁木町もバス転換を容認しています。並行在来線をどうしても残したいのは余市町ぐらいなので、小樽側で残るのは余市-小樽間だけかもしれません。ただこの区間だけが残った場合、余市町は財政負担を覚悟しないといけません。

(追記)
 北海道は6年後までに、並行在来線を鉄道として存続させるかバスに転換するかを判断する予定です。
(参考:北海道ホームページ pref.hokkaido.lg.jp/ss/stk/ob01_resume1.pdf、タビリスホームページ tabiris.com/archives/hakodatesenheiko/、JR北海道ホームページ https://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/mi/senkubetsu/29senkubetsu.pdf、NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20190817/7000012865.html)

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