今さら伊丹に国際線

 関空は台風21号で大きな被害を受けましたが、21日に第1ターミナルが全面再開し、通常ダイヤの94%まで回復しました。

 その関空をカバーするためか、10月に伊丹発着の国際線が設定されることになりました。JALが運航するもので、10月17日未明の香港発伊丹行きと、10月21日夕方の伊丹発香港行きの2本が該当します。JALは関空-香港便を全便復旧させているので、伊丹発着は臨時の純増便となります。関空開港以降、チャーター便を除いて24年ぶりに伊丹発着の国際線が登場するのです。

 関空が使えないなら伊丹発着の国際線を運航する意味があったかもしれません(ただ、将来に禍根を残す危険性はありましたが)。事実、国内線に関しては伊丹や神戸から代替便が発着しました。ところが国際線に関しては、国際線発着の準備に手間取っているうちに関空が復旧してしまいました。今さら伊丹発着の国際線を発着させる意義はなく、関西の空港のありかたについて混乱を招くだけです。

 今は海外からの観光客で関空を利用する人が多いので、問題になっていないだけです。何らかの事情で利用者が減れば、神戸を含めた関西3空港の分担をどうするかで、問題が浮上します。伊丹は大阪の中心部から近いので便利ですが、騒音問題で利用時間に制約があり、24時間運航や拡張をすることができません。海上空港の神戸は騒音に関しては理想的ですが、規模が小さく、後発の空港なのであまり飛ばすことができません。いろいろ不満があっても現状では、関空をメインにせざるを得ず、それに反する動きは避けておいたほうが無難です。関空の第1ターミナルが復旧した今となっては、伊丹発着の国際線を設定しなければならない積極的な理由は見当たりません。
(参考:朝日新聞ホームぺージ https://www.asahi.com/articles/ASL9P5FXBL9PPTIL01W.html、日本経済新聞ホームぺージ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3563672021092018EA4000/)

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あおなみ線、中部空港方面に延伸か?

 金城ふ頭止まりの行き止まりの路線である、名古屋臨海高速鉄道あおなみ線。このあおなみ線に延伸構想があるのです。

 その行き先は、中部空港。2027年度のリニア名古屋開業に合わせた動きで、中部空港に2本目の滑走路を設けるために(中部空港は景気回復によりビジネス利用が増え、外国人観光客も増えているので、利用者が増えています。2018年度は過去最高だった2005年度の数字を上回る、1300万人を目指しています)、交通アクセスの強化がいるのです。金城ふ頭から海底トンネルか高架で知多半島に渡り、名鉄新舞子付近で接続します。つまり、羽田、成田、関空のように空港に2つの鉄道が走るのではなく、途中から空港までは1本の鉄道しかないのです。ただ、名鉄新舞子以北でトラブルが起きでも、その時点でストップするのではなく、あおなみ線経由の代替ルートが使えるのです。

 このあおなみ線の延伸について名古屋市は、2019年度の早いうちに愛知県と共同で、検討する組織を立ち上げることを目指しています。しかし、あおなみ線の乗客数は需要予測を下回ったままで、金城ふ頭から先の工事を誰が行うのか、また、接続する名鉄との話し合いもまだです。なお、延伸構想は昔からあり、2004年に名古屋市が行った試算では、事業費を約800億円としています。

 もっとも、中部空港への鉄道構想は、武豊線からもあったと記憶していますが、そちらはどうなったのでしょうか?
(参考:中日新聞ホームぺージ http://www.chunichi.co.jp/s/article/2018092190142941.html)

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広島空港への鉄道アクセス、断念

 広島空港は広島の中心部から遠く離れた三原市にあり(かつての空港は広島市西区にありました)、広島市中心部との鉄道アクセスの建設が時々話題に上ります。アクセス鉄道の建設案はいくつかあり、最寄りの山陽線白市駅との間に8キロの鉄道をつくる案から(建設費は367億円、広島駅と空港の間は直通で54分で結ばれます)、広島駅との間を1兆円近くかけて直結する構想まであります(距離は45キロ、所要時間は34分)。ところが、8月23日に、2021年4月の空港民営化に向けた魅力づくりなどを議論する官民組織が広島県庁で会議を行い、その中で、広島県が白市-広島空港間の鉄道アクセスの整備を断念することを発表しました。

 なぜ広島県は断念したのでしょうか? その理由は、採算を確保するには空港の年間利用客数が1000万人いないといけません(広島から1兆円近くかけて鉄道をつくる場合は、2000万人ないといけません)。ところが、空港の利用客数は2050年度でも500万人に留まり(これでも現行の1.7倍の水準です)、採算ラインに遠く届かないのです。高速道路(広島高速5号)が整備されるためリムジンバスの利用が増えると想定され、空港利用者に占める鉄道利用者の割合は9%に留まると考えられているのです(10年前に空港アクセス鉄道の採算を調査したときは、2割が鉄道を利用するとされていました)。

 この鉄道アクセスの話は、広島空港が移転する1989年から続いてきましたが、断念というかたちでようやく決着することになりました。記事では触れられていませんが、白市駅で接続するJR西日本も乗り気ではなかったでしょう。主力の山陽新幹線の乗客を奪うことになってしまうのですから。今後は、道路網の整備や改善で対応するとしています。
(参考:中国新聞ホームぺージ http://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=459671&comment_sub_id=0&category_id=256)

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Peach、バニラ・エア経営統合へ

 3か月ほど前の3月22日のことですが、ANAホールディングスは、傘下のLCC、Peachとバニラ・エアを統合させることを発表しました。2019年度末が統合の時期で、ブランドはPeachに統一されます。統合を実現すれば、売上高でLCC国内トップのジェットスター・ジャパンを上回ることになります(売上高はPeachとバニラ・エアの単純合算)。

 合併の目的は規模の拡大。市場自体は航空需要が年々増えているため拡大傾向にありますが、その環境の中できちんと需要を取り込み、海外のLCC大手に対抗するためです。機材の効率的な活用のためには、合併して規模を大きくすることが重要だそうです。機材数は現在より4割ほど多い50機に、就航路線は現在より3割ほど多い50路線にします。2020年度には売上高1500億円、営業利益150億円を目標としています。現在の2倍程度です。また、Peachの拠点は関空、バニラ・エアの拠点が成田なので、事業の重複が小さいというのもメリットです。

 なお、ANAホールディングスは、2020年に現行より長距離となる、アジアへの中距離路線(片道7~9時間)をLCCで走らせる予定です。
(参考:Sankei Biz https://www.sankeibiz.jp/business/news/180322/bsd1803221640006-n1.htm、朝日新聞社ホームぺージ https://www.asahi.com/articles/ASL3Q44R9L3QULFA00N.html、日本経済新聞ホームぺージ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28450200S8A320C1TI1000/)

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北九州空港-福岡間のリムジンバス、いきなり2000円に倍増

 西鉄高速バスは、北九州空港と福岡とを結ぶ「福北リムジンバス」を走らせています。福岡には福岡空港という便利な空港がありますが、街中近くにあるため、早朝や深夜に設定することができません。それを補うのが北九州空港で、2015年から運行を始めた「福北リムジンバス」も羽田への早朝、深夜便に合わせた運行となっています。ところが、この「福北リムジンバス」、あまり利用されていないようです。そこで西鉄高速バスは利便性の向上と収支改善を目的として、7月1日にダイヤ改正を行うのです。

 改正事項はいくつかありますが、福岡行き(3本、北九州空港22:50~0:45発)については、途中5か所に停まるようになります。直方パーキングエリア、若宮インターチェンジ、上の府太郎丸、御幸町、呉服町です(代わりに博多駅筑紫口は通過)。反対の北九州空港行き(1本、天神高速バスターミナル前3:20発)は、停留所の追加はなく、博多駅筑紫口を出ると、北九州空港までノンストップです。福岡行きについては航空機到着からバス出発までの乗り継ぎ時間を10分短縮し、スムーズに乗り継ぐことができるようにしました。また、コスト削減を図るため、福岡行きのうち1本と北九州空港行きは北九西鉄タクシーの中型バス(22席)を使用することにしました。残る福岡行きの2本は西鉄高速バスの大型バス(55席)を使います。

 そして、最後のメニューが値上げ。これまで片道1000円だったところが、2000円に変わります。元々の1000円が安かったと言えばそれまでですが、いきなり倍とは結構な値上げです。
(参考:西鉄ホームぺージ http://www.nishitetsu.co.jp/release/2018/18_030.pdf)

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つくばエクスプレスの茨城空港延伸構想

 利用者が増えて、累積赤字を一掃したつくばエクスプレス。そのつくばエクスプレスに、延伸構想があるのです。その行先は、茨城空港。羽田や成田で賄いきれない需要を、この茨城空港でカバーしようというのです。この首都圏の第三空港をの地位を狙っているところには静岡空港もありますが、茨城空港のほうが静岡空港よりも東京に近いというメリットがあります。

 しかし、茨城空港の欠点はアクセスが悪いこと。静岡空港もアクセスが悪いことには違いありませんが、ここは東海道新幹線が近くを通っています。今はJR東海に冷たくあしらわれていますが、何らかの拍子で駅ができてしまったら、あっという間にアクセスの問題は解決してしまいます。これに対して、茨城空港の近くを通っている鉄道はありません。そこで、茨城空港を抱える小美玉市の小美玉市議会は、つくばエクスプレスの茨城空港延伸を目指して、期成同盟会を発足させました。県や市が主体になって鉄道の延伸を求める期成同盟会をつくることはところどころで見られますが、市議会が中心になってつくられるのは珍しいようです。つくばエクスプレスの延伸を求める声は小美玉市やその周辺ではありましたが、茨城県や県庁所在地の水戸市の反応は悪く、そういうこともあって市議会が中心となって期成同盟会をつくったのです。

 ところが、つくばエクスプレスも結構遠いです。明らかに常磐線のほうが近いので、本来なら常磐線に枝線をつくるほうがコストも安く、自然です。それなのになぜつくばエクスプレスの延伸を求めるのかと言えば、茨城県の中で勢いがあるつくばと結ばれたいとからだそうです。もっとも、正直なところとしては、純粋な株式会社であるJR東日本に求めるよりも、地元自治体も出資しているつくばエクスプレスに延伸させるほうが簡単だと考えているのでしょう。もっとも、せっかく累積赤字を一掃したばかりのつくばエクスプレスにとって、茨城空港まで伸ばすことは、再びリスクを抱えることになります。よほどバラ色の試算が用意できるならともかく、そうでない限りは急ぐ必要はないでしょう。仮にいい試算が出るのなら、JR東日本も延伸にやる気を出すでしょう。それなりの明るい見込みが出てから落ち着いて、常磐線の枝線をつくればいいのです。
(参考:NEWSポストセブン https://www.news-postseven.com/archives/20180603_689206.html)

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フジドリームエアラインズ、茨城-利尻間などにチャーター便

 フジドリームエアラインズは、6月から7月にかけて、茨城空港から利尻、稚内、女満別、中標津の各空港へのチャーター便を運航します。稚内を除く利尻など3空港へのチャーター便の運航は、これが初めてです。なお、これらのチャーター便に乗るためにはツアーに参加するのが条件で、航空便単独での利用はできません。

 フジドリームエアラインズは、今回の北海道の便以外にも、茨城空港発着のチャーター便を運航しています。定期便では行くことのできない空港に直行するのがメリットで、ここで実績を積み重ねることによって、定期運航につなげるのでしょう。
(参考:茨城空港ホームぺージ http://www.ibaraki-airport.net/news/hokkaido2018summer.html)

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航空会社の考える、東京での空港アクセス

 羽田を目指して、いくつかの空港アクセス鉄道の話がありますが、肝心の航空会社にとって欲しいのはどの鉄道でしょうか? 面白い記事を見つけました。

 「鉄道ジャーナル」が聞いた航空会社はANAです。そのANAが整備を望んでいるのは、実は蒲蒲線。羽田の利用者は東京でも23区西部に多いのですが、その西部からのアクセスがあまり良くないのです。蒲蒲線はその23区西部からのアクセスを改善する効果があるのです。反対に、羽田と成田とを結ぶ都心直結線の評価は高くないようです。現在、羽田と成田を乗り継ぐ場合、その乗り継ぎ時間は180分とされています。航空会社はこの問題に対して、スピードアップを図るのではなく、できるだけ空港の移動を伴う乗り継ぎを減らそうとしています。すなわち、羽田で乗り継ぎを完結させようとしているのです。羽田で乗り継ぎができたら、都心直結線をつくって両空港の間をスピードアップさせる必要はありません。

 このほか、鉄道が24時間化されていないことに対する不満もあります。せっかく空港が24時間化したのに、鉄道が24時間化されていないので、24時間空港のメリットを活かすことができません。深夜1~5時の羽田発着はほとんどないのが現状です。

 とは言っても、羽田はトランジットが目的の空港ではなく、日本一の大都市、東京に向かうための空港です。そう考えたら、深夜を避けて発着するのは自然なことです。また、モノレールや京急が24時間運転するだけでは目的地にたどり着くことができません。東京中の電車が24時間運転しなくてはなりません。深夜は保線もありますから、24時間運転は期待できません。せいぜい、リムジンバスを深夜にも一定間隔で走らせる程度で十分でしょう。
(参考:「鉄道ジャーナル」2017年7月号 鉄道ジャーナル社)

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航空機と新幹線がコードシェア

 日本の常識では、原則的に、航空機の切符と鉄道の切符は別物です(ロサンゼルスから京都に行く、「JAL&はるか」というものもありますが)。しかし、ヨーロッパなどでは航空機と鉄道が共同運航(コードシェア)しているところもあります。短距離だと、航空機を運航する代わりに、鉄道で代行輸送を行うこともあるのです。そうなると、航空券タイプの切符で鉄道に乗ることになります。

 2017年4月のことですが、平子ANA社長は、新幹線との共同運航もできないことはない、という趣旨の発言を行っています。需要の多い路線ならともかく、少ない路線なら新幹線を航空機の代替とするというアイデアもあってもよいかもしれません。
(参考:「鉄道ジャーナル」2017年7月号 鉄道ジャーナル社)

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旭川-新千歳空港間にバス

 かつて旭川と新千歳空港の間には直通列車が走っていましたが、2016年の春に廃止され、札幌での乗り換えが必須となりました。新千歳空港付近の線路を付け替えても、旭川へは直通できません。

 そうなるとバスの出番です。旭川電気軌道と北都交通は、4月25日から旭川-新千歳空港間にリムジンバス、「たいせつライナー」を走らせます。1日4往復します。道央道を経由し、旭川駅前-新千歳空港間の所要時間は2時間45分、運賃は片道3500円、往復6000円です。

 旭川にも空港はありますが、新千歳のほうが充実しています。直通するところを武器に、大きな荷物がある観光客、高齢者の需要を取り込み、訪日外国人には旭川に来てもらいたいようです。
(参考:旭川電気軌道ホームページ http://www.asahikawa-denkikidou.jp/taisetsu-linerbus_fasahikawa_s.pdf、日本経済新聞ホームぺージ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29374830T10C18A4L41000/)

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