高速道路、ETCなくても2000円乗り放題

 民主党は高速道路の無料化を行う方針です。そのための社会実験を来年度から行います。概算要求段階では6000億円を要求していましたが、厳しい財政事情の下、1000億円に削減されました。

 来年度の社会実験では、6月にETC利用者限定の高速道路1000円乗り放題をやめ、その代わりにETCのない車も「平等」に上限価格を2000円とします(軽自動車は1000円、トラックは5000円です)。せっかく取り付けたETCも、金銭的なメリットはなくなってしまいます。機械の代金を回収できないうちに。私個人としてはETCを取り付けたのは4年以上前なので、とっくに代金は回収していますが。

 「高速道路が無料になる」とは言っても、首都高速や阪神高速など大都市の高速道路は無料にはなりません。東名、名神などの幹線の高速道路も無料にならない可能性があります。すべて無料にならない限り、高速道路には料金所が存在し、スムーズに料金を徴収する必要が出てきます。そのためにもETCは現段階では有用なものです。今後も普及させたほうがよいETCのメリットをなくす意味はあるのでしょうか?

 上限を2000円とした意味もよくわかりません。今の1000円よりは対象となる日は拡大し、値段も上がるので、渋滞は少しはましになるでしょう。しかし、「いくら乗っても値段は同じ」ということが問題なのです。「どこまで行っても高速料金は変わらないから、遠くまで高速で行こう」という考えになってしまいます。以前にも書きましたが、高速道路の無料化や低額での乗り放題は、鉄道などの中長距離の需要を食ってしまいます。中距離の輸送は、本来鉄道が得意とする分野です。年末年始のJRの予約が低調である原因のひとつにもなっています。

 環境税を設定し、ガソリンにかかる税金を大幅に上げない限り、高速道路は原則有料でもよいでしょう。ただ、これも以前に書きましたが、短距離に関しては今の通勤割引みたいに、大幅に割り引いたり、無料にしてもよいでしょう。高速道路はガラガラなのに、並行して走っている国道が渋滞している、ということは減ります。
(参考:毎日jp http://mainichi.jp/select/wadai/news/20091225k0000e010081000c.html、レスポンス自動車ニュース http://response.jp/article/2009/12/11/133703.html、asahi.com http://www.asahi.com/politics/update/1227/TKY200912270252.html)

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奇策? 関空に米軍基地移転

 橋下大阪府知事は先月30日、政府から正式な話があれば、関空を米軍の普天間飛行場の移設先としてもよいという趣旨の発言をしました。

 確かに関空の累積赤字は一気に解消できますが(補償金の額が少なければ拒否すればいいだけ)、問題は関空周辺が航空機で混雑していること。現実論としては米軍が自由に飛べるスペースはそれほどなさそうです。以前にも書きましたが、国境から遠いのも不利です。それを考えると、(軍事的観点からはあまり大規模にやらないほうが得策でしょうが)沖縄から移転させるにしても、九州など西のほうに限定されます。数えるほどしか飛行機が飛ばない、地方空港が候補となります。具体的には挙げませんが。

 関空の2つ目の滑走路は現在、あまり使われていない状態です。これを埋めるのは、米軍機ではなく、伊丹から移ってくる飛行機です。狭い地域に集中する関西3空港を一元管理するという考えもあるようですが、これまでと同じようにうまい区分けができないことが予想されます。3つの空港ともダラダラと今のまま存続し続けるなら話はわかりますが、それならそれで伊丹の利用者にペナルティ的な料金を課す必要があるでしょう。「伊丹は便利だ」というなら、それなりのお金を請求できます。伊丹を使う人には追加で2000円ぐらい払ってもらうのです。それも関空建設に伴う利子を支払うための一時しのぎにすぎず、最終的には当初の予定通りに伊丹の廃止を持ち出さないと何も解決しないでしょう。
(参考:毎日jp http://mainichi.jp/select/wadai/news/20091130k0000e040020000c.html、http://mainichi.jp/life/today/news/20091202k0000m020015000c.html)

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メンテナンス不足で危険な橋が増える?

 一度つくったものは、永久に使えるわけではありません。適度なメンテナンスが施されて、長く使えるようになるのです。メンテナンスをしても改善されないものは、新たにつくりかえる必要が出てきます。

 橋も例外ではありません。時間が経つにつれ、コンクリートの劣化や鋼材の腐食が進みます。崩壊する前に危ない橋を見つけ、メンテナンスや使用停止(本来は、使用停止になる前に問題個所を見つけておく必要があるのですが)の処理をしないといけません。

 国内には、全長15メートル以上の道路橋が約15万基あります。しかし、国交省が橋の大半を管理する都道府県や市区町村に報告を求めたところ、崩壊を引き起こす危険性が見つかったために通行禁止となった橋が121基、25トン以上の大型車の通行を禁止した橋が680基あることがわかりました(数字は2008年4月現在)。これらの橋の大半は、橋の寿命とされる50年に達していません。それなのに、このような危険な橋が出てきたのは、大型車が予想以上に多かったこと(橋を重い車が通ることによって金属疲労が生じます。特に日本の場合、トラックやバスなどの大型車の通行量が全体の30%以上と、諸外国より高い数字になっています。橋に与えるダメージは大きいです)、点検や補修が十分に行われていないこと(背景には費用や職員の不足が考えられています)が挙げられます。

 事態はこれからもっと悪くなります。高度成長期以降、たくさんつくられた橋がこれから寿命を迎えるからです。2006年では建設されてから50年以上経った橋は全体の6%しかありませんでしたが、20年後の2026年には47%になると言われています。このような現象が早くに起こったアメリカの場合、州が管理する道路の補修費がどんどん増えていきました。1970年代では約7000億円でしたが、2001年では3兆円を超えました。財源を賄うため、ガソリン税を引き上げて補修費を確保したのです。

 日本では補修費をいくら確保すればいいのかわかりませんが、こういうことを考えると、マニフェストにあるからといって、揮発油税等を減らす余裕はないかもしれません。地方に無駄な道路をつくるどころか、補修にすら手が回らない事態になるかもしれません。鉄道なら利用の少ないローカル線は廃止にすることができますが(使わないくせに「廃止反対」と叫ぶのは多いですが、それでもまだ何とかなります)、道路はそういうわけにはいきません。

 どうしても選挙を考えると、減税やら補助金やら甘い話をしてきます。しかし、将来を考えると甘い話だけでは何ともなりません。次の世代に使える資産を引き継ぐためには、自らそれなりの負担する必要があるのです。
(参考:朝日新聞11月4日朝刊 14版)

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暫定税率廃止と「環境税」の創設はセット商品

 税制というものは毎年変わっていきます。特に来年度は、政権が変わったこともあり、今までの自民党政権では出来なかったこともできるようになります。

 そのひとつがいわゆる「環境税」。自民党政権では経済界に配慮してできないものでしたが、そういうしがらみがない民主党政権なら可能です。毎年「環境税」の創設を要望していた環境省にとっては大きなチャンスです。

 温室効果ガスの削減は地球の将来のためにも避けては通れません。目標は2020年の段階で、1990年に比べて25%の削減です。これを税金で行おうと思ったら、2兆円規模のものになるようです。これだけの規模の税金はなかなかありません。そこで出てきたのが、揮発油税等の暫定税率を「環境税」(「地球温暖化対策税」という名称が考えられています)に振り替えるというアイデア。暫定税率が2.5兆円なので、規模的には良く似ています。「環境税」の創設に強く反対している経団連でさえ、暫定税率を振り替えるかたちでの「環境税」の創設は容認しています。負担がトータルで変わらないことから、企業活動への影響が小さいからです。それなのに鳩山総理は、このようなかたちでの「環境税」創設には否定的な考えを示しています。

 暫定税率を「環境税」に振り替えるということは、暫定税率を廃止するという民主党のマニフェストに合致します。税収の維持が図れます。道路に使わなくても良いので(いくら一般財源化したとはいえ、過去の経緯から道路と関係のない分野だけに投入することは難しいでしょう)、道路の整備の抑制が図れます。ガソリンの値段が変わらないことから、環境対策にもなります(揮発油税の暫定税率撤廃と高速道路無料化の組み合わせは、温室効果ガスの増大を招き、環境に逆行します)。揮発油税の暫定税率の来年度廃止にこだわるなら、いい案です。

 確かに、増税は国民の理解が必要だ、という鳩山総理の考えは正論かもしれません。しかし、暫定税率の廃止だけが先行し、後になってから「環境税」を創設してガソリン代を元に戻すのは、困難を伴います。多額の公債残高を抱えている現状では、増税に頼らずに財政の再建はできません。それを解決するために消費税の増税の必要性が叫ばれていますが、選挙を恐れて先延ばしにされ、なかなかできません。増税には膨大なエネルギーが必要なのです。特に民主党は、暫定税率の廃止のほかに、「子ども手当」の創設など、新しい施策があります。社会保障も増加の方向に進むので、歳出は膨らむ一方です。新しい施策を行うなら、増税やら今までの事業の中止など、何らかの財源を確保しないと公債残高は膨らむ一方でしょう。

 それを考えれば、暫定税率の廃止と「環境税」の創設はセット商品です。どうしても来年度に暫定税率を廃止したいなら、不完全でも「環境税」は実施しないといけません。「環境税」を国民の理解を得た後で、ガソリン以外にも幅広く課税(ガソリン以外の化石燃料にも幅広く課税)したいのなら、暫定税率は当分維持したほうが良いでしょう。

(追記)
 小沢環境相は、来年度からの導入を要望していた「地球温暖化対策税」(いわゆる「環境税」)について、来年度からの導入を見送る考えを示しました。

 いったん暫定税率を廃止し、ガソリンが安くなったことを実感させてから、国民の合意を得たうえで「地球温暖化対策税」を導入するという考えですが、そんな悠長なことでよいのでしょうか? それなら、暫定税率を維持したほうがよっぽどマシです。野党時代のように、人気取りに走っている暇はありません。
(参考:朝日新聞10月31日朝刊 13版、時事ドットコム http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2009103000393、Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091105-00000044-san-bus_all)

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暫定税率廃止&高速無料化は時期尚早

 与党となった民主党は、来年度の概算要求に、高速道路の無料化の試行を盛り込みました。また、来年度の税制改正で、揮発油税等の暫定税率の廃止を行う予定です。これにより高速道路が一部区間で無料になったり、ガソリンの価格が1リットル当たり約25円下がったりすることになります。

 地方の場合、「高速道路はガラガラだが、並行して走る国道は渋滞している」という話もあります。国道から高速道路にシフトすれば、渋滞が消え、温室効果ガスの発生はむしろ減ります。それを考えると、ETCの通勤割引は理にかなっているといえます。もともと地方圏では通勤は車がメイン。不便なので、鉄道は高校生の通学ぐらいしか使われません。高速道路を通勤時間帯に限り割引したり、無料にしても、鉄道からの移行はそれほど大きくはないでしょう。ある程度利用者の多いところは、バスを走らせたりするといいのですが。

 反対に、今行っている1000円での乗り放題や、これから行おうとしている無料化は、鉄道がそれなりに力を持っている長距離の需要を奪ってしまいます。こちらはマイナスの影響が大きいです。民主党は来年度の予算(概算要求段階)で6000億円(首都高速、阪神高速を除いた高速道路収入の1/3)の費用をかけて無料化の実験を行おうとしていますが、すでに1000円乗り放題である程度の結果が見えています。単に高速道路の値下げだけを行うのは、弊害が大きいです。高速道路収入の穴埋めのためにも、車のユーザーでの負担がいるでしょう。車の利用度合いに応じて負担するのなら、それが高速道路料金のかたちになっても、揮発油税等のかたちになってもかまわないです。車のユーザーの負担になるとはいっても、使わない車にもかかる自動車税の増税は良くないです。地球環境のためには、車をできるだけ使わず、できるだけ公共交通にシフトさせたいのですから、「固定費」みたいなものはできるだけ少なくしたほうがよいです。

 暫定税率の代わりに環境税などの新たな税金の設計を行うまで、暫定税率の廃止は先送りしたほうがよいのではないでしょうか? もっとも、暫定税率を従来通り道路建設に充てていては、意味がありません。一応は、揮発油税等などの道路特定財源は一般財源化されているのですから、今のままでも道路以外の事業に充てることができます。今の日本の財政は厳しく、国債の発行高はなかなか減りません。来年は新政権になったことから、新規施策も多く、国債の発行高はむしろ増加の見込みです。あらゆる方法で増税を図らないといけないのに、減税をする余裕はどこにもありません。

 ただ、揮発油税等にしろ、環境税にしろ、全額道路とはまったく関係のないところに入れるのも理屈が通らないかもしれません。課税対象が汚染物質なのですから。その場合、使い道として意義があるのは、公共交通の充実。しかも、ローカル線ではなく(ガラガラのローカル線だと、それ自体が環境が悪いこともあります)、新幹線などの主要幹線の整備。東京-大阪間なら、トラックのための貨物鉄道もよいでしょう。遅くて不便な乗り物に乗るのは高齢者・子供・鉄道ファンだけでしょうが、車よりも文句なしに速い乗り物なら黙っていても使ってくれます。
(参考:時事ドットコム http://www.jiji.com/jc/zc?k=200910/2009101501114、Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091009-00000077-san-bus_all、国土交通省道路局ホームページ http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-funds/minaoshi.html)

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「ベーシック・インカム」

 「ベーシック・インカム」という言葉があります。これは、すべての人に最低生活水準を保障するため、税金で以て一定の金額を支給するものです。失業していたり、障害や高齢で働くことができなかったりしても、もらえるお金です。京都府立大小沢教授によれば、日本の場合、「ベーシック・インカム」は毎月8万円程度になるようです。この金額は、日本に住んでいる人なら、どれだけ金持ちでも貰えます。

 「ベーシック・インカム」を導入することによる利点は、複雑な税金の控除が整理できることです。シンプルな税制になります。そして、もうひとつ大きな利点は、年金、生活保護など各省庁がばらばらにやっていることを、すべて税金というかたちで一本化できるのです。収入がない人の場合は、確定申告をすることによって毎月8万円が国から支給されるのです。実はそれなりの収入があるのに、生活保護を受け続けるということもなくなります。毎年申告しないとお金はもらえないのですから。もっとも、年金は基礎年金レベルなので、リッチな老後を送りたい人は、民間の年金に入っておく必要があります。経営者側からみると、国が「ベーシック・インカム」を支給してくれるので、賃下げやリストラがしやすいというメリット(?)もあります。安い給料で人を雇うことができるので、人件費の安い諸外国に対抗できる可能性もあります。こういう利点があるため、フリードマンのような新自由主義の経済学者でも「ベーシック・インカム」を支持する人はいます。

 さて、問題は財源。小沢教授の試算では、「ベーシック・インカム」に必要な財源はすべて所得税で賄うと仮定しています。政府の役割を「ベーシック・インカム」を支給することと、医療や介護のために社会保険料(収入の4%)を徴収することに限定しています。さて、気になる所得税の税率は、社会保険料を引いた残りに対して一律に45%。かなり高いように見えますが、収入の少ない人には「ベーシック・インカム」があるので、実質的な負担割合は小さいです。

 具体的に例を挙げて説明しますと、年収700万円のサラリーマンの夫・専業主婦・特定扶養控除が適用される子供の3人家族の場合、これまでの社会保険料(収入の10%と仮定しているようです。年金の分があるので、「ベーシック・インカム」導入後の率より高くなっています)・所得税控除後の金額は609.65万円。ところが「ベーシック・インカム」導入後は657.6万円となり、自由に使えるお金が50万円ほど増えます。反対に、年収400万円のシングルの場合、社会保険料・所得税控除後の自由に使えるお金は、「ベーシック・インカム」導入により、350.6万円から307.2万円に約40万円強減ります。大雑把にいって、家族を持っている人の負担が減り、独身の人の負担は増えます。特に負担の増加が大きいのは、独身貴族。年収1000万円の人の場合、「ベーシック・インカム」導入により、負担が200万円ほど増えます。

 ここの試算では収入と所得とをごちゃまぜにしているので正確な数字ではありませんが(しかもサラリーマンの収入に直接税率をかけています)、考え方自体は検討に値しますね。
(参考:朝日新聞「be on Saturday」9月12日朝刊)

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民主党政権で交通政策はどうなるのか?

 あと半月で選挙になります。今回は、「自民党中心の政権がよいか、民主党中心の政権がよいか」という選択が大きな課題となっています。自民党政権の場合はこれまでの継続でしょうが、もし、民主党が政権を取った場合、交通政策はどのようになるのでしょうか?

 今、マニフェストや街頭演説などで公表されているもので考えた場合、自動車のユーザーにとっては歓迎することが多いです。揮発油税等に課されている暫定税率がなくなり、ガソリン代が安くなります。高速道路が無料化され、車でのお出かけのコストが減ります。

 これに対して、鉄道に対しては関心がないのか、主だった記述はありません。ただ、公共投資でなされるものについては、すべて見直しの対象になるようです。ということは、(今まで失敗した例がないのになぜかマスコミに叩かれる)整備新幹線も見直しの対象になります。現在、着工している北陸新幹線金沢までは遅れずに開業させるでしょうが、それ以降は開業が遅れたり、凍結されたりする危険性もあります。もっと危ないのは北海道新幹線。岡田幹事長は、5月下旬に帯広で演説をしましたが、そのときに北海道新幹線の無理解さを示す発言をしました。今は新幹線で北海道に行くことは考えられませんが、たとえ盛岡以遠を時速260キロとトロトロ走っても、5時間で札幌まで着くのです。直通需要はなくても、東京-新函館、仙台-札幌という需要を積み重ねることは可能でしょう。

 公共事業の見直しは結構なことですが、整備新幹線は今まで失敗した例はないですし(在来線は利用者が減ったのですが、あれはあくまでも特急がなくなることによってローカル線に転落しただけです。貨物さえなければバスでも十分なところもあります)、現状計画されている路線は1時間に1本以上の特急があるため、失敗はないと考えられます。整備新幹線の推進は当然のこととして、むしろ建設のペースを速めるのが正しいでしょう。鉄道が便利になれば、車から鉄道へのシフトが起こり、これまた民主党が推進している温室効果ガスの削減に貢献します。

 高速道路の無料化も、理想論としては正しいでしょうが(参考となる記事はここ)、環境が整わない限りは延期してもよいでしょう。つまり、道路特定財源としての揮発油税等はやめますが、その代わりに環境税を設定し、今の暫定税率以上の負担をさせるのです。一部は道路建設に充てられますが、それ以外の公共交通の整備にお金をつぎ込みます。これは自民党など与党の政策ですが、ETC利用者限定の高速道路1000円乗り放題に批判的な意見(環境、渋滞)もあるので、その環境が整うまでは、高速道路の割引はETC利用者限定の通勤割引程度にとどめてもよいのではないでしょうか? 意外と民主党の高速道路無料化を冷静に見ている人は多いのです。

 国鉄の廃止になった赤字ローカル線に並行する高速道路のような、無駄な道路は即刻中止すべきでしょうが、道路にしろ鉄道にしろ、適切な投資は今後もしないといけないでしょうね。特に日本は国土が狭く、人口密度が高いですから、鉄道に適している国です。新幹線・特急や大都市圏通勤鉄道を中心に、もっと整備をする必要があります。どこの党が政権を取ろうとも、この事実に変わりはありません。
(参考:asahi.com http://mytown.asahi.com/ishikawa/news.php?k_id=18000540908070001、東洋経済オンライン http://www.toyokeizai.net/business/regional_economy/detail/AC/1fd583d8f7e20e3ae1532c138d247170/page/2/)

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有価証券売却益はどこにいく?

 今回は、当blogには珍しい、会計の話。国際会計基準審議会(IASB)は、14日に会計基準見直しの草案を発表しました。

 見直しの内容はいくつかありますが、代表的なものは、企業が長期に保有している有価証券について。短期的な売却益を狙ったり、償還時期まで持ち続ける債券以外の、持ち合い株式などが対象になります。これまでの国内での基準では、これらの「その他有価証券」については、評価額が半値にならない限りは、評価損に計上する必要はなく、「純資産の部」で調整していました。資本金などが入るところです。

 しかし、企業が国の枠を超えて活動する現在、国内のみで通用する基準ではいけません。すでに日本は、国内の会計基準を国際会計基準に近づける方針を表明しています。つまり、新しい基準が出ればそれにある程度は従う必要があるのです。

 その新しい基準とは、「その他有価証券」についても短期的な売却益を狙う「売買目的有価証券」と同じカテゴリに入れるというものです。ただし、評価方法は2種類あります。ひとつは時価の変動をすべて反映させる反映型、もうひとつは全く反映させない非反映型です。

 前者については、たとえ売却していなくても、含み益や含み損をすべて損益に反映させます。今のように株価が低迷していると、多額の含み損が出ます。株式を大量に保有している生保の場合、2009年3月期の国内株式含み益は約5.6兆円減ったと言われています(国内大手4社(日本生命、第一生命、明治安田生命、住友生命)の計)。これをそのまま損益に反映させると、各社ともに利益は消え、大幅な赤字になります。

 それなら、後者はどうでしょう。後者は保有し続ける限り、含み益や含み損を損益に反映させる必要はありません。しかし、大きな問題があるのです。株式の配当や株の売却益についても利益に計上できないのです。参考にした記事には載っていませんが、さすがに現実に収入を得たものについてまで簿外処理にするわけにはいきませんので、「純資産の部」あたりで調整すると思われますが、これも生保にとっては困ったものです。配当収入や含み益のある株の売却で利益を出すことができなくなりますから。
(参考:asahi.com http://www.asahi.com/business/update/0715/TKY200907150429.html、朝日新聞7月15日朝刊)

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地方優遇の高速道路無料化

 おはようございます。

 来月末にようやく行われる(方向で進んでいる)衆議院選挙。政権を狙う民主党は、そのマニフェストの中で、高速道路の無料化を掲げています。首都高速や阪神高速、東名や名神などの都市部や主要路線を除き、利用者の少ない路線から順次始めるようです。早いところでは、来年度から無料化が始まります。

 一般道にしても、高速道路にしても、建設にはお金がかかります。そのお金は、一般道は税金というかたちで薄く広く、高速道路は料金というかたちで利用者が負担しています。高速道路の無料化は、この負担の違いを解消します。つまり、どちらも税金というかたちで薄く広く負担します。高速道路の無料化は、あるべき姿といえばあるべき姿です(過去に書いた記事はこちらです)。

 しかし、高速道路の無料化だけをやってしまうと、大きな問題が起こります。この春から、ETC利用者に限り、休日の高速が都市圏を除き1000円乗り放題となりましたが、渋滞が激しくなっています(参考となる記事はここ)。鉄道やフェリーの利用者が減っています。値下げの恩恵を受けないトラックの被害も深刻です。車の利用が増えることにより、排気ガスが増え、地球温暖化など環境にはマイナスです。高速道路を無料化するなら、揮発油税等を増税するなどの対策が求められます(揮発油税等の増税を以て、高速道路無料化の財源以上のものを賄います。余った分は、公共交通の改善や環境対策などに充ててもいいでしょう)。

 民主党の高速道路無料化でもう一つ気になるのが、無料になるのが地方の路線に限られること。首都高速や阪神高速、東名や名神などの都市部や主要路線は無料化の対象外です。これらの路線を無料化すると激しい渋滞を招くことを理由として挙げています。地方とは違い、大都市圏では一般道は遅くて使えず、有料の高速道路を使う価値はあるでしょう。

 でも、高速道路無料化に伴う税金負担は薄く広く。決して地方の人だけが負担するのではありません。大都市の人も負担します。つまり、大都市圏の税金で地方の高速道路の無料化をするのです。地方優遇でアンフェアな話です。

 渋滞の影響を考えて、大都市圏などの高速道路の無料化を見送るのなら、大都市圏の高速道路の通行料は、大都市圏内の高速道路の建設・改良に充てるなどの対策を取らないといけないでしょうね。また、地方のこれからつくる高速道路については、採算性を見極め、無駄につくらない努力が必要でしょうね。
(参考:朝日新聞7月17日朝刊 14版)

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温室効果ガス削減は結局家庭頼り?

 みなさん、おはようございます。

 日本経団連などの経済界は逃げまくっていますが、避けられないのが温室効果ガスの削減。工場などの産業(36%)、事務所や商店(18%)、輸送(19%)、家庭(14%)などあらゆるところで削減の努力が求められます(カッコ内の数字は国内の二酸化炭素の排出量に占める割合。環境省が出した、2007年度の数字です。なお、これら以外の部門で13%の二酸化炭素を出しています)。

 しかし、政府の中期目標検討員会が出しているデータをもとに、朝日新聞の依頼を受けたシンクタンクが計算したところ、産業部門以外での温室効果ガス削減にかなり期待されていることがわかりました。工場などの産業部門の削減幅はさほどありません。鉄鋼などの温室効果ガス排出量が多い業界や経済産業省が大きな声をあげて、産業部門での削減幅を小さくしたのです。

 例えば、1990年に対して15%を削減する場合、1.9億トンの温室効果ガスを削減しないといけません。しかし、その内訳は事務所や商店が8800万トン、輸送が4700万トン、家庭が4500万トンであるのに対して、工場はたったの1000万トンです。経団連が主張する4%増の場合だと、工場での削減量は全くありません。

 家庭部門で期待されるのは、省エネに努めることのほかに、省エネに優れた新製品をどんどん買うこと。ハイブリッドカーなどのそういう商品は省エネ機能がありますが、それなりに大きいです。新製品を買うことで、家電業界や自動車業界が潤います。冷蔵庫や車なしで生きるのは不可能でしょうが、それなら小さいものをすすめたらよさそうなものです。まぁ、産業界にそのような発想はないでしょうが。
(参考:朝日新聞5月31日朝刊 14版)

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