札沼線、札幌-北海道医療大学間を電化

 札幌のひとつ西、桑園から北に伸びる札沼線。長い間、単線非電化のローカル線でしたが、(札幌に近いことから)国鉄末期を中心に駅の増設が相次ぎ、2000年には八軒-あいの里教育大学前間の複線化が完成しました。しかし、札幌-あいの里公園間は日中でもほぼ1時間に3本、列車が来るにも関わらず、電化されていません。一般的に、列車の多い区間では電化したほうが効率的といわれるだけに、珍しい事例です。

 ところが、JR北海道は、ようやく札沼線の札幌-北海道医療大学間を電化することにしました。変電所や架線などの地上設備に46億円、車両製作費に84億円かけます(電車は42両つくるようですが、札幌近郊の各線で共用するようです)。地上設備の工事については、石勝・根室線(南千歳-釧路間)や宗谷線(旭川-名寄間)の改良工事を手掛けた、第三セクターの北海道高速鉄道開発が行います。電化開業時期は、2012年春の予定です。この電化により、所要時間の短縮、混雑の緩和(車両を3ドア車にすることも混雑の緩和に寄与するようです)、冷房化率の100%達成、老朽化している車両の取り換え、といった輸送サービスの向上と、二酸化炭素排出量の削減や騒音の低減という環境負荷の低減が図られます。

 実は札沼線の電化について、札幌-あいの里公園間のみを先行して電化するという話もありました。距離が短い分、電化にかかる費用は安いですが、需要がありながら電化されないあいの里公園-北海道医療大学間の利用者からの反発を受けます。この区間の利用者に配慮してディーゼルカーで直通させると、電化の効果が薄れます。ですから、北海道医療大学までを電化するという今回の話のほうが優れているのは明白でしょう。

 当然ながら、北海道医療大学以遠に行くには乗り換えが必要です。しかし、北海道医療大学以遠は激減し、7.5往復しかありません(末端の浦臼-新十津川間は1日3往復)。廃止になってもおかしくないような区間です。鉄道があるだけでもありがたいようなところです。現実に同じ非電化区間でありながら、北海道医療大学以遠に直通するのは1往復しかありません。北海道医療大学までを電化すれば、札幌近郊は(ディーゼルカーの入出庫のための)早朝・深夜の便以外を除いて、電車に統一できます。
(参考:JR北海道ホームページ http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2009/090909-2.pdf)

| | Comments (4) | TrackBack (2)

秩父別での通学列車に思う

 9日朝の秩父別駅。この日も滝川行きの普通列車(1両編成)は、高校生など約60人を乗せていました。終点から2つ前の秩父別駅では、約50人の客が待っていました。合計しても110人ほどなので、後ろのほうに詰めれば何とかなる数字です。しかし、乗客は運転席すぐ後のデッキに留まったままで、なかなか後ろに動こうとしません。結局、26人の乗客をホームに残したまま、列車は発車してしまいました(取り残された乗客は、JRの用意したタクシーに乗りました)。

 もちろん、通学時間帯に増発できたり増結できればそれに越したことはありません。しかし、ローカル線というのは格安の通学定期の高校生ぐらいしか利用者がなく(車を持てば、遅い鉄道を利用することはめったにない)、サービスアップが収益には結びつきません。深川-秩父別間の高校生1ヶ月定期はたったの4930円です(片道運賃は200円)。こんな低運賃ではどう考えても経営が成り立ちません。

 深川近辺は若干高いかもしれませんが、留萌線の輸送密度は、昨年廃止になった北海道ちほく高原鉄道よりも低いのです。JRではなく、第3セクターにしてそれなりの運賃を取っても、経営は苦しいのです。特急の通らないJRのローカル線は、大都市近辺や特急の通る幹線の利用客の負担で成り立っているのが現状です。その内部補助が利かない私鉄の場合、次々と廃止されていきます。JRのローカル線はその点、恵まれていますね。

 増発や増結をしてもらいたいという気持ちはわかりますが、現実には難しいです。鉄道としての使命を失ったような路線では、JRに要求するだけでは解決できないのです。
(参考:日テレNEWS24 http://www.ntv.co.jp/news/83605.html)

| | Comments (4) | TrackBack (2)

青函連絡船、復活?

 東日本フェリーは、来年8月に青森-函館間を従来の約半分の約1時間45分で結ぶ高速フェリーを運航する予定です。そして、そのうちの一部については、駅から離れたフェリーターミナルに加えて、JR青森駅、函館駅付近にも接岸させる構想があるようです。

 青函トンネルの開通によって、青森-函館間の到達時間は短縮しましたが、特急列車しか運転されないため、どうしても切符代は高くなります(割引切符はありますが)。青函連絡船がなくなってもフェリーはありますが、フェリーターミナルは街中から外れています。

 急ぐ旅ならともかく(あと10年もすれば、新函館まで新幹線が伸びます)、青森-函館間を船で楽しむなら、駅周辺への接岸は便利ですね。
(参考:Web東奥 http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2006/20060923091000.asp)

| | Comments (4) | TrackBack (1)

カーブでもすいすい

 日本の在来線は、カーブが多く、スピードアップの障害となっています。カーブを早く走ることができる車両は国鉄時代から導入されていましたが、中央線など3線区にとどまっていました。ところが、JRになってからは各地で導入され、スピードアップに寄与しています。

 このたび、JR北海道は、「振り子式」と「空気ばねによる車体傾斜システム」の両方を組み合わせた新しい車両を開発しました。これにより、最大で車体を8度傾けることができるようになり、半径600メートルのカーブでも従来より20キロ速い、時速140キロで通過することができるようになります。

 この新型車両は今月末から走行実験を行い、3年後の実用化を目指しています。導入予定路線は、函館線。車両の軽量化と合わせて、札幌-函館間を2時間45分で結ぶ考えのようです。
(参考:北海道新聞ニュース http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20060309&j=0024&k=200603090135)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

1日に100人も乗らない鉄道

 函館と江差を結ぶJR江差線。木古内より東は、津軽海峡線の一部区間を構成することもあり、特急列車や貨物の通る重要な路線となっています。新幹線が新函館まで開業しても第3セクター路線として残り続けます。

 しかし、木古内-江差間は、1日6往復しか列車の通らないローカル線。2005年度上期の輸送密度はたったの65人です。国鉄時代、輸送密度が4000人以下のところは廃止の対象になったことを考えると、異常に低い数値です。JR北海道には、来年に廃止になる北海道ちほく高原鉄道の輸送密度よりも低い路線(区間)がほかに3つ(札沼線北海道医療大学以北、石勝線新夕張-夕張間、留萌線)あるようです。

 江差線以外は、新幹線開業が絡まないこともあり、公式に廃止を検討しているところはありませんが、この状況ではどう考えても鉄道の存続は難しいです。正直言って、鉄道が残っていること自体が不思議なこととも言えるぐらいです。
(参考:北海道観光研究所ホームページ http://www.hokutonomado.com/kankou/archives/2005/05/)

| | Comments (2) | TrackBack (1)