EH800が京都鉄道博物館に

 EH800はJR貨物が所有し、北海道新幹線との共用走行区間である青函トンネル等で貨物列車を走らせるために2016年3月に導入された機関車です。普段は東青森と函館貨物の間を往復しています。このEH800が京都鉄道博物館に展示されます。EH800が関西エリアに来ることはこれが初めてです。

 京都鉄道博物館に展示されるのは2018年1月20日から28日の間。本館1階の車両のしくみ/車両工場エリアで展示されます。現役車両展示用の線路で展示されます。EH800のほか、コキ107コンテナ車2両及び各種コンテナも展示されます。
(参考:JR西日本ホームぺージ https://www.westjr.co.jp/press/article/2017/11/page_11478.html、レスポンスホームぺージ https://response.jp/article/2017/11/15/302555.html)

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単線で運転を再開した、南海本線に乗る

 10月の台風21号は泉州地方にも大きな被害を及ぼした。難波と和歌山市を結ぶ南海本線は、樽井-尾崎間の下り線にある橋が崩れ、樽井-尾崎間は運休、バスで結ぶこととなった。しかし、バスでは到底輸送力が足らない。そこで残っている上り線で単線運転をすることとなり、11月1日から運転を再開することとなった。下り線の復旧は1か月ほどかかる。この間に単線での運転状況を見てみたいと思い、5日の日曜日、出かけることにした。

 南海本線は運転を再開したとはいえ、単線なので普段通りの運転はできない。難波と和歌山市を結ぶ特急「サザン」は全区間運休、普通も和歌山市まで行くのは30分に1本(通常の15分間隔は羽倉崎まで)、かなり本数を減らしている。難波12:23発の空港急行が泉佐野で和歌山市行きの普通に接続しているので、空港急行で泉佐野に向かう。乗った空港急行は、荷物スペースの多い8300系の6両編成。座席を減らしてつくった荷物スペースには、スーツケースがたくさん。荷物の多い訪日外国人に対応するための車両で、早速活かされている。座席も埋まっていて、立っている人も結構いる。

 泉佐野で向かいに停まっている普通に乗り換え。短いと思ったら、2扉車の2000系4両編成。和歌山市まで乗り通す人が少ない通常時ならこれでもよいのだが、和歌山市まで乗り通す人もそれなりにいる単線での暫定ダイヤにおいては、2扉車は避けたほうがいいだろう。車両の運用は再考したほうがよいと思われる。事実、泉佐野発車時点で座席は埋まっていて、扉付近では立っている人も結構いたから。幸い、運転席の後ろは座ることはできないが、立つスペースはあり、かぶり付きをすることはできる。

 列車は樽井の手前で渡り線を渡り、上り線に入った。普段は樽井折り返しのための線路だが、単線運転の間はこれをフル活用することになる。列車が通らない下り線のレールはさび付いたままで、対照的だ。樽井では普段折り返し列車が入る、副本線に入った。ここで運転席にひとり乗り込み、すぐに発車。運転再開当初のような、数分間停まるダイヤではなくなったようだ。ただ上り線を逆行する特殊な運転もあって、スピードは遅い。単線でも運転できるようになっただけでもありがたい話で、遅いのはやむを得ないことだろう。男里川にかかる橋では崩れている下り線を目の当たりにする。なかなかの衝撃的な光景で写真を撮るシャッター音が聞こえる。やがて列車は尾崎の手前にある渡り線を渡り、本来の下り線に戻った。尾崎では樽井から乗ってきた係員も降り(彼はしばらくしてやってきた難波行きの普通に乗り込んだ。このように樽井と尾崎の間を行ったり来たりしているのだろうか?)、単線区間を見に来たと思われる人も何人か降りていく。もちろん、尾崎までの間に本来の利用者も降りていったので、立っている人はかなり減った。

 このまま南海本線で折り返してもよかったが、変化をつけたかったので、山側を走る阪和線に乗ることにする。南海本線と阪和線の間には何か所か南海グループのバスが走っている。尾崎と和泉鳥取の間もそのひとつ。尾崎駅前から和泉鳥取を経由して尾崎駅前に戻ってくるバスで、ほぼ30分間隔で運転されている。運賃は230円均一。3人の乗客を乗せて13:33、尾崎駅前を発車した。バスはすれ違いできないような細い道を通り、定刻を若干過ぎて和泉鳥取に到着。しかし、駅は見えない。駅は少し離れた大阪寄りにあるようで、予定していた列車(和泉鳥取13:48発の「紀州路快速」)に間に合わないものと覚悟していたが、駅のあたりで走ると何とか間に合った。

 計画は順調に進んだので、上下線ともに高架になったばかりの東岸和田でいったん下車することができ、羽衣線の103系にも乗車することができた。羽衣線の103系は引退が近いからなのか、車内には路線図が貼られているだけで、広告の類は全くなかった。

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夜行列車で竹田城跡の早朝の雲海

 雲海と竹田城址の組み合わせは、多くの観光客を引き付けるものであります。しかし、雲海を見ることができるのは早朝。近くの宿に泊まらないと、早朝の雲海を鑑賞することができません。

 そこで阪急交通社はJR西日本福知山支社の協力を得て12月2~3日にツアーを行います。早朝に現地に着くために、2日夜の289系「こうのとり27号」に乗り、和田山まで行くのです。「こうのとり27号」は通常4両編成ですが、これに3両の貸切が加わります。23:51に「こうのとり27号」が終点の福知山に着いた後は、定期列車の4両を切り離して、車内も減光します。竹田城址に近い和田山には5:00ごろ着き、雲海の鑑賞を行います。なお、復路の列車は貸切ではありません。

 ツアーは11月5日から発売します。84人限定で、大人一人で12980円です。
(参考:阪急交通社ホームぺージ http://x.hankyu-travel.com/pdf/hankyu-travel/171101.pdf)

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臨時「かがやき」、新高岡停車は休日のみ

 JR各社は、2017年12月1日から2018年2月28日までの90日間に運行する冬の臨時列車について発表がありました。

 今回の最大の話題は、臨時「かがやき」。「かがやき」の停車駅は上野(一部は通過)、大宮、長野、富山のみですが、毎日臨時の「かがやき」が走っていて、そのうちの1往復は新高岡に停まっていました。2015年3月の開業以来毎日欠かさず運行を続けてきましたが、今回の冬の臨時列車で、ついにその新高岡停車列車が休日中心になります。金沢行きの「かがやき539号」は日曜日中心、東京行きの「かがやき536号」は土曜日中心に走ります。高岡市は新幹線駅が郊外にあるため、中心部に住んでいる人にとっては使いづらいですが、車での利用は便利です。そこで、富山県西部のほか、能登や飛騨と連携し、「かがやき」の定期列車化を目指していましたが、逆の方向になってしまいました。なぜ新高岡停車の「かがやき」は週末だけになったのでしょうか? それは、乗車人数が思ったよりも増えなかったのです。目標は1日500人の増加だったのですが、そこまでいかなかったようです。なお、臨時の「かがやき」は今シーズン、「はくたか」と合わせて最大8往復が走ります。

 それでは、それ以外の臨時列車について、北から順に取り上げていきます。11月に復旧する山田線では、年末年始(12月29~31日、1月1~3、6~8日)にキハ58、28(「Kenji」)を使用する、快速「ふるさと宮古」を走らせます。盛岡-宮古間に1日1往復します。

 高山線では5月に走った「ぬくもり飛騨路号」が、12月にも走ります。急行扱いで、往路の名古屋発高山行きが12月2、9、16日、復路の飛騨古川発名古屋行きがその翌日に走ります。静岡を早朝の6:07に出る「ふじかわ61号」は1月1日のみの運転です。初詣用でしょうか? ちなみに復路の「ふじかわ62号」は1月2、3日、それと大学入試帰り用の2月25日に走ります。

 紀勢線では、「パンダくろしお『Smileアドベンチャートレイン』」車両を使った「くろしお」が走ります。新大阪発白浜行きの「くろしお87号」が12月30日に、白浜発新大阪行きの「くろしお94号」が1月2日に走ります。9月2日に客車が復刻デビューした「やまぐち」号は、12月24日までの土日に走ります。正月は「津和野稲成」号として、1月1日~3日に3日間連続で走ります。

 最後に、夜行列車。東京-出雲市間の「サンライズ出雲92号」、「サンライズ出雲91号」は年末年始に走ります。285系7両編成を使い、「サンライズ出雲92号」は12月26日、29日、1月2日、「サンライズ出雲91号」はその翌日に走ります。東京-大垣間の「ムーンライトながら」は185系の10両編成で、東京発が12月22日から1月2日、大垣発はその翌日に走ります。新宿発白馬行きの「ムーンライト信州81号」は189系6両編成で、12月29、30日に走ります。「サンライズ瀬戸」は12月31日、1月1、5~7日の5日間、琴平まで延長されます。
(参考:JR東日本ホームぺージ http://www.jreast.co.jp/press/2017/20171011.pdf、JR東海ホームぺージ http://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000035419.pdf、JR西日本ホームぺージ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/171020_00_rinji%20%28NXPowerLite%29.pdf、JR四国ホームぺージ http://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/2017%2010%2020%2001.pdf、Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171018-00088549-kitanihon-l16)

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「くろしお」、2018年春に減便か?

 新大阪(一部は京都)から南紀方面に向かう、「くろしお」。白浜までは1日15往復、およそ半分の7往復が新宮まで足を伸ばします。

 しかし、2018年春のダイヤ改正で、「くろしお」の白浜-新宮間について、1往復減らすという話があります(白浜以北は変わらないようです)。また、「くろしお」の中には振り子式の283系で運行されているものがありますが、車両の老朽化を理由に、運行区間を白浜以北に短縮し、白浜-新宮間は振り子式でない車両に統一するようです。確かに看板列車の283系は18両しかつくられなかったこともあって、休みなく使われたのかもしれませんが、まだデビューしてから20年ほどしか経っていません。国鉄型車両ならともかく、ピンと来ないのが事実です。振り子式車両を白浜止まりにすることによって、白浜-新宮間の線路保守の手間を軽減させることができるのでしょうか? また、電化時に整備された白浜以北なら、振り子式でなくてもそう遅くはありません。283系が故障しても、287系等に代走させることもできます。振り子式の保守が手間なら、いっそのこと振り子式の機能を止めることもできます。283系は単なる新しい車両になるのです。ともかく、新宮は遠くなりそうです。

 和歌山県は「くろしお」の減便方針に強く反対していますが、出てくる数字は厳しいです。白浜-新宮間の輸送密度(2016年度、以下同じ)は1252です。和歌山-白浜間の8701に比べると、段違いに低い数字です。近くで似たような数字を探すと、関西線の亀山-加茂間(1257人)とほぼ同じ数字です。レールバスみたいな車両が走るところとほぼ同等の需要しかないのです。特急の利用者数も同じような傾向を示しています。2016年の実績では、天王寺-和歌山間が6702人(2004年と比べると98%、以下同じ)、和歌山-箕島間が4493人(76%)、白浜-串本間が991人(55%)です。白浜-串本間の2011年の数字は1024人、大水害で3か月間運行できなかった年を下回ったのです。人口の減少や高速道路の延伸が響いているようです。白浜以遠が廃止されることはないでしょうが、和歌山県が線路改良の費用を出さない限り、消極的な経営が続きそうです。
(参考:レスポンスホームページ https://response.jp/article/2017/10/19/301289.html、タビリスホームページ http://tabiris.com/archives/kuroshio/、紀南新聞ONLINE http://www.kinan-newspaper.jp/?p=10416、JR西日本ホームぺージ https://www.westjr.co.jp/company/info/issue/data/pdf/data2017_08.pdf)

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2018年夏、越中宮崎から南岩国までひとつのエリアに

 JR西日本はICカード、「ICOCA」のエリアを拡大し続けています。2003年11月に最初にサービスを始めたときは近畿圏だけでしたが、2007年には岡山・広島エリアに、2012年には会社の枠を超えてJR四国の香川エリアに、2017年4月には石川エリアに拡大しました。しかし、今なお「ICOCA」のエリアは石川、近畿圏、岡山・広島・山陰・香川の3つに分かれたままです。

 ところが、2018年夏、3つに分かれた「ICOCA」のエリアがひとつにくっつきます。すでに発表された北陸線大聖寺-近江塩津間に加えて、山陽線相生-和気間、赤穂線播州赤穂-長船間にも「ICOCA」サービスが導入されるのです。

 こうなると、東は越中宮崎、西は南岩国までひとつのエリアになり、エリア内ならどこでも「ICOCA」で移動できそうに思えるのですが、さすがにそういうわけにはいきません。2018年春以降、「ICOCA」を利用できる距離を原則200キロ以下に制限します。利用区間にIRいしかわ鉄道、あいの風とやま鉄道がある場合は、利用区間が越中宮崎-大聖寺間及び高岡-新高岡間に限られます。例えば、岡山-岩国間は200キロを少し超えます。こういうところでは、これまで「ICOCA」が利用できたところでも使えなくなるのです。エリア拡大による運賃計算のパターンを複雑化させないための措置でしょうが、200キロを超える距離を普通列車だけで移動するのはレアケースで、こういう制限が課せられてもそう不便になることはないでしょう。

 ただ、原則には例外があります。200キロを超えても「ICOCA」を利用することができるケースが3つあります。(1)大阪近郊区間内相互間の利用 (2)在来線特急列車停車駅相互間の利用(大阪-金沢間、新大阪-新宮間、岡山-出雲市間) (3)大阪近郊区間内の駅と在来線特急列車停車駅相互間の利用(例:尼崎-新宮間) です。もちろん、特急に乗るときは別途特急券が必要です。

 さらに、2019年春には「ICOCA」エリアが拡大します。新たな導入路線は境線。1日当たりの乗降客数が約6000人の路線です。境線の全駅で利用することができます。車内でICカードを利用することができるように、車載型IC改札機を導入します。バスや路面電車ではよく見られるものですが、JR西日本では初めての導入事例となります。IC専用型改札機を導入する境港を除いて、中間の各駅(全て無人駅)では車載型IC改札機で対応します。JR西日本は22両ある境港線の車両を今後1年半かけて改造します。導入費用は8億円します。今後は山陰線などにも「ICOCA」を導入する予定で、これらの施策によりJR西日本は「ICOCA」の利用率を現状の7割を8割に増やしたいとしています。
(参考:JR西日本ホームぺージ https://www.westjr.co.jp/press/article/2017/10/page_11312.html、https://www.westjr.co.jp/press/article/2017/10/page_11308.html、https://www.westjr.co.jp/press/article/2017/10/page_11304.html、レスポンスホームページ https://response.jp/article/2017/10/18/301245.html、日本経済新聞ホームぺージ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22419900Y7A011C1LC0000/、産経WEST http://www.sankei.com/west/news/171019/wst1710190022-n1.html、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/osaka/news/20171019-OYO1T50000.html)

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中国地方のローカル線の現状を見る(5)

 六日市から先は1日2往復半(日祝運休)の路線バスがあるが、広島と益田を結ぶ高速バス(1日6往復)も利用できる(ただ普通の路線バスよりも停まるバス停は少ない)。路線バスは夕方までないので、高速バスを使う。一般的に高速バスは予約がいることが多いが、ここの高速バスは昔、一般道を走っていた経緯から予約不要。路線バスみたいに短区間の利用もできる。ちょうど六日市のバス停(六日市駅)は、高速バスの停留所と同じところにあった。町の施設が待合室として開放されているので、そこで待つ。少し遅れて高速バスがやってきた。何人か降りて私が乗り、12人ほどで高速バスは発車。途中のバス停で乗るのもいるが、降りるほうが明らかに多く、だんだんガラガラになっていく。青原駅で下車。ダイヤから8分ほど遅れている。駅というバス停なのに駅が見えないので運転士に聞くと、結構大きい川の向こうが駅とのこと。すぐ目の前ではない。駅という言葉にひかれて青原駅で乗り換えることにしたのだが、これなら手前の日原診療所前で降りて、歩いて日原からJRに乗ったほうがよかったのかもしれない。歩く距離は長くなるが、JRでひと駅分を往復する時間が節約できる。川を渡り、14:27発の朱色に塗られた2両編成の普通列車に乗る。実はこの列車、臨時列車。運転日がわからず、当初の計画では乗る予定ではなかったが、8月下旬になって運転されることがわかったため、乗ることにしたのである。この列車があることで、次に紹介する列車に乗ることができるようになったのだ。

 津和野で降りる。次の列車は1時間後、それなのに駅には待っている人がたくさんいる。さらに言えば外国人もたくさん、どこの国にいるのかと言いたくなるほど。次の列車はSLの「やまぐち号」、ここで注目を集めているのがSLではなく客車である。日本語としてはおかしいかもしれないが、JR西日本が新型の旧型客車をつくり、この9月から走らせ始めたのである。改札が始まり、「やまぐち号」に乗る。客車の出来はすばらしい。本当の旧型客車みたい。ボックスシートは昔懐かしい青で、白熱灯(?)が灯っている。内装には木が使われ、細かい調度品も当時の雰囲気だ。車内には路線図があるが、1934年のもの。現在との違いを探そうと思わずじっくり見たくなる。1号車はグリーン車、シートは赤がベースになっている。グリーン車は売り切れていたので外から見ただけだが、下々の者は入ることが許されないような重厚さがある。お金さえ出せば乗ることができる、今どきのグリーン車とは大違いだ。客車は35系という名前になっている。かつて大量につくられた旧型客車の形式名を使っているが、4000番台にすることによって、既存の車両との区別を図っている。とは言うものの、21世紀の今に通用するよう、時代に合わせているところもある。冷房は完備で、コンセントも各テーブルにある。バリアフリー設備もあり、モデルとした車両では荷物室だったスペースを、多目的室とバリアフリートイレにしている。目の飛び出るような金額の豪華寝台列車よりも、「乗りたい」と思わせる列車だ。今年(2017年)の傑作と言ってもいいだろう。

 「やまぐち号」は津和野を後にした。皆の注目を浴びながら。津和野付近だけでなく、沿線のあちこちで手を振る人がいる。「やまぐち号」の3号車には普通席のほか、売店、投炭ゲームと運転シミュレーションゲームがある。このゲームができるのは抽選で、今回は残念ながら外れてしまったが(人がやっているのを見ただけ)、おもしろそうだ。機会があればやってみたい。上りの「やまぐち号」は一部を除いて下り坂で、意外とスピードが出るところもある。ほかに意外に思ったのは、途中の駅でも乗り降りがあること。すぐ降りた客は短区間での体験乗車なのだろうか? 私の座っていたボックスシートにも途中から家族連れが乗り、いつの間にか消えていた。この「やまぐち号」には両端に展望車がある。最後尾のものだけ使えるので、山口を過ぎてから見に行くことにする。かつては上流階級しか入ることが許されなかった展望車だが、ここは一般庶民でも立ち入り可能なのだ。「やまぐち号」は新山口に到着。新山口に改称されて久しいが、どうもなじめない。あまりにも山口は離れているのだ。山口の玄関口であることをはっきりとさせたいのなら、山口小郡というように山口を頭にかぶせたほうがよかったのかもしれない。話を元に戻す。新山口ではSLのみ先に切り離し、客車を置き去りにして車庫に入る。残った客車はどうするかと言えば、後ろのほうからDD51がやってきて、DD51の牽引で車庫に戻るのだ。これは最後まで残っていないと見ることができないのであるが、入れ換えだけというのはもったいない。35系を国鉄型の電気機関車(特急用のEF65やEF66は似合わないだろうが)やディーゼル機関車にも引っ張らせたいものだ。SLの検査期間中のイベントとしていかがであろうか? SLは観光用として今後も動くように整備されるが、電気機関車やディーゼル機関車を今後とも維持するとは限らない。JR東海にはすでに機関車はないし、JR西日本も新型ラッセル車には客車を牽引する機能がある。機関車の代わりになるのだ。

 元々「やまぐち号」に乗る予定はなかったので(最初は浜田から高速バスで広島に向かう予定だった)、今晩(16日)の夜行バス(「カルスト号」)は岩国からの乗車。夜行バスの切符はコンビニで買っていたので、変更が難しいのだ。普通列車で岩国に向かうのだが、「のぞみ」もある程度停まるこの新山口でお土産を買っておく。待合室ではNHKのニュースが流れているので、台風の進路の確認もしておく。新山口19:41発の岩国行きでようやく東に向かう。黄色に塗られた115系の4両編成だが、2扉の転換クロスシートで、117系みたいな座席配置である。227系の投入により、国鉄型車両は置き換えられるが、その中でも国鉄型車両としては比較的新しいものの、ラッシュに難がある2扉の車両から先に廃車になることは容易に想定できる。117系新快速はあこがれの車両だったが、その117系に想いを寄せながら乗ることにする。津和野で売っていた駅弁(「かしわめし弁当」)を食べながら時間を過ごす。乗客は拠点となる駅(防府のような、新幹線の停まらない駅も含まれる)で乗ってきて、その後降りるという感じ。(続く)

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中国地方のローカル線の現状を見る(4)

 帰りはバス。広島中心部へのバスは日中でも1時間に10本ほどある。とりあえず17:40ごろにやってきた広島交通のバスに乗る。座席はほぼ埋まっている。途中の乗り降りも盛んで、よく使われているのがわかる。バスはすれ違うのも難しそうな細い道も通る。途中までは乗り降りはあるものの、座席が埋まる程度の混み具合であったが、中心部に近づくと増えていく。立っている人で、外が見えなくなるほど。ところでこのバス、広島に行くことはわかっていたが、どこを通るのかはわからない。答えは意外だった。54号線(アストラムが走る道路)より西の183号線を通って、横川を経由するのだ。思っていたよりかなり西側を通っていたのだ。バスは広島駅行きで、路面電車の軌道に沿って走り、紙屋町、八丁堀で客を降ろしていく。渋滞していたようで可部から八丁堀まで1時間かかった。所定では40分のところだ。私も八丁堀で降りたが、泊まるホテルは白島にあるので、130円払って路面電車に乗る。八丁堀18:40ごろの白島行きに乗ったが、枝線であるにもかかわらず座席はそれなりに埋まっていた。白島からホテルに向かう途中で見つけたお好み焼き屋で夕食にする。

 日付が変わって、翌日の16日、土曜日。台風が近づいているので、それを気にしながらの旅となる。ホテルからは直接新白島に行ったほうが速いのは明らかだが、明るいうちに白島線に乗りたかったので(前日に白島線に乗ったときは真っ暗だった)、白島から八丁堀、本通を経て新白島に行く。路面電車2本とアストラムの乗り継ぎだ。白島6:43発の八丁堀行きに乗る。八丁堀までの運賃を「ICOCA」で払い、同じ「ICOCA」で乗り継いだ2本目の運賃を払えば、自動的に乗り継ぎ運賃が適用される。初乗り運賃を二度払わなくもよいのだ。支線の白島線とは違い、本線系統は単車でも比較的新しい車両が多い。八丁堀から乗ったのは連節車だった。カーブを曲がって本通でアストラムに乗り換え。

 地下区間を3駅だけアストラムに乗って、新白島でJRに乗り換える。新白島7:26発の岩国行きは227系の6両編成。アストラムもそうだったが、JRも休日なのに高校生が多い。混んでいるのでしばらく経って空いてから朝食のパンを食べることにする。それにしても少し前まで旧型ばかりだったのに、今ではステンレスの新型が圧倒的で、国鉄型はむしろ少数派。しばらく来ない間に大きく変わったものだ。

 岩国で錦川鉄道に乗り換え。8:29発の錦町行きは1両編成のワンマンカーだが(水色がベースの「せせらぎ号」)、中ほどは転換クロスシートで小さなテーブルもある。10人で発車したが、(錦川鉄道になる前の)西岩国で早速4人、次の川西で2人降りる。新幹線接続駅の清流新岩国では反対に乗る人がいたので客は8人になる。列車は川に沿って走り(進行方向右側に川がある)、眺めのよいところは途中で徐行する。駅に到着するときは接続するコミュニティバスの案内があり、鉄道とバスの連携は取れているようだ。ほかの駅でもわずかながら乗り降りがあり、錦町には8人で到着。駅脇の車庫には烏山色も停まっていた。

 錦川鉄道の前身、国鉄岩日線は錦町までの枝線をつくるつもりで建設した鉄道ではなかった。岩日線の岩は岩国、日は山口線の日原を指す。瀬戸内と山陰とを結ぶ、陰陽連絡鉄道のひとつとしてつくられたのだ。ところが錦町まで開業し、そこから先の六日市までをつくっている途中で建設が中止されてしまったのだ。とは言っても途中まで工事は進んでいる。そのすでにできあがった区間を活用してつくったのが、これから乗る「とことこトレイン」というもの。錦町で降りるときに錦川鉄道の運転士に「とことこトレイン」に乗る旨を告げて証明書をもらい、それを駅隣の販売所に見せると、「とことこトレイン」の運賃が150円引きの500円になる。駅の少し先にある乗り場に着くと、そこに停まっていたのはかつて愛知万博で見た、「グローバルループ」だった。台風前なので客は少なく、5人だけ。「とことこトレイン」は雙津峡温泉までの6キロほどの距離を40分かけて走る。鉄建公団のつくった路線らしく、トンネルが多い。それを逆手にとってトンネルに特殊な石を飾り、特殊な光を当てることによってトンネルの中がイルミネーションになる。「とことこトレイン」はトンネルの中で停まるので、イルミネーションをじっくりと見ることができる。

 「とことこトレイン」の走る区間には駅の設置計画があった。つくりかけの駅を通過する。雙津峡温泉までの間に2駅つくる予定だったが、そのうちひとつはつくりかけで、もうひとつは何もつくっていなかった。よって後者はどこが駅の予定地であったかは、「とことこトレイン」に乗るだけではわからない。それにしても乗り心地は悪い。特にコンクリート舗装の部分はひどい。そうこうしているうちに、雙津峡温泉に到着。そのまま折り返すのはおもしろくないので、帰りは路線バスにするが、1時間余り時間がある。近くにある温泉に入る。今日(16日)は夜行バスに乗るので、風呂に入ることができないかもしれない。早いけれど温泉に入ることにしよう。駅から川を渡り、対岸の少し坂を登ったところにある、日帰りの温泉に入ったが、飲むこともできる、源泉かけ流しの温泉だった。眼鏡をかけていないのでよくわからないが、ずっと英語で話を続けている男がいる。日本を訪れる外国人が多くなったとはいえ、ここまで来るのは驚きだ。

 バスの時間が来たので温泉を出て、バス停に行く。定時の11:52発のバスが来たが、白ナンバーで、誰も乗っていない。7分で道の駅に到着。私が降りるとまた無人のバスになる。錦町までの途中で降りたので、正確な比較はできないが(バスを降りた道の駅は、先ほど述べた、つくりかけの駅のあたり)、明らかに「とことこトレイン」よりは速い。次に乗るバスは30分ほど後、その間に鮎御飯などを買って昼にする。道の駅12:31発のバスが少し遅れてやってきた。錦町と六日市を結ぶバスは1日5往復あるが、毎日走るのは朝(六日市行き)か晩(錦町行き)の1往復だけで、昼間の便のうち3往復は週3日のみ、泊まらなくても使えるのは昼ごろの1往復だけだ。この昼ごろの1往復は日祝を除いて毎日走る。これも道の駅まで乗ってきたのと同じ白ナンバー、しかも先ほどはバスらしい車体であったが今度はワゴン車、そして誰も乗っていない。これから乗るバスは県境を越える、コミュニティバスとしては珍しいもの。ガラガラだったら廃止になってもおかしくないのだが、運転士の話によれば、六日市への通院需要があるらしい。岩国に行くよりは近いかららしい。(続く)
(参考:「岩日北線記念公園のご案内」(「とことこトレイン」乗車時のパンフレット))

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中国地方のローカル線の現状を見る(3)

 3日目の15日は米子駅6:00発のバスで広島に行く。日本交通のバスで、夜行仕様の3列シート。10人ほどが乗っている。広島までの通常運賃は3900円(大塚駅までなら3800円)だが、「WEB片道割引」が適用されたので2500円で済む。1日目とは逆に米子駅から山陰道に向かうが、最寄りの米子中インターチェンジには西側への入口がないので、山陰道に沿って西に走り、次の米子西インターチェンジから高速道路に入る。山陰道、松江道、中国道と2時間弱走り続け、ようやく江の川パーキングエリアで10分間の休憩をとる。かなり広島に近づいたところで休憩をとるのは、松江道の休憩施設が乏しいからなのか? とは言っても、江の川パーキングエリアはトイレと自販機しかない(売店は短時間のみの営業)。広島道広島西風新都インターチェンジで高速道路を出て、物を落としたらどこまでも転がっていきそうな坂を下り、谷底にあたる大塚駅で下車。所定より15分ほど早く到着した。

 高速バス停留所の大塚駅は、アストラムの駅が近くにあるが、もうひとつ先が終点の広域公園前なので、そこまで歩く。10分余り歩いて到着。バスが予定よりも早く着いたため、アストラムは予定より2本早い広域公園前9:10発に乗ることができた。アストラムは新交通システムの長所である、勾配への強さを武器に坂を降りていく。広域公園前を出た時点ではガラガラだったが、中心部に向かうのでだんだん乗ってくる。アストラムは広域公園前を出てからずっと高架を走っていたが、新白島で地下に潜る。JRとの接続駅でもある、その新白島からは各駅ごとに降りていき、県庁前でごそっと降りた。

 終点の本通で階段を上がるとバス停がある。目の前をバスや路面電車がひっきりなしに通る。広島から呉には鉄道のほか、高速バスもある。広島の中心部から発着し、日中でも1時間に3本ある。米子からの高速バスが予定よりも早く着いたので、呉へのバスも予定より早くなり、本通り9:57発に乗ることができた。この呉へのバスは広島電鉄と中国ジェイアールバスの共同運行だが、乗ったのはジェイアール中国バス。観光バスタイプでトイレはない。ICカードは使える。広島市内でこまめに停まって客を乗せるが、中心部以外では乗るのはなく、10人弱で呉に向かう。バスは広島呉道路を通り、長いトンネルを抜けたらいきなり呉市街が現れる。40分ほどで呉駅前に到着した。

 呉は戦前、海軍の拠点として栄え、今も海上自衛隊のあるところである。ショッピングセンターを抜けて、「てつのくじら館」(海上自衛隊呉史料館)に行く。何を展示しているか、予備知識なしに訪れたが、掃海(機雷)除去と潜水艦についての博物館だった。かつて使われていた潜水艦(「あきしお」)が展示され、見ることができる。「てつのくじら館」を出たらちょうどお昼になったので、呉に因んだ料理としてカレーにする。海上自衛隊でも使われている鉄板の食器にカレーのほか、鯨のカツ、肉じゃがなどが載っていた。海上自衛隊の艦船のを再現したものらしい。スタンプラリーもやっていて、訪れた店の数に応じて景品がもらえる。昼からは「大和ミュージアム」(呉市海事歴史科学館)に行く。映画のためにつくられた大和の1/10の模型のほか、呉が海軍の拠点として選ばれてからの歴史を詳しく紹介している。1時間半あれば企画展も含めて十分見ることができると思っていたら、思ったよりも時間がかかり、後半は急ぎ足。というより、正直言ってちらっと見ただけ。かなり時間に余裕を持たせたほうがよいだろう。

 呉駅に戻り、今度はJRで行く。呉線の日中のダイヤは、快速が1時間に2本、普通が1本という珍しいもの。快速のほうが多いのだ。呉15:14発の快速「安芸路ライナー」に乗る。広始発で、227系の3両編成。意外なことにワンマン運転である。広島近郊は「ICOCA」が使えるので、運転士は集札をしなくてよい。第一、運賃箱すらない。都市型のワンマンなのだ。呉を出た時点で座席がほぼ埋まり、立っている人もいる。呉線は本数が多いのに、単線である。ところどころで交換待ちもある。複線が望ましいが、線路が海と山に挟まれ余裕がないのだろう。途中の停車駅で乗ってくる人がいるが、海田市で降りる人がいる。海田市で降りるのか、後続の普通に乗るのか、乗り換えなのかはわからない。

 広島から乗ったのは、16:01発の緑井行き。227系の2両編成。こちらはワンマンではない。芸備線からの接続を取り、2分ほど遅れて出発。その後も接続待ちや交換待ちで、遅れは増えていく。新白島や横川で増え、ドア付近はかなり混む。しかし、座席のあたりまで入って立つ人はいない。奥まで入って来ないのだ。クロスシートによく見られるものだが、ロングシートでも奥に入らない現象はあるので、座席を減らして扉付近の立席を増やすのが最善というべきか。可部線に入ると、各駅で降りていく。それにしても可部線はJRらしくない。家が線路の近くまで迫り、駅はコンパクト、構内踏切もたくさんある。元々が私鉄だったので当然と言えばそうなのだが、227系のような転換クロスシートではなく、トイレなしのロングシートのほうが似合う。もっとも、そのロングシートを可部線に限定せず、ある程度の距離を走るほかの線区にも使ってしまう危険性があるので、万能の227系のほうが問題なく使えるのであろう。各駅で降りていったので、緑井に着いたときにはガラガラになっていた。終点のあき亀山に行くのが可部線に乗った目的なので、後続の緑井16:37発に乗る。115系の4両編成で、黄色に塗られている。国鉄型車両だが後期の2000番台で、座席はセミクロスシートから転換クロスシートに変えられている。外観はともかく、中身はリニューアルされている。こちらは終点まで行くので、緑井止まりよりは混んでいる。可部からは3月に復活した区間。2駅間をゆっくりと走り、あき亀山に16:59に到着。これで未乗区間はなくなった。

 あき亀山は自動券売機と自動改札があるだけの無人駅。駐輪場と送迎用スペースがあるだけで、店の類は全くない。バスも乗り入れず、駅の近くの人しか利用できない。少し前に記事にしたが、延伸区間の利用者数が想定を下回っている。この状況ではやむを得ないところか。再び乗ってきた列車で折り返すのはおもしろくないので、可部まで歩くことにする。近道をしようとして住宅地に迷い込むこともあったが、25分ほどで可部に到着した。(続く)

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中国地方のローカル線の現状を見る(2)

 夜明け前の浜田から14日の旅が始まる。浜田から列車に乗るのだが、浜田も早朝夜間は無人駅となる。石見地方の中心であるこの浜田で無人なら、いったいどこが有人になるのか? 浜田から乗った5:20発の普通はキハ47の2両編成、終点の出雲市に着くころには通学にいい時間だからか、ワンマンではない。まだ真っ暗な浜田を出発する。

 明るくなった江津で三江線に乗り換え。セミクロスシートのキハ120を2両つないでいる。前は石見神楽のラッピング、後ろは三江線色の車両だ。ワンマン運行のため、後ろの車両の扉は終点まで開かない。パラパラと6人が乗った。どう考えても三江線の廃止を聞きつけて来た客で、地元の人はいない。列車は川を左に見ながらノロノロと進む。最初に交換することができる石見川本でも、交換する列車に乗っていたのは2人のみ、浜原始発のため少ない。浜原で交換したのには(三次始発のため)15人ほど乗っていた。今乗っている江津からの列車よりも明らかに多い。どちらも5時台に出る列車だが、三次発のほうが乗っているのは、江津よりも三次のほうがホテルなどの施設が充実しているからだろうか?

 浜原まではノロノロと走っていたが、浜原からは線路がよくなったためか、急に速くなる。さすが鉄建公団のつくった区間だ。長い階段を登らないとホームにたどり着くことができないことで有名な宇津井には2分停まる。本来はすぐに発車するのだが、特別に長く停まるのだ。もちろん、本来のダイヤにはない。口羽あたりからは日常的な利用があるためか、乗る人がいて(それまでの日常的な利用者は、石見川本で降りた女子高生など3人ぐらい)、三次到着時点では15人ほどになる。

 次に乗る列車まで3時間半余りあるので、駅を出て左側にある観光案内所で自転車を借りる。4時間までで200円、重たい荷物をかごに入れることができるのも自転車を借りるメリットだ。目指すは市街を見渡すことができる尾関山。途中、三江線の尾関山に寄って、三次まで乗ってきた列車の折り返しとなる、三次10:02発の石見川本行きを見送る。2両編成の列車にぎっしりと40人ぐらいが乗っている。石見川本で1時間半ほど待たないといけないとはいえ、一番時間帯がいいので混むのであろう(ちなみに1時間半ほど待つ石見川本は、ちょうどお昼どきにかかるので、特需を生み出しているものと思われる)。平日の「青春18きっぷ」のない時期でこれだと、休みの「青春18きっぷ」のある時期は恐ろしいことになる。すでに数字に現れており、2016年の時点で三江線の輸送密度は2015年度よりも4割増え、83人にもなっている。廃止の話が出ると起こる現象だが、この調子だと最終年度の2017年度の数字はどうなるのだろうか? お昼は名物のワニの刺身、ワニとはサメのことである。もちろん、海に住んでいる。それなのにこんな海から離れているところの名物になっているのは、サメが日持ちするからだ。サメにはアンモニアがあり、保存の技術がなかった時代でも三次まで持ってくることができたからなのだ。サメを食べるのはもちろん初めてだが、少し筋があると感じたくらいで、特にくせはない。三次13:01発の備後落合行きに乗る。備後落合まで行くのは、三次6:55発の始発以来、2本目。ロングシートのキハ120が1両で走るが、トイレはついている。三次を出た時点では4人だけだったが、塩町(福塩線からの接続はない)や備後庄原から乗る客がいて、8人になる。そこからは若干減り、備後落合到着時には5人だった。

 14時台の備後落合は新見、三次、宍道からの列車が集まり、また去っていくゴールデンタイム。しかし、木次線は月1回の保守の日。日中は列車が走らず、バスで代行輸送を行う。代行バスは駅前から出る。しばらくしてジャンボタクシーがやってきた。タクシー会社の運転士のほかにJRの係員も乗っていて、行き先を告げて乗る。8人しか乗ることのできないジャンボタクシーに6人乗る。定刻になり代行バスは国道を走るが、はっきり言って鉄道より代行バスのほうが速い。所定のダイヤより早く到着して、時間調整をする。おろちループで徐行する余裕がある。係員が駅を見回して、乗る人がいないのを確認してから発車する。ただし、途中駅では少し早目に来て乗る意思を見せておいたほうがよさそうだ。なお、出雲横田から三井野原までは路線バスが1日6往復している(平日の場合)。備後落合まで伸ばしたら、鉄道の代わりになりそうだ。大体25キロ制限のある鉄道を無理に存続させる経済的かつ社会的意義はすでになく、ましてや民間企業のJRに押し付けることはできない。それなりに需要があれば第三セクターで残せばいいが、それでも無理なくらいの需要ならバスでコストを抑えたほうがよい。鉄道には新幹線のような高速輸送か、大都市圏の通勤鉄道のような大量輸送を担わせるのが適当で、わざわざ不得意なローカル輸送をさせる必要はない。話を元に戻す。代行バスは各駅で時間調整をするため、駅を見学する余裕がある。鉄道に乗ることができないのは残念だが、代行バスもまた楽しからずや、といったところか。三井野原で親子連れが降りた以外動きなく、残り4人が終点の出雲横田まで乗る。律義にメーターが回り、出雲横田に着いた時点では6.5万円余りとなっていた。

 出雲横田からはキハ120、木次色が1両で走る。ロングシートだ。出雲横田を出た時点では5人乗っていた。次の亀嵩はそばで有名な駅、電話で予約すればホームまで配達してくれるが、何回かけても電話がつながらない。臨時休業だったようだ。どこか忘れたが途中の駅で場違いとも言えるようなスーツ姿のビジネスマンが乗ってきて、客数が少し増える。拠点駅の木次(ここから本数が増える)で18分停車する。停車中に乗客が10人に増える。出雲大東でも8人ほどだが高校生が乗ってくる。

 宍道で乗り換え。今日の最後の列車、普通米子行きは向かいの2番線からの発車。本来の1番線ではない。1番線に入ってきたのは何と「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」。実物を見るのは初めてだ。食堂車では優雅に食事を楽しんでいる。宍道17:40発の米子行きはキハ47の2両編成。夕方のラッシュ時のため、車掌も乗っている。ボックスシートも満席ではないが埋まっていて、ロングシート部分にも座っている人が多い。松江で通勤帰りのサラリーマンなどがたくさん乗り込み、立っている人が多くなった。しかし、駅に停まるごとにだんだん減っていき、米子では宍道を出たときの状態に戻る。泊まったのは駅前のホテル。パソコンを持ち込まなくても、特別料金なしで客室でもインターネットが使えるのは便利だ。旅先だとインターネットで調べることも難しくなるからだ。(続く)
(参考:JR西日本ホームページ http://www.westjr.co.jp/company/info/issue/data/pdf/data2017_08.pdf)

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