JR九州に787系改造の観光列車

 JR九州には、787系を改造した観光列車を走らせるという構想があります。沿線の観光地に停車しながら、3~5日かけて九州を一周するというものです。仮称を「九州一周特急」と言います。これまでと同様、水戸岡氏がデザインを担当します。春から設計を本格化し、デザイン案を年内に公表する予定です。

 この「九州一周特急」、どんな列車になるのでしょうか? 何両編成になるか、また、定員は何人かは未定ですが、全席をグリーン車とし、個室もあります。ただし、「ななつ星in九州」とは違って、寝台はありません。夜は列車を降りて、ホテルや旅館に泊まります。当然ながら、停車する駅の自治体や観光団体と連携します。

 先ほども述べたように、「九州一周特急」は787系の改造です。初めての電車による観光列車となります。基本的には鹿児島線、日豊線、長崎線などの交流電化区間を走りますが、運行ルートや停車駅は決まっていません。これから決めることになります。
(参考:ニュースイッチホームページ https://newswitch.jp/p/16319)

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鉄道維持に積極的な自治体、22%

 ローカル線の廃止の話が出るたびに沿線自治体からの反発を受けますが、その地元自治体はローカル線の維持にどれだけ努力しているのでしょうか?

 その現状は厳しいものです。九州運輸局がアンケートを行ったところ(2018年9~12月に九州7県の152市町村に実施、109市町村が回答)、自治体の92.5%は鉄道事業者との連携が必要だと考えていましたが、実際に鉄道を維持するために積極的な対策を行うことを考えているのは22.4%に留まっています。

 また、そもそも自治体の27.1%は鉄道の年間利用者数を知りません。現状がわかっていないのでは、対策を立てようもありません。地元住民がどのような目的で鉄道を利用しているのかについても、半分弱の自治体が具体的な調査をせず、感覚として捉えているだけです。このような現状に対して鉄道事業者は、自治体の交通網形成計画の策定に参加することができず、鉄道維持のための具体的な計画がないということを不満として挙げています。

 自治体の鉄道に対する認識がこんなものだから、大して効果のない観光客の誘致で利用者の増加を図ろうとするのです。そのくせ維持を求める声だけは一人前。鉄道事業者と話がかみ合わないのは当たり前です。
(参考:日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40424450U9A120C1LX0000/、産経ニュース https://www.sankei.com/region/news/190128/rgn1901280001-n1.html)

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佐世保市、「みどり」に885系導入を要望

 2022年度に長崎新幹線が暫定開業すれば、現在長崎線を走っている885系が余ります。その余る885系を欲しがっている自治体があります。

 それは佐世保市。885系のような振り子式の車両を入れると、博多-佐世保間で約8分、武雄温泉-佐世保間で約2分の所要時間の短縮が見込まれます。振り子式の車両を走らせるには路盤の改良も必要ですが、それも求めます。そもそも長崎新幹線が整備されるようになったのは、1978年に佐世保市が原子力船「むつ」を受け入れたため。そのため、路盤整備の費用は佐世保市ではなく、長崎県が負担するものと佐世保市側は考えています。

 長崎新幹線が整備されても佐世保にはメリットがありません。そのため、佐世保などには長崎新幹線に対する不満があるようです。それを解消するためにも、何らかの対応策を考えないといけないのかもしれません。
(参考:長崎新聞ホームページ https://this.kiji.is/465175171071280225?c=39546741839462401)

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JR九州、豊肥線肥後大津-立野間の先行復旧は行わず

 豊肥線の肥後大津-阿蘇間(27.3キロ)は熊本地震で被災したため、不通となっています。

 この区間の復旧工事は2017年4月に始まりました。まずは熊本に近い肥後大津-立野間(9.7キロ)を先行して復旧させる予定でしたが、どうやらこの区間の復旧は進まず、立野-阿蘇間と同時に運行を再開するようなのです。

 どうしてでしょうか? 当初は土砂崩れした斜面の安全が確認され次第、線路を敷く工事に入る計画でした。しかし、復旧を進めていくうちに新たに被害が判明し、線路を敷くことができなくなったのです。

 肥後大津-阿蘇間は黒字の鉄道会社でも公費の支援が受けられる、改正鉄道軌道整備法の適用を受ける予定です。この法律の適用を受けることができたら、国と地方自治体が復旧費を1/4ずつ負担しますので、JR九州の負担は半分になります。九州を横断する主要路線なので、それなりに需要があるので、廃止になることはないのですが、肥後大津-阿蘇間の運転再開の時期は未定とのことです。
(参考:熊本日日新聞ホームページ https://this.kiji.is/452289097812083809)

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「博多名物かしわめし」も復活

 九州一のターミナルである博多駅。当然ながら駅弁もたくさん売られていますが、ほかの駅の駅弁を持ってきたり、JR系の業者の駅弁だったりして、地元業者のものではありません。かつてはそのような駅弁もあったのですが、9年前に廃業してしまったのです。

 ところが、2018年の年末にそれが復活したのです。復活した駅弁は、博多鉄道構内営業(屋号は寿軒)の「博多名物かしわめし」。1896年創業の歴史ある会社で、最初はおにぎりの販売から始めましたが、大正時代に入ってから駅弁を本格的にやるようになりました。「かしわめし」も戦前から発売していたようです。

 復活のきっかけは、山口県唯一の駅弁業者だった小郡駅弁当が駅弁事業から撤退し、広島駅弁当がレシピを継承したこと。そのことを知った寿軒の社長が広島駅弁当に打診し、広島駅弁当が引き継ぐことになったのです。広島駅弁当は新会社を設立し(当初は広島駅弁当と同一所在地に設立しましたが、すぐに福岡市内に変更し、法人名も博多駅寿改良軒としました)、「かしわめし」を引き継ぐことにしましたが、肝心のレシピがなかったため、太宰府に伝わるかしわめしのつくりかたをもとに、復刻することにしました。おかずにはがめ煮(筑前煮)や高菜もあります。弁当の包装紙は寿軒が使っていた筑後地方の郷土玩具、「赤坂人形」のイラストをそのまま使っています。値段は税込み860円、博多駅のほか、小倉駅でも販売しています。
(参考:毎日jp https://mainichi.jp/articles/20190105/k00/00m/040/061000c、国税庁法人番号公表サイト http://www.houjin-bangou.nta.go.jp/henkorireki-johoto.html?selHouzinNo=8240001053429)

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日田彦山線の沿線自治体、年間1.6億円の支援すら拒否

 日田彦山線の添田-夜明間29.2キロは、2017年7月の九州北部豪雨以来、不通が続いています。地元は鉄路での復旧を求めていますが、そのときにネックになるのが採算の悪さ。JR九州によれば、2016年度の収支は、運賃などの収入が2800万円であるのに対し、運行に必要経費は約2.9億円、差し引き年間約2.6億円の大赤字です。需要も少なく、鉄路を維持する社会的理由も見当たりません。

 そこでJR九州は、路線を維持するためには年間1.6億円の収支改善が必要だとして、沿線自治体に支援を求めています。1.6億円は不通区間の線路や信号の維持費など、設備のメンテナンス費用に相当します。これに対しても自治体は反発しています。民間企業たるJR九州の立場をわかっていない発言で、地元が本当に鉄路での復旧を求めているのかわかりません。普通列車しか走っていない路線で、日田彦山線が廃止になっても鉄道のネットワークとしてはあまり影響がありません。隣の久大線とは話が違うのです。このような状態では日田彦山線が廃止になってもやむを得ないと言うべきでしょう。JR九州としては、バスのまま放置したほうがましなのです。鉄路で復旧すると言うことは、28億円(全体の費用は56億円ですが、半分は国や自治体が負担します)をかけて年間2.6億円の赤字を垂れ流す、マイナスの投資をすると言うことですから。沿線自治体以外の立場では、やってはいけない投資なのです。

 JR九州としては、車より遅い在来線では生き残ることができないとみています。新鳥栖-武雄温泉間の整備方法が決まっていない長崎新幹線で、フル規格新幹線を求めるのはそのためです。新幹線は建設費用がかかりますが、利益は上がるので、国に線路使用料が入ります。国もJRもハッピーなのです。大都市近郊の通勤需要があるところでない限り、新幹線ぐらいのスピードがないと民間企業ではやっていけないのです。これは正直なところで、高速道路が採算関係なし(そもそも無料の区間だと収入は全く入りません)に充実する状態では、車に勝てるわけがありません。日田彦山線あたりを維持するのは論外で、どうしても鉄路が必要なら地元が税金を投入しないといけません。それを拒否するのなら、廃止になってもやむを得ないのです。

(追記)
 JRと地元自治体が対立する原因の一つに、観光などによる利用促進策の増収効果の見積もりの差があります。JR九州は年間381万円の増収効果しかないのに対して、沿線自治体は2521万円の効果があるとみています。特に差が大きいのは期間限定のイベント以外の観光振興。JR九州は40万円しか見込んでいないのに対して、沿線自治体は41倍の1643万円も見込んでいるのです。
(参考:産経ニュース https://www.sankei.com/region/news/190118/rgn1901180013-n1.html、大分合同新聞ホームページ https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2019/01/18/JD0057702629、朝日新聞ホームページ https://www.asahi.com/articles/ASLDX46DLLDXTIPE00P.html、日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40735060R30C19A1LX0000/)

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JR北海道、在来線特急の車内販売廃止&九州新幹線でも廃止

 縮小を続けるJR北海道の車内販売。客室乗務員による車内販売は1997年3月に始まりました。一時期は短距離の電車特急を除いて全ての特急で車内販売サービスがありましたが、売り上げは2001年度の約8億円をピークに減少を続け、また恒常的に赤字であったことから(赤字のピークは2013年度の約3億円)、2015年1月の「スーパーとかち」を皮切りに車内販売を取りやめることにしました。新幹線を除けば、2018年6月からは「スーパー北斗」の3往復のみとなっています(このほか、一部区間で待受販売する列車もありましたが、利用者が少なく、半年あまりで終了しています)。また、客室乗務員の人材が不足しています。2014年ごろから逼迫し、2019年3月の見込みでは、必要とする人数(21人)に比べて、6人不足しています。赤字額も縮小していますが、2017年度で年間約1.5億円の赤字です。そこでJR北海道は、2月28日をもって「スーパー北斗」の一部で行っている車内販売を終了することにしました。在来線特急の車内販売はこれで全廃されるのです(北海道新幹線の車内販売は外部に委託しています)。

 車内販売を終了するのはJR北海道だけではありません。JR九州も終了するのです。すでに「かもめ」、「ソニック」の車内販売を取りやめたJR九州で、今回廃止されるのは九州新幹線。「みずほ」や「さくら」の一部で行っている車内販売が、3月15日で終了するのです(同時に、グリーン車でのおしぼり配布等のサービスもなくなります)。売り上げが減ったのがその理由で(2017年度までの5年間で3割減りました)、山陽新幹線からの直通列車は、博多で車内販売が終わるのです。3月16日以降も車内販売を続けるのは、「ゆふいんの森」等の観光列車のみとなります(新幹線の車内販売を取りやめることによって浮いた人員は、観光列車に振り向けます)。

 さて、話は変わりまして、JR北海道では、列車を利用した旅行商品(「ツインクル商品」)の「みどりの窓口」での取り扱いを、3月31日出発分で終了します。インターネット予約サービスの急速な普及に伴い、「みどりの窓口」での「ツインクル商品」の2017年度の売上高は、2011年度に比べて約60%も減少しています。宿泊券や航空券に至っては、ほとんどなくなっています。代替策として2月26日から市内通話のみの負担で電話をかけることができる「ナビダイヤル」を導入し、同じく2月26日からインターネット予約サービスはサービスが充実しているJR東日本のものを使うようにします。
(参考:JR北海道ホームページ https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20190124_KO_Syanai%20Service.pdf、https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20190124_KO_Ryokougyou.pdf、JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/train/service.html、日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO4042720024012019TJ3000/)

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日田市の自治連合会長が日田彦山線の廃止を容認?

 日田彦山線は2017年の豪雨被害で一部区間が運休したままとなっています。地元はこの運休区間の需要が極めて少ないのにもかかわらず、鉄路での復旧を求めています。そんな中、2018年12月26日のことですが、日田市の自治連合会長は意外な発言をしました。個人の考えとしているものの、日田彦山線の廃止を容認しているのです。

 その発言の真意はこうです。もし廃線が決まれば、コミュニティバスの運行など、地元のニーズに合わせた交通網をつくることができます。しかし現状はどうなっているかと言いますと、JR九州と福岡県、大分県、沿線自治体は協議を繰り返すばかりで、話がまとまりません。その間は前に進むことはなく、高齢化が進む地域にあった交通網がつくられないのです。

 せめて久大線程度の需要があれば、幹線鉄道網の一つとして鉄路を維持できるでしょう。しかし、日田彦山線程度だったら、無理に鉄路を維持するより、身の丈に合った交通機関を整備したほうが得策ともいえます。廃止を受け入れる代わりに、JRからお金を引き出すということも交渉次第ではできます。そういう意味では、県や沿線自治体は交渉が下手なのかもしれません。
(参考:日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39395990W8A221C1LX0000/)

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九州新幹線で貨物運送

 中国で高速鉄道を使って貨物を運ぶ話を記事にしたばかりですが、日本にもその動きがあります。

 「貨物新幹線」をリアルにやるようなその話の舞台は、九州新幹線。九州新幹線の定期列車をそのまま使い、早朝や深夜などの乗車率の低い便で乗客と貨物を同時に運びます(真夜中に行うことも考えていましたが、深夜は保線等の作業があるため断念しました)。一定の採算が見込めるのなら、事業化します。短期間のイベントや試験的なものはこれまでもがありますが、事業化すればこれが初めての事例となります。

 もう少し細かく見ていきましょう。貨物を運ぶ新幹線は、6両編成や8両編成の車両のうち1両を貨物専用にして走らせます。貨物を取り扱うのは、博多と鹿児島中央の2駅のみですが、需要があれば熊本でも取り扱うことを考えています。効率的な貨物の積み卸し方法や貨物を積んだときの座席シートの保護方法については今後検討します。

 JR九州が新幹線での貨物運送を考えたのは、地方の過疎化や人口減少が進む中、実質的には赤字(JR九州の鉄道事業は2018年3月期に282億円の営業利益を上げていますが、上場に伴う経営安定基金の取り崩しなどがありますので、実質的には20億円の赤字と言われています)の鉄道事業の収益向上につながると考えたため。新幹線で成功を収めたならば、在来線特急でも貨物輸送を行いたいようです。
(参考:西日本新聞ホームページ https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/476747/)

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筑肥線唐津変電所に電力貯蔵装置

 電車がブレーキをかけると回生電力というものが発生します。この回生電力は近くに加速する電車があればそちらに使うことができますが、運行本数の少ない路線では、それをうまく活用することができません。

 そこでJR九州は、唐津市内にある筑肥線唐津変電所に電力貯蔵装置を導入し、2018年11月20日から運用を開始しました。福吉-西唐津間(約19キロ)において電車が減速するときに発生した回生電力を、変電所にある蓄電池に一時的に貯蔵することができます。この蓄えられた電力は、電車が加速するときに放電し、電力の供給を行います。その分、運転時の電力使用量が減り、省エネルギー化につながるのです。福吉-西唐津間で使う電力の約8%、筑肥線電化区間で使う電力の約2%、一般家庭でいうと約90世帯分の電力を節約することができるようです。

 また、蓄えられた電力は、大規模停電の際、駅と駅の間に停まってしまった列車を、最寄り駅まで移動するための電力としても使えます。
(参考:JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2018/11/15/181115Newsreleasekaratsu.pdf、佐賀新聞ホームページ https://www.saga-s.co.jp/articles/-/304719、マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/20181115-724829/)

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