佐川急便、トヨタ専用貨物列車の空きスペースを活用

 トヨタは愛知県と岩手県の間に、専用の貨物列車を走らせています。中京圏の工場でつくられた自動車部品をトヨタ自動車東日本の岩手工場に運ぶのを目的とする、「TOYOTA LONGPASS EXPRESS」です。実は9月中旬から、この「TOYOTA LONGPASS EXPRESS」を使った宅配便の運行が始まっていました。

 「TOYOTA LONGPASS EXPRESS」に宅配便を載せているのは、佐川急便。通常、中部エリア(愛知県、岐阜県、三重県)から東北エリア(青森県、秋田県、岩手県)へはトラックで運んでいます。1日にトラック23~24台分の宅配便を運びます。ところが、そのうちの1台分について、「TOYOTA LONGPASS EXPRESS」で運ぶのです。週3、4回、10トントラック1台分の宅配便を鉄道で運びます。この1月に「TOYOTA LONGPASS EXPRESS」が増便され、佐川急便に都合の良いダイヤになったので、利用することができるようになったのです。

 鉄道にシフトするのは、5%にも満たないのですが、これだけのことでも、トラック輸送に係るドライバーの運行時間が年間1685時間短縮され、二酸化炭素排出量も年間で83.5トン削減することができます。これをきっかけに、長距離の輸送には鉄道や船などを活用する取り組みを進めたいところです。
(参考:日本経済新聞ホームぺージ https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ08H8C_Y7A900C1MM8000/、レスポンスホームページ https://response.jp/article/2017/09/13/299700.html、岩手日報ホームぺージ http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20170927_4)

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台風18号で日豊線の一部区間不通、「ななつ星in九州」もルート変更

 2016年の熊本地震で豊肥線が大きな被害を受け、7月には大雨で久大線等が大きな被害を受けました。そして、9月の台風18号でJR九州のとある路線が、大きな被害を受けました。

 それは日豊線。豊肥線三重町-中判田間は10月2日に復旧しましたが、日豊線臼杵-佐伯間は運休したままです。日豊線はローカル輸送だけでなく、特急も走っています。特急は大分-延岡間で運休しています(博多-大分間、延岡-宮崎空港間は通常通り。佐伯-延岡間はノンストップの快速が3往復しています)。津久見市内に深刻な被害の箇所があり、復旧には数か月かかるようです。

 そして、この日豊線の不通は、「ななつ星in九州」にも影響を及ぼしています。3泊4日コースは日豊線を通るのです。そこで、ルートを変更して走らせています。1日目は博多から武雄温泉、有田、長崎に停まり、2日目は鳥栖、熊本、人吉、吉松に停まり、隼人に至ります。3日目は鹿児島中央に停まり、4日目は肥薩線を経由して八代、大牟田、羽犬塚に停まり、博多に戻ります。九州の西海岸を通るコースです。JR貨物も9月26日から西大分-延岡間等でトラック代行輸送を行っています。
(参考:JR九州ホームぺージ http://www.jrkyushu.co.jp/common/inc/emergency/__icsFiles/afieldfile/2017/09/29/170929_1002keikaku.pdf、http://www.jrkyushu.co.jp/common/inc/emergency/__icsFiles/afieldfile/2017/09/29/170929_1002jikoku.pdf、https://www.cruisetrain-sevenstars.jp/_data/217431001506511422_news.pdf、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/kyushu/odekake/railway/20170926-OYS1T50009.html、レスポンスホームページ https://response.jp/article/2017/09/27/300307.html、大分合同新聞ホームぺージ https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2017/09/28/JD0056188123)

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京都鉄道博物館にJR貨物

 京都鉄道博物館には本線とつながる線路があり、常に展示されている車両でなくても、その線路を使って臨時に展示させることができます。つい先日(7月20~25日)も、枕木やレールなどの運搬に使う保守車両、モーターカーの展示を行っていました。

 これを使って、8月6日から19日までの間、JR貨物の主力車両を特別展示することになりました。JR貨物の現役車両が展示されるのは初めてです。展示場所は本館1階の車両のしくみ/車両工場エリアで、山陽線八本松-瀬野間の補助機関車としても使えるEF210形式300番台直流電気機関車(「ECO-POWER桃太郎」)と2006年デビューで現在1500両以上が運用されているコキ107形式コンテナ車(49A形式コンテナ、19D形式コンテナを積載予定)を展示します。これらの車両が展示される初日の6日(10:30ごろ)には、普段公開していない展示車両の入線シーンも特別に公開します。また、館内ではコンテナの中を見ることができるように、扉の開閉も行う予定です。
(参考:JR西日本ホームぺージ https://www.westjr.co.jp/press/article/2017/07/page_10780.html、http://www.westjr.co.jp/press/article/2017/07/page_10877.html、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/76359/、レスポンスホームページ https://response.jp/article/2017/07/12/297344.html)

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西濃運輸、長距離のトラック輸送を鉄道に切り替える方針

 大手運輸業者の西濃運輸は1日約3700便を運行しています。約2100人の運転士が荷物を運んでいます。

 このうち片道800キロを超えるのは145便あります。西濃運輸はこのうち、区間内で鉄道が走っていて、鉄道にしても輸送時間が変わらない約80便について、鉄道輸送に振り替えます。例えば東京-福岡間の便については、東京から茨木までの拠点までトラックで運び、そこから福岡まで列車で運びます。

 この鉄道への切り替えにかかる費用は、新たな鉄道コンテナなどの導入にかかる約2億円、これで約150人を減らして、ほかの輸送などに充てることができます。トラックの運転士は人手不足が続いていて、鉄道への切り替えによって交代要員が必要な長距離便の運転士を減らすことができるのです。トラックは小回りの利くところに特化し、長距離の輸送は船舶や鉄道に委ねるのが望ましいありかたなのでしょう。
(参考:Sankei Biz http://www.sankeibiz.jp/business/news/170422/bsd1704220500008-n1.htm)

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JR貨物に新型ディーゼル機関車

 JR貨物は、非電化区間の貨物列車牽引、貨物駅構内での入換作業の両方に使うため、DE10及びDE11(DE11は、DE10をベースに入換用として開発されたもの)を保有していますが、分割民営化から30年が経過し、国鉄時代のディーゼル機関車は老朽化しています。以前にも簡単に書きましたが、JR貨物は新しいディーゼル機関車、DD200をつくることになりました(HD300は入換専用で、本線では使えません)。DF200と同じ、電気式です(DE10は液体式)。蓄電池を搭載すると重量が増えるため、HD300のようなハイブリッド式は採用しませんでした。

 幹線用のディーゼル機関車はDF200がありますが、DF200はローカル線には使えません。DD200は、DE10相当の走行性能を有し(最高速度は時速110キロです。ちなみに、DE10は時速85キロでした)、DE10より1軸少ない4軸しかないものの(3軸台車は特殊な構造のため、つくりにくいそうです)、1割ほど軽くすることによって、軸重を低く抑えています。これまでDE10しか走ることのできなかった路線にも対応しています。また、本線運転、入換作業の両方に対応できるように、車体中央部に横向きに運転台を配置し(DE10などと同じように凸型の機関車です)、入換作業等において誘導を行う操車担当が作業しやすいよう、車端にデッキスペースを設けました。

 DD200は現在、試作車1両の製作を進めています。6月下旬に出場予定です。

(追記)
 小規模貨物駅の下関には、HD300の代わりにDB500という液体式ディーゼル機関車が入換用として働いています(2017年3月4日運用開始)。2軸の入換動車をベースにしていますが、鉄道車両扱いとなっています。
(参考:JR貨物ホームぺージ http://www.jrfreight.co.jp/common/pdf/news/2017-06-15-02.pdf、レスポンスホームページ https://response.jp/article/2017/06/16/296189.html、https://response.jp/article/2017/07/05/297040.html、「鉄道ファン」2017年8月号 交友社)

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秋田の貨物線に旅客列車が走る?

 秋田駅のひとつ青森寄り、土崎駅からは海のほうに貨物線が伸びています。

 この秋田港まで伸びる貨物線に旅客列車を走らせるという構想があるようです。JR東日本秋田支社と秋田県がこの貨物線を活用して、クルーズ船で秋田に来た観光客向けに旅客列車を走らせるようです。早ければ8月上旬の竿燈まつりでの運行を目指しています。駅は秋田港に設置するようです。

 今後、どのような車両を使うか、運賃をいくらにするか、クルーズ船以外の客も利用できるようにするかを検討するようです。

(追記)
 6月30日、JR東日本秋田支社、秋田県、秋田市は、8月3~6日の竿燈まつりに合わせて、秋田-秋田港間(8.9キロ)にクルーズ客向けの臨時列車を走らせることを発表しました。

 4両編成のディーゼルカーを使い(男鹿線用のキハ40、キハ48を使います)、所要時間は約15分。8月3~5日は1日1往復、大型豪華客船のダイヤモンド・プリンセスが就航する8月6日は1日2往復します。朝もしくは昼に秋田に向かい、夜に秋田港に戻るダイヤです。秋田港での乗降は、タラップにて行います。

 国からの補助も受けて秋田港に旅客用のホームを整備する方針で、2018年度以降も継続して運行する見込みです。
(参考:秋田魁新報ホームぺージ http://www.sakigake.jp/news/article/20170524AK0007/、http://www.sakigake.jp/news/article.jsp?kc=20170722AK0003、産経ニュース http://www.sankei.com/region/news/170701/rgn1707010038-n1.html、JR東日本秋田支社ホームぺージ http://www.jreast.co.jp/akita/press/pdf/20170721-5.pdf)

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クラブツーリズム、7月に2回、東京の貨物線を巡るツアー

 すでに15日の時点で満席となり、参加できないツアーですが、備忘録として書いておきます。

 クラブツーリズムは、7月15日と22日の2日間、「お座敷列車『宴』で行く特別ルート 都会の貨物線日帰りの旅」を5月10日から発売していました。

 22000円もして、一日中電車に乗ってばかりのこのツアー。鉄道に興味のない人なら無駄金を使うようなものですが、このツアーの魅力は普段乗ることができない貨物線に乗ることができるということ。池袋を8:59に出て、山手貨物線、大崎、りんかい線、新木場、京葉線、総武線、誉田、総武線、新小岩操、新金貨物線、松戸、常磐線、常磐貨物線、田端操、山手貨物線、横須賀線、新鶴見操、横須賀線、逗子、横須賀線、根岸線、高島貨物線、新鶴見操を経て、品川に16:14に着きます。湘南新宿ラインの走る山手貨物線はともかく、日ごろは乗るのが難しい3つの貨物線や新木場でのりんかい線と京葉線の接続線に乗ることができるのは、貴重な体験です。
(参考:クラブツーリズムホームぺージ http://www.club-tourism.co.jp/press/2017/05/15/833.html、レスポンスホームページ https://response.jp/article/2017/05/16/294745.html)

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東京都葛飾区、貨物線を活用したLRTの導入を検討

 東京都葛飾区は、都心とを結ぶ東西の鉄道網は発達していますが、区の南北を結ぶ旅客鉄道はありません(京成と常磐線を結ぶ、京成高砂線はあります)。バスがあるだけです。

 しかし、区の南北を結ぶ貨物線はあります。総武線新小岩操車場(新小岩-小岩間)と常磐線金町を結ぶ新金貨物線と言われる6.6キロの路線です。開業した1926年当時、総武線は都心に直通しておらず、千葉方面の貨物を都心に運ぶためにつくられたのです。JR貨物が1日4往復の定期列車、1往復の臨時列車を走らせているだけです。そこで葛飾区は、その貨物線を活用してLRTを導入することを考えています(葛飾区にはこのほか地下鉄等の延伸構想はありますが、まっさらな状態からつくらないといけないので、実現はできてもまだまだ先です。葛飾区内でほぼ完結し、駅を新たにつくり、車両を導入すれば済む新金貨物線とは大きな違いです)。全線単線ですが、線路の両側に余裕があり、交換設備や駅の設置はしやすいです。

 実はこの貨物線に旅客列車を走らせるという構想、過去にもありました。2003年にはいったん、採算面から旅客化を断念しましたが、2013年に金町駅前に東京理科大葛飾キャンパスができ、状況が変わっているようです。2017年度予算案に検討費用として2000万円を計上し、交通需要等について調査するようです。
(参考:産経ニュース http://www.sankei.com/life/news/170206/lif1702060050-n1.html、東京新聞ホームぺージ http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201703/CK2017031902000121.html、マイナビニュース http://news.mynavi.jp/series/railwaynews/057/)

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JR貨物も上場か?

 JR九州が上場した今、残るJR3社(北海道、四国、貨物)のうち、一番上場に近いのはJR貨物と言われています。

 そのJR貨物ですが、好調のようです。トラック運転士が不足しているため、これまでトラックで運んでいたものを鉄道に切り替える動きがあるようです。鉄道なら、1人でトラック何台分の貨物も運ぶことができるのです。

 JR貨物の2017年3月期の経常利益は前期より約3割増え、80億円を上回る見通しです。これまでの最高はバブル時代の1991年3月期の74億円でしたが、それを越えたのです。鉄道事業だけでも3億円の黒字です(前期は33億円の赤字、東京-大阪間などの増発が功を奏しているようです)。鉄道事業が黒字になるのは、分割民営化以来初めてのことです。最終利益は過去最高の約110億円となる見通しです。2016年4月の熊本地震や、北海道にいくつもの台風が来て線路が寸断されるというマイナス要因がありましたが、コストの削減でしのぎました。

 今後は経常利益を2019年3月期に100億円台に引き上げ、上場を狙いますが、ここでネックになるのは線路使用料の問題。JR貨物は一部の路線を除き、JRの旅客鉄道会社の線路を借りますが、その使用料が安めに設定されているのです。アボイダルコストルールという名前で、貨物列車を走らせることによって追加的にかかる費用のみを負担しているのです。整備新幹線開業によってJRから分離された並行在来線会社の場合は、並行在来線会社の経営基盤が弱いことから、国が貨物調整金を払うことで対応しています。このルールだとJR貨物にかなり有利になり、旅客鉄道会社は損をします。貨物列車は重いので、ほかの列車以上に線路が摩耗し、維持コストがたくさんかかります。特に経営が厳しいJR北海道はこのアボイダルコストルールの改定を求めていて、線路使用料が改定されれば、一気にJR貨物の経営が苦しくなります。JR貨物にとって、上場をするうえでの大きな問題と言えるでしょう。
(参考:日本経済新聞ホームぺージ http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ31I0P_R30C17A3EA6000/、産経ニュース http://www.sankei.com/economy/news/170331/ecn1703310011-n1.html、「週刊ダイヤモンド」2017年3月25日号 ダイヤモンド社)

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「第2青函トンネル」構想についての続報

 「第2青函トンネル」については以前に簡単に触れたこともありますが、新たなニュースが入ってきました。

 青函トンネルは北海道新幹線と貨物列車が共用しているため、新幹線の最高速度が時速140キロに制限され本来の能力を発揮することができません。貨物列車も新幹線のダイヤに影響されます。保守の時間帯は貨物列車も走ることができません。

 そこで出てきたのが、既存の青函トンネルの西100~250メートルのところに新しいトンネルを掘る案。鹿島建設や大成建設などの大手建設会社、民間コンサルタントらでつくる鉄道路線強化検討会が2年ほど前から検討を進めてきました。延長57.0キロの単線トンネルで、貨物列車だけが通ります。工期は約15年、工費は約3900億円です。新しい工法が考え出されたためか(すでにイスタンブールのボスポラス海峡で実績があります)、2年半前に比べて1000億円以上も安くなっています。

 どこから資金を調達するのか、(信号場はいくつかできるでしょうが)単線で輸送のネックにならないのかなど突っ込みどころは多い話でしょうが、根本的な解決になることは間違いありません。

(追記)
 建設会社や商社など200の企業や団体でつくる日本プロジェクト産業協議会は2017年2月13日、青函トンネルの近くに貨物用と自動車用の2本のトンネルを新たにつくる考えを発表しました(現行の青函トンネルは新幹線専用となります)。コスト軽減のために勾配を急にしてトンネルの距離を約30キロに圧縮、トンネルには送電線やガスパイプラインを敷設します。事業費は約7500億円、工期は約20年です。
(参考:北海道新聞ホームページ http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0353789.html、マイナビニュース http://news.mynavi.jp/series/railwaynews/051/、gooニュース http://news.goo.ne.jp/article/hokkaidonp/region/hokkaidonp-201702147909.html)

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