北大阪急行の延伸、2023年度に

 北大阪急行は千里中央から北に延伸する工事を行っています。延伸区間は千里中央-箕面萱野間約2.5キロ、2016年度に着工し、2020年度に開業する予定でした。しかしこのたび、開業目標の見直しがなされ、2023年度に延びることとなりました。

 なぜ遅れることになったのでしょうか? 理由は3つあります。(1)工事着手の遅延。一部の土地が土地収用法の手続きを取るなど、用地交渉が長期化しました。 (2)基礎杭施工場所に昔のコンクリート擁壁(拡幅前の国道423号?)があり、その撤去に時間がかかりました。 (3)シールドトンネル掘削場所に土留壁があることがわかり、その撤去に時間がかかりました(狭いところなので時間がかかりました)。 なお、開業目標は3年遅れることとなりましたが、総事業費は650億円のままで変わりません。

 延伸の時期が遅れることにより、周辺のまちづくりにも影響が出てきます。箕面船場阪大前周辺の駅前広場、駅舎駐輪場、駅出入口の竣工予定が2021年春から2023年度に変更になります。箕面萱野周辺のバス乗り場、タクシー乗り場、駐輪場、駅ビル(民間商業施設)の竣工予定が2021年春から2023年度に変更になります。なお、箕面船場阪大前周辺の複合公共施設(図書館、生涯学習センター、文化ホール、地下駐輪場)、デッキ下駐輪場、地区内デッキの竣工時期は2021年春のまま変わりません。
(参考:北大阪急行ホームページ www.kita-kyu.co.jp/upload/109.pdf、箕面市ホームページ https://www.city.minoh.lg.jp/kitakyu/enki/mokuhyouminaosi.html)

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京都市交通局、観光客向け路線と地元住民向け路線の乗り場を分離する試み

 京都市内の観光には、京都市交通局の市バスで行くのが便利なので、観光シーズンにはどうしても混雑してしまいます。しかも、インバウンド客などが増えたため、市バスの2007年度の1日当たりの平均乗客数が約31.3万人だったのに対して、2017年度には36.8万人にまで増えました。そのため、地元住民がバスに乗りたいと思っても混雑して乗ることができない、という問題が出てきます。

 そこで京都市交通局が考えたのが、観光客が多く利用する路線と、地元住民が多く利用する路線とで、バス停の場所を変えること。観光客用のバス停をずらすのです。春の観光シーズンから、金閣寺の近くにある、金閣寺道バス停で行いました。

 通常の金閣寺道バス停から80メートル北にできた臨時のバス停には、二条城や銀閣寺など、有名観光地を通る観光客向けの系統のみ停まります。通常の金閣寺バス停には、地元住民向けのバスのみが停まります。バス停の位置を変えることによって、乗客も観光客と地元住民とに分け、地元住民が乗るバスの混雑緩和を図るのが狙いです。バスの大幅な増便は難しいので、観光客向けの路線と地元住民向けの路線とに分けて、地元住民が乗るバスの混雑緩和を図りたいと考えているようです。この試みは、ゴールデンウィークの昼間にも行われます。秋の観光シーズンにも行い、ほかのバス停でも導入することができるか検討していきます。

 ゴールデンウィーク中はほかにも、市バスの混雑緩和策があります。特定の市バスから市営地下鉄に乗り換えた場合に、地下鉄を無料にするサービスを行います。バスに比べて地下鉄のほうがキャパは明らかに大きいので、地下鉄に誘導させるのは得策でしょう。休日や観光シーズンに関しては、バスだけの一日乗車券をなくしてもよいかもしれません。金閣寺付近などでは市バスの経路を一部変更します。市バスや地下鉄の増発も行います。
(参考:朝日新聞ホームページ https://www.asahi.com/articles/CMTW1904262700002.html、京都新聞ホームページ https://www.kyoto-np.co.jp/local/article/20190426000130、京都市交通局ホームページ https://www.city.kyoto.lg.jp/kotsu/page/0000251036.html)

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なぜ阪堺は浜寺駅前付近で移設することになったのか?

 以前、南海本線浜寺公園付近の高架化に伴って行われる、阪堺線の移設について記事にしましたが、それについての詳しい情報が入ってきました。3月の地元説明会で使われた資料が堺市のホームページにアップされていたのです。

 まず、なぜ阪堺を移設する必要が出たのでしょうか? もし阪堺を現在の位置で敷き直すとしたならば、阪堺の仮停留所(船尾-浜寺駅前間)-浜寺駅前間は5年にわたって休止させる必要があります。しかし、浜寺駅前は南の終点であるので、結構利用者は多いのです。2017年の交通調査によれば、平日は堺市内で2番目に利用者が多く(1番は東湊)、休日は浜寺公園に近いこともあってか、一番利用者が多くなっています。こういう利用者の多い停留所を5年間も使えない状態にするのは得策ではありません。もちろん、休止期間中は仮停留所-浜寺駅前間に代替バスを走らせます。無料(阪堺の運賃は当然ながらかかります)ですが、時間がかなりかかるのです。日中は7分ほどで着きますが、ラッシュ時だと15分もかかります。これに乗り換えの手間が加わるので、かなりの時間のロスになります。路面電車なら2分で着くところですから。

 そういうわけで考え出されたのが、阪堺を東側に移設する案だったのです。船尾-浜寺駅前間が現在と同じ2分で結ばれ、運賃は変わりません。休止期間もありません。南海の東側にできる新しい浜寺駅前は高架工事中、1面1線の停留所になりますが、ホームの手前に待避線を設置します。最終的には2線のホームになります。移設される区間は単線ですが、臨時列車など一部を除いて現行ダイヤを維持することはできるようです。
(参考:堺市ホームページ www.city.sakai.lg.jp/shisei/toshi/rittaisuishin/honsen/keikaku.html)

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おおさか東線と「青の交響曲」に乗ってきました

 12日のことですが、3月16日に開業したおおさか東線と近鉄吉野線の観光列車、「青の交響曲」に乗ってきました。

 

 戦前には山上に鉄道が走っていた高安山から、10:25発のケーブルカーに乗って、山を下りる。「近鉄週末フリーパス」を持っているので、距離当たりの運賃の高いケーブルカーでも気にせずに乗ることができる。信貴山口10:41発に乗り、河内山本に10:46に着く。河内山本では信貴線用のホームではなく、大阪線のホームに入る。大阪上本町方面からの乗り換えが簡単にできるように配慮されているのだ。次に乗るのは河内山本10:48発の準急。2分の接続なので厳しいと思っていたが、無事に乗り換えることができた。計画では11:04発の普通に乗って俊徳道で降り、JRに乗り換える予定だったが、乗ったのは準急なのでそのまま布施まで行き、そこで奈良線に乗り換えて、河内永和に行く。布施での奈良線の乗り換えもスムーズで、階段を上って奈良線の電車に乗るとすぐに発車した。河内永和でJRに乗り換える。いったん近鉄の駅を出て、外を少し歩くとJR河内永和がある。予定より2本早い、JR河内永和11:06発に乗ることができた。201系の6両編成だ。運転席のすぐ後ろに立って、線路を見ることにする。

 放出で学研都市線と合流し、ひと駅だけ複々線で走った後、鴫野で分かれていく。ここからが新しい区間だ。それにしても、放出と鴫野での配線はうまくできている。できるだけ階段の上り下りのある乗り換えがないように配慮されているのだ。話をおおさか東線に戻す。新規開業区間には4つの駅があるが、いずれも高架の相対式ホームで、格好はよく似ている。少ないながらも各駅で乗り降りがあるのは喜ばしいことだ。地元の人が使っているということだから。また、車内には鉄道ファンではないものの、初乗りを楽しんでいる女性グループもいた。かつて歩いたこともある赤川鉄橋も通り、新大阪到着は11:30。おおさか東線用となった2番線に到着する。隣からは「ハローキティー」の「はるか」が出て行った。予定より30分早く着いたので、新大阪から尼崎、京橋を経由して天王寺に行く。途中の寺田町では、1932年の開業時に書かれたともいう、古い駅名標を見ることができた。

 大阪阿部野橋から近鉄に乗る。近鉄御所にも立ち寄り、橿原神宮前には13:57に到着。ここから乗るのは、近鉄の観光列車、「青の交響曲」だ。通常「青の交響曲」は大阪阿部野橋-吉野間を1日2往復しているが、混雑する桜のシーズンは特別運行を行っていて、平日は橿原神宮前-吉野間を1日1往復だけしている。この臨時の「青の交響曲」、吉野線のホームではなく、橿原線のホームから発車する。橿原線は標準軌だが、ここ0番線は狭軌になっている。近鉄ではフリーゲージトレインを開発しているが、橿原線と同じところから出るので、まるでフリーゲージトレインに乗っているみたいだ。14:20に「青の交響曲」は橿原神宮前を出た。中途半端な運転区間だからか、列車は空いている。0番線から出た列車は日ごろは通らないところを走り、吉野線の線路に入っていった。

 「青の交響曲」は通勤型車両を改良した3両編成だが、通勤型車両とは思えない豪華な車両だ。とても特急料金に210円を出しただけで乗ることができるとは思えない。お得な列車だ。この「青の交響曲」の売りは、真ん中の2両目にあるバーカウンター。ここは特別運行中も通常営業を行っていて、スイーツやアルコール、お土産などを売っている。買ったのは、志摩観光ホテルの製菓長で、伊勢志摩サミットでデザートを担当した人が考案した季節のオリジナルケーキ。陶器製のカップに入ったコーヒーも付いて、ラウンジでティータイム(座席に持って行くこともできる)。隣ではアルコールを飲んでいる人もいた。

 「青の交響曲」は通常のダイヤの間を縫って走るため、交換待ちが結構多い。橿原神宮前から52分かけて吉野に到着。土産物街を通り抜け、復活したばかりの15:20発のケーブルに乗ろうとしたが、切符を買っている間に出てしまった。しかし、今は桜のシーズンという繁忙期。通常は15分間隔で走っているが、今はピストン運転していて、5分も待たずに次の便が出た。下りのケーブル乗り場には行列ができていたので(近鉄特急も大阪阿部野橋行きは満席が続いていた)、歩いて山を下りることにする。一面の桜を見ながら、坂を下りていった。

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近鉄など5社、ゴールデンウィーク5日間乗り放題で9500円

 2019年のゴールデンウィークは10連休。そこで、近鉄、伊賀鉄道、三岐鉄道、養老鉄道、四日市あすなろう鉄道の5社は、このゴールデンウィークに便利なきっぷ、「2019 GW 10連休おでかけきっぷ」を発売します。5社が共同できっぷを発売するのはこれが初めてです。

 「2019 GW 10連休おでかけきっぷ」は、近鉄(ロープウェイを除きます)、伊賀鉄道、三岐鉄道、養老鉄道、四日市あすなろう鉄道が10連休(4月27日~5月6日)のうちの任意の5日間、全線乗り放題となるもの。連続した5日間でなくても構いません。発売期間は3月27日から4月26日までで、値段は大人9500円です。近鉄主要駅、伊賀鉄道上野市駅、養老鉄道大垣駅での窓口販売とインターネットによる通信販売を行い、大人5000枚、子供500枚の限定販売です。

 「2019 GW 10連休おでかけきっぷ」を使った企画もあります。近鉄などにはたくさんの駅があり、その中には漢数字を使った駅名もあります。一から十まで近鉄等でたどることができます。近鉄、伊賀鉄道、三岐鉄道、養老鉄道、四日市あすなろう鉄道でそのような駅は26もあり(中には養老鉄道の養老のように、こじつけのような駅もあります。養老が選ばれたのは、発音が四六に似ているからです)、それを回るスタンプラリーが行われます(無人駅の場合は、近隣の有人駅でスタンプを集めます)。スタンプを集めると、5社の車両をデザインしたピンバッジがもらえます。

 さて、5日間も近鉄に乗ることはない人にも、お得なきっぷがあります。通常は週末(金~日もしくは土~月)の連続3日間、近鉄全線が乗り放題の「近鉄週末フリーパス」ですが、この10連休中は、曜日に関係なく利用できます。つまり、4月26日、27日、5月3日、4日乗車開始分以外に、4月28日~5月2日乗車開始分でも良いのです。値段は通常通り、大人4100円です。
(参考:近鉄ホームページ https://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/gw10odekakekippu.pdf、https://www.kintetsu.co.jp/all_info/news_info/free_gw.pdf)

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阪堺浜寺駅前駅付近は南海の東側に移設?

 つい先日、南海浜寺公園付近が高架化になったときの阪堺について記事を書きましたが、どうやら同じ場所に軌道を敷き直すのではないようです。軌道の位置が変わるのです。

 詳しくは3月に2回行われる地元説明会で発表されるのでしょうが、どうやら阪堺は南海本線と並行して走り、浜寺公園駅の東に浜寺駅前駅をつくって、そこを終点とするようです。南海本線に沿って走るところは単線でつくられ、現在の南海本線を越える線路は廃線となります。
(参考:堺市ホームページ http://www.city.sakai.lg.jp/shisei/toshi/rittaisuishin/honsen/oshirase_honsen/df_filename_73441920.html)

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南海浜寺公園付近高架化工事に伴い、阪堺一部区間で運休?

 南海本線は連続立体交差事業が進み、現在事業が進んでいる堺市から高石市までの区間が完成すれば、難波から高石市と泉大津市の境ぐらいまでずっと立体交差となります。

 さて現在、阪堺は船尾-浜寺駅前間で南海本線を越えています。しかし、南海本線を高架化すれば、阪堺は高さ不足になって通ることができません。そこで、高架化工事に合わせて築堤を壊して阪堺は地上に降りるのです。

 その築堤を壊して阪堺を地上に降ろす工事をしている間、阪堺の船尾-浜寺駅前間は運休するようです。代替の交通機関についてはまだ決まっていませんが、何らかの対応がなされるようです。
(参考:日刊建設工業新聞ホームページ https://www.decn.co.jp/?p=53536、特定非営利活動法人浜寺公園駅舎保存活用の会ホームページ http://hamaderastation.com/npo/160216NL.pdf)

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3月16日からJR西日本等、ICカードでは振替輸送対象外に

 鉄道が事故などで不通になった場合、並行して走るライバル鉄道に振替輸送をしてもらうことになります。その振替輸送時の取り扱いについて、JR西日本、関西大手私鉄5社、大阪市高速電気軌道など18社局は3月16日から変更します。

 変更点は3つ。まず、(1)振替輸送の乗換駅の拡大。現在は事前に鉄道事業者の間で決めた特定の乗換駅でのみしか利用できなかったのですが、3月16日以降は後述する振替乗車票の配布を省略する場合、振替乗車の対象となる乗車券の区間内であれば、乗換駅を乗客が任意に選択することができるようになります。 (2)振替乗車票の配布の省略。現在は振替輸送を利用する駅の改札口で振替乗車票をもらって、振替乗車をすることになりますが、3月16日以降は振替輸送の対象となる乗車券を提示すればそのまま振替乗車できるようになります。ただし、バスを使う場合及び近鉄の東海エリアにおける振替輸送については、これまで通り振替乗車票を配布します。 (3)ICカード乗車券は振替輸送の対象外。現在はICカード乗車券も振替輸送の対象となっていますが、3月16日以降は改札入場後のICカード乗車券を振替輸送の対象外とします。ICカード乗車券は券面を見るだけではどこからどこまで乗ろうとしているのかわかりません。そのため乗客がしなければならない手続きが面倒になります(乗ろうとしていた区間の運賃は、その日または後日に駅に行って支払うことになります。ただ、実際には支払いにいく人は少なく、乗車した区間との差額部分が徴収漏れになっていました。これが鉄道事業者にとって不満だったのです)。今後ICカード乗車券の利用者はさらに増えることが予想されるため、ICカード乗車券の利用者を振替輸送の対象外とし、ICカード乗車券利用者に「ICカード乗車券使用証明書」を配布する必要がなくなるため、浮いた時間で乗客にスムーズな案内ができるようにします。首都圏などでは従来からICカード乗車券は振替輸送の対象外なので、それに合わせた格好になります。なお、IC定期券は3月16日以降も引き続き、振替輸送の対象となります。

 3月16日以降は、ICカード乗車券で乗車して途中で不通になってしまった場合、不通になってしまったところまでの運賃と、その後乗った区間の運賃を別々に払う必要があります。2枚の切符に分かれるので、不通にならずに乗り通す場合より、支払額が大きくなることがほとんどです。ほかの地域ではすでにやっていることですが、ICカード乗車券で乗る場合のリスクともいえます。徴収漏れが気になるのなら不通になった駅で全額徴収する方法もありますし、あるいはICカード乗車券利用者は振替輸送の対象としない代わりにICカード乗車券利用時に(1回の利用でも)少しでも安くして通常時にICカード乗車券を使うメリットを出さないといけないでしょう。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/2019/01/page_13653.html、YOMIURI ONLINE https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20190203-OYO1T50019/)

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和歌山電鐵の2018年度決算は大幅な赤字?

 2019年1月5日、和歌山電鐵で人事異動があり、猫のニタマ、よんたまはそれぞれ昇格しました。貴志駅駅長だったニタマは新設の部長職、マネージャー駅長に、よんたまは課長職のスーパー駅長になりました。勤務地は伊太祈曽駅のままです(ニタマ公休日の水、木曜日は貴志駅勤務)。

 さて、話はここからです。ニタマ、よんたまのダブル昇格について社長の小嶋光信氏からメッセージが発表されましたが、そこに和歌山電鐵の厳しい状況が書かれています。実は、2018年度は自然災害によって線路の復旧費が増え、また関空とを結ぶ橋がタンカーで破壊され、海外からの客が激減しました。このことにより、2018年度はこれまでになかった多額の赤字になるようです。

 和歌山電鐵が誕生してから13年が経とうとしています。2006年からの第1期10年は無事に終わり、今は第2期の段階です。和歌山電鐵としては公設民営でやりたかったのですが、行政側が反対し(地元市民等の応援や和歌山電鐵の経営努力がなくなることを危惧していました)、地方鉄道でありながら補助金をもらわないでやっていくということになりました(設備投資の補助金はもらえます)。幸い、2016年度、2017年度は「貴志川線の未来を”つくる”会」の協力や国内外からの観光客でやっていくことができましたが、災害のあった2018年度はそれで対応することができないようです。

 誰も乗っていない鉄道ならともかく、それなりに利用されている和歌山電鐵を潰すわけにはいけません。状況によっては、何らかの行政支援策が求められるところです。
(参考:和歌山電鐵ホームページ https://www.wakayama-dentetsu.co.jp/2019/01/07/%E3%80%8C%E3%83%8B%E3%82%BF%E3%83%9E%E9%A7%85%E9%95%B7%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%80%8C%E3%82%88%E3%82%93%E3%81%9F%E3%81%BE%E9%A7%85%E9%95%B7%E3%80%8D%E3%81%8C%E3%83%80%E3%83%96%E3%83%AB%E6%98%87%E6%A0%BC/)

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近江鉄道の輸送密度

 近江鉄道は1898年に彦根-愛知川間を開業して以来、120年の歴史を誇る鉄道です。その間、地元の人たちの足として使われてきましたが、ほかの地方鉄道と同様、厳しい状況となっています。その現状について、近江鉄道から「近江鉄道線の経営状況について」というタイトルで説明がありました。

 近江鉄道の利用者数についてから説明します。一番多かったのは1967年度の1126万人。その後減り続け、2002年度には369万人にまで落ち込みました。その後、新駅(2006年フジテック前、2008年スクリーン)を開業したことにより、2017年度には479万人にまで回復しています。営業損益は1994年度に赤字に転落して以来24年間連続しての赤字で、2017年度は3.5億円の赤字(営業収益11.3億円、営業費用14.9億円)、営業損失は2017年度で40.3億円にも上ります。当然ながら信号の自動化、駅の無人化、ワンマン運転の実施などの経営努力は続けていますが、それでも営業赤字は拡大しています。ただ、施設が老朽化しているため、設備投資をむやみに抑えることはできません。老朽化対策として今後10年間で、これまでの10年間に比べて約4割(15.7億円)の増加が必要とされています。約56.5億円の設備投資が必要とされています。主な内訳はレールの取り替え、橋の補修、踏切道の補修などの線路関係が14.6億円の増加、車両の置き換えなどの車両関係が4.3億円の増加です。しかも沿線の人口は2015年をピークに減少に転じ、長期的には輸送人員の減少につながると考えられています。

 そして、鉄道が使われているかどうか一目でわかる、輸送密度はどうでしょうか? 区間ごとに分けたデータが出てきました。2017年度のデータで、米原-彦根間が692人、最混雑列車の乗車人員は64人、彦根-高宮間が3058人、最混雑列車の乗車人員は167人、高宮-八日市間が1559人、最混雑列車の乗車人員は175人、八日市-水口間が1176人、最混雑列車の乗車人員は167人、水口-貴生川間が1485人、最混雑列車の乗車人員は109人、高宮-多賀大社前間が598人、最混雑列車の乗車人員は110人、八日市-近江八幡間が4681人、最混雑列車の乗車人員は253人です。近江鉄道全体の輸送密度は1902人です。ほとんどの区間で輸送密度は2000人を下回っています。路線の維持が難しいとされる数字です。ただ、ほとんどの区間で最混雑列車の乗車人員が100人を上回るため、バスなどで対応することが難しい状況となっています。また、車両基地が彦根にしかないため、例えば(彦根から離れた)八日市-近江八幡間だけを存続させるということはできません。しかも、滋賀県が調査を委託した地域公共交通総合研究所(岡山市)によれば、鉄道を廃止してバスに転換すれば、車両の購入などの初期投資に約30億円が必要となり、利用者は鉄道に比べて4割減るとのことです。部分的にはともかく、大規模な鉄道の廃止は難しく、滋賀県や沿線自治体が支えるのが妥当と思われます。
(参考:近江鉄道ホームページ http://www.ohmitetudo.co.jp/file/group_oshirase_20181218.pdf、京都新聞ホームページ https://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20181227000142)

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