沖縄都市モノレール、帰宅時のみに利用する客が14%いる

 2003年に開業した、沖縄都市モノレール。開業ブームが去ったときなど利用が振るわなかったときもありましたが、LCCの就航などで観光客が増え、1日当たりの利用客は建設前の予測の4.2万人を大きく超えています。てだこ浦西まで延伸するとさらに増えることでしょう。収支も単年度ベースですが、2016年度に黒字になっています。

 その沖縄都市モノレールですが、利用者の内訳を分析すると、面白いものがあります。沖縄都市モノレールが2017年に調査したデータによると、一番多いのは通勤客の約35%、その次は国内観光客の18%です。そして、3番目に多いのが帰宅時のみに利用する客の14%です。

 なぜ帰宅時のみ利用する客が14%もいるのでしょうか? 実は、行きは家族の運転する車に乗っているのです(沖縄は圧倒的なクルマ社会で、交通分担率は自家用車が約86%を占めています)。しかし、朝はみんな一緒に行くからいいものの、帰りはバラバラです。そこで帰りはモノレールに乗って帰るのです。

 この傾向はバスにも当てはまるようで、夕方には定期券利用客よりもICカードのチャージ分や現金で払う客が結構いるようです。
(参考:東洋経済ONLINE https://toyokeizai.net/articles/-/238765)

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西鉄福岡(天神)にJR西日本タイプのホームドア

 全国各地でホームドアを導入する動きがありますが、西鉄でも実証実験を行うこととなりました。

 実証実験を行うのは、西鉄福岡(天神)。西鉄で唯一、乗降人員が10万人を超える駅です(2017年度で約13.4万人)。2番線の乗車及び降車ホームの北口改札側各1両分で実証実験を行います。2019年2月から約1年間、実証実験を行い、ダイヤへの影響等を調べます。

 ところで、西鉄も車両によって扉の枚数や位置が異なります。3扉車と4扉車が混在しています。当面統一される見込みはありません。そこで、ホームドアも特殊なものを使います。JR西日本の昇降ロープ式ホーム柵(支柱伸縮型)を採用するのです。設置費用は約4000万円です。

 ちなみに、本格導入は2021年度の予定です。
(参考:西鉄ホームぺージ http://www.nishitetsu.co.jp/release/2018/18_038.pdf、日本信号ホームぺージ http://www.signal.co.jp/spdf/313.pdf、産経ニュース http://www.sankei.com/region/news/180619/rgn1806190010-n1.html)

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南阿蘇鉄道、観光客の利用はあるが地元客は少ない

 南阿蘇鉄道は熊本地震で被災し、一部区間のみの運行に留まっています。今現在運行しているのは、中松-高森間のみです。2016年7月に部分復旧して、2年が過ぎました。JRなどほかの鉄道とつながっていない、先っぽだけの部分復旧で、どれだけの利用があるのでしょうか?

 意外にも、観光での利用は順調なようです。7月の時点での話ですが、観光トロッコ列車の予約状況は前年並みのようです。道路網の復旧がある程度進んで、団体客の利用も増えているようです。2017年度の実績ですが、トロッコ列車の走る8~11月の輸送人員は、2016年の実績より3~5割増えました。ただ、トロッコ列車が走らなくなる12~2月は前年に比べて3~5割も落ち込みました。2016年度は人気漫画「ONE PIECE」のラッピング列車が走っていましたが、2017年度はそれがなく、反動で観光客が減ってしまったのです。

 結局は、観光客頼みの経営になってしまい、地元客の利用が低迷したままとなっているのです。2016年度は義援金収入もありましたが、2017年度は1/4に減ってしまい、これから増える見込みはありません。これからも赤字経営は続きます。これまでも赤字の補填に使われた基金(2018年3月時点で約1.6億円)も、全面復旧の2022年度までには使い切ってしまうとみられています。沿線自治体でお金を拠出して賄うという方法もありますが、自治体によって考えかたに差があるようです。

 南阿蘇鉄道の輸送密度は500人程度。どうしても鉄道が必要なレベルではありません。地元自治体が赤字覚悟で鉄道を維持するならともかく、資金拠出の合意が得られない場合は、廃線のほか、観光鉄道としてそれなりの料金を取るという選択肢を考えないといけないかもしれません。
(参考:熊本日日新聞ホームぺージ https://this.kiji.is/395787989307229281?c=92619697908483575)

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沖縄都市モノレールで「アリペイ」実証実験

 沖縄都市モノレールは外国(主に中国?)の利用者が増えていますが、当然外国とでは切符の買いかたが異なり、買いかたがわからずに自動券売機の前で止まってしまうケースがあるようです。

 そこで沖縄都市モノレールはオリックスなどと共同で、6月22日から7月20日までの間、中国を中心に普及している電子決済サービス、「アリペイ」を使えるようにする実証実験を行っていました。国内の鉄道の自動改札機で海外の電子決済が使えるようになる実証実験はこれが初めてのようです。期間限定とはいえ、「Suica」などの日本の交通系ICカードが使えるようになる前に海外のが先に使えるようになったのです。

 「アリペイ」とは、スマートフォンなどの端末で、QRコードを読み込んで決済するサービスです。沖縄都市モノレールで「アリペイ」の実証実験を行った理由は、沖縄都市モノレールではすでにQRコードを活用していて、ほかの鉄道と接続していない、独立した鉄道だからです。実証実験がやりやすいのです。実証実験では、全15駅の改札機に「アリペイ」を利用するためのシステムを入れました。

 今後、実証実験の検証を行い、本格運用に結び付けたいとのことです。
(参考:琉球新報ホームぺージ https://ryukyushimpo.jp/news/entry-743823.html)

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広島空港への鉄道アクセス、断念

 広島空港は広島の中心部から遠く離れた三原市にあり(かつての空港は広島市西区にありました)、広島市中心部との鉄道アクセスの建設が時々話題に上ります。アクセス鉄道の建設案はいくつかあり、最寄りの山陽線白市駅との間に8キロの鉄道をつくる案から(建設費は367億円、広島駅と空港の間は直通で54分で結ばれます)、広島駅との間を1兆円近くかけて直結する構想まであります(距離は45キロ、所要時間は34分)。ところが、8月23日に、2021年4月の空港民営化に向けた魅力づくりなどを議論する官民組織が広島県庁で会議を行い、その中で、広島県が白市-広島空港間の鉄道アクセスの整備を断念することを発表しました。

 なぜ広島県は断念したのでしょうか? その理由は、採算を確保するには空港の年間利用客数が1000万人いないといけません(広島から1兆円近くかけて鉄道をつくる場合は、2000万人ないといけません)。ところが、空港の利用客数は2050年度でも500万人に留まり(これでも現行の1.7倍の水準です)、採算ラインに遠く届かないのです。高速道路(広島高速5号)が整備されるためリムジンバスの利用が増えると想定され、空港利用者に占める鉄道利用者の割合は9%に留まると考えられているのです(10年前に空港アクセス鉄道の採算を調査したときは、2割が鉄道を利用するとされていました)。

 この鉄道アクセスの話は、広島空港が移転する1989年から続いてきましたが、断念というかたちでようやく決着することになりました。記事では触れられていませんが、白市駅で接続するJR西日本も乗り気ではなかったでしょう。主力の山陽新幹線の乗客を奪うことになってしまうのですから。今後は、道路網の整備や改善で対応するとしています。
(参考:中国新聞ホームぺージ http://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=459671&comment_sub_id=0&category_id=256)

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路面電車の床が木に

 昔のものはともかく、最近の電車の床は塩化ビニール製マットです。ところが、6月のことですが、岡山電気軌道で走っている路面電車のうち1両の床が、「オリエント急行」や伊豆急の「THE ROYAL EXPRESS」にも使われた、高級木材のチークに変わりました。「MOMO」や「KURO」などの観光列車ならともかく(岡山電気軌道では、すでに4両が導入当初からチーク材ではありませんが天然木を採用しています)、普通の路面電車では珍しいことです。

 床がチーク材になった車両は、1992年から運行しているものです。「高島屋」のイメージ広告をラッピングしています。東京のインテリアメーカーに委託して、厚さ3ミリのチーク材の化粧合板を床にはめ込んでいます。茶色のもの、薄茶色のものが混ざっています。乗客によれば、木のにおいもするようです。

 この車両、東山線と清輝橋線で1日約15往復するようです。また、岡山電気軌道は好評なら、ほかの車両にも増やすそうです。
(参考:山陽新聞digital http://www.sanyonews.jp/article/727843、日本経済新聞ホームぺージ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31439080W8A600C1LC0000/)

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くま川鉄道の朝のラッシュ時が混む理由

 熊本県の第三セクター、くま川鉄道の平日朝の乗車率は130%にもなります。大都市の鉄道ならともかく、地方の第三セクター鉄道が、なぜそこまで混むのでしょうか?

 もともとくま川鉄道の利用者で8割もの多数を占めていたのは通学生でしたが、年々減少していました。それが変わったのが、2015年。県立高校の再編によって、沿線にあった多良木高校が2019年に閉校することになり、生徒の募集をやめました。そこで地元の高校がなくなった多良木町や湯前町に住む生徒は、この地域では主要都市になる人吉方面に行くことになり、朝の混雑が激しくなったのです。無人駅が多いため、朝のラッシュ時には、本社から係員がやってきて、車内の奥に行くように誘導し、何とか乗客を詰め込んで運んでいます。乗降時間が長くなるため、列車も遅くなることがあります。

 増便や増結をすれば話は解決するのですが、くま川鉄道の持っている鉄道車両は5両のため、増便や増結は難しいです。しかも、くま川鉄道の車両はすべて観光仕様のため、詰め込みが利かないのです。水戸岡氏のデザインの欠点です。通学に適した新車を購入する費用もありません。2019年には多良木高校が閉校するため、さらに混雑は悪化するとみられています。

 通学客が増えるということは、その分だけ収入が増えることになります。くま川鉄道の場合、確かに定期券利用者は増えました。しかし、定期券以外の利用客は減り、経営への改善効果はありません。バスで混雑を解消しようとすれば、なぜ鉄道がいるのか、という話になってしまいます。喜んでばかりではいられない話です。
(参考:西日本新聞ホームぺージ https://www.nishinippon.co.jp/nnp/anatoku/article/434798/)

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平成30年7月豪雨続報

 平成30年7月豪雨での各線の被害状況については以前に記事にしましたが、新たに判明したことなどを主要路線を中心に書いていきます。

 JR東海の高山線についてですが、飛騨金山-下呂間は8月半ばに復旧する予定です。坂上-猪谷間は運転再開まで数か月かかる見通しです。

 一番被害が大きいJR西日本についてですが、山陽線全線の復旧は11月中になります。三原-白市間が最後の区間となります。津山線の玉柏-野々口間は8月上旬、伯備線の豪渓-上石見間は8月中旬です。芸備線は下深川-広島間が23日に、狩留家-下深川間は9月中に復旧しますが、備後落合-狩留家間の運転再開まではかなりの時間がかかります(運転再開までかなりの時間がかかる区間はほかに、福塩線府中-塩町間、木次線出雲横田-備後落合間があります。芸備線で橋梁が流失した区間があるのですが、そのときに信号などを動かすケーブルも流されたので、芸備線のほかに福塩線、木次線の一部も止まっているのです)。呉線の坂-海田市間は8月上旬、広-坂間は11月中、三原-広間は2019年1月の予定です。

 JR四国の予讃線についてですが、本山-観音寺間は8月10日ごろに復旧する予定です。八幡浜-卯之町間は20日に普通列車のみ運転を再開する予定ですが、卯之町-宇和島間の再開予定は決まっていません。このほか、JR九州、長良川鉄道、京都丹後鉄道、井原鉄道、錦川鉄道、平成筑豊鉄道にも不通区間があります。

 このように不通区間が多いので、各地で代行バス等の運転が行われています。伯備線では不通区間をカバーするバスのほか、21日からは「やくも」の代替として岡山-米子間にノンストップのバスを5往復走らせます。すでに「やくも」の特急券(グリーン車もしくは指定席)を持っている人が優先ですが、空席があれば乗車のほかに自由席特急券を購入して乗ることができます。「やくも」は米子-出雲市間に5往復走るほか、「スーパーはくと」等に接続する臨時特急や快速が倉吉-米子間で走ります。

 呉線では7月6日までに購入した、呉線を一部でも含む定期券、回数券を持っている人を対象に、バスや船を走らせます。バスは緊急車両のみが通ることができる広島呉道路の通行止め区間も一部使うもので、呉発広島行きが朝に、広島発呉行きが夕方に走ります。1日約30便、約1000~2000人が乗ることができるわけですが、乗車するには整理券が必要です。整理券は呉駅では5:15から、広島駅では18:15から配布します。平日の朝には呉港発広島港行きの船を運航します。呉港6:35発広島港7:50着の予定で、約550人乗ることができます。乗車には整理券が必要で、呉駅で5:15から配ります。船はJR西日本宮島フェリー所有のものを使いますが、車や自転車を載せることはできません。定期券等を持っていない人は、広島電鉄のバスが使えます。広島バスセンターと呉駅との間を1日16往復走らせます。

 山陽新幹線を使った代替輸送もあります。山陽線のほか、呉線の利用者も山陽新幹線を使うことができます(ただし、西条などから連絡バスがある山陽線とは違って、呉線からの連絡バスはありません)。こちらは定期券、回数券のほか、乗車券でも7月6日までに購入したものは対象となり、特急料金を払わずに自由席に乗ることができます。東広島から広島に向かう朝の列車、広島から東広島に向かう夕方の列車が混雑しているので、臨時列車も運転しています。定期列車も通常8両編成のところ、16両にしているのもあります。一部の「ひかり」は東広島に臨時停車しています。山陽新幹線を使った代替輸送は、三原-広島間のほか、新岩国(岩国から連絡バスあり)-徳山間でも行われています。
(参考:JR東海ホームぺージ http://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000037758.pdf、JR西日本ホームぺージ https://www.westjr.co.jp/press/article/2018/07/page_12678.html、JR四国ホームぺージ http://www.jr-shikoku.co.jp/info/、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/80974、産経WEST https://www.sankei.com/west/news/180717/wst1807170019-n1.html、朝日新聞ホームぺージ https://www.asahi.com/articles/ASL7L5392L7LPTIL01Y.html)

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広電駅前大橋線は架線レス方式

 広電に乗って広島駅前から中心部に向かう場合、いったん南東に向かってから西に行きます。まっすぐ行かないので、大回りです。

 そこで広電は広島駅から駅前大橋を経て比治山下に向かう1.2キロの新路線、駅前大橋線をつくります。2024年度開業予定で(広島駅南口再開発の完成も同じ2024年度です)、広島駅と中心部をショートカットする路線です。

 その駅前大橋線ですが、広島駅と稲荷町の間0.6キロの間については、架線がないのです。景観を保つためとのことですが、非電化にするのではなく、蓄電池の電気を使って走らせます。広島駅に乗り入れるすべて路面電車の屋根にバッテリーを取り付けるのです。当然ながら新車だけではなく、既存の車両にも改造して取り付けるのです。路面電車にバッテリーをつけて走らせることについてはすでに、2015年に東芝が鹿児島市電で実験していますが、そのときは既存の車両にバッテリーを座席の下に取り付けました。ですから既存の車両への改造は不可能ではなく、今後どうやって進めるのかは、車両メーカーや電機メーカーと研究します。

 駅前大橋線で架線レス方式が実現すれば、応用が利きます。ほかの区間も架線を撤去して、全区間バッテリーで走らせるという考えもできます。そうすれば、景観の妨げになり、また保守が難しい架線を撤去することができます。バッテリーの技術の進展具合によりますが、そういう未来になるかもしれません。
(参考:タビリスホームぺージ https://tabiris.com/archives/hiroden20180705/)

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井原鉄道の休日は1000円乗り放題

 井原鉄道は休日限定で全線(総社-神辺間)1日乗り放題の切符、「スーパーホリデーパス」を発売しています。発売期間は4月1日から2019年3月31日まで、利用期間は4月1日から2019年3月31日までの休日、ゴールデンウィーク(4月28日から5月6日)、お盆(8月11日から15日)、年末年始(12月29日から2019年1月3日)までです。値段は大人1000円、子供500円で、全線片道乗るよりも安いです(総社-神辺間1100円)。有人駅のほか、車内でも販売しています。岡山、倉敷、福山市内でも購入することができる箇所があります。

 この切符、「開業19周年フリーきっぷ」としていますが、実は毎年発売されているものです。当分はそれどころではないでしょうが、落ち着いたら沿線へのお出かけには使いたい切符です。
(参考:井原鉄道ホームぺージ http://plus.harenet.ne.jp/~ibarasen/pdf/holiday30ryoumen.pdf、http://plus.harenet.ne.jp/~ibarasen/)

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