フリーゲージトレインの効果、たったの5分

 並行在来線で多いにもめ、ようやく今年4月になって着工された長崎新幹線。新規着工区間の武雄温泉-諫早間は狭軌の線路を敷く、スーパー特急方式(最高速度時速200キロ)でつくります。そして、博多-新鳥栖間は九州新幹線(2011年開業予定)に乗り入れます。九州新幹線は標準軌なので、長崎新幹線を走る車両は、標準軌も狭軌も走ることができるフリーゲージトレインとなります。長崎新幹線開業により、博多-長崎間は今より26分短い、1時間19分で結ぶ予定です(注)。

 しかし、フリーゲージトレインは10年以上も前から実験を繰り返しているのですが、車体の重さや価格など解決すべき課題が多く、現状では実用化には至っていません。しかも、長崎新幹線の場合、新幹線に乗り入れる区間が博多-新鳥栖間と短いこともあり、フリーゲージトレインの時間短縮効果は5分しかありません(博多-長崎間は1時間24分です)。長崎新幹線に限って言えば、フリーゲージトレインでなければならない理由はありません。

 ただ、フリーゲージトレインが無意味かといえばそうではありません。新幹線と在来線の軌間が異なる現状では、両者の直通は出来ません。東京からの利便性のみ考えている北陸新幹線のように、整備新幹線には中途半端なところがあります。また、整備新幹線をつくるような大きな需要はないのですが、東京や大阪からの直通特急が欲しいところもあります。幹線特急は鉄道の特性を活かすことのできる分野であるだけに、フリーゲージトレインの研究は進めておきたいところです。

(注) 長崎新幹線の所要時間短縮効果は、停車駅の削減によるところもあります。私の試算では、博多-長崎間の所要時間は1時間30分と考えています(途中6駅停車の「速達便」、博多-新鳥栖間は在来線)。
(参考;朝日新聞7月10日朝刊 14版)

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リニアの始発は品川

 2025年に東京-名古屋間での開業を目指している、リニア新幹線。その東京側のターミナルは、どうやら品川駅になるようです。

 JR東海が品川駅に決めた理由は、既存の新幹線や在来線との連絡がよいこと。近くには新幹線の点検作業を行う車両基地があり、そこをある程度流用できることも理由のひとつのようです。これまで、東京側のターミナルとして東京駅や新宿駅も考えられていましたが、場所が確保できないなどの理由で、「落選」しました。

 東京側のターミナルは決まりました。問題は、終点がどこか、ということです。名古屋止まりでは名古屋に用事のある人しか移転せず、東京-大阪間を直通する客はそのまま新幹線を乗りとおすでしょう。リニアの名古屋駅も地中深くにできるでしょうから、乗り換えにはかなりの手間がかかります。航空機に対抗するためにも、大阪まで一気に開業することが不可欠でしょう。
(参考:毎日jp http://mainichi.jp/select/wadai/news/20080703k0000m040150000c.html)

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整備新幹線の苦しい財源探し

 整備新幹線を新たに着工する動きがあります。今回追加される区間はそれなりには需要のある区間ですが(もっとも、各線ごとに細かく見ると、突っ込みどころはあります)、最大の問題はお金。新規着工の話になるといつも、関係者の頭を悩ませるのが財源の問題。前回は、将来の建設費を前借しました。今回、財源として考えられているのは、JRから開業後の使用料を前借することです。

 JRはこの動きに強く反対しています。それはもっともです。整備新幹線が国家予算で作られるのは、社会的な便益があるにもかかわらず、JRに建設費を負担する能力がないからです(ただ、整備新幹線の開業後に、建設費の一部を「使用料」の形で国に支払います)。JRに資金の余裕があれば自前で造ります。資金の余裕がないのに「お金を出せ」と言われても、どうしようもありません。

 整備新幹線のそもそもの問題は、財源が乏しいこと。決して需要の少ないところにつくることではありません。道路みたいに潤沢な財源があればいいのですが、そうではないので、毎回毎回苦心して建設財源を生み出しているのです。こそこそとせず、堂々と一般財源を使えばいいのではないでしょうか?

 環境のことを考えたら、道路財源を流用するのも手でしょう。便利な鉄道が整備されたら、今まで車に乗っていた人でも、自発的に鉄道を利用してくれます。そのためには、鉄道を整備する費用が必要なのです。遅い鉄道には、客は乗ってくれないのです。
(参考:Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080129-00000118-mai-bus_all)

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長崎新幹線、「裏技」で着工か?

 長崎線の肥前山口-諫早間は、急カーブが続く区間です。その影響もあり、長崎線の特急「かもめ」は、博多-長崎間で1時間45分かかり、高速バスに対して速度面でアドバンテージを持つことができませんでした。

 実は、前回の見直しで、長崎新幹線武雄温泉-諫早間の着工が認められました。しかし、その開業と引き換えに在来線が分離されることになります。分離される区間は長崎線肥前山口-諫早間。沿線の鹿島市などが反対し、なかなか着工することができませんでした。

 ところが、JR九州、佐賀県、長崎県の3者は並行在来線となる長崎線肥前山口-諫早間について、(1)長崎新幹線開業後20年間、JR九州が運行すること (2)線路はJRから両県が14億円で買い取ること(上下分離方式) (3)並行在来線区間で赤字が出た場合、JR九州が年間1億円を限度に負担すること (4)運賃は当面、現状を維持すること などを同意しました。こうなると、鹿島市などの沿線自治体から着工に向けての同意をとる必要がないようです。

 このような「裏技」を使い、長崎新幹線はようやく着工されることになるようです。ただ、長崎新幹線武雄温泉-諫早間が開通しても、短縮される時間は15分程度(新幹線区間を「スーパー特急」方式で時速200キロ運転すると仮定、佐賀-諫早間ノンストップ)。これを「効果がある」と見るか見ないかは、意見が分かれそうなところです。
(参考:Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071217-00000116-mai-pol)

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整備新幹線、新規着工か?(各論編)

 先日予告したとおり、今日は新規着工(予定)区間ごとの評価を書きたいと思います。

<北海道新幹線>
 この新幹線が成功するかしないかは、新幹線がスピードアップするかしないかにかかってきます。盛岡以北を時速260キロでチンタラ走っていては、思ったような成果はあげられません。東京-新函館間、仙台-札幌間という利用はあるでしょうが、5時間近くかかる東京-札幌間を乗りとおすような人は皆無に近いでしょう。

 「整備新幹線では、時速260キロでしか走ることができない」 この呪縛を解くか解かないかが、北海道新幹線の価値を決めるといっても過言ではありません。

<北陸新幹線>
 北陸新幹線が敦賀まで伸びることにより、東京-福井間を2時間55分で結ぶことができます。また、需要がありながら改善がなされなかった関西方面についても、スピードアップを図ることができます。大阪-金沢間は2時間5分で結ばれます。しかし、今まで直通していた関西からの特急は、敦賀で乗換えを余儀なくされます。ですから、現在より30分弱短縮されるメリットは、乗り換えの手間により心理的にはかなり相殺されてしまいます。

 北陸新幹線の最大の問題は、大阪に直結しないこと。敦賀と米原は50キロもありませんが、新幹線の線路は切れたままです。北陸新幹線は大阪まで全線開業して、本来の能力を発揮することができます。非常時の東海道新幹線のバイパスにもなりえます。敦賀止まりのままでは、単に「金沢新幹線」を「福井新幹線」に変えるだけです。

<長崎新幹線>
 こちらは事情が大きく変わりましたので、分けて書くことにします。

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整備新幹線、新規着工か?(総論編)

 政府・与党は、14日開かれた整備新幹線検討委員会において、北海道新幹線新函館-札幌間などの未着工区間を建設するための財源を今年度末までに見つけるように努力することを合意しました。

 新規着工が予想される区間は、北海道新幹線新函館-札幌間のほかに、北陸新幹線金沢-敦賀間、長崎新幹線諫早-長崎間。これら3つの区間を全部つくると2兆円かかると言われています。

 もっとも、財源がないからといって新幹線をつくることができない、ということはありません。現状でも一般財源から毎年約700億円程度を使っています。これに地方負担分とすでに開業した整備新幹線の貸付料を加えると、年間約1500億円程度が使えることになります。今よりはペースが鈍りますが、できないことはないです。もちろん、建設に使えるお金が多いほうが好ましいのですが。

 昔のように鉄道が陸の王者だったころならともかく、自動車や飛行機に対抗できるスピードがない限り、鉄道は選ばれません。そのような優れた鉄道なら、おのずと人が集まります。大量に輸送できますので、環境にもやさしいです。鉄道の特性を発揮できるのは、新幹線のような高速鉄道か、大都市圏の通勤鉄道です。国の一般予算でも、道路特定財源でも使って、建設のスピードを上げていったほうがよいでしょう。整備新幹線の延長に応じて、すでに開業した整備新幹線の貸付料を見直すことも大切です。JRは強く反発していますが、整備新幹線の延長により、ほかの路線の収支もよくなりますから、値上げはやむをえないです。無理なのは、全線JR九州が運営する九州新幹線の利益を、JR西日本から貸付料の形で取ることぐらいです。

 話が長くなるので、新規着工(予定)区間ごとの評価については、後日書くことにします。
(参考:朝日新聞12月15日朝刊 14版)

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整備新幹線では時速260キロしか出せないのか

 先日、『「猫耳新幹線」は実現せず』にコメントを書きましたが、世界最高速タイの時速320キロを出す新型「はやて」も、整備新幹線区間の盛岡以北では、時速260キロにとどまります。

 これは東北新幹線だけではありません。山陽新幹線と九州新幹線を直通する新幹線N700系でも事情は同じです。山陽新幹線では時速300キロを出しますが、九州新幹線では時速260キロ止まりです。

 今から25~30年も前につくられた新幹線では時速300キロ以上が出せるのに、これからつくられる新幹線で時速260キロしか出せないのは理解できないですね。永久に新青森止まりが続くわけではありません。新函館、札幌と延びていきます。札幌までの全線が開業しても、盛岡以北が時速260キロ運転にとどまるならば、東京-札幌間は到底4時間でたどり着くことができず、全線を乗りとおす客はほとんどいない結果になるでしょう(ただ、途中で乗り降りする客はいるので、ガラガラということはないでしょうが)。

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信越線・北陸線が廃止になる?

 上越市議会の与党会派「昆風」は先月25日、北陸新幹線開業(2014年度開業予定)と同時に、信越線脇野田-長野県境間と北陸線直江津-糸魚川間を廃止し、バス運行に切り替える提案書を木浦市長に提出しました。

 この背景にあるのが、今年1月に県や沿線自治体などがまとめた報告書。信越線直江津-妙高高原間と北陸線直江津-市振間を第3セクターとして運行した場合、沿線自治体は30年間で400億円近い赤字を負担しなければならないのです。

 並行在来線の赤字の問題は、新幹線を誘致した段階でわかりきったことです。そんな負担に耐えられないのなら、最初から新幹線を断ればよかったのです(余ったお金で北海道・九州新幹線の整備に専念できます)。しかも、ローカル輸送しかない信越線はともかく、北陸線から特急はなくなっても(「トワイライトエクスプレス」は残るかな?)貨物輸送が廃止になることはありえません。沿線自治体の都合だけで廃止にできる路線ではないのです。
(参考:MSNニュース http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/niigata/news/20070526ddlk15010368000c.html)

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中途半端なリニア

 1ヶ月以上前のことなのですが、JR東海の松本社長は、2025年に首都圏と中京圏との間(具体的な場所は未定)でリニア新幹線を開業させる方針を明らかにしました。現在、山梨県に20キロ弱の実験線があるのですが、それを東西に延長させるのです。

 でも、名古屋止まりとは中途半端ですね。大阪まであれば航空機からの移転が考えられますが、名古屋までならそのようなことは全くありません。減るのは、東海道新幹線の客だけです。

 かかる費用も莫大です。リニアという、既存の鉄道とは全く違う規格なので、首都圏や関西圏の用地買収の手間はかなりかかります。費用を節約するために、東京や大阪の都心に乗り入れないという選択はできません。

 よく「東海地震のことを考えると、リニア新幹線が必要だ」という声もありますが、名古屋を通る時点で無意味です。名古屋も、震度6が予想される危険地帯です。山梨県や長野県伊那地域も当てはまります。静岡を通らないので壊滅的な被害はないでしょうが、一時的にはストップする危険性があります。

 それを考えると、敦賀までは何とかできそうな北陸新幹線を大阪まで延長し、遠回りですが東西を直結するほうが先です。敦賀までは新幹線を欲しがる沿線の自治体がある程度(1/3)負担しますから、100%国費で完全に負担すればいいのは敦賀-大阪間だけです。現状では北陸新幹線は金沢か福井止まりのローカル新幹線ですが、大阪まで伸びれば北海道新幹線と並ぶ「幹」の新幹線になります。抜本的とは言いませんが、混雑する東海道新幹線の多少のガス抜きにはなります。中央新幹線は、北海道新幹線・北陸新幹線が完成してからの話ですね。
(参考:YOMIURI ONLINE http://chubu.yomiuri.co.jp/news_top/070427_0.htm)

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貨物列車を載せる列車

 今、「北斗星」「トワイライトエクスプレス」「カシオペア」といった豪華寝台列車や貨物列車などが通っている青函トンネル。将来、そこには新幹線も通ることになります。青函トンネルは、新幹線が通ることを見越して、大きな断面になっています。

 しかし、新幹線と貨物列車が1つのトンネルを共用することについては、大きな問題があります。それは、両者の速度が違いすぎること。北海道新幹線が札幌まで全線開業すると、新幹線は1時間に2、3本通る予定です。青函トンネルには待避線は全くないので、貨物列車の足では追いつかれてしまいます。

 そこで出たアイデアが、貨物列車を列車ごと載せる、というもの。JR北海道は、来年度から本格的な研究を始めます。これにより、貨物列車も時速200キロで青函トンネルを走ることができるのです。

 トラックを載せる貨物列車はありましたが、列車を載せる貨物列車は今までになかった話。でも、これがうまくいけば、北海道新幹線全線開業に向けて有利な材料になりますね。
(参考:gooニュース http://news.goo.ne.jp/article/hokkaido/region/200702247941-hokkaido.html?fr=rk)

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九州新幹線、新大阪-鹿児島中央間直通実現へ

 JR東海、JR西日本、JR九州の3社は、九州新幹線が全線開業(2011年予定)すれば、新大阪-鹿児島中央間に直通の列車を走らせることを合意しました。国土交通省もこのことについては了承しています。

 何回もこのblogで取り上げた九州新幹線直通問題。待っていました。参考にした記事には詳しいことは書かれていませんが、九州新幹線の新大阪直通に向けて大きく前進したように感じられます。九州新幹線の新大阪直通に否定的な声も聞かれたことを考えると。
(参考:NIKKEI NET http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20061122AT1G2102421112006.html)

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九州新幹線に直通しないのはもったいない

 このblogでも何回も取り上げているテーマ(トラックバックしています)なのですが、JR九州は九州新幹線が全線開業したときに、新大阪までの直通を強く希望しています(東京への直通は否定しました)。先月26日に行われた記者会見でもその意思を示しています。これに対して、JR西日本はいろいろな問題があるため、慎重な考えがあるようです。

 はっきり言って、せっかく博多駅で山陽新幹線と九州新幹線のレールがつながるのに、もったいないです。過去の報道によれば、信号システムの問題がネックにあるようですが、博多-博多南間は、JR東海・西日本の車両も、JR九州の車両も通るのですから、たとえ直通列車がなくても山陽・九州双方に対応した車両は必ず要ります。

 北陸新幹線の敦賀以西のルートが決まっていない今の整備新幹線計画では、JR西日本の沿線住民にメリットがある新幹線は、九州新幹線しかありません(北陸新幹線は、北陸の人にしかメリットがなく、それ以外のほとんどの人にとっては、新幹線開業によって大阪からの特急列車が金沢や福井で打ち切られるため、デメリットしかありません)。しかし、博多駅で乗換えが必要なら、効果は半減してしまいます。新大阪駅の行き先案内板に「つばめレールスター 鹿児島中央行き」と書かれて初めて九州新幹線の効果はJR西日本にも現れるのです。その可能性の芽を摘まないためにも、万難を排して新大阪-鹿児島中央間の直通を実現させたいところです。
(参考:nikkansports.com http://www.nikkansports.com/general/f-gn-tp0-20060926-95727.html)

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道路特定財源で新幹線をつくる?

 自民党の久間総務会長は、先月26日、福岡市内で行われた西日本政経懇話会で講演をしました。その話の中で、久間総務会長は、道路特定財源を長崎新幹線の財源にする案を示しました。もともと、道路特定財源は、鉄道の立体交差化にも充てることができるので(踏切がなくなれば、車はスムーズに走ることができます)、それを長崎新幹線に当てはめようとしたのです。

 もっとも、長崎新幹線で緊急に解決しなければならない問題は、財源問題ではなく、新幹線開業とともにJRから切り捨てられる鹿島市などの了承を得ることです。現状では、ここが片付かない限りは、予算があっても新幹線をつくることができません。こちらについては、前進しているようには見えないです。
(参考:Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060727-00000008-nnp-kyu)

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「つばめ」は東京・大阪まで飛べるか?

 以前も取り上げましたが(トラックバックしています)、現在新八代以南が部分開業している九州新幹線は、2011年春に全線開業します。起点の博多駅では、東海道・山陽新幹線と接続し、レールもつながります。しかし、直通するかどうかはまだ決まっていません。

 現在、熊本から関西へは、航空機を使う人が多いです。鉄道でも4時間程度で行くことができますが、博多で乗り換えないといけない鉄道のシェアは2割。それに比べて、福岡から関西のシェアは7割あります。たとえ、空港が街近くにあっても、新幹線1本で行くことのできるのは便利です。新幹線が直通運転すると、熊本-新大阪間は3時間程度で結ばれます。熊本空港の位置と航空機の本数を考えると、直通すれば鉄道のほうが優勢に立つのは容易に想像できるでしょう。鹿児島からでも大阪までなら、直通すれば鉄道のほうが優位になります。

 熊本・鹿児島から東京への直通は非現実的です。しかし、大阪までなら直通することにより確実に利便性は向上します。せっかくレールは接続するのに直通しないのはもったいないです。直通への課題はありますが、関係者の努力で利用者にとってプラスとなる方向で解決することを強く希望します。
(参考:Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060622-00000004-nnp-l43)

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北海道新幹線は札幌側から建設?

 かなり前の話ですが、先月8日に小里前衆議院議員(自民党整備新幹線等鉄道調査会参与)の講演が倶知安町内で行われました。小里氏は、九州新幹線のように、北海道新幹線を終点の札幌側から先行着工するという方法もある、という趣旨の発言をしました。 

 現在、北海道新幹線は新函館までが建設中であり、後は新函館-札幌間を残すだけです。ここが開通し、時速360キロ運転が実現すれば、東京-札幌間は4時間以内で結ばれます。東京から北海道へは、「カシオペア」「北斗星」という豪華寝台列車を使わない限り、鉄道で行くことは考えられないところですが、新幹線開業後は、新幹線で行くこともごく普通のこととなります。

 しかし、北海道新幹線には最大の欠点があります。新函館と札幌の間には大きな町がないので、部分的に新幹線をつくってもあまり効果がないことです。新函館-札幌間の建設に1兆円かかります。ところが、新幹線を欲しがっているのは北海道だけではありません。そう考えると、北海道だけに1兆円の予算が与えられることは、まずありません(金沢か福井止まりの北陸新幹線や、長崎新幹線をつくるお金があるなら、北海道に集中してもよいとは思いますが)。そこで出されたのが、倶知安-札幌間を先につくるというアイデアでしょうが、函館線の更なる高速化が行われることを考えると、効果は薄いです。新幹線の予算を増やして、一気につくってしまうほうがよいでしょう。
(参考:北海道建設新聞社ホームページ http://e-kensin.net/modules/myalbum/index.php)

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鹿島市長選、桑原氏当選

 昨日行われた佐賀県鹿島市の市長選で、長崎新幹線開業に伴う並行在来線の分離に反対する現職の桑原氏が、JRからの分離を容認する新人(元市議会副議長)を破って当選しました。

 この九州の小都市の選挙のニュースが朝のラジオ(もちろん名古屋の番組です)で流れていたのは驚きましたが、ここの市長選は長崎新幹線の行方を決める重要な選挙でした。反対派の現職が勝ったことで、新幹線建設を推進してきた県は苦しい立場になりますね(いろいろ考えているとは思いますが)。

 新幹線ができたらそれなりの効果があるかもしれませんが、少なくとも現状の計画では難しいでしょう。ルートを曲げて鹿島を通すか、北越急行・智頭急行のように第3セクター方式にしないと(こうすると長崎線はJRのまま残ります)、前に進まないかもしれないですね。
(参考:西日本新聞ホームページ http://www.nishinippon.co.jp/nnp/politics/election/20060416/20060416_001.shtml)

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長崎新幹線、見切り発車?

 町長は長崎新幹線建設に反対しているのに、町議会は賛成派が多数を占める佐賀県江北町。先月23日に、江北町の小林議長は、佐賀県知事に、まだ長崎新幹線反対の意思を明らかにしている江北町長や鹿島市の理解が得られない状態でも、長崎新幹線の着工を行うべきだ、と発言しました。

 これに対して知事は、「反対しているところに対して理解を求めることが大切だが、あまりにも時間がかかり、新幹線が着工できるチャンスを逃すならば、そのときには判断する」という趣旨の発言をしました。いわゆる「見切り発車」の余地があるとも読み取れる発言です。さすがに、3日の知事の定例会見で、「見切り発車」をするようなことはしない、と発言していますが、何とか今年度中に長崎新幹線の着工に踏み切りたいようです。

 長崎新幹線は、「見切り発車」をしてまで必要な路線なのでしょうか? あればそれなりの効果はあるでしょうが、国の幹をつくる北海道、九州新幹線よりは重要性が低いですね。
(参考:Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060324-00000221-mailo-l41、http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060404-00000174-mailo-l41)

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北海道新幹線「北斗」駅?

 現在、新函館までが建設中の北海道新幹線。終点の新函館は、函館線渡島大野駅に併設されます。

 しかし、新幹線の駅名は新函館に決まったわけではありません。駅名は、開業の1年前ぐらいに決まることになります。現在は、あくまでも「仮称」の段階です。

 そこで、北斗市(今年2月に、上磯町と大野町が合併して発足した市。人口は約5万人。)の海老沢市長が、新幹線の駅名を新函館ではなく、市名の「北斗」にすべきだと発言しました。渡島大野駅は、函館から遠いので、函館市内ではなく、北斗市にあるのです。当然のことながら、新幹線誘致に努力した函館市側は反発しています。

 日本人なら誰でも知っている「函館」に比べ、「北斗」は全く知名度がありません。確かに新函館は、北斗市にありますが、新幹線の駅を「北斗」にするのは無茶です。利用者にとっても「函館」の文字がないと戸惑うでしょう。せいぜい、岐阜羽島みたいに、「函館北斗」とできれば御の字でしょう。
(参考:Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060315-00000052-mailo-hok)

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北陸新幹線、敦賀以西はどこを走る?

 半月ほど前の話ですが、「北陸新幹線に関する関西府県等ワーキング」(以下、「ワーキング」)の初会合が行われました。この「ワーキング」は、北陸新幹線敦賀以西のルートについて検討するもので、大阪・京都・滋賀・福井各府県と関西経済連合会がメンバーです。第1回の「ワーキング」では、福井県の担当課長が北陸新幹線についての説明を行いました。今後は年に2、3回のペースで行うようです。

 整備新幹線の新規着工区間の追加の議論は、早ければ2008年度に行われるようです。現時点の段階で、青函海峡をくぐって新函館までの着工が決まっている北海道新幹線は、終点札幌までの着工を求めると見られます。東京-札幌間を4時間以内で結ぶことができるように、時速360キロで走る新幹線車両の研究も行われています。対する北陸新幹線が福井や敦賀どまり(しかも、大阪方面には乗り換えあり)なら、優劣は明らかです。東京から福井に行く人しか便利にならない新幹線は重要性が低いでしょう。単なるローカル新幹線です。

 北陸新幹線が東京と北陸を結ぶローカル新幹線なら、国がお金を出す必要はありません。新幹線を欲しがっている北陸の自治体に出してもらえばいいのです。難しい面はありますが、大阪まで全線開業できるように知恵を出す必要があると思われます。
(参考:Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060222-00000180-mailo-l18)

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九州新幹線にまたまた新駅追加?

 現在、全線開業に向けて工事が進んでいる九州新幹線に、またまた新駅追加設置構想が持ち上がってきました。

 場所は宇城<うき>市。昨年、松橋<まつばせ>・三角など5町が合併してできた市です。熊本と新八代の間に、追い越しができる駅を設けようというのです。わざわざ追い越しにできる駅にしたのは、「新駅ができると各停便の時間がかかりすぎて、ダイヤの設定が不自由になる」という批判をかわすためです。

 現に、熊本以北では、もともと久留米と大牟田にしか駅はできなかったはずなのに、新鳥栖はともかくとして(ここは長崎方面への連絡上、つくらないと逆に不便です)、船小屋・新玉名(新玉名は、もともと玉名には約2/3の特急が停まりますし、隣との距離があるので、仕方ないかな?)と2駅も追加してしまいました。こうなったら、ダイヤの設定はかなり厳しくなります。ついに、船小屋を2面3線の駅にすることにしました。

 しかし、隣の熊本駅は2面4線の大きな駅です。2つ隣の新水俣も、2面3線あります。九州新幹線の熊本以南は、1時間に2本(速達と各停1本ずつ)の運転でしょうから、追い越しができなくても、ダイヤの制約はあまりありません。熊本と新八代の間は、約33キロ。ごく平均的な駅間距離です。宇城市の中心駅の松橋にはたったの1往復しか特急は停まりません。全部宇城市などの地元自治体がお金を出すのならともかく、国のお金も出すのですから、地元の熱意にあおられることなく、冷静に判断しないといけないですね。
(参考:西日本新聞ホームページ http://www.nishinippon.co.jp/media/news/news-today/20060221/kumamoto.html)

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長崎新幹線は「アメ」だらけ

 順調に工事が進んでいるほかの整備新幹線とは違い、長崎新幹線は予算は確保されたものの、未だに地元の同意が得られずに着工できていません。しかし、佐賀県としては、何とか新幹線をつくりたい。財政は厳しくても、「アメ」をばら撒かざるを得なくなります。

 まず最初にしなければならないことは、並行在来線の沿線自治体の同意を得ること。未だに同意していない鹿島市など1市2町に対しては、かなりの振興策を打ち出しています。その甲斐あってか、太良町は、振興策次第では、長崎線の分離に同意する意向を示しました。

 道路整備などの振興策を欲しがっているのは、並行在来線沿線の市町だけではありません。新幹線停車駅になる武雄市も欲しがっています。武雄市の担当者は、20日に行った説明会で、「新幹線が絡むと、なかなかできにくい道路も作ってくれる」という趣旨の発言を行いました。地区の代表者は、この発言に大喜び。自分たちの地区の道路整備が進むからです。

 残っている「敵」は、新幹線ができると、特急が激減する鹿島市と、停車する数が減るかもしれない江北町。県はどういう「アメ」を用意しているのでしょうか?
(参考:Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060125-00000190-mailo-l41、http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060125-00000024-nnp-kyu)

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リニアは幻か?

 東京と大阪を1時間で結ぶリニア新幹線。山梨県で実験を重ね、技術的には運行に耐えられるものを持っているようです。しかし、着工される気配はありません。

 その最大の要因は、巨額の建設費。全線をつくるには、10兆円近いお金が必要となります。毎年「多い」と言われる整備新幹線建設費でも年2000億円あまり(特定財源、県の負担を含む)ですから、その金額の多さは容易に想像がつくでしょう。

 それでも、緊急性のある事業ならばやらざるを得ません。しかし、東海道新幹線には、品川発着になるとはいえ、まだ毎時3本の新幹線を走らせる余裕があります。建設費が巨額であることを考えると、優先順位は下がってしまいます。

 リニア建設の目的のひとつとして、災害などで東海道新幹線が不通になっても、東西の移動ができるようにするため、というのもあります。当面の対策としては、いずれは敦賀ぐらいまではできると思われる北陸新幹線を、大阪まで全線開業させることが挙げられます。金沢や福井どまりの新幹線なら単なるローカル新幹線ですが、大阪までできるのなら国費を投じる価値があるでしょう。
(参考:中日新聞12月3日朝刊 12版)

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長崎新幹線、地元でも不人気

 佐賀新聞社の県民世論調査によれば、長崎新幹線を「不要」とした人の割合が、56.0%(昨年より11.1ポイント増加)に上ったことがわかりました。「必要」と答えた人は28.1%(昨年より2.1ポイント減少)なので、ほぼダブルスコアです。

 佐賀県内の15市郡のうち、「必要」と答えた人が多かったのは、長崎新幹線から離れた東松浦郡ただひとつ。新幹線の嬉野温泉駅ができる予定の嬉野町と長崎線沿線(新幹線開業とともにJRから分離)にある太良町がある藤津郡がほぼ半々、あとの13市郡は「不要」のほうが多かったです。

 今まで特急が停まっていたのに、新幹線からは見放され、JRから分離されるかもしれない鹿島市や、大都市福岡に近いため、現状でも便利な(下手に新幹線ができて、値上げしたら困る)佐賀市に反対の声が強いのはわかります。しかし、新幹線の駅ができる予定の武雄市でさえ、不要とした人が63.2%(必要とした人は21.1%)もいます。

 佐賀県は、すぐにでも長崎新幹線の着工に取り掛かりたいようですが、まずしなければならないのは県民の理解を得ることです。幸い、北海道新幹線や九州新幹線という、優先順位の高い新幹線工事があります。着工するのは、それら幹線の新幹線ができてからで遅くはないでしょう。
(参考:佐賀新聞ホームページ http://www.saga-s.co.jp/kizi1.asp?ID=20051021&COL=1)

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「西九州新幹線」に改名で着工を目指す?

 九州には2つ新幹線の計画があります。ひとつは博多と鹿児島中央を結ぶ九州新幹線、昨年新八代以南が開業し、5、6年後には全線が開業します。それともうひとつ、「九州新幹線長崎ルート」というのがあります。ここのWeblogで「長崎新幹線」としているものなのですが、九州を縦断する九州新幹線に比べてローカル色は否めません。現状は、新幹線が通らないのに在来線が分離されてしまう沿線自治体の反発があって、着工ができない状態です。

 そこで、イメージアップのために出されたのが新幹線の名前を「西九州」にする案です。「長崎新幹線」といえば長崎だけの新幹線のようにみえますが、「西九州新幹線」なら、もっと広いエリアに効果を及ぼすようにみえます。

 でも、名前を変えたからといって新幹線の必要性が高まるわけではありません。財源が不足している現状においては、国の幹となる東北・北海道新幹線や九州新幹線を優先し、枝となる北陸新幹線(大阪まで行くなら「幹」ですが、金沢や福井止まりならこちらです)や長崎新幹線は後回しでもやむをえないでしょう。
(参考:Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051001-00000195-mailo-l42)

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和倉温泉・富山への直通廃止?

 大阪駅からは特急「サンダーバード」などが北陸方面に向けて、1時間に1、2本の割合で運転されています。およそ2/3が富山まで運転され、4.5往復が和倉温泉まで運転されていますが、北陸新幹線金沢開業によって、それが金沢で打ち切られる可能性が出てきています。

 こうなったら困ったことです。和倉温泉や富山への直通がなくなることによって、関西からの観光客が敬遠する危険性もあります。乗り換えに手間がかかるようなところにあえて行く必要はないのです。

 和倉温泉方面はともかく、富山方面には新幹線があるため、それに乗り換えれば現状よりも早く着く可能性はあります。ただ、これには、「『サンダーバード』に接続する新幹線(金沢-富山間の短距離便を含む)が必ず運転される」という条件がつきます。

 富山県としては、第3セクターのダイヤ作成にとりかかるのは、新幹線開業の1年ほど前でいいため、今のところは具体的な動きを見せてはいません。しかし、それではいざというときは遅いのです。和倉温泉を抱える石川県、それと北陸新幹線金沢開業によって何のメリットも生まれない関西の自治体と協力して、「サンダーバード」などの和倉温泉・富山までの乗り入れをJRに要求すべきではないでしょうか?
(参考:北日本新聞ホームページ http://www.kitanippon.co.jp/backno/200507/29backno.html#seiji2)

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福井県は「福井新幹線」をつくりたいのか?

 9日、福井市内で、西川福井県知事と福井県選出の国会議員、沿線の市長などによる意見交換会が行われました。この中で、国会議員側は、敦賀以西のルートを早く決めるように県に求めましたが、知事は、福井駅までの早期開業に固執するばかりで、主張はかみ合いませんでした。

 せっかくの機会なのに、もったいないですね。県知事自ら、北陸新幹線を福井のためのローカル新幹線、つまり「福井新幹線」にしようとしているのですから。北陸新幹線が福井まで伸びれば、福井の人にとっては、東京との行き来は便利になります。しかし、それ以外の地域の人にとっては、ありがたい迷惑です。今までなら当然のように直通していたところが、乗換えを迫られるのですから。

 次回の整備新幹線の新規着工は、東北・九州新幹線が開業する2011年ごろになると思われます。しかし、東京-札幌間が4時間以内で結ばれる可能性がある北海道新幹線と比較して、福井しか行かない北陸新幹線は魅力あるものでしょうか?

 北海道に対抗するには、大阪への道筋をつけることです。それができれば、福井にも新幹線は通ってくれるのです。
(参考:日刊県民福井ホームページ http://www.kenmin-fukui.co.jp/00/fki/20050710/lcl_____fki_____007.shtml)

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「枝線」をJR任せにしても

 整備新幹線で今年度から着工することになる区間のひとつに、北陸新幹線富山-金沢間があります。しかし、その一方で、新幹線が開業したら、今まで特急がたくさん走っていた北陸線はJRから分離され、第3セクター鉄道になります。

 ただ、JR西日本としては、北陸線以外のJR線(いわゆる「枝線」)についても新幹線開業と同時に切り離したいと考えています。それに対して、石井富山県知事は、6日の会見で、県内にあるJRローカル線は新幹線開業後もJR西日本が運営すべきという考えを明らかにしました。

 県知事の発言はある意味正当です。しかし、JRのままで残したら、県の負担はないかもしれませんが、使える鉄道にはなるのでしょうか? 株式を一般に公開しているJR西日本は、当然のことながら赤字を少なくしようと本数の減少などの消極的な経営をするのは目に見えています。感情的にはともかく、経営の観点からはやむをえないことです。

 鉄道はあるだけでは意味がありません。利用者が少ないのならば廃止すればいいのですが、そこそこいて社会的に必要ならば、地元自治体がお金を出さざるを得ないでしょう。
(参考:北日本新聞ホームページ http://www.kitanippon.co.jp/backno/200504/07backno.html#seiji1)

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鹿児島まで行けない九州新幹線?

 2日前に北陸新幹線について取り上げましたが、今度は九州新幹線。

 現在、九州新幹線は南部の新八代-鹿児島中央間のみが開業し、残りの博多-新八代間は2011年に開業の見込みです。JR西日本の車庫が博多より鹿児島寄りにあるため、博多駅では山陽新幹線とつながります。新大阪-博多間は一番速い500系「のぞみ」で2時間20分あまり、「レールスター」だと2時間45分ぐらい。博多-鹿児島中央間は1時間あまりで結ぶ構想ですから、新大阪-鹿児島中央間は3時間30分ほどで結ばれることになります。今、大阪から鹿児島に行くのは飛行機が主流ですが、新幹線が開業すれば、形勢は逆転します。

 そんな状況なのに、JR西日本の垣内社長は九州新幹線への乗り入れに慎重な姿勢を見せるのです。

 垣内社長は車両の性能や信号システムの違いをその理由のひとつとしてあげています。しかし、信号システムならJR東海もJR西日本とは違うものを採用する予定ですし、車両についても九州新幹線乗り入れ便だけを対応させればいいのです。九州新幹線への1時間に1本設定すればいいでしょう。

 一番の問題は、九州新幹線開業によってJR西日本が得る利益の一部を整備新幹線の建設財源とするために徴収しようとしていることでしょう。いわゆる「根元受益」の問題です。確かに、九州新幹線が開業すればJR西日本も儲かります。しかし、九州新幹線は全線JR九州が運営するのに、どうやってJR西日本からお金を取る理屈をつくるのでしょうか? 北海道新幹線が開業すれば、盛岡-新青森間の貸付料を見直せばいいJR東日本とは事情が違います。

 「根元受益」からお金を取ることばかり考えて、せっかくの機会を台無しにすることのないように、関係者には賢明な判断が求められます。そんなことをするぐらいなら、整備新幹線の予算を増やす努力をすべきです。
(参考:毎日新聞ホームページ http://www.mainichi-msn.co.jp/search/html/news/2005/02/18/20050218ddn002020005000c.html)

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金沢まで行けない北陸新幹線?

 「北陸新幹線が福井まで伸びたときは、福井駅で新幹線と在来線特急を同一ホームで乗り換えることができるようにすることを考えている」という趣旨の記事が、年末の福井の新聞(「日刊県民福井」Web版、現在は削除)に載っていました。ちょうど九州新幹線新八代駅のようなものです。

 北陸新幹線は、今年度に富山-松任車両基地間と福井駅の着工が決まった段階です。金沢まで開業するのが約10年後で、福井まで開業するのは20年ぐらいあとでしょう。非常に先の話ですが、新聞どおりになってしまったら大変です。大阪や名古屋から金沢・富山に直通しなくなるのです。

 時刻表を見ればわかるのですが、関西と北陸を結ぶ特急は1時間におおよそ2本、米原と北陸を結ぶ特急が1時間に1本あります。福井の人が東京に出るのは便利になるかもしれませんが、関西や東海と北陸を行き来する人はいくら対面乗り換えとはいえ、福井で乗換えを迫られることになります。そもそも、九州新幹線より本数が多く、しかもほかの線区の絡み(東京側は東北・北海道新幹線など、大阪側は東海道線など)が多いので、九州新幹線のようにうまく接続できるダイヤを組むのは至難の業でしょう。JR東日本の新幹線のように需要に応じて停車駅を決める柔軟な姿勢はとれません。

 東京からの便のみ新幹線を走行し、「サンダーバード」「しらさぎ」は第3セクターとなった在来線を走行するという方法もあります。これなら、福井駅での接続は考える必要はありません。しかし、関西や東海からの利用客は第3セクターを利用し、新幹線を利用しません。収益が悪くなるので、JR西日本としてはとりにくい策でしょう。

 フリーゲージトレインでも今の「サンダーバード」の新幹線乗り入れでも構いません。とにかく、福井駅で乗り換えさせずに金沢・富山まで直通するようにする必要があるでしょう。
(参考:Welcome to Tadashi's Room! http://w3222.nsk.ne.jp/~otanuki/Shinkansen/review/article2.html)

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そこまでして欲しい? 長崎新幹線

 現在、東北新幹線八戸-新青森間などが着工されている整備新幹線。来年度からは、北海道新幹線新青森-新函館間、北陸新幹線富山-松任車両基地、長崎新幹線武雄温泉-諫早間も着工される見込みです。このうち、長崎新幹線については、新幹線開業と同時に廃止になる長崎線の沿線自治体(鹿島市など)の反対があり、未だに着工の前提条件を満たさない状態です。

 この機会を逃すと、次に着工区間が追加されるのは10年ぐらい後になってしまいます。そこで、鹿島市などの反対する自治体を抱えている佐賀県(佐賀県自身も、福岡に近いことから新幹線を造るメリットは薄く、あまり積極的になれない)に対し、いろいろな「アメ」を与えようとしています。JR九州は、新幹線開業とともに廃止される在来線(第3セクターとして運営)の赤字の一部を負担します。長崎県は、佐賀県の負担する建設費の一部を肩代わりします。そこまでして建設したいのはなぜでしょうか?

 1997年10月に開業した長野新幹線など、すでに開業した整備新幹線はいずれも良好な経営成績を示し、今回着工が予想されている区間もそれなりの利用が見込めると考えられます。しかし、予算が限られている以上は、国の基軸となる区間からつくるべきで、東京と札幌を結ぶ北海道新幹線、東京と大阪を北陸経由で結ぶ北陸新幹線のほうが優先されます(もちろん、北海道新幹線や北陸新幹線も新函館や金沢止まりなら、話は変わりますが)。長崎にしか行くことのできない長崎新幹線を国のお金を入れて造る緊急性は低いでしょう。
(参考:Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041204-00000067-mai-bus_all)

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借金してでも?

 新聞やインターネットの報道によれば、自民党は来年度に北海道新幹線新青森-新函館、北陸新幹線富山-松任車両基地、長崎新幹線武雄温泉-諫早の3区間を着工する方針です。(参考:Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040602-00000631-jij-pol)建設の財源には将来の公共事業費も含まれています。

 このWeblogにも何度か書いていますように、新幹線は鉄道が得意とする都市間輸送に磨きをかけるものであり、今後も積極的に推進していきたいものです。しかし、今回着工する予定の区間は、借金をしてまでつくるだけのものでしょうか?

 現在建設中の区間(東北新幹線八戸-新青森、北陸新幹線長野-富山、九州新幹線博多-新八代)はいずれも優秀な区間で、ここの開業時期を2年程度早めるのは正しい判断です。借金してでも早期に開業することが許される区間です。しかし、今回着工される予定の区間は、それぞれに問題を抱えています。北海道新幹線は、JR東日本に利益の一部を負担してもらわない限り、採算が取れません。北陸新幹線は採算には問題はありませんが、金沢駅で乗り換えることにより大阪・名古屋方面への利便性が悪化する恐れがあります。長崎新幹線は、肝心な地元自治体の同意を取り付けていない状態です。

 現在建設中の区間の開業が見えてくる3~4年ぐらいあとまで、新たな着工は見送っても良いかもしれません。もし着工が必要ならば、予算を確保すればいいのです。整備新幹線は無駄な新幹線ではなく、北海道新幹線も北陸新幹線も最終目的地の札幌や大阪までつくればかなりの効果が見込まれます。早く予算を確保して全線開業してもらいたいです。

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北陸に厳しい整備新幹線?

 3月末に当Weblogで整備新幹線について触れましたが、その後の動きについてフォローしておきます。


 今のところ、整備新幹線の着工・開業予定は次のようになっています。
<東北・北海道新幹線>
・八戸-新青森間は今の予定より2年ほど早い2010年度に開業する。
・新青森-新函館間は来年度に着工し、2016年度に開業する。
<北陸新幹線>
・長野-富山間は今の予定より2年ほど早い2012年度ごろに開業する(富山駅の工事の都合上、2010年度には開業できない)。
・富山-松任車両基地間は来年度に全区間を着工し、2016年度に開業する。
・松任車両基地以西は今回の着工を見送る。ただ、福井駅は整備新幹線の予算(100億円超)を使って、高架化を行う。
<九州・長崎新幹線>
・博多-新八代間は今の予定より2年ほど早い2010年度に開業する。
・武雄温泉-諫早間は来年度に着工し、2017年度に開業する。
(参考:Web東奥 http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2004/0428/nto0