北海道新幹線は札幌駅を過ぎてもトンネルの中

 北海道新幹線の終着駅、札幌駅は地下につくられるという話があります。「地下案」というもので、これが実現すれば新小樽を出てしばらくすれば、ずっと札幌駅まで地下のままです。

 札幌駅が北側のターミナルということは、ここで車両清掃などの出発準備も行うということなのですが、それはどこで行うのでしょうか? もともと、地上に駅ができる「現駅案」、「東側案」では、札幌駅の東隣の苗穂駅付近に、車両の整備をすることができる留置施設をつくります。「地下案」になると違います。いろいろな構造物があるので(新幹線の札幌駅は、駅南側の北5条・手稲通を通る予定です)、地上に上げることは難しいのです。どうやら、札幌駅から苗穂駅付近に伸ばすのではなく、建設費を抑制するために、駅の東側に簡単な設備をつくるだけにとどめるのです。すべて地下で完結させるのです。

 東北新幹線等の東京駅のように、車内清掃などの準備をホームで行うことも考えています。1時間に1本か2本ならばそれで良いのでしょうが、需要が増え、本数が増えると、それでは対処できません。西の新小樽駅もトンネルとトンネルの間で、厳しそうです。幸い、新幹線が通るのは、地下鉄東豊線よりも10メートルほど低い、地下30メートルです。東に伸ばしても支障となるものはありません(北5条・手稲通は札幌駅の少し東で途切れますが、高い建物はなさそうで、苗穂駅方面に伸ばすことはできそうです)。嬉しい誤算として、東のほうに留置設備を増強するしかないのでしょうか?
(参考:北海道新聞ホームぺージ https://www.hokkaido-np.co.jp/article/137960)

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長崎新幹線、どのように整備するかは2018年度以降に先送り

 27日のことですが、長崎新幹線の整備手法を検討する、与党の検討委員会が開かれました。そこで検討委員会は国交省に対して、2018年3月末までに長崎新幹線に全線フル規格やミニ新幹線を導入した場合の建設費や投資効果などを調べて報告することを求めました。当初予定していたフリーゲージトレインも再調査します。全線フル規格(佐賀空港を経由する話もあるようです)、ミニ新幹線(改軌中は長期間列車の運行を止める必要があります。JR九州の話によれば、佐賀までの需要の多い区間でも、何か月も列車の運行を止めないといけないようです)、フリーゲージトレインの3つが考えられています。

 調査する項目は、建設費、投資効果、収支採算性、山陽新幹線の乗り入れの可否、着工までの期間及び完成までの工期、並行在来線の取り扱いなどです。地元負担の見積もりの試算を求めた委員もいました。検討委員会は国交省から報告を受けて、2018年度以降に長崎新幹線の整備方針について決めます。また、フリーゲージトレインについては、新たな摩耗対策を実施することを求めます。メッキを厚くするなどの改良を施した台車で実験を行います。フリーゲージトレインは通常の新幹線に比べて2倍ほどのコストがかかりますが、コストの削減を目指すとのことです。長崎新幹線に導入することはできなかったとしても、フリーゲージトレインの開発は続くのです。どこかで使えるかもしれませんから、研究を続けること自体は悪いことではありません。

 ただ、フル規格、ミニ新幹線、フリーゲージトレインの3つを比較するのには意味がありません。当然、予算の制約がなければ、全線フル規格の方が鉄道として優れているのは明らかです。それなのになぜフル規格新幹線に進まないのかと言えば、負担増を恐れる佐賀県が反対しているからです。佐賀は博多に近く、新幹線をつくる気になれないのです。結局のところ、佐賀県を説得できればフル規格にするのが良く、そうでなければ、乗り換えも要らないし、いまだに確立していない技術に頼る必要もなく、改軌の手間も要らないスーパー特急がいいでしょう。
(参考:佐賀新聞ホームぺージ http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/466859、http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/466978、日本経済新聞ホームぺージ https://www.nikkei.com/article/DGXLASJC28H41_Y7A920C1LX0000/)

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札幌駅新幹線ホームは地下になる?

 北海道新幹線の最終的な終着駅、札幌駅のどこに新幹線のホームを置くかという話については、かなり迷走しているため、当blogでも何度か取り上げていますが、新たな動きが出てきました。どうやら建設主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構とJR北海道が、札幌駅の地下にホームをつくるという、「地下案」で話を進めているのです。

 それでは、これまで議論になっていた、「現駅案」、「東側案」はどうなったのでしょうか? 「現駅案」は鉄道建設・運輸施設整備支援機構が推し、これまで第一の候補として検討してきましたが、在来線の運行本数に影響を与えます。隣の桑園付近に引き込み線をつくるなどの方法で影響を緩和しようとしましたが、桑園付近も高架線上にあるので、改修は難工事になってしまいます。「東側案」は利用者にとって不便であり、建設費も高いという欠点があります。「現駅案」の倍はするのです。今まで「現駅案」、「東側案」の2つを議論してきましたが、結論がまとまらず、第三の案として、「地下案」が再浮上したのです。「地下案」の場合、小樽市の朝里川温泉付近から長いトンネルに入り、地上に出ないまま札幌駅のホームに入ります。新しく地下鉄の下にホームをつくるため、在来線への影響はなく、しかも在来線への乗り換えも「東側案」よりも不便ではありません。

(追記)
 「地下案」にすることにより、雪対策が不要になるというメリットがありますが、建設費が高くなるというデメリットがあります。

 またホームの位置は在来線駅の真下ではなく、札幌駅南側の北5条・手稲通(東西に走る幹線道路)の地下になるようです。道路の幅が広く、ビルや商業施設の基礎部分などがなく、工事が比較的簡単なのが特徴です。ただ、地下約20メートルの地下鉄東豊線よりも深いところにつくられ、在来線駅と離れているので、在来線との乗り換えには時間がかかりそうです。
(参考:北海道新聞ホームぺージ https://www.hokkaido-np.co.jp/article/134065、https://www.hokkaido-np.co.jp/article/135498、Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170930-00010000-doshin-hok)

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佐賀県はフル規格に否定的

 フリーゲージトレインを導入する予定だったものの、安全性や経済性の観点から実用化が難しく、どのように整備するか姿が見えてこない長崎新幹線。JR九州長崎県はこの現状を踏まえて、フル規格新幹線を推進する考えですが、残る当事者の佐賀県はどのように考えているのでしょうか?

 9月19日の佐賀県議会一般質問で山口佐賀県知事は、長崎新幹線のフル規格整備について改めて否定的な考えを示しました。全線フル規格にすることにより佐賀県の負担が約800億円に膨れ上がり(県民1人当たり約10万円)、新幹線建設の財源となる貸付料収入について2060年分まですでに使途が決まっていて、建設の目途が立たないからです。並行在来線の問題も出てきます。

 さて、知事の発言から見る限り、長崎新幹線をどのように整備すべき、という考えを明らかにしていません。今のところ、建設が進んでいる武雄温泉以西をフル規格でつくり、武雄温泉で乗り換えるという「リレー方式」で話が進んでいます。ところが、途中で乗り換えを余儀なくされる「リレー方式」が容認されるのは、いずれ全線フル規格でできるからです。あくまでも暫定的なものです。ところが、佐賀県の主張が通って全線フル規格ができないのなら、「リレー方式」は暫定的なものではなく、永久に続くものとなります。博多-長崎間の所要時間は短縮しますが、乗り換えの手間も続くのです。

 佐賀県が大局的な立場から見て、フル規格を容認するのが最も好ましいですが、その見込みがないならば、長崎新幹線を狭軌のスーパー特急にして、そこで一切の整備を終えるようにしたほうがよいでしょう。武雄温泉以西の開業が2022年度なので、残された時間はあまり多くはありません。
(参考:佐賀新聞ホームぺージ http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/464869)

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JR九州は長崎新幹線をどのように整備したいと考えているのか?

 予定していたフリーゲージトレインの導入が厳しい長崎新幹線ですが、それを運営するJR九州はどのように考えているのでしょうか? 少し古い話ですが、現状でのJR九州の考えをまとめてみました。

 一応、JR九州としてはフル規格新幹線、ミニ新幹線の両方に対応できるようです。フリーゲージトレインとは違い、技術的な問題がないので、整備方針が決まれば、合わせることができるようです。

 もっとも、本音は違うようです。JR九州は、ミニ新幹線に対してはいろいろ注文を出しています。狭軌の在来線をミニ新幹線が走るようにするには、単純に軌間を広げるだけでは済まないのです。工事期間中、在来線を全く止めなくてもいいわけではないようです。橋梁の架け替えの必要もあります。これに対して、フル規格にはそういう問題は全くないのです。何を望んでいるかはよくわかります。
(参考:産経ニュース http://www.sankei.com/west/news/170801/wst1708010012-n1.html、http://www.sankei.com/region/news/170801/rgn1708010060-n1.html、佐賀新聞ホームぺージ http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/451174)

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小松や加賀温泉に「かがやき」は停まるか?

 北陸新幹線の「かがやき」の停車駅は、上野(一部通過)、大宮、長野、富山のみ。現在金沢止まりの北陸新幹線が敦賀まで延伸されると、どうなるのでしょうか?

 早くも加賀温泉のある加賀市が、「かがやき」の停車を求めて動きを見せています。国交省が敦賀以西のルートを調査した結果によれば、「かがやき」は小松を通過し、加賀温泉に停まるとなっています。しかし、「サンダーバード」の実績からみて明らかなとおり、両駅はほぼ同等で、国交省の想定通りになるとはとても思えません。

 反対に、現在の「かがやき」のように、金沢以西は福井のみに停車すると単純にみることもできないでしょう。敦賀まで延伸後、全ての「かがやき」や「はくたか」が敦賀まで延長運転されるとは限りません。一部は金沢止まりになるものがあると考えられます。そうなると、速い「かがやき」が主に敦賀まで延長され、所要時間のかかる「はくたか」が金沢止まりになる可能性が高いと考えられます。「かがやき」と言えども、お高く留まっているわけにはいかず、「はやぶさ」の盛岡以北のように一部はあちこち停まるのかもしれません。また、金沢の空港は金沢市内にはなく、小松にあります。ライバルの航空機に完全勝利するためにも、「かがやき」を小松に停めるのかもしれません。

 ただ、「かがやき」をあちこち停めるようになると、今度は全車指定席であることが壁となります。「サンダーバード」や「しらさぎ」に自由席があることを考えると、どのようにするかははっきり言って難問です。どうやって解決するか、北陸新幹線敦賀延伸に伴うダイヤの概要が明らかになるまで、楽しみにしておきましょう。
(参考:Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170829-00517517-hokkoku-l17&pos=1)

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フリーゲージトレインには信号トラブルもあった

 長崎新幹線で導入する予定でしたが、運行を行うJR九州が否定的な見解を示しているフリーゲージトレイン。フリーゲージトレインがうまくいかなかった理由として、車軸の摩耗の問題やコストの問題が挙げられていますが、ほかにも原因があったのです。

 それは信号のトラブル。鉄道で安全を確保するためには、列車がどこを走っているかを知っておく必要があります。鉄道ではそれを2本のレールで行っています。2本のレールの間には、人体に影響しない程度の微弱な電流が流れています。列車が走ると、車輪や車軸で2本のレールがつながり、電気回路が構成されます。これによって列車の位置を検知することができるのです。これによって列車同士の衝突を防ぎますし、踏切で警報機が鳴ったり、遮断機が下りたりするのも、この原理を使っています。

 しかし、フリーゲージトレインではこの検知がうまくいかない事例が発生したのです。普通の鉄道車両だと車輪と車軸がつながっていますが、フリーゲージトレインの場合は車軸の間を車輪が動く構造となっています。標準軌でも狭軌でも走ることができるようにするためですが、これがために普通の鉄道車両に比べて電気が伝わりにくいのです。

 このトラブルは2008年から2009年にかけて日豊線で行われた試験で発生していました。これを解決するため、鉄道・運輸機構は電圧を高めて電気を伝わりやすくするようにしました。しかしこれには逆の問題も発生します。電圧を高めすぎると、雨の日に列車が走っていないのに列車が走っていると勘違いして、踏切の遮断機が下りることがあるのです。線路にたまった雨水がレールの電気を通してしまうのです。結局、レールを磨いたらこのようなトラブルが解消しました。レールの上のさびや汚れは電気を通しにくくするのです。現実には、フリーゲージトレインは1日に何回も走るので、特段の対策はしなくてもいいようです。

 とは言っても、極めて確率が低いとはいえ、列車が衝突したり、遮断機が下りないというトラブルが起きていいわけではありません。事故の元です。少なくとも現状では、フリーゲージトレインの実用化はまだ早いのでしょう。
(参考:東洋経済オンライン http://toyokeizai.net/articles/-/182392)

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まだ北海道新幹線札幌駅の場所でもめている

 北海道新幹線の最終的な終着駅、札幌駅の位置をめぐって建設主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構とJR北海道が対立していることは当blogでも何度か記事にしましたが、あれからどうなったのでしょうか?

 結論から言えば、まだもめています。鉄道建設・運輸施設整備支援機構は「現駅案」を推していますが、「現駅案」だと、ホームが減る在来線への支障を減らす対策工事が思ったよりも難工事となるようです。JR北海道がいったんはあきらめた「東側案」は在来線への支障はほとんどありません。駅の完成時期も「現駅案」よりも1年余り早い2029年12月です。しかし、建設費が「現駅案」よりも上がり、在来線との乗り換えが不便になります。もっとも離れた新幹線車両からの距離で見ると、「現駅案」は約100メートルのところ、「東側案」は約250メートルにもなります。

 このようなことから、いったんは消えたはずの「地下案」まで復活しています。技術的な問題はありませんが、建設費は上がるようです。このような状況では、決まるのはまだまだ先になりそうです。
(参考:Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170813-00010000-doshin-hok)

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長崎新幹線、長崎県はフル規格化賛成、佐賀県は反対

 長崎新幹線の整備方針を決める与党の検討委員会は、運営会社のJR九州と地元の長崎県、佐賀県に意見を聞いています。このうちJR九州については以前に記事にしましたが、28日は長崎県と佐賀県に意見を聞きました。

 中村長崎県知事は、フリーゲージトレインの実現が怪しくなったことを受けて、これまで財源面などで否定的であったフル規格による全線建設が望ましいとしました。全線フル規格にすると当然建設費は上がり、現在の5000億円から倍増すると言われています。建設期間も伸びることになり、財源が足らないことから(「増やせばいい」という話はともかくとして)北海道新幹線や北陸新幹線もつくることから全線開業は20年以上先になるとも言われています。「リレー方式」はあくまでも暫定的なものと考えています。これに対して山口佐賀県知事は、実質的な地元負担が現在の225億円から800億円以上に増えることから、全線フル規格化は佐賀県の財政負担が増えない限り反対しています。ただ、在来線の軌間を広げて新幹線を走らせるというミニ新幹線については話があれば対応するとのことでした。

 JR九州、長崎県、佐賀県に考えかたの違いはいろいろありますが、共通しているところがあります。長崎新幹線をつくることによって関西直通が実現するということです。この点を考えたら、「のぞみ」、「さくら」などが時速300キロで走る山陽新幹線で、時速300キロを出すことができないフリーゲージトレインは失格で、フル規格新幹線かミニ新幹線しか採る案はないということでしょう。ただ、九州新幹線で直通の実績があるフル規格はともかく、JR西日本にはないミニ新幹線については、実際に導入できるかどうかを調べないといけないでしょう。直通運転の相手先であるJR西日本に意見を聴取したほうが良いでしょう。

 今後の予定としては、8月の次回会合で、国交省からフル規格とミニ新幹線の費用や工期についての説明資料の提示を受けます。結論が出るのは9月以降になるようです。
(参考:朝日新聞ホームぺージ http://digital.asahi.com/articles/ASK7X53QZK7XTIPE01Q.html?rm=538、佐賀新聞ホームぺージ http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/450427)

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JR九州、長崎新幹線フリーゲージトレインの運営は困難と表明

 長崎新幹線はフリーゲージトレインを導入することが考えられています。ところが、その肝心のフリーゲージトレインの雲行きが怪しいです。

 長崎新幹線が開業すれば、それを実際に運営するのはJR九州。25日、与党の整備新幹線建設推進プロジェクトチームの検討委員会でそのJR九州が意見を述べる機会があり、青柳社長が出席しました。その中で青柳社長は、フリーゲージトレインについて、安全性が確保されていないこと、及び車両の維持や修理にコストがかかることから、今の時点で運営するのは難しいという見解を示しました。車両の維持や修理に通常の新幹線より年間で約50億円追加でかかり、採算が合わないのです。代わりにJR九州が推しているのは、全線フル規格。確かにフル規格新幹線なら経験は充分にあり、関西まで新幹線の効果を波及させることができます。

 与党のプロジェクトチームは28日に佐賀県と長崎県から意見を聞き、8月中に方針を決める予定です。
(参考:NHKホームぺージ http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170725/k10011074171000.html、日本経済新聞ホームぺージ http://www.nikkei.com/article/DGXLASDF25H09_V20C17A7EE8000/、産経ニュース http://www.sankei.com/economy/news/170725/ecn1707250024-n1.html)

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