与党も長崎新幹線のフリーゲージトレインを断念

 長崎新幹線は、フリーゲージトレインを導入するのが前提の新幹線でした。ところが、フリーゲージトレインの技術は確立しておらず、2022年度の武雄温泉-長崎間の開業時点では、武雄温泉で乗り換える「リレー方式」を採用します。

 その後、将来的にはフリーゲージトレインを導入することとされていましたが、運行会社のJR九州は反対し、国交省が3月に公表した検討結果でも、フリーゲージトレインを導入することによってJR九州の収支が悪化するとの結果が出ました。また、フリーゲージトレインは新大阪に直通することが期待されていましたが、それが不可能であることが判明しました。

 そんな中、与党サイドからも、長崎新幹線のフリーゲージトレイン導入は事実上無理だという見解が出ました。長崎新幹線に関する与党の検討委員会を務める山本衆議院議員の発言なので、重いです。長崎新幹線の整備方法はいまだに決まっていませんが、フリーゲージトレインはない、と考えていいでしょう。そうなると、長崎新幹線の完成形はフル規格かミニ新幹線のどちらかということになるでしょうが、万難を排して全線フル規格新幹線にしておきたいものです。高速道路を走る車程度のスピードでは、じり貧になるだけなのです。
(参考:日刊工業新聞ホームぺージ https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00473109)

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長崎新幹線、フル規格なら肥前山口に駅はつくらない?

 長崎新幹線の未着工区間である新鳥栖-武雄温泉間をどのようにするかが問題となっていますが、もしフル規格になった場合、途中の停車駅はどこにできるのでしょうか?

 国交省が3月30日に発表した検討結果によれば、新鳥栖-武雄温泉間(約50キロ)につくられる駅は、フリーゲージトレインとミニ新幹線の場合は佐賀と肥前山口、フル規格ならば佐賀のみです。かなり前に書いた話の通り、肥前山口に駅ができないのです。現状では特急の主要停車駅である肥前山口が、フル規格新幹線になると何もなくなるのです。

 それでは、なぜフル規格新幹線だと肥前山口に駅ができないのでしょうか? それは、隣との間隔が短くなるからです。肥前山口に駅を設けると、駅と駅の間隔が10キロ台になってしまうのです。現実には、東京-品川間、近くでも新鳥栖-久留米間のように駅間の距離が短いところはいくつかありますが、そういうところで駅ができるのは、それなりの理屈があります。肥前山口が距離の短さを覆すほどの町ではないということでしょう。どうしても駅が欲しいのなら、地元がお金を出さないといけません。

 肥前山口にとってフル規格新幹線は避けたいものでしょうし、肥前山口がある佐賀県も1100億円という追加負担(肥前山口を追加すれば、さらに増えます)を嫌って、フル規格には否定的です。ただ、このまま「かもめ」を走らせても未来があるわけではありません。在来線だとそう速くはないので、価格競争に陥ってしまうのです。フル規格新幹線になればその速さは他を圧倒します。フル規格新幹線になれば料金は上がるでしょうし、それを嫌ってバスに流れる人もいるでしょう。ただ、急ぎたい人にとっては少々高くても、フル規格新幹線は魅力的な交通機関です。対大阪でも航空機といい競争ができます。50キロほどをつくることによって絶大な効果が生まれることはすでに明らかですから、ぜひともフル規格新幹線を実現させたいものです。
(参考:佐賀新聞ホームぺージ http://www.saga-s.co.jp/articles/-/207812)

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京都府民、北陸新幹線新大阪延伸は賛否両論

 北陸新幹線の最終的な目的地は大阪。ここまでちゃんとつくらないと、北陸新幹線は真価を発揮しません。今の東京-金沢間だけでも十分利用されていますが、しょせんは東京と北陸を結ぶだけの、ローカル新幹線です。

 そのためにつくられるのが北陸新幹線敦賀-新大阪間。米原で東海道新幹線に乗り入れることができたらそれでもよかったのですが、それは事実上不可能で、新大阪まで直通させるためには完全に新たな線路を敷かないといけません。決定したルートは小浜、京都、京田辺(松井山手)を経由するもので、総事業費は2.1兆円。京都府の負担は公式の試算はありませんが、福井県の試算では1600億円、単純に距離や駅数で決めると2000億円台と言われています。1年で払うものではありませんが、それなりの金額になります。

 この北陸新幹線について京都新聞がアンケートを行いました。その結果、肯定的な意見が45.7%(「時期を前倒しすべきだ」10.8%+「予定通り」34.9%)、否定的な意見が45.8%(「費用が大きく再検討を」31.6%+「不要なので中止を」14.2%)と賛否が分かれました。

 確かに新幹線建設にかかる負担は大きいです。だからと言って、今さら建設に反対するのは遅すぎます。すでに北陸新幹線が金沢まで開業しているからです。東京方面だけ便利になって、関西にはむしろデメリットしかない、北陸新幹線です。建設に反対するなら、北陸新幹線が金沢まで伸びる前に反対しておかないといけなかったのです。急勾配区間の高崎-軽井沢間だけをフル規格でつくり、軽井沢-長野間はミニ新幹線で完了させておけばよかったのです。もしくは北陸新幹線が金沢まで伸びる前に、京都府や大阪府の建設費を北陸3県に負担させ、しかも大阪側から建設させておけばよかったのです。それができない以上、フル規格新幹線はお金がかかってもつくらないといけません。

 すでに東京側だけ新幹線ができた弊害は出ています。生徒が関西の大学を選ばないようになっているのです。北陸3県の進学校(各県3校ずつ。富山は富山、富山中部、高岡。石川は金沢大附属、金沢泉丘、小松。福井は藤島、高志、武生)が関西の難関私学である関関同立に合格した人数が減っているのです。北陸新幹線開業前の2014~2015年の平均と開業後の2017~2018年の平均を比べると、減っているのです。もちろん、これだけでは正確な比較ができませんが、優秀な生徒が関西を選ばない傾向にあることは見えるでしょう。

 今の在来線でも特急は結構速く、不便なことはありません。しかし、新幹線という誰にでもわかりやすいものがないということだけで、敬遠されてしまいます。「関西が衰退し続けてよい」というのなら構いませんが、そうでない限り北陸新幹線をつくらないという選択はあり得ません。北陸3県が負担をしてくれればよいのですが、東京からの新幹線が開業してしまった以上、期待はできません。北陸新幹線の建設を阻止できなかった以上、お金をかけてでもつくらないといけません。もしくは京都駅経由をあきらめ、亀岡経由でコストの削減を図るしかありません(ただその場合でも決定はすぐにしないといけません)。2040年代半ばという開業予定もはっきり言って遅いです。一刻も早く着工して、開業させないといけません。
(参考:京都新聞ホームぺージ http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20180404000100、AERA.dot https://dot.asahi.com/wa/2018040300041.html?page=1)

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長崎新幹線フリーゲージトレイン、国交省も新大阪直通をあきらめる?

 長崎新幹線は武雄温泉-長崎間を建設中ですが、2022年度に「リレー方式」で完成してもほかのフル規格新幹線とつながらない、離れ小島の新幹線になります。博多-武雄温泉間を整備しない限り。そこで博多-武雄温泉間の整備のありかたについて議論されていますが、3月30日、国交省から参考となる資料が出されました。以前、があったものです。

 博多-武雄温泉間の整備方法は3つあります。(1)フリーゲージトレイン (2)フル規格新幹線 (3)ミニ新幹線(単線並列、複線三線軌の2パターン。狭軌が乗り入れできるようにしています。なお、鳥栖-佐賀間の輸送密度が31420人(2016年度)と山形新幹線や秋田新幹線に比べて大きいことから、列車を完全に運休して施工することは考えていません) です。この3つについて費用、投資効果、収支採算性等について検討していきたいと思います。「リレー方式」による整備以降に追加で必要になる費用は、(1)博多で新幹線と在来線のホームをともに利用する場合は800億円、博多で新幹線ホームのみを使う場合は1400億円 (2)6000億円 (3)単線並列なら1700億円、複線三線軌なら2600億円(単線並列なら5年、複線三線軌なら9年の改軌期間中は単線での運行となり、普通列車を中心に所要時間が伸びたり、ラッシュ時には運行本数の減少が必要になったりします。仮線を設置し、複線で運行しながら改軌を行えば、その分費用はかかります。単線並列なら2900億円、複線三線軌なら3400億円です) です。工期と開業見込みは、(1)約9年、2027年度 (2)約12年、2034年度 (3)単線並列なら約10年、2032年度。複線三線軌なら約14年、2036年度。フリーゲージトレインも車軸のメッキ厚の増加等の新たな対策を施せば、技術的には問題ないようです。2019年度に着工することができるフリーゲージトレイン以外は環境アセスメントが必要なことから、2023年度にならないと着工できません。山陽新幹線への乗り入れは、(2)、(3)なら可能です。つまり、国交省自身が、フリーゲージトレインなら山陽新幹線に乗り入れできないことを認めたのです。

 博多-長崎間の所要時間は、「リレー方式」なら1時間22分(最速、以下同)のところ、(1)1時間20分 (2)51分 (3)単線並列なら1時間20分、複線三線軌なら1時間14分 です。新大阪-長崎間は、「リレー方式」なら4時間のところ、(1)3時間53分 (2)3時間15分 (3)単線並列なら3時間44分(ここには表れていませんが、待ち合わせがあるため特に普通列車で所要時間が伸びています)、複線三線軌なら3時間38分 です。投資効果を計算すると(「リレー方式」との比較)、(2)は3.3、(3)は単線並列なら3.1、複線三線軌なら2.6です。(1)の試算は今回、なされていません。なお、新大阪のホームはすでに逼迫しているので、九州方面からの折り返し用に地下に新たなホームをつくることも考えているようです(九州新幹線と併合して16両で乗り入れたら、地下にホームをつくる必要はなさそうですが)。この費用は計算には入っていませんが、便益には含まれています。そのため、実際の値は低くなることが予想されます。ただ、貸付料の参考となる収支改善効果(年平均)は、(1)-20億円 (2)88億円 (3)単線並列なら9億円、複線三線軌なら2億円 です。フリーゲージトレインは技術的な問題が解決しても、経済的には採用できないのです。

 どう考えても最良の解はフル規格新幹線建設です。フリーゲージトレインは問題外ですし、ミニ新幹線も建設費は安いですが、時間短縮効果はフリーゲージトレインと変わらず、橋梁が多い等の理由で改軌の手間がかかります。ただ、今回の試算によってこれまで約800億円とされてきた佐賀県の負担はさらに膨らみ、約1100億円となります。現在の仕組みでは佐賀県に大きな負担がのしかかり、全体から見て望ましくないことですが、拒否することもできてしまいます。今回の結果を見れば、フル規格新幹線でない限り、新しい幹線鉄道をつくる価値がないことは明白ですが、佐賀県に拒否されたときのことを考え、武雄温泉-長崎間を狭軌でつくったときの試算をしておくべきでしょう。
(参考:国交省ホームぺージ http://www.mlit.go.jp/common/001229421.pdf、日本経済新聞ホームぺージ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2882546030032018LX0000/)

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山梨県富士川町、リニアにフード設置を求める

 ほとんどがトンネルに覆われるリニアですが、ところどころトンネルのない、明かり区間を走るところがあります。ただ、明かり区間は騒音が問題になります。

 そんな中、山梨県富士川町は2月に沿線住民(リニア軌道の左右400メートルの住民、事業所の代表者、土地所有者の2665人)にアンケートを行いました。51.6%の1375人から回答を得たのですが、回答者の85%がリニアの軌道に防音防災フードの設置を求めていることが判明しました。特に住宅の多いところでフードを求める声が多かったです。景色を見ることができないのは残念ですが、騒音が問題となる以上、東西を高速で結ぶ手段で、車窓を楽しむものではない、と割り切るしか仕方がないのでしょうか?
(参考:産経ニュース http://www.sankei.com/region/news/180323/rgn1803230031-n1.html)

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リニア中央新幹線の大深度地下は50キロ

 品川-名古屋間286キロを建設中のリニア中央新幹線ですが、首都圏と中部圏で、通常利用されない空間である大深度地下を使用します。大深度地下とは、地下室の建設のための利用が通常行われない深さ(地下40メートル以下)、建築物の基礎の設置のための利用が通常行われない深さ(支持地盤上面から10メートル以上深い)に該当するところです。それでは、実際にどの区間を大深度地下として利用するのでしょうか?

 JR東海が国交相に3月20日付で認可申請した内容によれば(大深度地下の利用ができるのは、公共の利用に供するものに限られます。しかし、大深度地下は通常利用しないため、用地買収の必要がありません。大深度地下の使用の認可を受けたいときは、法令の規定により使用許可申請書を提出しなければなりません)、首都圏が東京都品川区北品川三丁目から町田市小山町までの33.3キロ(地下41メートルから地下121メートルの範囲)、中部圏が春日井市坂下町四丁目から名古屋市中区丸の内一丁目までの17.0キロ(地下43メートルから地下113メートルの範囲)を大深度地下として使用します。合計して約50キロです(当初の計画は55キロでしたが、若干短くなりました)。品川駅は大深度地下の範囲ですが、橋本駅(?)や名古屋駅は大深度地下の範囲ではありません。

 大深度地下の使用を求めるのは、鉄道では初めてです。認可申請を受けた国交相は、書類を審査し、半年をめどに認めるかどうか決定をします。
(参考:JR東海ホームぺージ http://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000036710.pdf、毎日jp https://mainichi.jp/articles/20180321/ddq/041/020/016000c、レスポンスホームページ https://response.jp/article/2018/03/20/307464.html)

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北海道新幹線札幌駅は「修正東側案」で決まりか?

 いろいろな案が浮かんでは消えていった、北海道新幹線札幌駅の位置。どうやら、「修正東側案」に決まりそうです。これまで「修正東側案」を支持していたJR北海道ぐらいで、地元の北海道や札幌市も「修正東側案」を支持するようになったからです。

 それでは、なぜ北海道や札幌市が「修正東側案」を支持するようになったのでしょうか? 高橋北海道知事が21日の記者会見で、コスト面や技術面(新幹線と在来線を結ぶ連絡橋を架けることができるか、ということです)の課題が解決されることを前提に「修正東側案」を支持することを明らかにしましたが、その理由は、外国人観光客の増加を考えると、駅には余裕を持たせたほうが良いと考えたからです。札幌市についても、20日に島田JR北海道社長が秋元札幌市長と面会し、もともと「現駅案」を支持していた札幌市に「修正東側案」を理解してもらうことができました。

 「修正東側案」のメリットは何でしょうか? 実は道路のアクセスが良いのです。北海道新幹線札幌駅の下に国道5号線が走り、北に行くと高速道路の札幌北インターチェンジがあるのです。北海道新幹線札幌駅から高速道路を使って、北海道各地に行くことができるのです。

 ここで、おさらいを兼ねて、「修正東側案」の概要を説明します。新設するホームは2本で、いずれも263メートルの長さがあります。1本が出発専用、1本が到着専用で、乗り間違うことはありません。駅舎は現在の札幌駅の東にでき、3階建てです。2階がホーム、1階が新幹線専用の切符売り場や改札、新幹線客向けの待合室などを置きます。3階には在来線の乗り換え改札を置き、在来線の駅とをつなぐ連絡橋を設けます。これによって、新幹線と在来線の客を分離するようです。

 もっとも、すでに指摘しているように、「修正東側案」では在来線との乗り換えが不便になります。最上級車両の「グランクラス」がある10号車からだと、約340メートルもあります。一番高い料金を払う車両が、一番不便なのです。そこで、その状況を逆手に取った対策も考えています。10号車付近にエレベーターを設け、VIP専用の駅舎をつくるという話もあります。そのVIP用駅舎には、貴賓室や車寄せもつくるようです。VIP様なら、在来線に乗り換えることは少なく、札幌から御車での移動となることでしょう。

 ともかく、北海道新幹線札幌駅についてはいろいろ言いたいことはありますが、決定に向けて進んでいるというのは悪い話ではないでしょう。いつまでたっても決まらないという、最悪の事態ではなくなるのですから。

(追記1)
 JR北海道が「現駅案」を避けたがっているのは、1、2番線の下が店舗となっていて、新幹線建設に伴い閉店せざるを得ない(つまり、販売収入が減る)からだと見る見解があります。

(追記2)
 北海道新幹線札幌駅の位置について、3月29日、「修正東側案」に正式に決まりました。総事業費は645億円で、「現駅案」570億円との差額はJR北海道が負担します。
(参考:北海道新聞ホームぺージ https://www.hokkaido-np.co.jp/article/166413、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/economy/20180222-OYT1T50081.html、Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180222-00000007-mai-soci、ITmediaビジネス ONLINE http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1803/09/news058_2.html、毎日jp https://mainichi.jp/articles/20180330/k00/00m/040/175000c)

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松山-大分間新幹線は途中3駅設置、最短36分、1日32往復

 夢のような構想とも思える、松山と大分を結ぶ新幹線。大分市は熱心で、いろいろ情報を提供しています。

 大分市は2016年12月に公表した1次調査で、豊予海峡に橋を架けるか、トンネルを掘るのかについて比較しました。その結果、トンネルを整備したほうが事業費を抑えることができ、かつ既存の技術で対応することができると結論付けました。1月10日に公表された2次調査においては、事業費が最も低い単線の新幹線のみに絞って、ルート及び中間駅、運行ダイヤのモデル、営業損益などを分析しました。

 松山-大分間は146キロ、中間駅は3つつくるとしています。大洲市または八幡浜市付近、愛媛県伊方町付近、大分市佐賀関付近です。単線なので駅ですれ違いますが、それを下り(松山→大分)優先として計算すると、松山-大分間の所要時間は、下りの直行が36分、下りの各駅停車が59分、上りの直行が42分、上りの各駅停車が52分となりました。運行本数は1日に32往復です。車両は「さくら」用のN700系8両編成を考えています。ルートが若干具体的になりましたので、車両を含めた建設事業費は1次調査より60億円上がって6860億円となりました。

 果たしてこの新幹線、採算が取れるのでしょうか? 驚く数字が出ています。費用便益は1.19~3.30と1を超えるので、整備費用を見込める効果があるとしています。北海道新幹線や九州新幹線を参考にして運行経費等を計算すると、年間の営業費用は141億円(運行経費や車両の減価償却費が主体で、インフラの建設費や維持管理費は含んでいません)。黒字にするには1日当たり約6800人が使えばいいのですが、1次調査によれば、1日約1.8万人が利用するとしています。この試算の通りにいくならば、初年度から黒字が見込めるようです。

 大分市としては、大分県が推進する東九州新幹線とともに、事業化の前提となる整備計画路線への格上げを狙っています。
(参考:大分合同新聞ホームぺージ http://www.oita-press.co.jp/1010000000/2018/01/11/JD0056512847、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/kyushu/news/20180129-OYS1T50033.html、日本経済新聞ホームぺージ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25892730Z10C18A1000000/)

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北海道新幹線札幌駅に「修正東側案」

 少し前にも北海道新幹線札幌駅の場所についての記事を書いたところですが、JR北海道はまた新しい案を提示しました。

 9日に札幌市内で開かれた会議に出席したのは、建設主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構、JR北海道、国、北海道、札幌市です。その席上、JR北海道が提示したのは、「修正東側案」というもの。創成川通にまたがるので、少し前にあった「大東案」と言われるものです。

 それでは、「修正東側案」とはどういうものでしょうか? 札幌駅の東側に、在来線ホームと重ならないように2面2線のホームをつくります。島式の「現駅案」とは異なります。新幹線ホームは2階にあり、3階に乗り換え用のコンコースをつくります(1階には外と行き来できる、新幹線用の改札が設けられます。3階に上がれば、外から在来線に行くこともできます)。コンコースを介して、在来線のホームに行くことができます。ただ、駅の東側にできるため、在来線ホームへの距離は長くなります。「現駅案」では新幹線ホームの中央から在来線5、6番ホーム中央までの移動距離は約80メートルで済みますが、「修正東側案」では新幹線ホームの中央から在来線5、6番ホーム中央までの移動距離は約210メートルにもなります。新幹線ホームの東端だと、さらに長くなります。地下鉄も南北線に乗り換えるのならば、長くなります。

 ただ、「修正東側案」にはメリットもあります。ホームの幅が広いのです。「現駅案」の1面2線の島式ホームは、最も広いところでも10メートルですが、「修正東側案」の到着ホームの幅は最大12.4メートル(西の端は9.4メートル、東の端は4.4メートル)、出発ホームの幅は8.4メートルと広くなっています。今後のことを考えて、利用客の増加にも対応できるとしています。このことから、JR北海道は「修正東側案」を採ることによるコスト上昇分(「現駅案」約570億円、「修正東側案」約625億円)を負担してでも、「修正東側案」を採用してもらいたいとのことです。

 「現駅案」についても改善がなされています。これまで「エアポート」の増発に対応しにくいという指摘がありましたが、信号設備の追加や発寒中央への待避線設置によって、1日26本増発しても、そのほかの在来線列車への影響は最小限に抑えられるようです。

 今後は、工費が多額である「東側案」(約940億円)と「地下案」(約1600億円)を除外して、「現駅案」と「修正東側案」の2つから選ぶことになりますが、いつになったら決まるのでしょうか? 一応、3月末までに決めることになっていますが、まだまだ迷走しそうです。
(参考:毎日jp https://mainichi.jp/articles/20180210/k00/00m/040/170000c、北海道新聞ホームぺージ https://www.hokkaido-np.co.jp/article/163283/、https://www.hokkaido-np.co.jp/article/164777、建設通信新聞ホームぺージ https://www.kensetsunews.com/archives/157838)

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北海道新幹線札幌駅問題、JRは「東側案」よりさらに東を考えている

 北海道新幹線の最終的な終着駅は札幌駅ですが、その場所については以前にも書いたように迷走を続けています。しかも、小さな町ならともかく、札幌を無視することはできません。

 しかも、建設主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構とJR北海道は対立したままです。鉄道建設・運輸施設整備支援機構は札幌駅に併設する「現駅案」を主張していて、その欠点である在来線への影響を、設備の増強で回避することを考えています。一時は23本の列車が減らされるとされていましたが、解消に向かっています。

 これに対してJR北海道は「東側案」の欠点のひとつである工費の増加を解消するため、「東側案」よりさらに東に新幹線駅をつくろうとしています。札幌駅の現在位置より約200~300メートル東、創成川を東西にまたぐところにつくるもので、「大東案」と言われています。実はこの「大東案」、2年前に在来線との乗り換え距離が長いことから検討対象から外されていたのですが、復活させることにしたのです。「大東案」のメリットは、JRタワー周辺の改修工事が要らないところ。これで工費が膨らむのを防ぐのです。「大東案」の工費は「現駅案」の450億円超とほとんどかわらないようです。

 それにしても「大東案」は、かなり在来線駅から離れたところにあります(新幹線ホームから在来線に直接つながる跨線橋を整備するようですが)。地下鉄の駅からも不便で、乗り換えには手間がかかりそうです。札幌駅の位置を早く決めないといけないのですが、できれば「大東案」は避けたいところです。
(参考:北海道新聞ホームぺージ https://www.hokkaido-np.co.jp/article/159517、https://www.hokkaido-np.co.jp/article/161886、HBC NEWS http://news.hbc.co.jp/6d3171516f82247efa6d64b615a76598.html)

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