北陸新幹線、財務省は貸付料を多く取るように求める

 北陸新幹線の敦賀以西のルートはようやく決まりましたが、問題となるのは莫大な建設費。新大阪まで直結できるという利便性を重視したため(米原で乗り換えを迫られたり、あまりにも遠回りとなったりするルートはその点で落選しました)、約2兆円もします。今のままでは開業まで30年もかかってしまいます(実際にはもう少し早いと思いますが、それでも20年はかかってしまうでしょう)。

 そこで財務省から出ているのが、JR西日本に高額の貸付料というかたちで負担させるという案なのです。貸付料は運営会社が損しないように設定するものなので、不思議な話といえば不思議な話なのですが、JR西日本との交渉次第で何とかなると踏んでいるのでしょう。実際に開業するまでの間、このような交渉が続くものと思われます。

 話は変わりまして、北陸新幹線敦賀開業時の話。この敦賀開業時に対応して、福井県は小浜線の高速化を国に要望しています。

 小浜線は敦賀と東舞鶴を結ぶローカル線で、電化はされたものの、普通列車のみの運行に留まっています。敦賀-東小浜間(46キロ)に58分、東小浜-東舞鶴間(38キロ)に50分かけています。北陸新幹線敦賀開業時の二次交通としても、北陸新幹線全線開業時(東小浜に駅ができる予定です)の二次交通としても、心もとないです。路盤の強化や快速運行のための待避設備などが高速化のメニューです。風雨による運行停止を防ぐための防風柵やシェルターの設置も求めています。
(参考:日本経済新聞ホームぺージ http://www.nikkei.com/article/DGKKZO17596570T10C17A6PP8000/、中日新聞ホームぺージ http://www.chunichi.co.jp/article/fukui/20170608/CK2017060802000027.html、福井新聞ホームぺージ http://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/203267)

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長崎新幹線、フリーゲージトレインの導入を見送りか?

 長崎新幹線は、新幹線(武雄温泉-長崎間)と在来線(博多-武雄温泉間)を乗り継ぐ「リレー方式」で2022年度に暫定開業し、2025年度以降にフリーゲージトレインでの全面開業を目指しています。博多-新鳥栖間は九州新幹線に乗り入れ、新鳥栖-武雄温泉間は在来線を活用します。

 この長崎新幹線を運営するのはJR九州。しかしそのJR九州ですが、2025年度以降になってもフリーゲージトレインを長崎新幹線に導入しないようなのです。その理由として挙げているのが、以前にも書いたとおり、メンテナンスコストの高さ。車輪構造が複雑なので、通常の新幹線の2.5~3倍もかかるのです。経済的でないのです。

 確かに長崎新幹線は中途半端です。新大阪まで行かないフリーゲージトレインにどれほどの価値があるかはともかくとして、そのフリーゲージトレインでさえも実現が危ぶまれる状況では、新幹線をつくる意味はあまりありません。スピードは速くなるものの、博多でさえも乗り換えが必要になります。

 理想は新大阪まで直通することのできるフル規格新幹線ですが、地元負担は大幅に増えます。未着工区間は佐賀県内なので、フル規格新幹線をつくるためには佐賀県の負担は高額になります(佐賀県の負担は約800億円ですが、この9割について地方債を発行することができ、その償還には国からの地方交付税交付金を充当することができます。実質的は負担は驚くほど小さいです)。ところが、佐賀県内からの所要時間の短縮はわずかです。長崎新幹線の全線フル規格化の道のりは長そうです。武雄温泉で乗り換えを迫られる事態が長く続くだけです。
(参考:産経WEST http://www.sankei.com/west/news/170614/wst1706140071-n1.html、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/73680/6/)

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北陸・中京新幹線構想

 2日、大津市において、中部や北陸などの9県と名古屋市による中部圏知事会議がありました。そこで出てきたのが、北陸・中京新幹線という構想。2022年度末に開業する北陸新幹線敦賀駅と東海道新幹線の米原駅との間を結ぶというものです。約50キロの建設費は5900億円と想定されています。

 この区間の新幹線、すでに聞いた話です。北陸新幹線のルート案にあった「米原ルート」を焼き直ししたものです。想定された建設費も国交省が調査したデータを持ってきたのです。

 北陸新幹線の敦賀以西が「米原ルート」で決まっていたならば、わざわざこんな話は出てきません。落選したからこそ、このような蒸し返す話が出てきたのです。「米原ルート」は低コストでできるという面では優れた案だったのですが、致命的な欠点があり、採用されませんでした。その致命的な欠陥とは、たとえリニアが全線開業したとしても、北陸新幹線車両が東海道新幹線に乗り入れることができる保証がない、ということです。同じフル規格同士なのに、米原で永久に乗り換えを迫られるという危険性があるのです。

 しかも、北陸新幹線が「小浜-京都ルート」に決まった以上、北陸・中京新幹線を利用する人は少ないと考えられます。売りだった費用対便益も、北陸-関西間の旅客が使わないことから、大幅に悪化してしまいます。今さら言っても遅いのですが、北陸新幹線のルートが決まる前に、JR東海から北陸新幹線車両の東海道新幹線乗り入れの約束を取り付け、(東海道新幹線新幹線に乗り入れることによる)JR西日本の収益減対策を考えておくべきだったのではなかったかと思われます。リニアと北陸・中京新幹線を組み合わせることによって、東京-福井間はリニア、北陸・中京新幹線経由が大幅に速くなりますが、これは北陸新幹線を運営するJR西日本等にとっては好ましくない事態ですので、何かと理由をつけて否定的になると予想されます。「米原ルート」の復活ともいえる北陸・中京新幹線は、「小浜-京都ルート」自体を否定することにもなりますから。
(参考:朝日新聞6月3日朝刊 中部14版、中日新聞ホームぺージ http://www.chunichi.co.jp/article/fukui/20170603/CK2017060302000039.html)

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長崎新幹線の配線

 武雄温泉-長崎間のみが開業し、博多方面は在来線と乗り換える、いわゆる「リレー方式」の長崎新幹線。どのような配線となるでしょうか? 以前、武雄温泉付近については記事にしましたが、新幹線全線についてのものがありましたので、紹介します。

 武雄温泉-長崎間には武雄温泉、嬉野温泉(仮称、武雄温泉から10.9キロ)、新大村(仮称、武雄温泉から32.2キロ)、諫早(武雄温泉から44.7キロ)、長崎(武雄温泉から66.0キロ)の5駅ができますが、2面4線の長崎を除いては、全て2面2線です。当面の乗換駅の武雄温泉には長崎方に渡り線があり、新大村には車両基地があるため、新大村の武雄温泉方にも渡り線がありますが(早朝や深夜などには、新大村-長崎間の区間運転便もできるかもしれません)、残る嬉野温泉と諫早にはポイントは全くありません。

 武雄温泉以西のみの部分開業にとどまっている間はともかく(九州新幹線の部分開業時代のように、途中駅を通過する列車はあっても、追い越すことは考えられないでしょう)、将来は博多まで全線フル規格でできる可能性があることを考えると、どこに追い越し設備があったほうがよさそうです。しかし、駅数のバランスから考えて追い越し設備を置くのに一番よさそうな嬉野温泉は、駅の前後がトンネルになっていて、設置できるスペースはなさそうです。
(参考:鉄道・運輸機構ホームぺージ http://www.jrtt.go.jp/03Tender/pdf/c20170322K.pdf)

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リニア奈良県内の駅をめぐり、大阪の国会議員も意見

 リニアの奈良県内の駅の設置場所については、いくつか候補があります。奈良市、大和郡山市、生駒市の学研都市周辺で駅を誘致する動きがあります。この中で一番有力なのは大和郡山ですが、これに対して否定的な意見が外野から出ています。

 声の主はとある大阪の国会議員。実は大和郡山は荒井奈良県知事の出身地で、大和郡山にリニアの駅を置こうとするのは、そのためだというのです。代わりにその国会議員は、リニアの奈良県内の場所として学研都市がいいとしています。

 その国会議員の発言は荒井奈良県知事の機嫌を損ねるものかもしれませんが、大阪側のターミナルが新大阪にできることを考えると、大和郡山は南に寄りすぎているきらいがあります。奈良県内の論理ではなく、関西全体のバランスを考えるとリニアの駅は奈良市の北の学研都市が望ましいでしょうが(生駒市内の学研都市は鉄道でのアクセスに難があるので望ましくないです。大阪府東部や京都府南部にもアクセスしやすいことが求められます)、奈良県から出て京都府内に入ってしまいます。奈良県にとっては面白くないでしょうが、明らかに京都市よりも奈良市のほうが近いのであれば、リニアの駅が京都府内になってもやむを得ないと考えられます。
(参考:MBSホームぺージ http://www.mbs.jp/news/kansai/20170525/00000065.shtml)

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北陸新幹線敦賀駅は乗り換え時間約5分

 北陸新幹線の次の開業区間は金沢-敦賀間。2023年春開業予定です。

 しかし、次の終点の敦賀に用のある人は少なく、大半の人は乗り換えに使う駅です。北陸新幹線と関西方面などへの在来線特急のスムーズな乗り換えができることが望まれます。一番いいのはフリーゲージトレインによる直通ですが、九州での実験が難航しているため、前に進んでいません。敦賀にあった軌間変換装置もいつの間にかなくなっていたのです。次善の策としては、新幹線ホームに在来線が乗り入れることですが、新幹線と在来線の高低差が20メートルもあります(以前よりは若干低くなったようですが)。新幹線が福井寄りのところが国道8号線のバイパスをまたぐためです。新幹線ホームへのスロープをつくると大掛かりなものになってしまいます。

 そこで「サンダーバード」、「しらさぎ」などの在来線特急を新幹線ホームの真下に乗り入れされることにしました。エレベータで移動することもでき、シミュレーションを行った範囲では、在来線特急が下に乗り入れたら5分で乗り換えることができます。通常のように在来線特急を現行のホームから発着させた場合に比べて6分の時間短縮が図られるようになったのです。ただ、新幹線と(特急以外の)在来線の間の距離は200メートルもあります。「動く歩道」でスピードアップを図ります。

 北陸新幹線が開業しても在来線特急を引き続き福井まで走らせることを求めるがあります。新幹線ホームの真下に乗り入れた在来線特急用の線路を再び北陸線に接続すればいいのですが、それなりの工事になります。期待は薄いでしょう。また、敦賀止まりにすれば交直流電車にする必要はなく、「サンダーバード」等も「こうのとり」や「くろしお」などと同じように、直流で対応できるのです。福井まで延長するとややこしくなるだけなのです。
(参考:福井新聞ホームぺージ http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/super_expless/121271.html)

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北陸の宿泊客、65%も敦賀開業を知らない

 北陸新幹線の次の開業区間は金沢-敦賀間。終点の敦賀ではフリーゲージトレインは採用されないようなので、敦賀に用事があってもなくても乗り換えることになります。

 ところで、北陸新幹線の次の開業区間が金沢-敦賀間であることはどれぐらい知られているのでしょうか? 実はすでに調査が行われています。敦賀市がJTB中部福井支店に委託して、2016年8~9月に、北陸新幹線富山、新高岡、金沢駅周辺に宿泊した人を対象にアンケートを行っていたのです。3か所の合計で約310人から回答を得ました。

 それによれば、約76%が敦賀を訪れたことがなく、約65%が敦賀まで開業することを知らなかったようです。地域別にみると、金沢の数字が特に悪く、敦賀を訪れたことのない人は95%、敦賀まで開業することを知らない人は75%もいました。富山や新高岡に比べて数字が悪いのはなぜでしょうか? 敦賀で知っていることを挙げさせても、何も思い浮かばないようで、一番多いのは原発の29人。観光地に至ってはもっと低く、133人の関東からの客で回答があったのはたった1人だけでした。気比神宮を挙げています。

 2年前の金沢に比べると、どうしても敦賀の知名度は劣ります。しかも北陸新幹線が敦賀まで開業しても、東京-敦賀間は東海道新幹線経由のほうが速いのです。東京からだけの視点で言えば、北陸新幹線のほうが速いのは福井までで(リニアが開業するとリニアを経由するほうが速いかもしれませんが、乗り換えが3つもあるので、直通の北陸新幹線のほうが好まれるでしょう)、少なくとも福井-敦賀間は関西との所要時間短縮以外には意味のない新幹線です。北陸新幹線が敦賀まで開業すると、北陸-関西間の所要時間は確かに短縮しますが、乗り換えの手間が増えます。30年後などと悠長なことは言わずに、一刻も早く北陸新幹線を新大阪まで全線開業させるのが望ましいです。
(参考:福井新聞ホームぺージ http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/super_expless/119698.html)

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敦賀の軌間変換装置、廃止されていた

 北陸新幹線の次の延伸区間は金沢-敦賀間。大阪まで一気に完成することができず、軌間が異なることから敦賀で乗り換えないといけません。

 そこで考えられているのが、フリーゲージトレインの導入。軌間変換装置を敦賀に設け、新幹線と在来線を直通するのです。JR西日本は2014年に敦賀に実験線を設け、試験台車の走行実験が約1万往復分行われました。

 ところが、この敦賀の軌間変換装置の実験線、廃線になっていたのです。九州でのフリーゲージトレインの本格的な試運転が中断されたままで、実用化のめどが立っていないため、敦賀のほうでも試験車を導入しないまま、実験線を廃止してしまったのです。

 実験線の跡地は駅の一部になるということですが、これは敦賀に軌間変換装置を置くことはない、ということでしょうか? 敦賀以西のフル規格新幹線のルートが決まり、新大阪までフル規格で直通できる目途が立ったので、(まだ実用化に至っていない)もうフリーゲージトレインは要らないということでしょうか?
(参考:「鉄道ファン」2017年6月号 交友社)

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北陸新幹線、福井先行開業を断念、白山駅も追加せず

 北陸新幹線金沢-敦賀間は2023年春の開業予定なのですが、このうち金沢-福井間を先行開業するというがありました。

 この話自体、無茶ななところがあったのですが(国交省は技術的な面から否定的でした)、与党の整備新幹線建設促進プロジェクトチームは、2016年度中に用地買収を終えておくことを条件に、金沢-福井間を先行開業させることができるという決定をしていました。

 ところが、3月末までにすべての用地買収ができないことから、福井までの先行開業を断念することとなりました。石川県境から福井までの用地取得率(面積ベース)は3月2日現在、福井市が92%、あわら市が93%、坂井市が39%となっています。坂井市の値は極めて低いです。ちなみに、石川県内(白山市-福井県境)の2月末時点での数字は93%でした。もともと福井先行開業は「おらが県に新幹線を」という無理なところがあったので、できなくても仕方がないでしょう。

 さて、延伸区間の金沢-敦賀間には白山市内に新幹線駅(白山駅)を追加するという話がありました。しかし、近隣の新幹線ができる駅(小松、加賀温泉、芦原温泉)に比べて明らかに在来線での実績が見劣りし、JR西日本も駅の追加に否定的だったこともあり、断念することになりました。駅を追加する必要性がなかったので、見送りは妥当なところでしょう。
(参考:福井新聞ホームぺージ http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/super_expless/116902.html、朝日新聞ホームぺージ http://www.asahi.com/articles/ASK3H05M7K3GPLFA011.html)

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北海道新幹線、札幌駅「地下案」再浮上?

 北海道新幹線を札幌までの全線開業させるためには、終着駅札幌駅のどこに新幹線ホームを置くかを決めないといけません。実は2030年度に開業させるためには、3月までにホームの位置を決め、2017年度の早い時期に詳細な設計に着手しなければならなかったのです。それが今なお決まっていないのはこれまで当blogに書いてきた通りです。

 札幌駅での新幹線ホームの位置はこれまでに2案に絞られていました。建設主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構の推す「現駅案」と、JR北海道の推す「東側案」です。ところが、JR北海道はこれまで推してきた「東側案」を撤回する方針です。その理由は、建設費の高さ。「現駅案」だと約450億円かかりますが、「東側案」はJRタワーなどの耐震化工事などの分がさらにかかるからです。建設当時は問題なかったのですが、その後に改正された建築基準法に合わせるため、370億円かかります。鉄道建設・運輸施設整備支援機構はこれらの費用負担をJR北海道に求めていますが(JR北海道は200億円負担することになります)、経営が厳しいJR北海道にそれを負担する能力はありません。札幌市への手続きも時間がかかるようで、「東側案」になった場合、2030年度に開業できるかどうかわかりません。そこで、「東側案」をあきらめることにしたのです。

 こうなったら、「現駅案」で決定かと言えば、そうではないようです。JR北海道は「現駅案」について、ホームの幅が狭く、在来線に影響が出ることから否定的です。JR北海道は外国人観光客の増加のために快速「エアポート」の増発をしたいと考えていますが、「現駅案」に決まると、それができないのです。むしろ、在来線列車を23本減らさないといけないのです。

 JR北海道が新たに出したのが、「地下案」。すでに廃案になったものを掘り返したのです。ただ、現状ではまだ言っただけで、工費や工期についての検討は行われていません。もう大人しく「現駅案」を受け入れ、そのなかでいかにマイナス面を小さくするかを考えたほうが賢明かと思われます。
(参考:UHBニュースホームぺージ http://uhb.jp/news/?id=1366、北海道新聞ホームぺージ http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0378906.html)

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