未着工区間及び長崎新幹線が見直しの対象に
前の記事の続編みたいな記事です。
民主党政権になり、あらゆる事業が見直しの対象になってきます。整備新幹線も例外ではありません。東北・北海道新幹線八戸-新函館間など、すでに着工されていて、おおよその開業時期も決まっている区間については見直しの対象にもならず継続されますが、北海道新幹線新函館-札幌間などの未着工区間については、見直しの対象になります。未着工区間が建設を希望するときは、地元が需要予測をしないといけません(これまでは国が行っていました)。また、長崎新幹線については、すでに着工されている武雄温泉-諫早間についても見直しの対象となり、長崎新幹線で導入される予定であるフリーゲージトレインについても再検討されます。
ただ、整備新幹線の未着工区間は建設する価値がある区間です。北海道新幹線の場合は、スピードアップが前提ですが、羽田-新千歳間の航空機にも対抗できます。北陸新幹線は、需要の多さが魅力。関西と北陸の間を9両編成(多客期は12両もあり)の「サンダーバード」「雷鳥」が1時間に1~2本走っています。在来線時代の「あさま」とほぼ同等の数字です。北陸新幹線は西に行けばいくほど需要が増えますので、金沢止まりにするほうがもったいないのです。北海道新幹線や北陸新幹線(大阪までの全線をつくることが前提ですが)は、国の骨格となる新幹線。国も地方の需要予測作りに協力をする必要があります。これまでの整備新幹線の予測は、厳しい目にさらされ、適切なものになっていますから。失敗したものはありません。
長崎新幹線も5~6両編成の「かもめ」が1時間に1~2本とそれなりに多いですが、部分的な建設にとどまるため、所要時間の短縮はそれほどでもありません。実現が疑わしいフリーゲージトレインの導入を前提としているのも大きなマイナスです。北海道新幹線や北陸新幹線とは違い、「幹」から外れているのも低い評価にとどまる原因です。
新幹線が開業すると在来線の乗客が減ることを否定的にとらえる民主党議員もいますが、在来線の利用者が減るのは当たり前のことです。もともと在来線は、特急の利用者で稼いでいたのです。普通列車は採算の取れない部門です。その普通列車だけで採算を取ろうとすると、どうしても運賃が上がってしまいます。ちょっとのお金を出せば、新幹線に乗れるのです。たとえば、盛岡-八戸間のIGRいわて銀河鉄道・青い森鉄道の運賃は2960円。これに対して、新幹線は特急料金(立席、空いていれば座ることができます)を加えても3410円です。たった450円しか変わりません。盛岡-二戸間で比較しても、両者の差は870円です。長距離の客は、まず新幹線に移行します。在来線をJRのまま維持したければ、運賃を値上げして、新幹線利用者にも薄く広く負担してもらうしかないのです。長野新幹線の場合、在来線の賃率を幹線から地方交通線に値上げすれば、在来線はJRのままで維持できた、という話もあります(特殊な区間の横川-軽井沢間はともかくとして)。この場合、営業キロが在来線のものをそのまま利用したとしても、東京-長野間の新幹線の運賃の上昇はありません。ルートの都合上、新幹線のほうが若干遠回りであることと、営業キロの区切りの関係からです。
結論としては、(1)北海道新幹線・北陸新幹線は、全線開業を前提に建設を進める。北陸新幹線金沢暫定開業で不便になる大阪方面については、特急の富山までの直通は維持する。(2)長崎新幹線は、オリンピックが来ない限り、(1)が完成するまでの間、建設はしない。オリンピック招致に成功したら、フル規格で急いで建設する。 この方針でよいのではないでしょうか?
(参考:47NEWS http://www.47news.jp/CN/200910/CN2009102001001037.html、NIKKEI NET http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20091023AT3S2301123102009.html、asahi.com http://www.asahi.com/politics/update/1023/TKY200910230268.html、「未来鉄道2020年 新線鉄道計画徹底ガイド 西日本編」 川島令三著、山海堂)


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