北陸新幹線、福井先行開業を断念、白山駅も追加せず

 北陸新幹線金沢-敦賀間は2023年春の開業予定なのですが、このうち金沢-福井間を先行開業するというがありました。

 この話自体、無茶ななところがあったのですが(国交省は技術的な面から否定的でした)、与党の整備新幹線建設促進プロジェクトチームは、2016年度中に用地買収を終えておくことを条件に、金沢-福井間を先行開業させることができるという決定をしていました。

 ところが、3月末までにすべての用地買収ができないことから、福井までの先行開業を断念することとなりました。石川県境から福井までの用地取得率(面積ベース)は3月2日現在、福井市が92%、あわら市が93%、坂井市が39%となっています。坂井市の値は極めて低いです。ちなみに、石川県内(白山市-福井県境)の2月末時点での数字は93%でした。もともと福井先行開業は「おらが県に新幹線を」という無理なところがあったので、できなくても仕方がないでしょう。

 さて、延伸区間の金沢-敦賀間には白山市内に新幹線駅(白山駅)を追加するという話がありました。しかし、近隣の新幹線ができる駅(小松、加賀温泉、芦原温泉)に比べて明らかに在来線での実績が見劣りし、JR西日本も駅の追加に否定的だったこともあり、断念することになりました。駅を追加する必要性がなかったので、見送りは妥当なところでしょう。
(参考:福井新聞ホームぺージ http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/super_expless/116902.html、朝日新聞ホームぺージ http://www.asahi.com/articles/ASK3H05M7K3GPLFA011.html)

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北海道新幹線、札幌駅「地下案」再浮上?

 北海道新幹線を札幌までの全線開業させるためには、終着駅札幌駅のどこに新幹線ホームを置くかを決めないといけません。実は2030年度に開業させるためには、3月までにホームの位置を決め、2017年度の早い時期に詳細な設計に着手しなければならなかったのです。それが今なお決まっていないのはこれまで当blogに書いてきた通りです。

 札幌駅での新幹線ホームの位置はこれまでに2案に絞られていました。建設主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構の推す「現駅案」と、JR北海道の推す「東側案」です。ところが、JR北海道はこれまで推してきた「東側案」を撤回する方針です。その理由は、建設費の高さ。「現駅案」だと約450億円かかりますが、「東側案」はJRタワーなどの耐震化工事などの分がさらにかかるからです。建設当時は問題なかったのですが、その後に改正された建築基準法に合わせるため、370億円かかります。鉄道建設・運輸施設整備支援機構はこれらの費用負担をJR北海道に求めていますが(JR北海道は200億円負担することになります)、経営が厳しいJR北海道にそれを負担する能力はありません。札幌市への手続きも時間がかかるようで、「東側案」になった場合、2030年度に開業できるかどうかわかりません。そこで、「東側案」をあきらめることにしたのです。

 こうなったら、「現駅案」で決定かと言えば、そうではないようです。JR北海道は「現駅案」について、ホームの幅が狭く、在来線に影響が出ることから否定的です。JR北海道は外国人観光客の増加のために快速「エアポート」の増発をしたいと考えていますが、「現駅案」に決まると、それができないのです。むしろ、在来線列車を23本減らさないといけないのです。

 JR北海道が新たに出したのが、「地下案」。すでに廃案になったものを掘り返したのです。ただ、現状ではまだ言っただけで、工費や工期についての検討は行われていません。もう大人しく「現駅案」を受け入れ、そのなかでいかにマイナス面を小さくするかを考えたほうが賢明かと思われます。
(参考:UHBニュースホームぺージ http://uhb.jp/news/?id=1366、北海道新聞ホームぺージ http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0378906.html)

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山田京都府知事は松井山手経由でも御不満?

 北陸新幹線京都-新大阪間についてはルートが2通り考えられました。箕面市付近を経由する「北回り」と学研都市を経由する「南回り」なのですが、「南回り」は費用対効果が1を下回り、事業として採用することができませんでした。

 これを解決するのが、突如出てきた松井山手経由の「南回り」。所要時間、料金、建設費などのデータを見ても「北回り」と遜色なく、これまで費用対効果の面から「北回り」が望ましいとしてきたJR西日本も松井山手経由での「南回り」を容認する考えです。

 しかし、この松井山手経由での「南回り」を不満に思っている人がいます。山田京都府知事なのです。その理由は、松井山手経由だと京田辺経由よりも京都府内での経済効果が小さいから。独自の試算によれば9割程度に留まるようです。京都府も松井山手経由には反対しないものの、負担については京都府内の利益に応じて出すとのことです。

 確かに京都府の考えとしては大阪府との境にある松井山手よりも、京田辺市中心部のほうが京都府内の経済効果は大きいでしょう。しかし、比較的直線に近い松井山手経由だからこそ、費用対効果が1を上回り、JR西日本など関係他社の理解を得られるようになったのです。北陸新幹線で一番大事なことは、京都府内に最大限の利益をもたらすことではなく、新大阪まで乗り換えなしで直通することです。この大事を前に一致団結しなくてはなりません。大体、「サンダーバード」は京都府内は京都にしか停まりません。それなのに京都以外の新幹線駅を求めるのはぜいたくで、松井山手にできるだけでも良しとしなければなりません。学研都市とのアクセスとしては、知事も指摘しているように、学研都市線の複線化をしないといけないでしょう。日中、木津-同志社前間が30分間隔では少なすぎます。

 北陸新幹線が「南回り」になるのに伴い、リニアも松井山手を経由することを期待する声があります。しかし、柘植JR東海社長は、松井山手が奈良市付近から離れていることを理由に、否定的な考えです。確かにその通りですが、新大阪付近では建設費の節約のためにリニアと一体的に工事をすることも考えてもよいでしょう。
(参考:Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170310-00000034-kyt-bus_all、産経WEST http://www.sankei.com/west/news/170309/wst1703090082-n1.html)

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北陸新幹線は松井山手経由

 北陸新幹線敦賀以西は「小浜-京都ルート」になりましたが、京都-新大阪間はまだ決まっていません。その京都-新大阪間で新たな動きがありました。国交省から京都-新大阪間の調査結果が発表され、どうやら「南回り」が採用されるようなのです。

 「南回り」は3パターンあります。精華・西木津地区経由、新田辺駅・京田辺駅付近経由、そして新たに登場した松井山手駅付近経由です。最初の精華・西木津地区経由は費用対効果が0.93と低く、しかも奈良県を通るため、消えてしまいました。次に出た新田辺駅・京田辺駅付近経由も住宅密集地を通ることなどから費用がかさみ、費用対効果は0.97となりました。よって、「南回り」で採用されるのは松井山手駅付近経由です。この松井山手駅付近経由は、JR西日本が推す「北回り」より若干悪いものの、遜色ありません。所要時間(松井山手に停まらない場合でも、約30秒増えます)、運賃・料金(約3キロ長い分、運賃等が上がるところもあります)、概算建設費(約300億円高い約2.1兆円です)ともにほぼ同じで、費用対効果は「北回り」の1.08より若干悪い1.05です。結論ありきかもしれませんが、採用できるだけの数字を持ってきました。松井山手は京都府内にありますが、大阪府に隣接するところです。枚方など学研都市線沿線の利用者も見込めます。近くを第二京阪が走っており、車でのアクセスも良好です。地価も比較的安く、車両基地を設けることのできる土地も確保できます。ちなみに駅は、地上にできるようです。

 今後は13日に京都府、大阪府、JR西日本などの意見を聞いたうえで結論をまとめ、15日の与党整備新幹線建設促進プロジェクトチームで最終決定します。

(追記)
 北陸新幹線は京都の中心部を南北に貫いて走ります。地下を通りますが、地下40メートルより深いところを走るので、遺跡の問題はないようです(遺跡は地下10メートルほどまでです)。ただ、地下水の問題は出てくることもあるようです。
(参考:国交省ホームページ http://www.mlit.go.jp/common/001174926.pdf、京都新聞ホームぺージ http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20170307000013、http://www.kyoto-np.co.jp/economy/article/20170307000165、日本経済新聞ホームぺージ http://www.nikkei.com/article/DGXLZO13793850X00C17A3LKA000/、福井新聞ホームぺージ http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/super_expless/116686.html、MBSホームぺージ http://www.mbs.jp/news/kansai/20170315/00000057.shtml)

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敦賀駅は上下乗り換えに

 北陸新幹線金沢-敦賀間は2022年度に開業しますが、最終目的地の新大阪まで全線開業するまでは敦賀で在来線特急に乗り換えることになります。北陸新幹線が新大阪までつながるのは2046年(実際にはもっと早くなるとは思っていますが)、それまでの間は敦賀での乗り換えを強いられます。敦賀-新大阪間は「小浜-京都ルート」なので、名古屋方面は永久的に乗り換えです。

 実は敦賀での新幹線と在来線の接続方法については決まっていませんでした。認可はフリーゲージトレインの導入が前提となっているようですが、どんなにうまくいっても2022年度末には間に合わないというのはみなさんも御存じの通りです。かと言って、新幹線ホームから在来線ホームに約200メートルも歩かせるわけにはいきません。

 そこで出てきたのが、新幹線の真下に在来線特急用のホームをつくり、エレベータなどで乗り換えさせる方法です(先ほども書いたように、認可はフリーゲージトレインの導入を前提にしたものなので、変更が必要になります)。新幹線ホームの真下に在来線特急用のホームをつくるのは100億円以上かかりますが、これまで敦賀での新幹線と在来線の接続方法が決まっていないため、敦賀市が駅東側に整備する駅前広場の都市計画が進みませんでした。これが国交相の発言によってようやく前に進むことになりますが、逆に言えばこの新幹線の真下乗り入れで、フリーゲージトレインの導入はさらに難しくなったと言えます。フリーゲージトレインを導入するためには、在来線から新幹線ホームに乗り入れるための連絡線の建設が必要となりますから。

 福井県側には、フリーゲージトレインの運行ができない限り、在来線特急を福井まで運行させるよう求めるがあります。新幹線が開業すれば並行在来線の需要は減りますから(開業10年後の2033年度の乗車人数は、2015年度に比べて1割以上減少するとのことです)、在来線特急の乗り入れはありがたい話です。しかし、それは無理というものです。それができるのなら今でも「サンダーバード」は富山まで直通しているはずです。北陸新幹線が金沢より西に伸びるのは、失礼なところもありますが福井に魅力があるからではなく、先に大阪があるからです。大阪がなければ金沢以西の延伸はかなり後回しになっていたことでしょう。
(参考:福井新聞ホームぺージ http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/super_expless/115094.html、http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/super_expless/113506.html、http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/railway/115475.html)

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リニア橋本駅建設の障害が高圧送電線?

 リニア中央新幹線の神奈川県内の駅は、相模原市緑区の橋本駅近くにできるようです。ところが、リニアの駅建設に障害となるものがあります。

 それは高圧送電線。近くの東京電力橋本変電所から送電線が伸び、多摩地区や横浜方面に電力を供給しています。高さ50メートルを超える鉄塔約20本が駅予定地やその周辺にあります。リニアの駅は地下にできますが、地上に出る部分もあります。作業スペースもいります。そのためには鉄塔を撤去しなければなりません。JR東海は駅予定地にある鉄塔を移設する方針で、すでに東京電力とは交渉を進めています。

 ただ、この移設も簡単にできるものではありません。駅予定地周辺には東京都区内のように高圧送電線を移設することができる地下溝がありません。仮に開削して埋めると巨額の費用がかかるようです。神奈川県からの委託を受けて三菱総合研究所が2012年3月にまとめた調査では、約100億円かかるとされています。
(参考:産経ニュース http://www.sankei.com/life/news/161226/lif1612260009-n1.html)

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北陸新幹線敦賀延伸、大幅な前倒しは難しいとのこと

 北陸新幹線金沢-敦賀間は2022年度末に開業する予定ですが、その前倒しを求める声があります。ところが、それは難しいようです。

 石井国交相が9日に発言した内容によれば、金沢-敦賀間を年単位で前倒しするのは、物理的に難しいとのことです。これはどうしようもありません。ただ、石井国交相もできるだけ早く開業したいとの考えは持っているようなので、2022年度末を2022年末に早めるなどのことはあるかもしれません。
(参考:時事ドットコム http://www.jiji.com/jc/article?k=2017010900266&g=eco)

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滋賀県知事、北陸新幹線京都-新大阪間の建設に疑問

 北陸新幹線敦賀以西のルートが小浜市を経由して京都駅に行く「小浜-京都ルート」に決まったはずなのに(京都-新大阪間のルートは未定、2016年度中に結論)、話を蒸し返すのがいます。それは滋賀県知事。北陸新幹線の京都-新大阪間について、二重投資になるので、本当に必要なのか、疑問だというのです。

 北陸新幹線敦賀以西建設の目的は、北陸と関西を直結することです。北陸と関西を乗り換えなしで結ぶことが求められるのです。滋賀県の支持する「米原ルート」はこの要件を満たさなかったので、採用されなかったのです。北陸新幹線はリニアが全線開業できてから開通するものです。リニアの開業によって東海道新幹線に若干の余裕ができるかもしれませんが、それでも直通できません。これでは採用されないのは当然です。

 ルートが決まる前なら、それぞれ支持するルートの長所、ほかのルートの短所を述べ、何とかして自分の主張するルートにしようとすることは当然の行動です(もっとも、滋賀県には、着工した新幹線新駅の建設を中止させた「前科」があります。このことがJR東海等の心証を悪くしていることは充分に考えられます。新幹線新駅の建設を中止した、嘉田県政を否定するという総括をしない限り、話に応じてくれなくても文句は言えないでしょう)。しかし、ルートが決まった今となっては遅いのです。単にルート争いに負けて、腹いせに決まったルートの足を引っ張るだけの行動と解されても仕方がありません。北陸新幹線ができなければ関西全体の不利であり、厳に慎まないといけません。

 足を引っ張るのは隣の京都府も同じです。どう考えても遠回りの「舞鶴ルート」が否定された腹いせでしょうが、知事らしからぬ態度を見せています。決まった「小浜-京都ルート」に不満を見せ、負担の軽減を要求しています。「小浜-京都ルート」は北陸と大阪が便利になるルートで、京都にはメリットがないというのです。もちろん、「小浜-京都ルート」が京都駅を通るという理由で、その考えは誤っています。京都にもちゃんとメリットがあるのです。京都がそんなに渋るのなら、コストを削減するために、京都を通らず、亀岡あたりを通したほうがいいのかもしれません。以前の「若狭ルート」を復活させるのです。
(参考:Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170111-00000028-mai-soci、産経WEST http://www.sankei.com/west/news/161229/wst1612290033-n1.html、京都新聞ホームぺージ http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20161215000141)

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北海道新幹線札幌駅の位置、2016年中には決まらなかった

 北海道新幹線札幌駅のホームをどこに置くかは以前から当blogでも何回か取り上げました。ところがその位置の決定時期はだんだん遅くなっていき、延期が繰り返されました。2016年12月27日にJR北海道、鉄道・運輸施設整備支援機構が行った協議でも決まらず、2016年中には決まりませんでした。

 なぜ決まらなかったのでしょうか? それは、「東側案」、「現駅案」のいずれも、問題点や疑問点がたくさん出て、協議を続けざるを得なかったからです。期限は特に決まっておらず、協議を続けることになります。

 何が問題なのでしょうか? 「東側案」は建築基準法改正により、JRタワーの耐震化などの改修工事が必要となります。駅に隣接する駐車場の改修も必要で、工費が膨らみます。「現駅案」に比べて、少なくとも100億円、工費が増えます。「現駅案」にも欠点がないわけではありません。ホームや改札付近の設備などが不十分とされています。
(参考:北海道新聞ホームぺージ http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0352826.html)

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リニア名古屋駅の改札、ゲートタワーにも

 リニア中央新幹線の名古屋駅は、地下30メートルのところにできますが、改札は2か所にできるようです。

 ひとつは、東海道新幹線の北口改札と併用します。そしてもうひとつは、4月に全面開業するJRゲートタワーの地下に設けるのです。新幹線と併用するほうはリニアと乗り換える客、JRゲートタワーの地下は地下鉄、名鉄、近鉄と乗り換える客のためでしょう。名古屋市及びその近郊に住んでいる人、名古屋にビジネスで用事がある人は、JRゲートタワーにある改札を使うことでしょう。
(参考:朝日新聞ホームぺージ http://www.asahi.com/articles/ASJDX3V2NJDXOIPE009.html、日本経済新聞ホームぺージ http://www.nikkei.com/article/DGXLASFD28H1J_R31C16A2CN8000/)

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