黒岩神奈川県知事、リニア車両基地への回送線の旅客化を求める

 リニアの神奈川県内の車両基地は、相模原市緑区の鳥屋地区というところにできます。リニアの駅も同じ相模原市内にできますが、かなり離れています。

 そこで黒岩神奈川県知事は、この車両基地への回送線の旅客化を求めています。車両基地の近くには宮ケ瀬湖などの観光地があり、車両基地を活用することで地域振興につなげたいとしています。

 もっとも、旅客化するためにはお金が必要です。JR東海とそのあたりの調整は行っているのでしょうか?
(参考:カナロコ https://www.kanaloco.jp/article/entry-175681.html)

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北陸新幹線南越駅のまちづくり計画は開業後に先送り

 北陸新幹線は2023年春に金沢-敦賀間が開業します。途中にいくつか駅ができますが、新しくできるのは南越駅だけで、残りは在来線駅との併設です。

 在来線と併設する駅は現在でも特急停車駅であり、今と同じところに行けば新幹線に乗ることができます。しかし、南越駅は今までと全く違う、新しいところにできます。新幹線開業後に武生駅や鯖江駅に行っても、普通列車が来るだけです。不便なところもありますが、考えようによっては何もないところからまちづくりができるという長所もあります。

 さて、南越駅の場所は北陸道の武生インターチェンジのあたりです。国道8号線にも近く、農地が広がっています。こういうところに新幹線の駅がポンとできると、無秩序な開発がなされることは目に見えています。そこで駅一帯を都市計画法に基づく特定用途制限地域に定め、乱開発を制限しています。

 その後、南越駅周辺をどのように整備するつもりでしょうか? 南越駅周辺のまちづくり計画を決める越前市の策定委員会は、2023年の駅開業時は最低限のものしか整備せず、駅周辺の開発は2030年ごろ、あるいは北陸新幹線新大阪開業時に先送りすることにしました。2023年の段階ではコンビニ、喫茶店、宿泊施設、レンタカー店などを整備するだけです。先送りというとマイナスのイメージがあり、また2023年の開業時には寂しい駅前となることは確実ですが、新幹線だけの駅なので人の流れがどうなるか分かりませんし、下手にやって失敗するよりはいい、ということでしょう。

 なお、奈良越前市長は南越駅の南側にAI産業を誘致するとの考えを持っています。越前市の得意とする製造業をさらに強化するという狙いもあるようです。
(参考:福井新聞ホームページ https://this.kiji.is/506743401881699425?c=296807156262126689、https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/880267)

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長崎新幹線の整備方式、参院選後に先送り

 整備方針を巡って佐賀県と長崎県が対立を続けている、長崎新幹線。話が前に進みません。この長崎新幹線をどのように整備するかは6月ごろに決定する予定でしたが、まとまる気配がありません。そこで、与党の検討委員会も21日、整備方式の決定を7月に行う予定の参院選後に先送りすることにしました。

 与党の検討委員会は環境アセスメントのための費用を2020年度予算の概算要求に盛り込むため、佐賀県の理解を得て、遅くとも8月末までに整備方式を決めたいようです。しかし、参院選後1か月程度でまとまるとは思えません。

 しかも、ずっと先送りしていいわけではありません。武雄温泉-長崎間の完成が近づいているのです。部分的にフル規格の新幹線ができるのですから、全線をフル規格でつくるのが理想的です。しかし、佐賀県の理解を得ないといけません。最悪なのは、武雄温泉で乗り換えを迫られる「リレー方式」。いずれ全線フル規格になるのなら一時的な措置ということで我慢できますが、永久に乗り換えを迫られるなら客が逃げるだけです。福岡-長崎間はバスでも2時間余りで走り、本数も多いので、乗り換えがいる鉄道の代わりの手段になり得ます。佐賀県の反対でフル規格新幹線ができないのなら、武雄温泉-長崎間の開業を遅らせても狭軌でつくり直してそこで打ち切るしか仕方が無いでしょう。
(参考:産経ニュース https://www.sankei.com/region/news/190622/rgn1906220007-n1.html)

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静岡県、リニアの見返りを要求

 少し前、リニア中央新幹線の静岡県内の工事が止まっているために、開業に遅れが出る危険性があるという趣旨の記事を書きました。その続報です。

 これまで静岡県は、リニアの建設工事でトンネル内に出た湧き水を大井川に戻し、環境への影響を抑えることを求めてきました。確かにそれは考えないといけないことでしょうが、ところが11日の記者会見で川勝静岡県知事は別の要求を出してきました。静岡県内にリニアの駅ができないことから、何らかの見返りを求めるというのです。その見返りの額は、沿線の県にJR東海が自ら負担してつくる中間駅相当の金額。数百億円にも上ります。とは言ってもリニアは静岡の山奥を通りますから、リニアの駅をつくっても仕方ありません。推測の話ですが、狙いはJR東海から冷たい態度を取り続けられている静岡空港駅をつくらせることでしょうか?

 リニアと静岡県の話では、もうひとつあります。静岡県はリニア沿線の都府県でつくる建設促進期成同盟会への加盟を求めています。もしこれへの加盟が認められない場合、静岡県はリニアのルートを変更し、静岡県を通らないルートにすることを求めます。先ほどの見返りは金では解決できますが(お金持ちのJR東海なら、数百億円の負担は誤差の範囲でしょう)、これはそのレベルを超えた難問です。静岡県内を通らないようにするためには、前後を含めた大幅な変更が必要となります。すでに着工しているので、建設中のトンネルなどを放棄する必要に迫られることにもなります。頭の痛い話です。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/national/20190614-OYT1T50213/、静岡新聞ホームページ https://www.at-s.com/news/article/politics/shizuoka/644630.html)

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北陸新幹線敦賀以西のルート等、公表

 2046年ごろに開業予定の北陸新幹線の敦賀以西については、3月末に大まかなルートや駅の位置が公表されることとなっていましたが、4月になっても公表はされませんでした。ようやく5月31日になって公表されたのです。

 ルート案は駅の位置が直径5キロの円、駅間は4キロの幅で示されています。ただ、京都府内に関しては駅は直径12キロの円、駅間は最大11キロの幅で示されています。地下水や文化財への影響があるからです。ルート案を簡単に言うと、敦賀駅から小浜市を通って京都府に入ります。京都府ではまっすぐ南に進み、京都駅や京田辺市付近を経由し、新大阪駅に至ります。福井、京都、大阪の3府県の24市町が対象となります。途中駅は小浜市の東小浜駅付近、京都駅、京田辺市の松井山手駅付近の3つがつくられる予定です。京都駅は地下駅、松井山手駅は地上駅となるようです。敦賀-新大阪間の8割がトンネルです。できる限り急カーブ、急勾配を避けます。最小曲線半径は4000メートル、最急勾配は15パーミルを基本としています。活断層や脆弱な地盤のあるところ、主要な河川や湖沼、ダム湖は回避し、どうしても避けられない場合でもその距離を短くします。ラムサール条約に登録されている三方五湖や若狭湾国定公園はトンネルとし、京都丹波高原国定公園や金剛生駒紀泉国定公園を通過するときは、景観や環境保全において詳細な検討を行います。京都丹波高原国定公園はトンネルで通過しますが、美山町の芦生の森はどうやら回避するようです。京都市内(詳細は分かりませんが、京都市中心部や伏見酒造エリアは回避するようです)、大阪市内などについては地下になります。場合によっては、用地買収の必要がない大深度法の適用も検討します。京都市内においては、地下水への影響についても配慮します。

 今後の予定としては、4年ほどかけて環境アセスメントを行い、2022年の冬に詳細なルートを決定します。2023年の北陸新幹線金沢-敦賀間の開業後、速やかに着工したいとのことです。2.1兆円もの建設費をどうやって調達するのか、環境面で致命的な問題が出てこないか、並行在来線は存在するのか(もしあればどこが該当するか)、など心配事は尽きませんが、北陸新幹線は新大阪までの全線が開業してこそ効果が発揮できるものなので(現在の北陸新幹線は東京方面しかメリットはないですし、敦賀まで延伸しても途中での乗り換えが必要なので、あくまでも暫定的な措置です)、早期に着工、開業させることが望ましいです。
(参考:NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190531/k10011936481000.html?utm_int=all_side_ranking-social_002、レスポンスホームページ https://response.jp/article/2019/05/31/322986.html、京都新聞ホームページ https://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20190531000181、福井新聞ホームページ https://www.chunichi.co.jp/article/fukui/20190601/CK2019060102000007.html)

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リニアの開業時期が遅れる?

 2027年に品川と名古屋の間が開業するリニア中央新幹線。ところが、開業が遅れそうなのです。もともとリニアは2025年に開業する予定だったのですが、さらに遅れることになるようです。

 なぜ遅れることになるのでしょうか? この原因は、山梨、静岡、長野の3県にまたがる南アルプストンネル。山梨と長野ではすでに掘削工事が行われていますが、静岡では、まだ本格的な工事が始まっていません。地元自治体からトンネルの掘削によって湧き水が出て、川の水量が減ることから反発があり、本格的な工事に踏み込めないのです。そして、ついに開業予定時期にまで影響する事態になってしまいました。工事が遅れていて、今後急ピッチで工事が行われても2027年に間に合わない危険性があるというのです。

 静岡はほかの県とは違い、リニアのができません。そういう意味で見返りがないのも影響しているのでしょう。もっとも、リニアが完成しなければ、東海道新幹線はこれからも「のぞみ」中心に走らせないといけなくなります。静岡県内に停まる便を増やす余裕はなくなります。
(参考:NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190530/k10011935321000.html、朝日新聞ホームページ https://www.asahi.com/articles/ASM5Z5V2SM5ZOIPE034.html)

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整備新幹線の貸付料を50年に延長するのも悪くないかもしれない

 整備新幹線はいったん国や地方が建設費を負担してつくりますが、開業後に実際に新幹線を運営するJRから貸付料というかたちで建設費の一部を回収します。貸付料はJRの受益の範囲で設定され、その支払期間は30年間です。

 ところが、これから開業する北陸新幹線と長崎新幹線は、採算が取れません。そこで出てきた案が、貸付料の支払期間を30年から50年に延ばすという案。JRの負担を増やせば国等の負担が減り、採算がよくなるという仕組みです。

 その国の考えに対して、JR側も全く反対しているわけではないようです(今のところ意見を発表したのは、JR西日本とJR九州だけですが)。単純に31年目以降も30年間と同じ額を負担する(つまり、JRの負担が1.67倍に増える)ならともかく、受益やコストをちゃんと見積もるのなら容認するというところもあります。JR西日本は、未着工の北陸新幹線敦賀-新大阪間については、あらかじめ貸付料の支払期間を50年にするということも考えのうちに入っているようです。確かにその通りで、整備新幹線が開業して30年経ったからといって受益がなくなると言うことはありません。新幹線がある限り、半永久的に受益は発生するものですから、貸付料の支払いを30年でおしまいにするというほうが理論的には説明できないのです。なお、受益についてはその後に開業した整備新幹線も考慮に入れ、「根元受益」も反映させるべきでしょう。
(参考:日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45126640S9A520C1LX0000/、福井新聞ホームページ https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/861320)

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佐賀県、負担ゼロでも新幹線を拒否

 26日のことですが、山口佐賀県知事は、長崎新幹線のルートについての与党の検討委員会に出席しました。その席で知事は、佐賀県として長崎新幹線の整備を求めていないという意思を明らかにしました。しかも、佐賀県が新幹線の整備を求めないのは、負担が重いからではありません。与党側が佐賀県の負担軽減策を示しても、意味は無かったのです。なお、すでに武雄温泉-長崎間はフル規格での建設が進んでいますが、山口佐賀県知事は「リレー方式」が長引いてもやむを得ないという考えを示しています。

 すでに長崎県については9日に聴取を終えたので、これで地元への意見聴取はおしまいです。長崎県は全線フル規格での早期整備を求めています。与党側はこれらの意見を元に長崎新幹線の整備方針をまとめます。

 長崎線はそれなりに需要のあるところですから、フル規格新幹線で整備するのが望ましいところですが、これは厳しいことになりました。しかし、「リレー方式」が長引くのは最悪のシナリオです。少々速くなりますが、武雄温泉での面倒な乗り換えが発生し、誰も得にはなりません。部分的に新幹線化されるので値段も上がるでしょうから、バスか車に逃げるのが目に見えています。費用対効果が非常に悪いのも頷けます。「リレー方式」が許されるのは、将来フル規格新幹線が整備されるまでの暫定的な措置だからであって、長崎新幹線みたいにフル規格新幹線の見込みがないところでは導入すべきではありません。

 先ほども述べたとおり、長崎新幹線もフル規格新幹線にするのがベストです。しかし、佐賀県が強硬な姿勢を見せていますから、期限を区切ってフル規格新幹線建設の交渉を行い、それが失敗したら(少々開業時期が遅れても)武雄温泉-長崎間を狭軌にして敷き直すのがベターだと言えます。もっとも、狭軌での建設は最悪の事態を回避するためのもので、決して望むものではありませんが。フル規格新幹線でない限りそう速くはなく、競争力がないのです。在来線の未来はないのです。
(参考:西日本新聞ホームページ https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/505860/)

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長崎新幹線全線整備による佐賀県の負担額

 長崎新幹線新鳥栖-武雄温泉間をフル規格やミニ新幹線で整備した場合、通過することになる佐賀県の負担額はいくらぐらいになるのでしょうか? その試算が明らかになりました。

 まず、建設費はミニ新幹線(単線)が1800億円、ミニ新幹線(複線)が2700億円、フル規格が6200億円になります。地元の負担はこのうちの1/3ですが、それを丸々負担する必要はありません。新幹線を走らせるJR九州からは貸付料が入りますし、国から後で交付税措置というかたちで入ってくるお金があります。実質的な地元負担を計算するには、そういうものも考慮に入れる必要があります。

 それを考慮すると、実質的な佐賀県の負担は次のようになります。ミニ新幹線(単線)が190~280億円、ミニ新幹線(複線)が330~490億円、フル規格が450~660億円です。建設費に比例して負担が増えるわけではないようです。

 それはなぜなのでしょうか? ミニ新幹線とフル規格とでは収支の改善度合いが異なるのです。フル規格の建設費は確かに高いのですが、効果は絶大で、収益が見込めるのです。仮に貸付料がなかった場合、佐賀県の負担額は、ミニ新幹線(単線)が220~330億円、ミニ新幹線(複線)が330~500億円、フル規格が770~1140億円です。ミニ新幹線(複線)だと貸付料がほとんど望めず、ミニ新幹線(単線)でも多くは期待できません。これに対してフル規格の貸付料が大きく、ミニ新幹線(複線)との負担額の差は小さくなります。

 これを考えると、単線でも複線でもミニ新幹線でつくる意味はあまりなく(佐賀県は金銭負担があることを理由にミニ新幹線にも反対しています)、お金をかけていいものをつくるならフル規格、お金をとことんケチりたいなら(いったん敷きかけたレールを剥がさないといけないのですが)スーパー特急がいいということになります。なお、長崎県には佐賀県の負担を一部でも肩代わりする考えはないようです。
(参考:西日本新聞ホームページ https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/501395/)

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長崎新幹線の費用対効果は0.5

 3月29日のことですが、国交省は北陸新幹線金沢-敦賀間と長崎新幹線武雄温泉-長崎間の費用対効果について発表しました。

 それによれば、北陸新幹線、長崎新幹線ともに費用対効果は1を下回りました。投資に見合う効果がないと判断されているのです。北陸新幹線は0.9、長崎新幹線は0.5と試算されました。

 元々北陸新幹線、長崎新幹線の費用対効果は1を上回っていました(そうでないと着工されません)。2012年の着工時はどちらも1.1あったのです。どうして数字が悪くなったのでしょうか? まず人件費の上昇等によって、建設費が大きく増えました。北陸新幹線は2263億円増えて1兆4121億円、長崎新幹線は1188億円増えて6197億円になったのです。しかも、フリーゲージトレインが失敗して、思うように収益が増えません。長崎新幹線の費用対効果の前提は、武雄温泉-長崎間のみがフル規格で開業し(武雄温泉で在来線特急から乗り換え)、それで50年間営業するというものです。どう考えても利益が出るわけがありません。

 とは言っても、すでに新幹線の完成が近づいているので、北陸新幹線、長崎新幹線ともに工事を中断せずに、完成させていきます。すでに建設費をかけているので、今から中止にしてもかけた費用を無駄にしてしまい、意味がありません。北陸新幹線、長崎新幹線ともに未着工区間(敦賀-新大阪間、新鳥栖-武雄温泉間)が開業すれば、その効果は大きくなると考えられているからです。敦賀や武雄温泉での乗り換えがなくなり、座ったままで直通できるのですから、数字は良くなります。新鳥栖-武雄温泉間の費用対効果が3より大きくなるのは、その証拠です。

 すでにフル規格でつくられることが決まっている北陸新幹線はともかく、新鳥栖-武雄温泉間の整備計画が決まっていない長崎新幹線においてまず最初に必要なことは、整備計画を決めることです。もし、フル規格で行くならそれでいいのですが、それが無理なら少々長崎新幹線の開業が遅くなっても、狭軌でつくり直さないといけないでしょう。50年どころか、永久に乗り換えが必要な新幹線ができあがってしまいます。
(参考:産経ニュース https://www.sankei.com/region/news/190331/rgn1903310025-n1.html、朝日新聞ホームページ https://www.asahi.com/articles/DA3S13956822.html)

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