北陸新幹線暫定開業後の北越急行

 北越急行は、第三セクターでありながら、特急「はくたか」が13往復も運転され、首都圏と北陸とを結ぶ重要な路線です。「はくたか」の利用者は2008年度で278万人いて(開業した1997年度からみると2割程度の増加)、決算は毎年黒字。第三セクターでこれほど経営状態の良いところはそうありません。

 しかし、いくら新潟県が北陸新幹線に消極的とは言っても、何らかの妥協が図られて、北陸新幹線はいずれは開業するでしょう。そうなると北越急行は大変です。ドル箱の特急がすべて消え、ほかの第三セクターと同じように普通電車だけのものになってしまいます。2008年度で44億円あった収入も、北陸新幹線暫定開業により9割が減ってしまいます。

 北越急行は黒字続きであったため、現時点で約60億円のお金があります。来年度以降は借金の返済も終えるためにさらに剰余金の蓄積に努め、北陸新幹線の暫定開業までに100億円以上をため込む予定です。北陸新幹線暫定開業後は、社員を3割減らすなどコストの削減に努めるものの、年間4~5億円の営業赤字が出る見込みなので、100億円の剰余金の運用により、最終赤字を1.5~2億円に抑えることを考えています。ただ、これではいずれは剰余金も底をついてしまうので、何らかの方法で赤字の縮小を考えないといけません。特急がなくなると時速160キロ運転を前提とした設備がいらなくなるので、そういう設備の縮小もいるでしょう。必要な路線なら、県が補助を出すのも有用です。県が補助するのも、大都市圏や新幹線の利益をあてにばかりしているJRのローカル線とは比べ物にならないぐらい立派な態度です。記事には(特急がなくなることにより)普通電車がスピードアップし、それによる遠距離利用者の増加を期待していますが、沿線でそれなりの町は十日町ぐらいしかありません。期待はしないほうがよいでしょう。過疎地帯なので、人口はどんどん減っていくだけです。

 もっとも、北陸新幹線が暫定開業した後も、普通電車が主要駅の越後湯沢や直江津に乗り入れできるかどうかはわかりません。今はJR東日本にとっても北越急行は大切な路線ですが、普通電車だけになったら価値は下がります。JR東日本にメリットがなくなったら、乗り入れを拒否されるかもしれません。乗り入れが継続されるかどうか決まるのは、新幹線暫定開業の3か月ほど前です。
(参考:asahi.com http://mytown.asahi.com/niigata/news.php?k_id=16000000912110002)

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名松線の部分バス化はやむを得ず

 2年ぶりに日本に上陸した台風18号。この台風は、松阪と伊勢奥津とを結ぶJR名松線に大きな被害を与えました。松阪-家城間は被害が小さかったこともあり、1週間ほどで復旧しましたが、家城以遠の被害状況はかなりのものでした。そこでJR東海は、家城-伊勢奥津間の鉄道での復旧をあきらめ、今後もバスによる運行を続ける方針です。

 もともと名松線は、松阪と名張とを結ぶ目的で建設された路線でした。しかし、建設途中の1930年に、大阪と伊勢とを結ぶ参宮急行電鉄(今の近鉄大阪線・山田線の一部)が開通。最新鋭の電車が名張と松阪とを通りました。こうなると名松線の建設の意義を失います。結局、名松線は伊勢奥津で止まってしまい、名張まで全線開通することはありませんでした(伊勢奥津-名張間は三重交通のバスが運行)。

 国鉄末期には大きなピンチがありました。輸送量が極めて少ないため、廃止の対象になりましたが、並行する道路が整備されてなかったことから廃止をまぬがれました。しかし、1日5.5往復運転される家城-伊勢奥津間の代替バスが、鉄道とほとんど変わらない時間(便によっては、鉄道よりも速いものもあり)で走ることを考えれば、JRになってからの20年間で道路が整備されたということになります。「並行する道路がないから鉄道を残さないといけない」という理屈は成り立たなくなったのです(このような区間は名松線だけではありません。ほかのローカル線にも見られます)。名松線家城以遠は、地形が厳しいこともあり、安全を確保するため、急カーブや急勾配ではスピードを落とし、1時間に20ミリの雨で運転を見合わせていました。幹線ならちゃんと整備をするのですが、その必要性がなかった区間でした。多額の費用をかけて復旧したとしても、また同じように被害にあう可能性があり、復旧するだけの効果がありません。

 名松線の利用者は減り続けています。JRになってからの20年余りで、名松線全区間では約60%減りました(1日当たりの各駅の乗車人員の計は700人)。特に家城以遠の落ち込みは大きく、約80%減っています(1日当たりの各駅の乗車人員の計は90人)。細かく見ると、JR発足後10年ほどは、名松線全区間も家城以遠も同じように減り、利用者は1987年に比べてほぼ半減しました。しかし、ここ10年は、全区間でみるとほぼ横ばいであるのに対して、家城以遠はまた半減しています。バスで輸送できることは明らかです。わざわざ大金をかけて復旧させる価値はないでしょう。バスでも運賃水準が変わらない以上、赤字でしょうが、それでも復旧にお金を投じる必要がないだけ安上がりだと思われます。維持費も減ると思われます。

 鉄道での運行を止める家城以遠も、運賃は現状のものが維持されます。鉄道車両が来ないとはいえ、JR東海の一路線でありますので、正式には「廃止」に当たらないとも考えられます。名松線の厳しい現状を考えると、部分バス化はやむを得ない状況でしょう。正式に廃止され、JRから切り離され、運賃が値上げされるよりかは良いと思ったほうがよいでしょう。冷静に考えると、このようなローカル線の部分バス化に反対することはできません。
(参考:JR東海ホームページ http://jr-central.co.jp/news/release/nws000410.html、「全国鉄道事情大研究 名古屋都心部・三重篇」 川島令三著 草思社)

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富山ライトレール、部分複線化へ

 2006年4月にJRの路線を転用して開業した、富山ライトレール。もともとは1時間に1本しか来ない、赤字ローカル線でしたが、LRT化によって本数が1時間に4本に増え、また駅も増えたので、利用者は飛躍的に増えました。

 そこで、当初から準備工事はなされていましたが、富山ライトレールの一部の区間で複線化を行うことになりました。複線化される区間は、併用軌道区間の奥田中学校前電停から富山駅北方面へ約250メートルの区間。複線化される区間はたった250メートルですが、それでもダイヤの改善には役立つようです(併用軌道区間の富山駅北-奥田中学校前間でダイヤ通り5分で走るのは難しく、朝の10分間隔のダイヤのネックとなるようです)。また、複線化区間の西端に当たる八田橋東側にあらたな停留所を設けるようです。

 富山ライトレールの部分複線化及び新駅の設置のためには、道路の拡幅が必要となります。対象となる地権者は32人いますが、2人を除いては契約済みであったり、買収の了承を得ていたりしているようです(6月時点)。先に道路の拡幅を行い、その後にライトレールの改良を行いますので、部分複線化などの完成は3年後となります。

 富山ライトレールは、新しい時代の路面電車のモデルケースとなる路線です。すべての場所でこのような成功が約束できるわけではありませんが、このような成功の可能性が高いところもあるでしょう。「安かろう、悪かろう」のJRに固執する都市近郊のローカル線沿線、目先の損得しか考えずにLRT建設に反対する沿線にはぜひ参考にしてほしいです。
(参考:谷口富山市議ホームページ(富山新聞の記事もあり) http://www.t-toshikazu.net/img/pdf/1247452659.pdf、路面電車を考える館 http://www.urban.ne.jp/home/yaman/news90.htm##547)

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和歌山電鐡、1500Vに昇圧へ

 「いちご電車」など、車両をリニューアルして遊び心のあるものにする、和歌山電鐡。今週末には人気の猫、「たま」をモチーフにした「たま電車」がデビューします。

 その和歌山電鐡、今まで600Vの電圧で運行されていました。和歌山電鐡の前身は南海貴志川線でしたが、ほかの南海各線が1500Vに昇圧されたのちも、貴志川線のみは600Vのままで残りました。昇圧することにより、JRなどほかの鉄道にも乗り入れしやすくなり、電車の増便もしやすくなるようです。将来、車両を入れ替えるときも、南海高野線用の車両(高野山直通用)を大きな改造を伴わずに入れることができます。地元としてはJR紀勢線和歌山-和歌山市間、南海加太線への乗り入れを要望しているようです。

 昇圧のため、和歌山電鐡は変電所を改修します。これまで変電所は3か所ありましたが、それを1か所にまとめるとともにバックアップ設備を設けるとのことです。この改修は、和歌山電鐡が南海から引き継ぐときに、県や沿線市町(和歌山市、貴志川町(当時))との間で、県の負担で行うと決まっていたものです。改修費用として県は2.4億円をすでに計上しています。

 和歌山市はわかりますが、加太に行く要望があるとははじめて聞きました。そんな需要って、果たしてあるのでしょうか?
(参考:毎日jp http://mainichi.jp/area/wakayama/news/20090311ddlk30020357000c.html)

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「内部・八王子線サンクスきっぷ」

 近鉄四日市駅から出る、近鉄内部・八王子線は、全国的に見ても珍しい軌間762ミリメートルのナローゲージ。ほかに762ミリの軌間を採用しているのは、元近鉄の三岐鉄道北勢線と黒部峡谷鉄道だけです。ナローゲージはかつてはほかでも見られたのですが、車との競争に負け、今では貴重な存在になってしまいました。観光・産業用の鉄道である黒部峡谷鉄道以外の二つは、ともに三重県北部にあります。それなりに人口の多いところなので、なんとか廃止にならずに生き延びたのでしょう。

 さて、近鉄内部・八王子線に期間(3月2日~4月12日)・枚数(3000枚)限定ながら、1日乗り放題のフリー切符が出ました。名前を「内部・八王子線サンクスきっぷ」といいます。値段は大人のみの設定で390円、内部・八王子線の運賃は170円か220円ですから、少し遠いところまで往復すれば十分元が取れます。

 この切符は前日までに買う必要があり(発売箇所は近鉄四日市駅・内部駅のみ)、その点は不便ですが、内部線は旧東海道に沿い、見どころもいくつかあります。電車は30分間隔で運転されているので、それなりに使えます。この機会に小さな旅に出るのもいいものです。
(参考:近鉄の駅にあったパンフレット)

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ローカル線に続々新車

 山陰線(京都-城崎温泉間)、福知山線篠山口以北などに223系5500番台が投入されたのに引き続いて、2010年に完成を目指している高速化事業がおこなわれている、姫新線(姫路-上月間)にも新車が投入されることになりました。アーバンネットワークから外れた区間での普通列車用新車の投入が相次いでいます。

 姫新線に来年春から投入される新車は、キハ122系とキハ127系。1両編成のものがキハ122、2両編成のものがキハ127です(トイレありの車両となしの車両の組み合わせ)。外観は、223系の真ん中の扉をつぶしたような2扉で、稲穂をイメージした黄色と赤とんぼ(童謡「赤とんぼ」の作詞者、三木露風はたつの市の出身)をイメージした車内は、関空快速などに使われる223系0、2500番台と同じように、1列と2列の転換クロスシートが並んでいます。バリアフリー対策として、扉付近のステップをなくし、車椅子対応のトイレも設置します。車体の強度も向上させ、環境に配慮したエンジンを積んでいます。最高速度は100キロなので、高速化事業が完成すれば、スピードアップも行われます。

 ところで、旧型車両にはまだまだ大物が残っています。それは103系、大阪環状線や阪和線などのアーバンネットワークの主要路線に大量に残っています。特に特急や快速が走る阪和線では、加速の悪い103系は、ノロノロ運転の元凶。「動態保存」はローカル線でやってもらえば十分です。「昔懐かしい電車」で集客を図ることもできるでしょう。アーバンネットワークからは、一刻も早く旧型電車を追放してもらいたいです。
(参考:JR西日本ホームページ http://www.westjr.co.jp/news/newslist/article/1173812_799.html)

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伊賀鉄道・養老鉄道訪問記(5)

 多度15:57発の大垣行きに乗る。乗客はそれなりにいるが、それも次の美濃松山まで。一気に降りて、ガラガラ。日中、半分の電車が美濃松山か石津で折り返しになるのは仕方ないところか? 電車は、濃尾平野の西の縁をのんびりと走る。途中の駒野で行き違いのため10分以上停まる。もっとも、大外羽で中学生が大量に乗車し(部活か何かがあったのだろうか?)、電車は異様に騒がしくなる。

 大垣で揖斐行きに乗り換え。大垣-揖斐間も、美濃松山-大垣間と同じく日中は1時間に1本だが、朝夕は1時間に3本もある(大垣以南は1時間に2本)。名古屋や岐阜に出かけた帰りなのだろうか、椅子は割合埋まっている。ひと駅ごとに客は降りていき、辺りはだんだん暗くなる。揖斐からの折り返し電車が発車するころには、完全に夜になっていた。

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伊賀鉄道・養老鉄道訪問記(4)

 終点の揖斐まで乗ると910円かかるので、近鉄の窓口で1日乗車券(1000円)を買う。養老鉄道の大垣直通は1時間に1本だが、間に1本途中どまりの電車がある。桑名で1時間待っても仕方がないので、15:08発の石津行きに乗る。意外とよく乗っていて、途中駅どまりとは思えない。養老鉄道も伊賀鉄道と同じく、駅の案内は養老鉄道オリジナルのものに変わったが、車両は近鉄時代のまま。電車の中に掲示している路線図も近鉄と同じもの。

 多度で途中下車。しかし、多度大社に行くほどの余裕はなく、駅付近を散歩するにとどまる。(続く)

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伊賀鉄道・養老鉄道訪問記(3)

 伊賀鉄道の車両は小ぶりな2扉ロングの2両編成。近鉄時代そのまま。駅の案内は伊賀鉄道オリジナルのものに変わったが、電車の中に掲示している路線図は近鉄と同じもの。

 合併して伊賀市になっても駅名はそのままの、上野市で乗り換え。伊賀上野行きは忍者の町らしく、「くノ一」塗装。上野市までの電車はそこそこ乗っていたが、この伊賀上野行きは2両に5人しか乗っていない(次の西大手で中学生を中心に10人ほど乗り、それなりの数字になったが)。1時間に3本ある近鉄と1時間に1本しかないJRとの違いか。

 伊賀上野からJRに乗り継ぐ。伊賀上野との接続は大阪方面を重視しているようで、20分以上待たされる。亀山でJR東海の電車に乗り換えるところまでは順調だったが、河曲駅-加佐登駅で床下から異常音を発したので急停止。床下及び線路の点検のため、15分ほど停まる。この遅れが響き、予定していた養老鉄道桑名14:43発の電車に間に合わず。次の大垣行きは1時間後。家に着くのも1時間遅くなる。伊賀上野の接続待ちによるロスが恨めしい。(続く)

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伊賀鉄道・養老鉄道訪問記(2)

 大和八木から宇治山田行きの急行(大和八木10:52発)に乗る。この急行は宇治山田行きなのだが、トイレはあるもののロングシート。転換クロスが主体の名古屋線に比べると待遇が悪い。並行路線の有無が影響しているのか?

 伊賀神戸でここまでの運賃を「ICOCA」で払う。しかし、伊賀鉄道のほうには改札はなく、発車ベルにせかされたこともあり(実際には、発車まで2、3分あった)、切符を買わないまま電車に乗る(結局、運賃は終点の伊賀上野でJRの駅員に払った)。

 伊賀鉄道はほとんどが無人駅。しかも、無人駅でもすべての扉が開くので、キセルはし放題だ(もちろん、やってはいけないが)。定期券と同じように、乗車券でも近鉄との連絡切符を発売したほうがいいだろう。伊賀上野散策用のフリー切符みたいなものを売ってもいいだろう。(続く)

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