ライドシェアが公共交通の利用者を奪う?

 インターネットのサービスを使って、複数人で車に相乗りするというライドシェアは、都市交通を解決するひとつの方法とされています。しかし、実際はそうではないようです。どういうことなのでしょうか?

 詳しいことはわかりませんが、地下鉄やバスといった公共交通機関の利用が減っているのです。ニューヨークの地下鉄利用者は2年連続で減り、ロンドンやパリでもそのような傾向があるというのです。

 この原因として挙げられているのが、ライドシェア。複数人で車に相乗りすることによって車の台数を減らすことが想定されていたのですが、実は逆で、公共交通機関の利用者を奪っているようなのです。どういう手段で行うのかわかりませんが、ライドシェアの台数を規制する動きもあるようです。また、当然ながら車が増えるということは環境にも悪影響を与えますし(一気に多くの人を運ぶ鉄道やバスのほうが、環境にとって優しい乗り物です)、ライドシェアが導入されてから交通事故の死亡者が増えているというデータもあります。

 日本では「白タク」行為とみなされる恐れがあるため、ライドシェアはほとんど行われていません。一部ではライドシェアの規制を撤廃することを強く望む声もありますが、現状を考えるとライドシェアは公共交通が望めない過疎地を除いては、進めないほうがよいでしょう。
(参考:日本経済新聞ホームぺージ https://www.nikkei.com/article/DGKKZO3736171005112018MM0000/、BUSINESS INSIDER JAPAN https://www.businessinsider.jp/post-178193)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

ヨーロッパの鉄道で客車が見直される?

 日本では新幹線に代表されるように電車が主流で、客車はめったにありません。ヨーロッパでもその傾向はあり、高速列車から近郊列車に至るまで加速性能や高速性能に優れている電車が増え、客車による列車を置き換えていきました。高速列車で客車で残るのはフランスのTGVぐらいです。

 ところがヨーロッパでは、客車が見直される傾向にあります。最高速度300キロが求められる高速列車や、都市近郊で頻繁な加減速が求められる近郊列車はともかく、最高速度が230キロ程度で良い在来線の列車については、電車ではなく客車にする動きがあります。オーストリアの夜行列車やチェコでそういう動きがあるようです。

 それではなぜ、客車を導入しようとしているのでしょうか? 客車のメリットは製造から維持に至るまでのコストが安いことで、需要に応じて1両単位での増結がしやすいことにあります。電車でも2編成を併結すればいいのですが、2倍になってしまうと供給が過剰になってしまい、食堂車などの人件費のスタッフも倍になってしまいます。また、客車なら1両単位で新車に置き換えることができます。従来の機関車や客車を一気に廃車にする必要もありません。

 もっとも、ヨーロッパの場合、先ほども書いたとおり、在来線でも200キロ以上出せます。ヨーロッパでは時速300キロの高速鉄道を求める動きはさほどありません。時速200キロ以上の在来線でも十分役目を果たせるのです。ごく一部を除いて最高速度が130キロ止まりの日本とは違います。時速200キロ以上の在来線とは、少し前に記事にした「中速鉄道」みたいなものです。お金をかけて新幹線をつくるか、そうでなければごく一部を除いて高速道路を走る車より遅い在来線しかない日本とは事情が違います。日本の場合は在来線が貧弱で、抜本的なスピードアップをするならば、新幹線をつくるしかありません。また在来線が貧弱なために客車では対応できません。
(参考:東洋経済ONLINE https://toyokeizai.net/articles/-/238550)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

ヤンゴンの環状鉄道に日本製のハイブリッドディーゼルカーが走る

 ミャンマーにはJRでかつて走っていた車両が走っていますが、新たに新車が走ることとなりました。

 新車が走るのはヤンゴンの環状鉄道。全長約46キロで、38も駅があります。時速20~25キロで、JRの中古車両が2時間50分かけてゆっくりと走ります。ミャンマー国鉄が日本政府の経済援助(円借款)を使って、日本製の6両編成のハイブリッドディーゼルカーを11編成購入します。ヤンゴンの環状鉄道は施設の修復と高度化を進めていて、そこに投入するのです。購入金額は約2億650万米ドルです。

 なお、乗客の乗り降りをスムーズにするために、ホームのかさ上げも行われます。改良後は時速60キロで走るようになり(駅も減らすようです)、1時間50分で一周します。電気事情が良くなれば、電気だけで走ることができるようになるようです。
(参考:MYANMAR JAPON ONLINE  https://myanmarjapon.com/newsdigest/2018/08/17-10706.php、朝日新聞ホームぺージ https://digital.asahi.com/articles/DA3S13667010.html?rm=150、MYANMAR EXPRESS http://myanmar-express.com/hybrid-train/)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

パリ・リヨン駅の駅弁販売に老舗駅弁会社も加わる

 2016年3月1日から5月26日までの間、JR東日本のグループ会社、日本レストランエンタプライズは、パリ・リヨン駅で駅弁を販売していました。その第二弾がこの秋、行われるのです。駅弁を販売するのは10月30日から11月30日の間。前回は日本レストランエンタプライズの駅弁のみを販売したのですが、今回は老舗駅弁会社5社が加わります。

 今回加わる5社は、株式会社花善(大館市)、株式会社斎藤松月堂(一関市)、株式会社日本ばし大増(東京都)、株式会社大船軒(鎌倉市)、株式会社淡路屋(神戸市)です。JR東日本エリア以外の淡路屋が選ばれたのは意外です。フランス産の食材を使用した駅弁、日本の味を盛り込んだ駅弁、今回のためにつくった限定駅弁など7種類の駅弁を販売します。「鶏めし弁当」(花善)、「ひっぱりだこ飯」(淡路屋)のように、日本で売っている駅弁を買うこともできます。
(参考:JR東日本ホームぺージ http://www.jreast.co.jp/press/2018/20180905.pdf)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

マレーシアの高速鉄道、中止? 延期?

 以前、マレーシアに高速鉄道をつくるという記事を書きましたが、その後どうなったのでしょうか?

 大きく流れが変わったのは、5月の政権交代に伴う、マハティール首相の就任。高速鉄道はクアラルンプールとシンガポールの間、約350キロを約90分で結ぶというもので、ナジブ前首相が推進し、2026年の開業を目標としていました。政権交代の直後、マハティール首相は多額の費用がかかることを理由に中止する方針を決め、シンガポールと協議をしていました。

 しかし、すでに用地買収が進み、多額の金額が出ています。また、中止になれば、マレーシアはシンガポールに多額の違約金を支払わなくてはならないようです。そこで、マレーシアとシンガポールは高速鉄道事業を中止にはせず、延期をすることで合意をしたようです。開業時期をどの程度遅らせるかは、今後協議します。

 もっとも、マレーシアの高速鉄道は、大部分がマレーシア国内を通り、シンガポールの部分はごくわずかです。それなのに、シンガポールの受ける経済的な利益は大きいと言われています。鉄道の整備は望ましいことですが、再び前に進むまでには時間がかかるようです。

(追記)
 9月5日、マレーシアとシンガポールは高速鉄道の着工を2020年5月まで延期することを合意しました。これに伴い、開業時期は2031年1月に延期されました。

 なお、マレーシアは延期したことにより、シンガポールに約12億円を支払います。2020年5月末までに着工できなければ、違約金はさらに増えます。
(参考:日本経済新聞ホームぺージ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3457894024082018NNE000/、朝日新聞9月6日朝刊 中部14版)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

JR北海道の割れにくい窓、マレーシアへ

 JR北海道の列車の窓は、ガラスでできているのではありません。割れにくいプラスティックの一種である、ポリカーボネートを使っています。強化ガラスの2倍のコストがかかりますが、200倍以上の強さがあります。重さも2/3ほどで、断熱性にも優れています。

 なぜ窓がポリカーボネートでできているのでしょうか? JRになってから(1990年代)、列車の高速化が進みました。そのころ、冬場には車両についた氷雪が落下し、その塊がバラストをはね上げたり、あるいは氷雪そのものが飛んだりして、列車の窓にぶつかり、ガラスを破損する事故が相次ぎました。そこで開発されたのがポリカーボネートで、2006年から導入を進めています。

 この割れにくいポリカーボネートが、熱帯の国、マレーシア国鉄でも採用されることになりました。マレーシアでは車両への投石による窓の破損が相次いでいて、割れにくい材質ということで、JR北海道のポリカーボネートに目を付けたのです。8月末から取替作業を始めます。
(参考:北海道新聞ホームぺージ https://www.hokkaido-np.co.jp/article/217787)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

中国、低評価の人は新幹線に乗ることができない

 日本ではお金さえちゃんと払えば新幹線に乗ることができますが、中国ではそうはいかないようです。

 実は、中国には社会信用システムというのがあり、この評価が低い人は一定期間、鉄道や航空機に乗ることができないのです。高速鉄道で喫煙をすれば180日間利用できないなどの制限があります。犯罪記録のほか、本人が買ったものや話した内容、これまでの活動内容も記録され、それが評価につながるようです。中国は2020年のシステム完成を目指していて、これまでに700万人近い人が処罰を受けたとも言われています。

 細かいことはよくわからないのですが、こうやって多くの国民を反抗させずに押さえつけているのでしょう。
(参考:レコードチャイナ http://www.recordchina.co.jp/b563415-s0-c30.html)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

海外向けの「Suica」

 列車の乗り降りなどによく使われているICカード。JR東日本の「Suica」はその代表例です。

 JR東日本はICカードのシステムを海外にも導入したいとしています。しかし、「Suica」のシステムをそのまま海外に持っていくのではありません。「Suica」のシステムは首都圏での混雑時でも対応できるよう、大量のデータを迅速にできるようにしています。確かに性能はいいのですが、逆に相手が求めるものよりも過剰性能で、コストがかさみます。ですから、海外向けには、読み取り速度などを落とすかたちで性能を下げ、コストを抑えたシステムを売り込みます。

 まずは、JR東日本の「Suica」が使えない地域において導入し、テストをしていきます。
(参考:「鉄道ファン」2018年7月号 交友社)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

靴が定期券

 世の中、変わった切符が発売されることがありますが、ベルリンの地下鉄では、靴が切符になっています。実は2018年1月に500足限定で発売されたものなのです。靴はアディダスなので、ちゃんとしたスニーカーです。ベルリン交通局の90周年を記念してつくられたもので、地下鉄のシートの柄と同じデザインです。

 この靴のどこが切符なのかと言えば、靴に年間乗車券である旨の縫い付けがされているのです。この靴を履けば(ベルリンの交通機関はほかのドイツ同様、信用乗車なので、改札機に読み取らせるなどの必要はありません)、ベルリン市内のあらゆる交通機関に、2018年の年末まで自由に乗ることができるのです。本来、1年間有効のフリー切符は1枚761ユーロ(約10万3000円)しますが、この靴は180ユーロ、約2万4000円です。1/4か1/5の値段で、しかも有名ブランドの靴がつくのです。当然ながら人気で、ベルリン市内の2か所のアディダスショップで発売されたのですが、発売日の1月16日の深夜1時の時点ですでに550人が並んでいました。一番早い人は3日前の13日に並び、氷点下の中、3泊4日を過ごしたそうです。

 もっとも、この靴を履いて地下鉄等に乗っている人は少ないようです。記念に取っておくか、オークションで売るかのどちらかのようで、オークションサイトでは1200ユーロになったとも言われています。
(参考:東洋経済ONLINE http://toyokeizai.net/articles/-/205955)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

イギリス、2040年にディーゼル列車廃止へ

 以前、イギリス政府が2040年(まで)にガソリン車の販売を全面的に禁止する方針であるという内容の記事を書きましたが、これには続きがあります。道路を走る車だけにはとどまらないのです。

 2040年までに禁止する車の中にはディーゼル車もあり、それを受けて、鉄道の世界でも、ディーゼルエンジンのみを搭載した列車を2040年までに廃止する方針です。環境にやさしいといわれる鉄道でも、列車の排ガスは1990年に比べて33%増加しています。これを減らすために、ディーゼル列車の廃止を打ち出したのです。

 現在、イギリスの列車の約29%がディーゼル車両といわれています。ディーゼル車両を減らすには、電化すればいいのですが、電化計画が中止されるところもあり、方針は一貫しているとは思えません。日立がつくっている、電化区間と非電化区間の両方を走ることができる車両に期待するとともに、水素を使った燃料電池で動く車両をイギリスで導入したいとも考えています。このほか、2021年には、イングランド北西部で電気式、ハイブリッド式の列車を導入する計画です。
(参考:NAA ASIA https://www.nna.jp/news/show/1725288)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

より以前の記事一覧