2018年ブルーリボン賞に35系、豪華寝台列車はすべて落選

 5月24日、鉄道友の会は2018年ブルーリボン賞・ローレル賞の発表を行いました。

 最優秀賞のブルーリボン賞(第61回)は「SLやまぐち号」用に旧型客車を最新技術で再現したJR西日本の35系客車、優秀賞のローレル賞(第58回)は3つありまして、JR東日本のE353系、東武の500系、鹿児島市交通局の7500形となりました。JR西日本の車両でブルーリボン賞に選ばれたのは何度かありますが、ここ近年はJR東日本やJR東海と組んだものばかりで(W7系、N700系、285系。このうちJR西日本が主体になったのは285系のみ)、単独で受賞するのは1998年の500系以来です。ローカル賞を含めても2002年のキハ187系以降、ありません。さて、35系はデビューしてすぐに乗りましたが、なかなかのものでそのときからブルーリボン賞にふさわしいと思えるものでした。C57やD51とともに、牽引される客車の立場から、SL列車の永続的な運行につながるという意味で評価される車両です。

 さて、2017年はいろいろな車両がデビューしました。その中に豪華寝台列車の「TRAIN SUITE 四季島」や「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」もありましたが、どちらも落選してしまいました。少し前にデビューした「ななつ星in九州」もブルーリボン賞等には縁がありません。あまりにも敷居が高すぎて鉄道ファンには手が届かず、最初から評価の対象に入れていないのでしょうか? 乗るのに数十万から百万もするようでは、少々の努力では無理で、別世界のものなのでしょう。
(参考:鉄道友の会ホームぺージ http://www.jrc.gr.jp/files/BLpress_2018_x3-1.pdf、http://www.jrc.gr.jp/files/BL_list_17.pdf)

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熊本市電、通町筋電停を拡張

 熊本市電で一番乗降客が多いのは、通町筋。1日平均7400人います。しかも、停留所は小さいです。幅1メートルと狭く、利用客の多い時間帯では乗客が停留所からはみ出してしまいます。車がひっきりなしに通るその横で、路面電車を待つことになります。

 そこで熊本市は通町筋電停付近の改良を行うことにしました。もともと2016年度に終わる予定でしたが、熊本地震などの影響で遅くなったのです。停留所の長さを21メートルから30メートルに延長し、幅も車椅子が回転できるように1.5メートルに広げます。バリアフリーにも対応していて、通町筋が11か所目です(バリアフリー対応工事は2009年度から始まっています)。路面電車が走る県道も若干拡幅しますが(1車線で最大20センチ)、路肩を狭めるなどの方法で対処するため、歩道もほとんど狭くなりません。工事はバスの通らない深夜から早朝にかけて行い、年内に完成させます。事業費は約1.85億円です。
(参考:Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180509-00000006-rkkv-l43、熊本日日新聞ホームぺージ https://this.kiji.is/367189583206712417?c=92619697908483575)

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路面電車、岡山駅東口広場に乗り入れへ

 以前にも岡山駅東口広場への路面電車乗り入れについて記事にしましたが、その続報です。

 おさらいですが、岡山の路面電車、岡山電気軌道の岡山駅前は駅から約180メートル離れていて、JRから路面電車に乗り換えようと思ったら、地下道を通るか横断歩道を2回渡らないといけません。結構不便です。そこで岡山市は以前から路面電車の駅前乗り入れについて検討してきましたが、いろいろある方法のうち、軌道をそのまま伸ばす「平面方式」を採ることに決定しました。2015年のことです。路面電車の延伸については、軌道が駅前の交差点を横切ることによる渋滞が懸念されますが、東大の行った交通シミュレーションによれば、そういう心配はないようです。岡山市の計画では、軌道を駅のほうに約100メートル伸ばして、東口広場にホーム3か所を備えた停留所をつくります。駅からの距離が約40メートルに縮まります。駅前と名乗るにふさわしい停留所になります。

 岡山市には、ほかの路面電車延伸プランもあります。岡山電気軌道には東山線、清輝橋線の2線がありますが、それを繋げて環状化する計画もあります。東山線と清輝橋線の間には、2022年度に開館する予定の新市民会館があり、それも延伸計画に影響しているようです。
(参考:毎日jp https://mainichi.jp/articles/20180402/ddl/k33/010/298000c)

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両備ホールディングスのストライキは集改札ストに

 以前に記事にした両備バス等のストライキ。26日、27日に行う予定でした。

 しかし、会社側との交渉により、2年間は既存の路線を維持し、3年間は賃下げを行わず、八晃運輸の競合路線の認可取り消しに向けて行動を続けるという回答を得たため、労働組合側は方針を変更しました。

 新しいストは集改札スト。バスや路面電車は通常通り運行を続けますが、26日は八晃運輸と競合する西大寺線において13~14時の間、そして27日は西大寺線に加えて路面電車において終日、集改札ストを行います。運賃箱に覆いをして、乗客から運賃を徴収しないようにします。八晃運輸は安い運賃でバスを走らせようとしていますが、その初日に無賃で対抗するのです。これほどの「手荒い」歓迎もないでしょう。安い運賃も無料には負けます。

 もっとも、八晃運輸のバスをつぶすのが最終目的ではありません。本来は行政が前面に立ち、路線バスのありかたについて議論すべきなのですが、前日の的外れのコメントから見てもわかるとおり、肝心の岡山市が両備バスに冷たいところがあるので、行司役には不適切なのが残念なところです。
(参考:山陽新聞digital http://www.sanyonews.jp/article/705052/1/、毎日jp https://mainichi.jp/articles/20180426/ddl/k33/020/454000c)

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両備バス等、4月下旬にストライキを決行か?

 両備バスは今月下旬に3回にわたって、ストライキを行う予定です。明日4月23日が西大寺線において13~15時の予定で行います。26日も西大寺線において13~16時の予定で行います。そして27日は高速バス、貸切バスを除く全線において、終日行う予定です。27日は同じグループの岡山電気軌道(鉄道、バス)もリムジンバス、貸切バスを除く全線でストライキを行う予定です(ただし、岡山電気軌道は少数派の組合もあり、その少数派の組合員によって運行を行う可能性もあります)。

 それではなぜ、両備バスはストライキを行うのでしょうか? 現在、両備バスが運行している西大寺線は看板路線ですが、そこに八晃運輸が参入します。4月27日に運行を始めます。全路線バスでストライキを行う日です。こうなると、両備バスは大打撃を受けます。年間約1.64億円の減収が見込まれます。会社の業績が悪くなると、従業員の給料も下がり、最悪の場合は、収支改善のために赤字路線の廃止に手を付けなくてはいけません。こうなると、雇用も危なくなるとしています(バス運転士が不足していることから、路線バスを廃止しても仕事は充分あるでしょうし、運転士を高速バスに配置換えすることもできそうですが、それについては突っ込まないことにします)。このような事態を回避するために、両備バス労働組合はストライキを行うこととし、八晃運輸の参入を許した行政に対しても抗議をするというのです。

 「給料を増やせ、休みを増やせ」と主張してストライキを行うのは理解できますが、ライバル会社の新規参入に反対するストライキは奇妙なところがあります。ある意味、経営者側と馴れ合いのストライキでしょう。ただ、この問題の根本は、八晃運輸の参入を許した行政の判断が適切だったかというものです。八晃運輸の参入に伴い両備バスの経営が悪化し、いったんは取り下げた廃止届を再び出すこともあり得ます。ひとまず行政サイドがしなければならないことは、八晃運輸の申請をいったん白紙にして、八晃運輸を含めて地域交通について協議することでしょう。

(追記)
 両備バスと岡山電気軌道の労働組合は5月5日以降にも全路線で終日のストライキを行う予定です。

 これに対して、岡山市長は労使での話し合いを求めていますが、肝心の原因は別のところにあるので、ピントがずれまくった話にしかなりません。
(参考:両備グループホームぺージ https://www.ryobi.gr.jp/news/4814/、毎日jp https://mainichi.jp/articles/20180421/ddl/k33/020/440000c、山陽新聞digital http://www.sanyonews.jp/article/704494/1/)

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広電もICカード利用者は「信用降車」可能に

 路面電車で難しいのは、どうやって確実に運賃を収受できるのか、ということ。そのため、乗車時あるいは降車時に運転士の脇を通るようにさせています。

 確かにこうすれば確実に運賃は収受できますが、どうしても停車時間はかかってしまいます。日本一の規模を誇る広電でもいろいろ試行錯誤を繰り返した結果、5月10日から超低床車「グリーンムーバーLEX」(1000形、全14両)限定で、ICカード利用者に限った「信用降車」を始めます。ICカードを持っている人なら、運転台扉横からだけではなく、入口扉からも降車することができるようになるのです。降りるために前に行かなくても済むのです。

 「信用降車」はすでに富山ライトレールでも行っていますが、広電には違った特徴があります。「Suica」、「ICOCA」などの交通系ICカードが使えるのです(3月に広電でも「Suica」等の交通系ICカードが使えるようになったため、ICカードの利用率は8割に達しました)。こちらなら、地元の人間でなくても、「信用降車」が体験できるのです。
(参考:広島電鉄ホームぺージ http://www.hiroden.co.jp/topics/2018/0416-greenmover.html、中国新聞ホームぺージ http://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=426274&comment_sub_id=0&category_id=112)

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日本初の低床車両、2019年夏に復活へ

 全国各地の路面電車で低床車両が見られるようになりましたが、その元祖は熊本市交通局の9700形。その最初の編成である1号車(2両編成)は1997年に導入されました。ドイツで量産された車両を熊本市交通局に合うようにしたものです。私もデビュー当初、熊本まで見に行きました。

 ところがこの1号車、電気系統が故障したようで、2012年から熊本市交通局の車庫で眠り続けていたのです。しかも、その原因は不明。肝心の製造元が他社に買収されたなどの理由で、故障の原因が解明できなかったのです。しかし、部品を取り換えたらまだ使えるようで、熊本市交通局は約1.5億円かけて部品を国産品に換えます。2019年夏の運行再開を目指します。

 熊本市交通局が約1.5億円かけて修理するのには、2019年に大きなイベントがあるからです。ラグビーのワールドカップや女子ハンドボール世界選手権があるからです。これらの大会に合わせて路面電車の輸送力を引き上げたいところですが、新車を導入することはできません。間に合わないのです。それもあって、1号車を復活させようとしているのです。
(参考:熊本日日新聞ホームぺージ https://this.kiji.is/354460738280129633)

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路面電車が国境をまたぐ

 日本で路面電車と言えば、ひとつの都市だけで完結するものが多く、隣りの市に行くのは少数派です。しかし陸続きのヨーロッパには、国境を越えるものもあります。

 みなさんも御存じの、路面電車で名高いフランスの街、ストラスブール。ドイツとの国境に面した街なのですが、ここの路面電車がライン川を渡って、ドイツのケールに乗り入れました。2017年4月のことです。延長は3.9キロ(そのうちドイツ部分は1.7キロ)、約115億円の建設費をかけました。ドイツ部分にかかった建設費は約55億円ですが、そのうちの約25億円はドイツ連邦政府が出しています。

 鉄道で国境を越えることすら、なかなかできないことですが、それを路面電車でするとは、島国に住んでいる私たちには想像もできないことです。
(参考:「鉄道ジャーナル」2017年5月号 鉄道ジャーナル社、「鉄道ジャーナル」2017年9月号 鉄道ジャーナル社)

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吉備線LRT化、JR西日本と岡山市、総社市が正式合意

 岡山と総社とを結ぶJR西日本の総社線は、日中は1時間に1、2本、朝のラッシュ時でも3本しか走っていません。中国地方の主要都市岡山を走る鉄道として、せっかくのポテンシャルを活かしていない状態です。

 その吉備線をLRT化するという話は2003年からありましたが、なかなか前に進みませんでした。しかし4日に、来島JR西日本社長、大森岡山市長、片岡総社市長がトップ会談を行い、吉備線のLRT化について合意しました。LRTへ転換にはこれから10年程度かかりますが、JR線のLRT化は、富山ライトレールに次いで全国2番目ということになります。

 LRT化によって運行本数は大幅に増えます。電化して3両編成の低床電車を12編成投入するのですが、朝のラッシュ時は現行1時間3本のところ、岡山-備中高松間は1時間に6本、備中高松-総社間は1時間に4本になります。日中も大幅に増便され、1時間に1、2本から3本になります。駅も7か所追加され、全部で17駅になります。追加する新駅の場所はこれから策定する基本計画で決まります。運賃(現行の岡山-総社間は410円)は2割程度上がるようです(現状と同じ1日1.1万人が利用すると仮定しています)。安いことに越したことはありませんが、利便性が大幅にアップすることを考えれば、文句は言えません。

 建設費は約240億円。内訳は車両基地などの地上設備が約135億円、車両代約36億円、新駅代が7駅合計で約25億円、道路拡幅などで約44億円です。JR西日本が約24%の約58億円、岡山市が約29%の約70億円、総社市が約9%の約21億円を負担します。残り38%はは国の補助を使います。年間約1億円程度かかる修繕費の半額を両市が負担します。運行は引き続きJR西日本が行い(吉備線の運賃が上がることを考えたら、どのような運営形態になるのでしょうか? 吉備線はJR西日本の路線網から外れて、単に列車の運転等をJR西日本がするということでしょうか?)、運行経費と修繕費の半額、約5.5億円を負担します。

 吉備線のLRTは、鉄道が走っていた線路を使うため、基本的には専用軌道を走ります。しかし、高架化の話もあった備前三門駅付近約1キロについては、路面電車のように道路を走るため、併用軌道となります。
(参考:山陽新聞digital http://www.sanyonews.jp/article/694120/1/、日本経済新聞ホームぺージ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28994790U8A400C1LC0000/、朝日新聞ホームぺージ https://www.asahi.com/articles/ASL433DB0L43PTIL009.html、産経WEST http://www.sankei.com/west/news/180404/wst1804040088-n1.html、https://www.sankei.com/region/news/180405/rgn1804050051-n1.html、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/local/okayama/news/20180404-OYTNT50284.html)

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とさでん交通、新型低床車導入&人手不足でバス減便&路面電車のクーラーに家庭用

 とさでん交通は、3月27日に新型低床車、「ハートラムⅡ」をデビューさせます。「ハートラムⅡ」は3車体2台車の連節車で、定員は71人(内座席28人)。16年ぶりの新車で、とさでん交通となってからは初めてです。同日にはダイヤ改正も行われます。

 ただ、明るい話ばかりではありません。バスは4月1日にダイヤ改正を行うのですが、高知市内を走る路線バスの19系統で、休日に49便を減便させます。なぜバスを減便させるのでしょうか? それは、利用者が減ったからではなく、バスの運転士が足らないのです。路線バス運行には193人必要なのですが、35.5人足らないというのです。とさでん交通は路線バスを何とか維持しようと、クルーズ船の寄港増などで貸切バスの需要が増えているにもかかわらず、運転士を路線バスに振り向けています。しかし、貴重な運転士を採算の取れる貸切バスから路線バスに振り向けていることから、2017年3月期には約4400万円、2018年3月期には10月までの7か月間で約3900万円の逸失利益が生じています。4月1日のダイヤ改正も始発を繰り下げ、最終を繰り上げることによって運転士の労働時間の短縮につなげるものです。まさしく運転士不足がダイヤに制約を与えているのです。

 話を再び路面電車に戻します。とさでん交通の路面電車の中には、家庭用のエアコンを載せているものもあります(家庭用の室外機が路面電車の屋根に目立つように置かれています)。車両が製造されたのが1950年代と古いので、鉄道用の冷房装置を載せることができません。しかし、高知は南国なので、冷房が必要です。そこで、家庭用のを載せることにしたのです。2017年11月からすでに実験を行っていて、暖房にも使用しました。今後、夏季にも使用し、良好な結果が得られれば、ほかの車両への導入も検討するとのことです。
(参考:とさでん交通ホームぺージ http://www.tosaden.co.jp/、railf.jp https://railf.jp/news/2018/02/13/110000.html、日本経済新聞ホームぺージ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26973260V10C18A2LA0000/、鉄道ホビダス http://rail.hobidas.com/rmn/archives/2018/02/ii_5.html、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/80020/)

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