トラック輸送の現場に迫る
日曜日の夜、NHKを見ていると、トラック輸送に関する番組(「トラック・列島3万キロ」)をやっていました。「追っかけ」と呼ばれる、荷主から時間厳守を要求される厳しい仕事です。渋滞などの理由があろうとも、時間に間に合わなければペナルティーを科されたり、場合によっては契約を打ち切られてしまうようです。時間に間に合わせるためには、途中休憩をしないのはもちろん、トイレさえ車内で運転しながら済ませることもあるそうです。
NHKの取材陣は、島原半島に本店を置く小さな運送会社のベテラン運転手に同乗して取材します。夜中の高速道路を80~90キロの高速で毎日走り続けます。決められた時間までに荷物を自分で降ろし、トラックターミナルで仮眠、また走り続けます。睡眠不足などでよく大きな事故を起こさないものだと感心しています。
この取材に応じてくれた島原の会社は、高速道路でのリミッター装着(この機械をつけることにより、時速90キロ以上で走ることはできないようになります)の義務化前に、90キロ以下で走るようにドライバーに義務付けるなど、良心的な会社といえます。しかし、価格競争の激化によって採算割れする状況が続き、経営はかなり苦しいです。
企業としては、できるだけ在庫を抱えずに、しかも欲しいときにはちゃんともってきてもらうのがベストです。今の物流は、トラックドライバーの身を削るような働きに支えられていると言えます。なんらかの拍子で物流がうまくいかなかったら、崩れてしまうもろい現状です。
トラックなしに物流を考えることはできません。しかし、東京-大阪間などのように需要が多い区間までトラックに頼る必要があるのでしょうか? こういうところこそ、大量輸送に優れている鉄道や船舶の出番です。事故の危険性も低く、環境の面でも優れています。トラックから鉄道や船舶に移行させるように誘導を図るべきではないでしょうか?
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Comments
こんにちは。
先日はトラックパックをいただきありがとうございました。
この番組、私も見てました。リミッター義務付けで「やったー、これで暴走トラックが居なくなるぞー」と思ってたのですが、代わりに休憩なしで走る方が増えるということで、結局高速道路は危ないままだということがよく分かりました。
ドライバーさんたちだって好きで飛ばしているわけじゃないんですよね。ムチャな要求をする荷主が居て、そこに連なっているのは「この荷物、明日の午前中には届きますよね~」と言いながら宅○便を出す私たちです。
#何はともあれ、こういう現実があるのに、数字だけ見て景気が良くなったという連中が居るから、ますます世の中がおかしくなっていくんですよね~
Posted by: Kinoppi☆ | 2004.07.22 07:05 AM
Kinoppi☆ さん、こんばんは。
* この番組、私も見てました。リミッター義務付けで
リミッターの取り付けによって、トラックの問題は解消されるばかりか、余計に労働条件が厳しくなるだけでしたね。
現状では、結局のところ、何も解決できないでしょう。
Posted by: たべちゃん | 2004.07.22 09:41 PM