そこまでして欲しい? 長崎新幹線
現在、東北新幹線八戸-新青森間などが着工されている整備新幹線。来年度からは、北海道新幹線新青森-新函館間、北陸新幹線富山-松任車両基地間、長崎新幹線武雄温泉-諫早間も着工される見込みです。このうち、長崎新幹線については、新幹線開業と同時に廃止になる長崎線の沿線自治体(鹿島市など)の反対があり、未だに着工の前提条件を満たさない状態です。
この機会を逃すと、次に着工区間が追加されるのは10年ぐらい後になってしまいます。そこで、鹿島市などの反対する自治体を抱えている佐賀県(佐賀県自身も、福岡に近いことから新幹線を造るメリットは薄く、あまり積極的になれない)に対し、いろいろな「アメ」を与えようとしています。JR九州は、新幹線開業とともに廃止される在来線(第三セクターとして運営)の赤字の一部を負担します。長崎県は、佐賀県の負担する建設費の一部を肩代わりします。そこまでして建設したいのはなぜでしょうか?
1997年10月に開業した長野新幹線など、すでに開業した整備新幹線はいずれも良好な経営成績を示し、今回着工が予想されている区間もそれなりの利用が見込めると考えられます。しかし、予算が限られている以上は、国の基軸となる区間からつくるべきで、東京と札幌を結ぶ北海道新幹線、東京と大阪を北陸経由で結ぶ北陸新幹線のほうが優先されます(もちろん、北海道新幹線や北陸新幹線も新函館や金沢止まりなら、話は変わりますが)。長崎にしか行くことのできない長崎新幹線を国のお金を入れて造る緊急性は低いでしょう。
(参考:Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041204-00000067-mai-bus_all)
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Comments
昨日の記事に追記します。
今回の追加着工で必要となる金額は、約1.16兆円。国や地方の予算やすでに開業した整備新幹線のリース料だけでは足りず、将来のリース料をあてにして3000億円を借金します。長崎新幹線をあきらめれば、ほとんど借りなくてもすむのです。
もちろん、整備新幹線は必要なものなので、予算を増やしてでも早期につくる必要があります。ただ、優先されるのは札幌まで行く北海道新幹線と大阪まで行く北陸新幹線です。長崎新幹線を造るより、北陸新幹線を福井に伸ばしたほうが全線開業に一歩近づきます。
予算が限られている以上、長崎新幹線の着工はひとまず見送ったほうが全体としてはよいのではないでしょうか?
Posted by: たべちゃん | 2004.12.05 12:25 PM