一澤帆布、お家騒動
京都には伝統工芸品だけではなく、日用品の分野においてもいいものはたくさんあります。「一澤帆布」のかばんもそのひとつ。私は使ったことはないのですが、見たところ良さそうなかばんです。その「一澤帆布」にお家騒動が起こっています。
相続で株式の2/3余りを取得した前会長の長男などが昨年12月に、前会長の三男(それまで社長でした)を解任し、新たに長男が代表取締役に就任しました。しかし、それまで実質的に経営していた三男側は、製造部門の従業員全員を「一澤帆布」の関連会社に転籍させ、従来と同じ工場で「一澤帆布」ブランドでのかばんの製造を継続していました。
ところが、長男側は、三男側が使っていた工場の明け渡しを求める裁判を起こし、京都地裁はそれを認めたため、三男側は期限の3月1日までに工場を明け渡さないといけないことになりました。三男側は、新たな工場を探して、新ブランドでかばんを作る意向です。つまり、当分の間は、かばんの製造はできないことになります。
ただ、長男側は、「『一澤帆布』に損害を与える」として、類似かばんの製造差し止めなどを求める法的手続きを行うようです。こうなったら、さらに泥沼化します。こんなお家騒動で、せっかくのものが消えてしまうとしたら残念ですね。
(参考:Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060225-00000033-mai-bus_all)
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Comments
* 三男側は、新たな工場を探して、新ブランドでかばんを作る意向です。
三男は、4月6日に、解任された一澤帆布工業本社の近くに、新たな店舗をオープンします。製造や販売のための会社もすでにあるようで、今後は商標登録を申請した、「信三郎帆布」(信三郎は三男の名前)のブランドを使うようです。
「一澤帆布」のかばんは、実質的に三男の新会社が引き継ぐことになりそうですが、まだまだもめそうですね。
(参考:Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060321-00000114-kyodo-bus_all)
Posted by: たべちゃん | 2006.03.21 10:59 PM
長男側は、三男側に対して、商標権侵害などによる損害賠償として、約13億円の支払いを求める訴えを京都地裁に起こしました。
どうやら専ら長男側が騒ぎを起こしているようです。泥沼状態はまだまだ続きそうですね。
(参考:中日新聞2月15日朝刊 12版)
Posted by: たべちゃん | 2007.02.18 08:53 PM
最高裁は23日、先代会長の遺言書を偽造だと認定した二審を支持し、三男側の勝訴が確定しました。
遺言についてはこれで確定しましたが、これで兄弟仲良く、というわけにはいかないでしょうね。最初から長男側が大人しくしておけばよかったのですが。長男が引き継いだ「一澤帆布」は評判が悪く、事実上ブランドは三男側に承継されていますから。
(参考:朝日新聞6月24日朝刊 14版)
Posted by: たべちゃん | 2009.06.26 05:35 AM