名古屋で2008年に「ロードプライシング」実験
都心には郊外からの車が集中し、深刻な渋滞を招いています。渋滞は経済活動に時間の損失の形で悪影響を与え、警察や消防車、救急車の活動にも制約を与えます。
その都心の混雑を解消させる方法として、「ロードプライシング」があります。都心にやってくる車から料金を取ることによって、都心への車の流入を防ぎます。渋滞がなくなれば、バスなどの公共交通機関もスムーズに走ることができ、環境の面でも効果があります。この「ロードプライシング」は、すでにロンドンやシンガポールで導入されています。日本では、これまで東京都などが導入に向けての検討を行ってきましたが、実際に行ったところはありませんでした。しかし、名古屋大学などに行政や民間企業が加わったグループは、2008年の秋に名古屋駅・栄地区で、国内初の「ロードプライシング」実験を行うことを目指しています。
「ロードプライシング」を行う際、課金される範囲内の商店からは、「(車で行くのにお金がかかるので)客が減る」などという反対意見が出ます。そこで、今回の実験では、範囲内の駐車場に停めたり、買い物をした場合は、実質的に課金を免除する方策を採ります。つまり、範囲内を通り抜けたり、違法駐車した車からのみお金を徴収します。この方法は、世界的に見ても初めてのことのようです。
また、課金方法も独特の方法を採ります。モニターに、あらかじめGPS機能のついた携帯電話を渡し、課金範囲内に入れば、その携帯電話の料金に含めて請求します。もっとも、今回は実験なので、実際にはお金を徴収されることはありません。
「ロードプライシング」は日本では始めてのことなので、まだ気付いていない問題点があるかもしれません。しかし、都市の機能を向上させるためには、必要以上の車の流入は防ぎたいところです。少し車が減るだけで、渋滞はかなり減るとも言われています。公共交通機関が充実しているところへの車の利用にはある程度のペナルティを課すことはやむをえないでしょう。
(参考:中日新聞11月17日朝刊 12版)
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