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北宇智、最後のスイッチバック(2)

 橋本から乗った電車は、105系の2両編成。いつの間にか、トイレがついている。もちろん、ワンマン列車なので、無人駅では前の車両しかドアは開かない(117系のように3両以上のものは、ワンマン列車でも全ての扉が開く)。暖房が効いていて、結構暑い。お尻が焼けてくる。

 五条の次が、今回のメインの駅、北宇智だ。北宇智は坂の途中に駅がある。それほどきつくない坂のように思えるが、蒸気機関車の時代はこれでも急坂だったのだろう。電車は、本線から外れたところでいったん停まってから、バックで駅に入る。駅が本線上にはないので、このようにしないと駅に入ることができないのだ。バックで駅に入るときは、運転士はわざわざ後の運転室に行かないといけない。スイッチバックが廃止されると、当然、このような時間のロスも解消できる。

 北宇智は小さい駅なのだが、なぜか駅員がいて、電車も全ての扉が開く。運転士をスイッチバックの運転に専念させるためなのか、スイッチバック廃止のために特別に駅員を置いているだけなのか? ふと本線を見ると、一部分だけバラストが新しくなっているところがある。もしかすると、あのあたりが新しい駅になるのかもしれない。

 次の駅が、近鉄吉野線と接続している吉野口。JR、近鉄ともに上下列車が同時に来る。接続は非常にいい。しかし、次の急行に乗っても近鉄名古屋駅に着くのは同じ時間なので、1本落とすことにする。

 吉野口は、奈良県唯一の駅弁発売駅。名物の「柿の葉寿し」を買おうかと思ったが、残念ながら売り切れであった。

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