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虚飾の学力テスト

 昨年4月、東京都足立区の公立小学校で学力テストが行われました。試験中、先生は児童の席を回ります。普通は、児童がカンニングをしないように監視するのが巡回の目的なのですが、そのときは違いました。間違っている児童の答案を指差して、誤りであることに気付かせる不正行為を行っていたのです。どうやら、この不正行為、校長先生からの指示だったようです。

 また、学力テストの試験問題は終わったら回収しないといけないのですが、2005年のテストの際、校長はその問題をメモし、児童に練習問題としてやらせていました(ちなみに、2006年のテスト問題は、9割が2005年の問題と同じでした。これは、出題者側の手抜きですね)。それらの「努力」の甲斐があって、昨年の学校別の順位は1位になりました。2005年は72位中44位でしたから、大躍進です。

 この事件の背景にあるのが、学校間の競争。足立区は、テストの順位を公表するとともに、公立なのに学校も自由に選択することができます。予算も成果によって配分が異なるようです。学力テストの結果は、校長先生の評価にも関わってきます。

 都会では、私立の学校が多く、優秀な児童は中学に入る段階で試験を受けます。東京ではそれがかなりの割合にのぼるようです。しかし、お金持ちの家の子ならともかく、貧しい家の子はそのようなことができません。貧しい家の子でもちゃんとした教育を受けることができるように、公立学校においても学力の向上に努めないといけません。しかし、虚飾の成績では、何の意味もありませんね。
(参考:東京新聞ホームページ http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2007070802030557.html)

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