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整備新幹線、新規着工か?(総論編)

 政府・与党は、14日開かれた整備新幹線検討委員会において、北海道新幹線新函館-札幌間などの未着工区間を建設するための財源を今年度末までに見つけるように努力することを合意しました。

 新規着工が予想される区間は、北海道新幹線新函館-札幌間のほかに、北陸新幹線金沢-敦賀間、長崎新幹線諫早-長崎間。これら3つの区間を全部つくると2兆円かかると言われています。

 もっとも、財源がないからといって新幹線をつくることができない、ということはありません。現状でも一般財源から毎年約700億円程度を使っています。これに地方負担分とすでに開業した整備新幹線の貸付料を加えると、年間約1500億円程度が使えることになります。今よりはペースが鈍りますが、できないことはないです。もちろん、建設に使えるお金が多いほうが好ましいのですが。

 昔のように鉄道が陸の王者だったころならともかく、自動車や飛行機に対抗できるスピードがない限り、鉄道は選ばれません。そのような優れた鉄道なら、おのずと人が集まります。大量に輸送できますので、環境にもやさしいです。鉄道の特性を発揮できるのは、新幹線のような高速鉄道か、大都市圏の通勤鉄道です。国の一般予算でも、道路特定財源でも使って、建設のスピードを上げていったほうがよいでしょう。整備新幹線の延長に応じて、すでに開業した整備新幹線の貸付料を見直すことも大切です。JRは強く反発していますが、整備新幹線の延長により、ほかの路線の収支もよくなりますから、値上げはやむをえないです。無理なのは、全線JR九州が運営する九州新幹線の利益を、JR西日本から貸付料の形で取ることぐらいです。

 話が長くなるので、新規着工(予定)区間ごとの評価については、後日書くことにします。
(参考:朝日新聞12月15日朝刊 14版)

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Comments

 整備新幹線ですが、国が投じている700億円のお金は、実はJR三社が、国から買い取った、過去の東海道・山陽・東北・上越の各新幹線施設買取費用(60年分割)のJR支払金の中から出ています。
 つまり、まわりめぐれば、現東海道・山陽・東北・上越の各新幹線利用者の運賃・特急料金の中から捻出されているのです。
 国鉄の借金のかなりの部分も、上越を除く各新幹線・青函トンネル建設・東京五方面複々線化も含む建設費用が、金利の高い財政投融資等の資金で造られたため、借金が莫大になったのが主要因だと、私は思います。
 まあ、東北新幹線や青函トンネルは開通までに10年以上はかかっていますので。
 鉄道利用人数が圧倒的に少ない(JR北海道より少ない密度の路線も多い)ヨーロッパでも、温暖化を防ぐということもあり、無利子で造ったり、道路税で建設しています。

 北陸でも、福井駅などいつ新幹線が来るかわからないのに、すでに駅建設予算をとっているのは、全く理解に苦しみます。このようなことを言っている政治家など、はっきり言って、選挙に落ちればいいと、私は思います。
 そんな予算があるなら、北陸線でも、京阪神地区の新快速運転区間でも、踏切をすべて撤去し、カーブを改良し、在来線の一部の駅を移設して、新快速の160km/h・サンダーバード200km/h運転を実現したほうが、在来線の廃止にもつながらず、2路線を維持しなくてもよく、在来線のほうが、乗り降りが簡単なので、多くの人が喜ぶのではないかと、私はいつも思います。

 東京~北海道区間なら現新幹線の延長でいいが、距離が短く利用者の少ない?長崎新幹線は、諫早湾の曲がりくねったカーブを、狭軌の新線付け替えで対処すれば、2路線も維持しなくて済むし、在来線の廃止問題も起こらず、さらにここは、交流電化区間なので、集電電流の問題も少ないので、狭軌でも連続200km/h位は、技術開発をすれば、問題なく出せるはずです。
 実際、白いかもめも、電動車比率を向上すれば、それぐらいの性能はあります。

 どうして政治家たちは、もっと現実に即した考えができないのでしょうね。
 北陸新幹線でも、予定の南越駅など現武生駅とは離れているし、福井での乗り換えなど理解に苦しむし、ほくほく線もあるのに、別に新幹線のルートも造っている。

 本来、スピードアップのことを考えれば、利用客が多い、敦賀~近江塩津間の改良(敦賀駅を高速で通過できるようにするのも含む)を、真っ先に優先するのが、筋だと思います。東京・大阪の都市部の電車の混雑も含めて、どうして国は、利用客の多い在来線の思い切った改良をしないのでしょうね。

 車の利用者の2割ぐらいでも、鉄道を利用すれば、都市部の道路の渋滞は、大幅に緩和できるとの話も聞きますし、JR東海に、もし借金がなければ、東海道新幹線の運賃など3分の1以下にできるのではないかと、私は思いますが。

 長文になりましたが、上の文面を見て、思わず日頃思っていることを、独断的に述べてしまいましたが、その点についてはご勘弁をお願いしたいと思います。 

Posted by: 鉄道をこよなく愛するものより | 2008.01.04 07:39 PM

>そんな予算があるなら、北陸線でも、京阪神地区の新快速運転区間でも、踏切をすべて撤去し、カーブを改良し、在来線の一部の駅を移設して、新快速の160km/h・サンダーバード200km/h運転を実現したほうが、在来線の廃止にもつながらず

このためには、在来線を全線高架化する必要があるが、その場合、建設コストは整備新幹線を作るのと同じ費用がかかる。
その割にはスピードアップ効果は200km止まり(実際は貨物や普通も一緒に走るから、それ以下)と費用対効果の低い事業になるでしょう。

Posted by: かにうさぎ | 2008.01.04 10:26 PM

 鉄道をこよなく愛するものより さん、こんばんは。

* 国鉄の借金のかなりの部分も、

 新幹線や通勤輸送のような必要な投資が国で賄われず、高利で借りないといけなかったのは痛かったですね。幹線鉄道の整備は公共の福祉にかないますから、国の予算を手当するべきでしょう。

* そんな予算があるなら、北陸線でも、

 一般論的に言えば、在来線の改良は必要ですね。詳しくは、かにうさぎさんへのコメントのところで述べさせていただきます。

* 本来、スピードアップのことを考えれば、利用客が多い、

 関西-北陸間の需要はもともと多いのですが、東京との利便性を向上させたいためでしょうか、放置されています。

 狭軌新幹線やフリーゲージで直通するならともかく、金沢や敦賀で乗り換えさせるのは、利用者の立場を軽視していますね。

* 車の利用者の2割ぐらいでも、鉄道を利用すれば、

 意外なように思われますが、その程度の車の減少で、渋滞は解消するのです。そして、車の利用者を減らすためには、鉄道の整備は欠かせないですね。道路特定財源を使うだけの価値はあります。

Posted by: たべちゃん | 2008.01.05 09:47 PM

 かにうさぎさん、こんばんは。

* このためには、在来線を全線高架化する必要があるが、

 在来線を新幹線並みに改良することは理想的で、望ましいことですが、新幹線並みにお金がかかってしまうのが難点ですね。

 いろいろ問題があるとはいえ、一足飛びに新幹線に走るのはやむをえないところでしょう。

Posted by: たべちゃん | 2008.01.05 09:50 PM

 別に、荒しで書くつもりではないですが、

 私の意見のひとつは、最新式の新幹線に対し、旧式のままとなっている、在来線の改良を念頭においていますが、日本の鉄道の最大の問題点は、世界に冠たる新幹線と、スピードと激しい混雑を呈している三流?なみの在来線に2極に分かれていることだと思います。

 確かにフル規格新幹線を造れば、スピードアップ効果は最大となりますが、予算も限られているなか、北陸新幹線など、距離の短い米原接続案でも、いつできるかわからない状態ですし、親不知の付近など、第三セクター化にも目処がつかないような現状では、在来線が最悪廃止されれば、泊などの地元の利用者など困ると思うし(実際このあたりでは、新幹線建設反対もあった)、迂回路線の機能や貨物列車もどうするのかと思います。
 
 20世紀には、湖西線など当時としては、高規格の鉄道を造った実績がありますが、造った当時は、160k運転の構想はまだなかったので、50kレールを使ったり、設定カントも低く、近江高島構内はR1000m・近江今津構内はR800mのカーブになっていたりと、130~140k程度の速度で、快適に走れるような設備で造られたようです。これがもとで、なかなか湖西線の160k化が進展しませんが。

 21世紀には、これをさらに改良し、この世紀にふさわしい鉄道として、在来幹線鉄道の準新幹線化を目指したほうが、実用に即していると考えただけでして、新線付け替え区間は、構造物の改良は困難を伴うので、将来のことも考え、新幹線規格で造ればよいと思っただけです。
 たとえば、山陰線の鳥取~益田あたりなら、ディゼルで単線でも、実験的に連続160k走行できれば、新幹線なみの効果があるでしょうし、人口を考えれば、こちらのほうが妥当ですし、鉄道を半立体程度にすればよいです。

 思い起こせば、東海道新幹線開業の頃は、当時の在来線の最高速度は110kで、湖西線もなだなく、試験で170k出したとはいっても、国鉄はよく頑張って新幹線を造ったものだと思います。
 その当時は、どう見積もっても、新幹線の実用最高速度は250kでしたし、その速度の試験中では、だ行動によりレールも変形し、脱線寸前だったのですから。
 現在では、安定して300kで走れているし、試験では東海が443kを出しました。平坦線でその速度を出したという意味では、世界最速だと断言できるでしょう。

 ですから、当時の国鉄の意気込みがあれば、現在では狭軌でも、構造物が対処できれば、最終的には270k程度まではいけるのではないか、と私は思いますし、それをできるようにするのが、技術開発だと思います。
 その程度の速度までいけば、普通・貨物と混在してもサンダバードは相当に速くなるはずです。

 一足飛びに新幹線でもよいですが、現状のようなバラマキ予算では、いつ完成するかわからないし、新幹線区間の距離も短いので、新幹線から在来線への乗り換え時間で相殺されてしますのが、関の山でしょう。
 しかも在来線の改良は、線形の悪いところから改良できるというメリットがあり、単年度予算でも少しずつ改良できます。こちらのほうが普通・快速等もスピードアップし、メリットが大きいのではと、私は考えました。

 今後は、ガソリンの大幅高騰・地球温暖化・高齢化等を考えても、遠距離利用者のみの新幹線よりも、気軽に利用でき町の中心に駅がある在来線も、廃止するのは、デメリットが多すぎると思います。現在では鉄道よりも、バス路線の廃止のほうが、地方では大きな問題となっていますが、
北陸在来線の廃止も今までのローカル地区とは違い、大きな社会問題化するに違いありません。

 鉄道総研では、ミニ新幹線も含むデメリットの問題の大きい、この問題を解決するため、町外れの区間は、在来線はフル新幹線上に乗り入れ、途中で分岐して、取り付け線を経て、街中の駅に乗り入れるような研究をしているそうで、普通等がその駅にいっている間に新幹線が追い抜く、といったことも考えているようです。

 実際、新快速の敦賀延長(将来はその先の延伸も?)は、地元分の新幹線建設予算出費も含め、新幹線は不要だという、地元の意志表示だとの噂がもっぱらで、実際新快速が通過運転により、特急なみに走れば、敦賀以南は新幹線など不要でしょう。
 まあこの区間は新快速の各停運転も合わせ、大増発されましたし、乗客も結構乗っているみたいです。

 

Posted by: 鉄道をこよなく愛するものより | 2008.01.06 11:25 AM

 鉄道をこよなく愛するものより さん、長文のコメント、お疲れさまでした。

* 日本の鉄道の最大の問題点は、世界に冠たる新幹線と、スピードと激しい混雑を呈している三流?なみの在来線に

 私も、在来線が改良されないでいいとは思っていません。新幹線も、在来線もともに整備されるのが理想です。

 ただ、在来線の整備もお金がかかります。新幹線並みの在来線をつくれば、お金は新幹線並みにかかってしまいます。貨物の走行を考慮すれば、その分も上がってしまいます。

 本当につくるなら、運賃に上乗せして、鉄道用の特定財源を作らないといけないですね。

* 今後は、ガソリンの大幅高騰・

 ただ、大都市圏を除き、普通列車ではやっていけないのが現状です。ローカル私鉄のように、補助金をもらうことが許容され、しかも運賃を2倍ぐらいにしないといけないでしょう。株式を公開している会社もあるJRとしては、できない相談です。

 JRの立場としては、新幹線や特急を重視した経営をせざるを得ませんね。

* 北陸在来線の廃止も今までのローカル地区とは違い、

 特急のなくなった並行在来線は、旅客の面だけで見れば価値の低い路線となります。しかし、貨物から見ると依然として重要な路線です。並行在来線はそこが問題です。

 新幹線を要望した以上は、並行在来線の維持は地方自治体の義務ですね。簡単に廃止にしてはいけません。

Posted by: たべちゃん | 2008.01.06 10:34 PM

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