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飲酒運転で3人殺してたったの懲役7年半

 2006年8月に福岡で起きた飲酒運転による事故で、3人の幼い命が奪われました。今日、その裁判が福岡地裁で行われましたが、その罪の内容は軽いものでした。検察側の求めた危険運転致死傷罪は認められず、ただの業務上過失致死傷罪で懲役7年6月という判決でした。

 裁判の事実認定で、飲酒の事実がなかったのならやむをえない判決でしょう。しかし、実際は事実認定においても飲酒の事実は認められています。ただ、(1)その量がそれほど多くはなかった(前方の車に衝突した後、その現場を逃げて、しかも大量の水を飲んだ影響があります)こと (2)前方の車に衝突する以前、狭い道を通ったのですが、そこでは事故を起こしていないこと (3)事故の直接の原因は、高速でわき見運転をしていたこと より、危険運転致死傷罪を採用しなかったのです。

 車を運転する者なら、飲酒運転は危ないということは常識です。それだからこそ、被告も現場を逃げて、水をがぶ飲みしたのです。この事故が危険運転致死傷罪に当たらないとしたなら、一体どういう事故が対象になるのでしょうか?

 確かに危険運転致死傷罪は、制定されてから歴史が浅く、あまり判例はありません。この法律の制定前なら、業務上過失致死傷罪が適用されるでしょうから、昔に比べるとかなり罪は重くなったのかもしれません。しかし、過去の量刑の相場にとらわれていれば、時代が求めている判決は出ないでしょう。酒のせいなら許される時代ではないのです。
(参考:テレビ朝日系列「報道ステーション」 1月8日放映)

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Comments

こんばんは、たべちゃん

危険運転致死傷罪のハードルの高さには驚きです。
あまりにハードルの高さに、どの犯罪も適用できません。
これでは何のために法律を作ったのかと疑問ばかりが残ります。
そして、今回のように3人も人を死なせて置いて
たったの7年余では。
しかも被告は工作をしてますよね。
飲酒運転撲滅キャンペーンは、何のためなのか
時代は何を求めているのか、裁判官は深く考えて
判決を出してもらいたいです。

Posted by: まるこ姫 | 2008.01.17 09:23 PM

 まるこ姫さん、こんばんは。

* 危険運転致死傷罪のハードルの高さには驚きです。

 一体どうやったら、この「ハードル」を越えることができるのでしょうか?

* 飲酒運転撲滅キャンペーンは、何のためなのか

 昔なら酒によることは大目に見てもらえたかもしれませんが、今はそうではありません。

 物価が変わるように、刑罰(罪の価格?)も変わっていくのです。

Posted by: たべちゃん | 2008.01.17 11:05 PM

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