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維持した暫定税率の使い道

 今年3月で暫定税率が切れる揮発油税等。暫定税率が切れてしまうと、道路建設にかかる費用を捻出できなくなります。そこで、政府・与党は何とか切れ目なく暫定税率を維持しようとして、一時は「つなぎ(ブリッジ)法案」なる奇策も飛び出しました(後に取り下げ)。

 もちろん、道路が整備されるのは悪いことではありませんが、問題はその程度。全国各地にたくさんの道路を造ろうとしています。例えば高規格道路(高速道路、自動車専用道路など)を例に挙げれば、全国のほぼ全ての市町村から1時間以内に高速道路のインターチェンジに到達することができるよう、14000キロの高規格道路を造る計画があります。この計画は20年前に作られ、約2/3の区間が完成しています。

 未完成区間で、かつこれまで具体的な建設計画がなかったのは約2900キロありました。これらの区間は需要が小さいので、採算が取れないと言われていました。しかし、これらの区間も、政府が昨年末に決定した道路整備中期計画(2008年度からの10年間で行う)に盛り込まれたのです。採算性については、国交省が必要性の再評価を行い、全てが妥当だと判断したのです。 

 高速道路は基本的には通行料金から賄われ、道路特定財源を直接使うことは少ないですが、だからといって問題がないとは限りません。ローカル高速道路の赤字穴埋めには東名や名神などの幹線高速道路の黒字が使われますし、税金でつくられる区間(「新直轄方式」)もあります。

 必要な道路はつくってもいいのですが、そうでないものは見直して、必要性の薄いものは削るようにしないといけないでしょう。そうでないと、いくらお金があっても足りません。
(参考:朝日新聞1月30日朝刊 14版)

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Comments

都心に住んでいる人間の考えですね。
あと、観点が旅客しかない。
物流の主流はなんでしょうね?

もし真剣に考えるのであれば、土木学会で論文等を閲覧することをおすすめします。

インフラに関することなのに、政治かもマスコミも土木からの観点がないのが不思議です。

Posted by: ちぃ | 2008.03.12 10:48 AM

 ちぃさん、こんばんは。

* 物流の主流はなんでしょうね?

 貨物についていえば、積み替えが旅客に比べて難しい(貨物は勝手に歩いてくれない)という問題はありますが、それでもトラックに頼らないといけないわけではありません。

 小回りの利く短距離はトラックで賄い、長距離は鉄道や海運で担当させるように持っていくのが望ましいでしょう。

Posted by: たべちゃん | 2008.03.13 10:44 PM

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